えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

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宝塚歌劇雪組公演 初日囲み


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 宝塚歌劇雪組公演『ソルフェリーノの夜明け−アンリー・デュナンの生涯−』『Carnevale  睡夢−水面に浮かぶ風景−』が3月26日、東京宝塚劇場で開幕した。

『ソルフェリーノの夜明け−アンリー・デュナンの生涯−』(作・演出/植田紳爾)は、赤十字創始者であるスイス人実業家アンリー・デュナンが、1859年のイタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノの惨状を目にして、「苦しんでいる人は敵味方の区別なく救わなければならない」と提唱し、その信念を具体化していくまでの出来事を描いている。デュナンには水夏希が扮し、この公演で退団となる二番手スターの彩吹真央が、現地で活動する医師に扮し、愛原実花はその恋人の看護婦。また専科から汝鳥怜、未沙のえるがオーストリアの将軍、酔っぱらいの医師で出演している。

『Carnevale 睡夢−水面に浮かぶ風景−』(作・演出/稲葉太地)は、10日間繰り広げられる水の都ヴェネツィアのカルネヴァーレ(謝肉祭)を題材に、仮装や仮面で彩られた賑やかで明るい祭りの風景と、その祭りが終わる寂しさを劇場空間に表現している。

初日を控えた26日の午前中の通し舞台稽古では、2作品が上演され、本番と同様に熱の入った舞台が演じられた。
芝居では、傷病兵に扮した男役たちの痛々しさ、それを助けようと働く彩吹の医師と娘役のナースたちのヒューマンな姿勢、またエピローグでのアンリーの水夏希とイタリア軍師団長の未来優希(今回で退団)の「戦争と命と神」に関する問答などが強く印象に残る。

ショーは全員参加型のような賑やかな場面と幻想的なシーンが交互に織り込まれ、トップの水・愛原にはダンスで、退団する彩吹や未来には歌で、同じく退団する娘役、神麗華と大月さゆにもそれぞれ見せ場が作られている。とくに終盤の終曲から灰の水曜日に至る流れは、退団者との別れの切なさが感じられる演出となっている。

初日午前中に行われた舞台稽古のあと、水夏希と愛原実花が囲み会見に応じた。場所となったのは2階のロビーで、階段のそばには「赤十字創設者アンリー・デュナン」に関するパネルが置かれている。その前にプロローグの衣装の水夏希と愛原実花が立って、まず挨拶する。

 

【挨拶と一問一答】

_MG_1635水「皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。雪組の水夏希です。1カ月という短い期間ではありますけれども、日々の1つ1つの退団者との出来事とか、スタッフのかたがたやお客様との出来事、すべて糧にして、日々成長のある舞台をつとめていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」

愛原「皆様本日はありがとうございました。私も1日1日を大切に千秋楽まで成長していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」

ーーかなりヘヴィなお芝居と盛り沢山なショーですが、お二人からの見どころは?

_MG_0408水「本当に植田(紳爾)先生もおっしゃってましたけど、宝塚らしくないというか、きれいな場面が1つも、プロローグ以外はなくて、お衣装も着のみ着のままという形ですけども。そのぶん、なんていうんでしょうか、150年も前にデュナンが発案した思いが、こうして繋がっている、その根本にあるエネルギーみたいなものを伝えられたらいいなと思いますし。今、いろいろな事件が起こったりして世の中に暗い部分もありますけど、そういうなかでご覧になったかたがたが、少しでも小さな事にでも振り返る機会になったらいいなという気持ちを込めておりますので。ご覧のなったかたがたにいろいろな気づきのある、おこがましい言い方ですけど、そういう気づきのある作品になったらいいと思っています。ショーのほうは稲葉先生のデビュー作ということで、先生の思いがいっぱい詰まった作品ですので、その思いを私たちが受けて、お芝居とは打って変わって、カラフルに、華やかで楽しいショーになってますので、二本立てを大いに楽しんでいただきたいと思っています」

愛原「水さん演じられるアンリー・デュナンに影響されてアンリエットが成長していくさまを、東京ではさらにブラッシュアップしてクリアに演じられたらいいなと思います。組を支えて引っ張っていらっしゃる水さんが、アンリー・デュナンのカリスマ性とかみんなに影響を与える影響力にすごくリンクして、私自身日々すごく発見がありますので、今日からがんばっていきたいと思います。ショーはすごく挑戦があって、まだまだ課題がいっぱいなんですけど、東京のお客様にも楽しんでいただけるようがんばっていきたいと思っています」

ーー彩吹真央さんの退団に関してですが、宝塚大劇場で送り出されて、こちらで最後の公演を迎える今の気持ちと、ご自身が退団発表をされて、あと半年ということになった今、1作1作への思いを。_MG_1629

水「そうですね、ゆみこ(彩吹)に限らず自分にすごく近い学年だったりとか、関わりの深い人たち、そして雪組の戦力である4名が退団するので、そういう意味ではもちろん不安とか寂しい気持ちはたくさんありますけど、マイナスなことを考えると、どんどん寂しくなりますし暗くなるし悲しくなるので、そうじゃなくて今一緒にいられる時間を大切に、今までより以上に、ゆみこたちはあと1か月ですし、私自身あと半年、出来る限り最大限のところを目指して、がんばっていきたいなと。退団発表してもそこがゴールではなく、最後の最後まで一歩一歩、半歩でも成長していけるようなそんな時間を過ごしていきたいと、今月の1か月もそうですし、あと半年もそのように過ごしていきたいと思っています」

ーー大劇場のサヨナラショーのあとの挨拶など、感極まった場面もあったようですが。

水「そうですね……。どこかで送り出すものとして、やっぱりみんなが寂しい思いをしてるなかで、私が泣いてはいけないという思いもすごくありましたし、自分がしっかりと、残されたみんなと私とで、これからも雪組をますます活気ある組にしていかなければならないと思っていたので、どこか気丈にがんばってた部分があったんだと思うんですけど。でも、袴姿を、ピンスポットを浴びて挨拶してる、みたいな姿を見て……。本人たちも言ってましたけど、なんか現実味を帯びない部分があったんですが、“千秋楽にやっと自分が姿を整えたところで実感した”と言ってたみたいに、私も実感した部分がありまして……送ってきたんですけど、まだ東京もありますし、しっかり最後の最後まで、みんなで力を合わせて、悔いのない宝塚生活を最後まで送ってもらいたいと。力の限り私たちも、裏では皆さんのようにカメラマンになって撮りまくってるんですけど(笑)、最後までしっかり支えていきたいなと思っております」

そのあと、写真撮影があり、水が「千秋楽まで、どうかよろしくお願いいたします」と笑顔で一礼、2人は初日の楽屋に戻って行った。

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宝塚歌劇雪組公演

『ソルフェリーノの夜明け−アンリー・デュナンの生涯−』

『Carnevale 睡夢−水面に浮かぶ風景−』

●3/26〜4/25◎東京宝塚劇場

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

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(演劇ぶっくのほうに見にくいとご連絡があったとのことですが、
専門の者がもっと見やすく直しますまで、しばらくお待ちください)

【取材・文/榊原和子】

城咲あいインタビュー

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昨年12月末で宝塚を退団した元月組娘役の城咲あいが、3月28日にディナーコンサートを東京で開く。

歌、ダンス、芝居とキャリアを深めていた娘役だけに、その退団を惜しむファンは多かったが、意外に早く再会の機会が訪れた。
今回の演出は宝塚歌劇団の演出家である鈴木圭、振付にはKAZUMI-BOYやAYAKOと、現役時代から縁のあるスタッフの顔が並んでいる。
そんなコンサートの稽古に熱が入る城咲あいに、内容や企画意図などを聞いた。

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【自分のコンサートを】

ーー今回のディナーコンサートという形は珍しいですね。

あまり使わない言葉なのですが、普通のディナーショーよりコンサートっぽい感じでやりたいなと思ったので。呼びかたもですが、内容についても自分のやりたいことを、できるだけ反映したいなと思っているんです。

ーー傾向としてはどんなものに?

まず私が歌いたいものや踊りたいもの、在団中の曲もどうしようかなと思ったのですが、やはり宝塚の曲やミュージカルの曲は、皆さんに喜んでいただけると思いますし、海外のミュージカルに関しては、出演したものも、やりたかったもの、いろいろ選んでみました。

ーーダンスもあるんですね?

そうなんです。ディナーショーってあまり踊ることは少ないんですが、私はどうしても踊りたくて、そのスペースも取りました。バックダンサーのかたもすごく踊れるかたが揃ってくださってます。負けないようにがんばらないと(笑)。

ーー退団してすぐに動き出したのは、やはり今後もこういう活動をしていこうと?

いえ、本当はちょっとのんびりして、2、3年したら結婚してしまおうかなとか(笑)思ってたんです。でも、やはり1度は自分のディナーショーがやりたかったことと、在団中に知り合ったミュージシャンの方とか、こういう仕事をしている仲間たちと「いつか一緒に仕事したいね」と話し合ったりしたことがあって。でも卒業するまで忙しかったし、具体的には考えていなかったんですが、たまたま卒業して3日後くらいに「やらない?」みたいな話が持ち上がってきて。私もこれからを考えるいい機会になるから、思い切って動き出してみようかなと。それと個人的には、私の姉がこの4月から海外暮らしになるので、ぜひその前に観せてあげたいと思いまして、それで急に3月末までにやろうということになったんです。

ーー会場確保とかたいへんだったのでは?DSCF2085

そうなんです。電話も自分たちでかけて、幸い今回の会場が取れたんですけど、今度は出演してくださる人たちのスケジュールがいっぱいで、途中で一度諦めかけたんです。でもここでやめたらおしまいだなと。私としては、やはりちゃんと区切りではないけど、在団中に応援してくださった皆様への感謝の気持ちと、それに自分の夢を実現するという意味でもやらなきゃダメだ、って思ったんです。

 

【夢を叶えるために】

ーー夢の実現ということですね。

宝塚時代から思ってたことなんですけど、夢って叶うときもあるし、または何かあって叶わないこともある。でも叶うか叶わないかではなくて、その夢をめざしてどう進んでいくかが大事だって。それから、在団中に叶った夢もあったし叶わなかった夢もあった。叶わなかった夢は、振り返ってみると、全力を尽くしたかというと、どこかで待ってた気持ちもあったんじゃないかなって思うんです。だから今回は、それではいけないなって。待ってて誰かが代わりにやってくれるわけではないから、自分でやらないとダメだと。

ーーそこで動き出した?

たった3ヶ月しかなかったので、かなり無理な状態だったんですが、でもどんな形でもいいからやろうと思いました。これが自分の第二の人生のスタートになるわけだから、やりたいと思ったことを形にできなかったら、私は進んでいけないだろうなって。そしたら奇跡的に、ミュージシャンの方たちもダンサーの方たちもちょうど28日は空いてて。でもその1日だけしか皆が揃わないので、せっかくたくさんの方に観ていただきたいんですけど、たった1回だけしかできないんです。

ーー話を聞いていると、その1回だけでもよく作れたという感じですね。

本当に皆さんのおかげなんです。演出の鈴木先生にはもちろん最初から助けていただいてますし、ダンサーの皆さんは練習の時間をむりに空けてくださって、本当にありがたいなと思ってます。作曲家の方も徹夜で曲を書いてくださって、それをすぐにパソコンで送るとKAZUMI-BOY先生が新幹線のなかで振りを考えてくださったりとか、考えられないようなことを皆さんがしてくださってます。

ーーそれをしてもらえる城咲さんもすごいですよ。

本当に有り難いなと思ってます。皆さんのためにも絶対にいいものにしたいし「自分たちも楽しみながら成功させたいね、お祭りだね」って言ってるんです。

DSCF2079ーーそういうふうになりふりかまわず頑張るところは、宝塚時代からあったみたいですね。

なんでも時間がかかるほうなんです。必死でやらないと見せられるものにならないから(笑)。それに意外と恐がりで躊躇するし。役とか歌とか、私に合うかなとか、合わないんじゃないかなとか、けっこう悩むほうなんです。できたら冒険心とかほしいし、変わりたいですね。今回、一流の方たちとできることで、少しは自信がついて変われるかなと思ってるんですけど。

 

【アイが大きくなるように】

ーー10年いた宝塚は、離れるとき寂しくなかったですか?

寂しくなかったです。本当に充実した10年だったし、これからもみんなとは会えるからと思っていたので。最後の舞台で「ああ、私はもうここに立たないんだな」と思ったけど、それは寂しいというより「よく10年ここでやってきたな」という思いでした。だから、ここの景色を目に焼きつけようとか思う前に、忘れないんですよ焼きついてるから。そこにいるのが日常になってましたから。
辞めると決めてからは、本当にいろいろな方たちに助けていただいたなと改めて思ったし、有り難かったし、そういうことを実感として受け止めて、毎日が本当に幸せでした。あんな幸せな感覚で卒業できると思ってなかった。本当に充実した宝塚生活でした。

ーーちゃんと宝塚の中で生ききったと。

やりきったなと自分では思ってます。私の人生の一番の夢は宝塚だったし、そこで生きることしか考えてなかったので、そこでちゃんと生きられたのはよかったなと思っています。

ーーこれから進む方向を考えるとしたら?

今はこのディナーコンサートのことで一杯で、次のことは全然考えられないんですけど、もしかしたら、これを終わったときに、また次の何かを見つけられるような気がしてるんです。とにかく今は、このコンサートを楽しみたいです。タイトルのI(アイ)には二乗の2がついてるんですが、二度目の人生ではないけど、そこにいろんな意味がこめられていて、名前の「あい」「愛」「私」、どのアイもどんどん大きくなれるようにという意味なので、せいいっぱいがんばります。

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城咲あいディナー・コンサート

『12  アイ・スクエア』

構成・演出◇鈴木圭

出演◇城咲あい 1orchestra 他

●3月28日 17:30 食事 19:00開演◎グランドプリンスホテル新高輪「飛天」

〈問合せ〉アイ・スクエア事務局 0120-79-7744(10:00〜18:00)

 

【取材・文/榊原和子】


『サイド・ショウ』インタビューvol.2

『サイド・ショウ』vol.2樹里咲穂インタビュー

 

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【ぴったりの姉妹役】

ーー貴城けいさんとは『Nine The Musical』でも久しぶりの共演でしたね。

8年前の宝塚時代に『Romance de Paris』で共演して以来です。かしげ(貴城)とは、そのときも一緒の場面が多かったんですけど、裏では面白い話しかしなくて、真面目な話をしたことがなかったんですよ。だから初めてちゃんと話したのが『Nine 』で、一気に仲良くなりました。

ーー演技の話とか、人生の話とかしたそうですね。

プライベートの話などもいろいろしました。(笑)。人生の先輩としては、いろいろ語れることがたくさんありますから(笑)。

ーーお互いに似ているそうですね?

そうなんです。なにかの取材の時に、かしげが「自信を持つようにやってる」「自分はできるって思うように心がけてる」と言ってるのを聞いてビックリして。普段はふわふわしてるけど、舞台ではしっかりしてる人に見えてたから。それを聞いたとき意外だったし、でも「私と似てるところがあるかもしれない」と思ったんですよ。それで、仲良くなってみると、ホントにふわふわしてて(笑)、舞台に出る時にも結構ナイーブだったりするところがある。だから舞台に対する気持ちとか、そういうのも共有できるかなという感覚があって。今回、姉妹役がかしげで本当によかったなと思っているんです。

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【姉妹の葛藤を】

ーー『サイド・ショウ』は、歌では定評のある樹里さんにぴったりのミュージカルですね。

曲がどれもいいんですよ。サントラを聞いてるだけでも「これは今までにないぞ、ナンバー1ぐらい良いかも」と思いましたし、ミュージカル好きな役者さんとかが、メールで「サイドショウやるんだってね?」と言ってくるくらい、すごいミュージカルです。

ーー樹里さんは姉役で、成功を夢見る野心家ということですが。

姉妹で全然性格が違うんですよね。双子でありながら性格とか考え方が違うというのが、面白いなと。同じだったら一緒にいても居心地がいいだろうけど、わかり合えるところとわかり合えないところがあって、そういう葛藤みたいなのも歌の中に出てきます。彼女たちが背負っている離れたくても離れられない現実とか、そういうところをどうやったらうまく表現できるかなと思っているんです。

ーーそれぞれ恋もするんですね。

私は下村尊則さんのテリーが相手役で、かしげは伊礼彼方くんと。周りの男性たちはみんな優しくて素敵です。大澄さんのボスだけは優しくないところもあるんですが(笑)。

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【さらけ出す楽しさ】

ーー女優になって5年目ですが、その面白さは?

女優の面白さは、女でいいということですね(笑)。まだ男役に見えると言われようがなんだろうが(笑)、周りが男性だからとりあえず女性にしか見えない、そこは絶対的な自信があります(笑)。宝塚の男役は作り上げる作業でしたけど、卒業してからは削ぎ落とす作業をずっとやってきたような気がするんです。より自分に近いというか「さらけ出すことってなんだろう」っていうか。それがちょっと恥ずかしかったりもするんですけど、必要なことで。ありがたいことに今までお仕事をさせていただいた中で、才能あるかたにたくさん出会えたし、こんなすごい人がこんなところに、というような出会いがいっぱいある中で、毎回刺激されてここまできました。

ーーこの仕事の面白さは、まさにそういうところにあるんでしょうね。

ある意味厳しい部分もあって、宝塚では上級生とか先生とか1つの家族みたいで、できない時は教えてくれるけど、女優になってからは放っておかれますからね。恥ずかしかろうがなんだろうが、まず自分でアピールして、私はこれがしたいとかこれができますとか知ってもらう。そういうことが今はかえって面白いなと思えるようになりました。

ーー今年も、すでに2月に謝珠栄さんの『GARANTIDOー生きた証ー』があって、これから先もたくさん決まってますね。

『GARANTIDO』は劇中劇では20歳の役で、どうしたらいいの?みたいな(笑)。でも謝先生の現場は相変わらずパワフルで楽しかったです。この『サイド・ショウ』のあとに5月に『絹の靴下』があって、そちらでは水中レビューの映画スターという役で、全然まだ想像できません(笑)。それから11月には『ファントム』で、こちらはカルロッタです。

ーーカルロッタはすごく面白い役ですよね。

初めての意地悪な役なんですよ。昔からずーっと「悪役やりたい、やりたい」って言ってたんですが、このキャラクターじゃないですか、回ってこなくて(笑)。きても小悪党みたいなどっか救いがある役で、「ホントは辛かったんだろうなー、悪くなるにはなんかあったんだなー」みたいなのばかりで(笑)。ですからカルロッタでは徹底して、樹里ってこんな意地悪だったんだと、石投げられるぐらいになりたいですね(笑)。

ーーこの『サイド・ショウ』のデイジーとは同じ人に見えないみたいな?

こちらでは綺麗に可愛く出てますから(笑)。衣装も14回も着替えますからすごいですよ。曲はどれも本当に素敵ですしね。歌ってるだけで泣きそうになるんですよ、良い曲すぎて。めちゃめちゃ楽しみです。

 

 

 

『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリー・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい 樹里咲穂 下村尊則 大澄賢也 伊礼彼方 岡幸二郎 他

●4/7〜4/18◎東京芸術劇場 中ホール

〈料金〉

【平日】S席,000、A席8,000

【土日】S席 ,500、A席9,500(全席指定・税込)

〈問合せ〉オフィス・ミヤモト 03-3312-3526(平日11時〜18時)

 

【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

 


『サイド・ショウ』インタビュー vol.1

話題の舞台『サイド・ショウ』が、4月7日に初日を迎えようとしている。

『ドリームガールズ』や『タップ・ダンス・キッド』などの作品で、数々のヒットナンバーを生み出したヘンリー・クリーガーの珠玉のナンバーがちりばめられたこのミュージカルは、実在した結合双生児、ヒルトン姉妹の数奇な生涯を描いて、97年に第52回トニー賞のミュージカル作品賞をはじめ4部門にノミネートされている。

ゴスペルからロック風のバラードまで多彩な楽曲がふんだんに用いられ、その溢れる音楽の中で、デイジーとヴァイオレット姉妹のドラマティックな生涯と、1930年代のショービジネスの世界が、鮮やかに浮かび上がってくる。

姉妹役には元宝塚歌劇団の貴城けいと樹里咲穂が扮し、姉妹の愛と生き方を明るく可愛く演じる。

共演は下村尊則、大澄賢也、伊礼彼方、岡幸二郎など、歌唱力と演技力を持つ男優たちで、不思議な運命を生きた姉妹の恋愛と人生を、それぞれの立場から照らし出す。

その話題作で姉妹役として共演する貴城けいと樹里咲穂にインタビューした。

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『サイド・ショウ』 vol.1 貴城けいインタビュー 

【似ている2人】

ーー姉妹役の樹里咲穂さんとは、昨年の『Nine The Musical』でも一緒でしたね。

あの舞台が8年ぶりの共演でした。宝塚時代の2003年に『Romance de Paris』という作品に、樹里さんが特出してくれて以来です。退団してからは初めてでちゃんと話をしたのも初めて、でもすっかり仲良くなってしまって、今は樹里さんがいないと生きていけないぐらいの毎日です(笑)。

ーーお互いに共通点があったということですか?

樹里さんは「かしげ(貴城)はしっかりしてそうで意外とホワホワしてる。なんか私と似てる」と言ってくださいましたけど、同じ言葉を返したいですね(笑)。何でもできて、バーンと舞台に立たれてるような印象があったんですが、『Nine』の時に、それだけじゃないんだと思うことがたくさんあって。一歩袖に入ったときや、稽古場などでは、けっこうナイーブなんですよ。そこがすごく似てるなって思います。もちろんいろんな点で先輩として教わることも多いし、人生の痛みも知ってるから、すごく包んでくれるんです。

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【素敵な曲が満載】

ーー今回の『サイド・ショウ』では、お2人で結合した姉妹の物語を演じるわけですが。

私はニューヨークのリンカーン・センターにある当時の舞台のフィルムを観に行ってきたのですが、演じていた2人の女優さんが本当にずっと離れずに動くので、これはたいへんだなと。衣装は別々なんですが、くっついてるように動かなくてはならないんです。ただ、一部幻想みたいなシーンがあって、そこはデイジーとテリーの場面ですから離れてます。でもその曲の最後にまた私が出てきて、ちゃんと一緒になるんですけど(笑)。

ーー動きとか、息の合わせ方が大変そうですね。

かなり大変だと思います。2人一緒のラインダンスなどあるし、がんばらないと(笑)。

ーー姉妹に恋人がそれぞれできて、そこの葛藤とか興味深いですね。

お姉さんは野心家で、妹は普通に暮らしたいという性格の違いもあって、2人の言い合いみたいなのもあるんです。それぞれ恋に落ちて「私は好きなのよ!」「あなたも好きでしょ?あの人のこと」「何で知ってるの?」みたいな掛け合いの歌もあります。

ーー双子でも女性としては別人格なんですね。でもすごく近いところに自分とそっくりな人がいる。その心強さもあると思うんですが。貴城さんはお姉さんと仲良しだそうですが、わかる部分などありますか?

貴城 少しは近い感覚はあるんでしょうけど、いつもずっと一緒にいるってやっぱり想像できないですね。この2人には、お互いにしか分かり合えない部分がすごくあると思います。生まれた時からそうやって生きてきたのですが、もちろん苦しみもあったと思うんです。それを乗り越えて2人で生きていこうとする姿勢に感銘を受けます。それまでは「なんで普通になれないのか」とか「普通になって有名になりたい、普通の家庭を持ちたい」とか悩むし、やはりすごく心に傷を負ってると思います。

ーーテーマは重いですよね。でもとても内容は明るいし、楽しい歌が多いそうですが?

曲がとても素敵です。まず音楽で楽しませてくれます。大ナンバーがどのキャストにもそれぞれあるし、すごい素敵な作品です。あちらで観たときに、樹里さんにすぐ「すごいよ」ってメールを送ったくらい(笑)、感動的な素敵な舞台です。

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【映像にもチャレンジ】

ーー外の世界でいちばん違いを感じるのは、どんなところですか。

宝塚は、先生も周りも下級生の頃から自分を知ってくれてますし、ある程度はわかってもらえてる。お衣装もオーケストラも劇団内で全て用意されていて、専用の劇場もあります。それが当たり前で過ごしてきたわけです。でも一歩外に出たら、本当に色んなケースがあるし、それこそ演出家の先生も、私のことは宝塚の人だったという認識程度の、全然自分のことを知らないかたばかりの中に入っていくわけですから、そのまっさらな状態が良い部分でもあり、難しい部分でもあるなと思います。

ーー自分を知ってもらうために積極的になったりしないといけない?

自然にという感じです。刺激は本当に多いです。その分すごく大変なこともあるけど、新しい人たちと出会う楽しさもある。その中でもちゃんと自分というものを見失わずに居たいということは、常に心がけています。ちょっとたいへんなのは、去年は再演物に入ることが多かったので、そうするとカンパニーの中で、私ともう1人くらいしか初めての人はいない?みたいなことがあって。

ーーそういうときは緊張しますか?

やっぱり最初飛び込んでいくときは、構えますね。振りなども皆さん思い出したらバーッとやり始めるし、それを見ながら「えぇ!?  私はこれから覚えるのに」みたいにすごく焦ったり(笑)。宝塚では再演をあまり経験した事がなかったので、そういう作品に飛び込んだこともいい経験だったと思います。

ーーそのあいまに映画とテレビの出演もあって。

映画は『交渉人THE MOVIE』でキャビンアテンダントの役です。初めての経験でしたが、また挑戦したいと思いました。『インディゴの夜』は舞台でも4月30日から6月まで、東京に始まって全国であるのですが、テレビはCX系列で放送されてます。クラブ・インディゴというホストクラブが舞台の話なんですけど、私はホストクラブを経営してる女社長の役です。

ーーそのあとにまた『名探偵ポワロ』という舞台もありますね。

『ポワロ』は10月なんですが、名探偵ポワロを主人公にしたストレートプレイです。いろいろな仕事にチャレンジできて楽しみです。今は目の前の素敵なミュージカル『サイド・ショウ』に全力を尽くしますので、ぜひ観にいらしてください。

 

 

『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリー・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい 樹里咲穂 下村尊則 大澄賢也 伊礼彼方 岡幸二郎 他

●4/7〜4/18◎東京芸術劇場 中ホール

〈料金〉

【平日】S席,000、A席8,000

【土日】S席 ,500、A席9,500(全席指定・税込)

〈問合せ〉オフィス・ミヤモト 03-3312-3526(平日11時〜18時)

【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】


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