えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

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充実のメンバーで贅沢な時間『DRAMATICA/ROMANTICA W』レビュー

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6月17日〜19日に上演されたショー『DRAMATICA/ROMANTICA W』は、昨年の『DRAMATICA/ROMANTICA』の好評を受けての2回目にあたるもので、今年も充実したステージとなった。

 

アーティストは彩吹真央、J Kim、知念里奈、新妻聖子、井上芳雄の5人。
昨年と同じ顔ぶれだが、より高度な部分により自由になっていて、密度もクオリティも上がった今回の「W」となっている。

昨年、外部で初めての舞台とあってやや硬さの見えた彩吹真央が、この1年の間に自信をつけたのがよくわかる。声も伸びと強さが出てソロを歌うときは自分を押し出している。昨年のショーで他の4人に刺激されて自分を磨いたのだとしたら、この「W」を一番待っていたのは彼女かもしれない。
 

それにしても、なんと優れたアーティストばかりだろう。多忙でもあるこの5人が顔を揃えたことに改めて感動する。

J Kimの表現力に富んで、魂の底まで届く声は、聴くものの感情をかき立てる。

知念里奈は、温かな優しさと素直な人間性がそのまま伝わってくる歌声だ。

新妻聖子の5オクターブと言われる音域の広さ、そしてソプラノの美しさと力強さには圧倒される。
彩吹真央は柔らかな歌声によりドラマが加わった。 

そして、クラシックからロック、ポピュラーまでミュージカルの舞台で歌ってきた井上芳雄が、その経験と実力で、個性や声質がそれぞれ違う女性歌手4人と、デュオを成立させてしまうことに感嘆する。


このショーの成功の原因は、5人の歌い手の魅力をよくわかっている演出の小林香が、それぞれの魅力を生かすナンバーや楽曲をセレクトして、巧みに構成するところにあるのだろう。何よりも、小林自身が観たいもの、聴きたいものを、丁寧に作っていることがどの場面からも伝わってくる。

衣裳や舞台装置、照明などのスタッフワークも含めて、これだけのショーを作ることは、今の日本ではかなり贅沢なことだと思うが、このクオリティをよりグレードアップして、三回目『DRAMATICA/ROMANTICA』見られることを期待したい。

 

曲目は次のページに。
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『DRAMATICA/ROMANTICA W』


構成・演出・訳詞◇小林香
音楽監督・編曲◇前嶋康明
振付◇原田 薫、港ゆりか

美術◇松井るみ

出演◇彩吹真央 、J Kim 、 知念里奈 、新妻聖子、 井上芳雄


●6/17〜19◎品川ステラボール


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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『サイド・ショウ ミュージカルライブ』囲みインタビュー

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この日の『サイド・ショウ ミュージカルライブ』1回目を終わった直後の興奮もさめやらぬなか、貴城けいと樹里咲穂が記者の前で再演決定の報告インタビューを行なった。
 
ーー今の回を終えていかがですか?

 

貴城「楽しかったですね」

樹里「この『サイド・ショウ』っていう作品は、自分たちにとっても皆さんの愛で支えていただいた大切な作品なので、今回ミュージカルライブという形で上演できたこともうれしいですし、そして!」

貴城「再演がね!」

樹里「決まって。もう1度このヴァイオレットとデイジーを演じられるのが本当に嬉しいです」
 

ーー再演決定と発表したときのお客さんの表情は?
 

貴城「みんなヒューヒュー言ってくださって! 皆さんから再演をしてほしいといういろいろなお手紙をたくさんいただいて、自分自身ももう1回挑戦したいなって思っていましたので。このミュージカルの持っている曲の素晴らしさとか、すごくフリークスな作品ではあるのですが、その中に世界観があり、ぎゅっと凝縮された世界があるので、また初演と違った形でアプローチをしていってパワーアップできたらいいなと思っています」
 

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ーーくっついたままの様子がすごく慣れた感じだなと。
 

2人「そうですね(笑)」

樹里「ひっついてないとね。これで面白いことにね、舞台って緊張するじゃないですか、でも2人でこうやるとね(ぴたっとくっつく)、緊張が半分になるんです」

貴城「ねえー」

樹里「人肌が、なんか横にあると助かります」

貴城「ねっ!」
 

ーー初演を踏まえてなにかこういうことをしたいというのは?
 

貴城「いっぱいあって、ライブ形式でもこうしたいああしたいというのは今日も試してみたんですが、また10月の再演ではまたかなりいろんな個所が煉り直されていくと思います」

樹里「それに新しいメンバーが2人(吉田朋弘、吉原光夫)、メインで入られるんですが、それによって初演とは違った味わいの『サイド・ショウ』になるんじゃないかと思います」
 

ーー再演できることになった理由はどのへんだと?
 

貴城「作品の力と曲の素晴らしさと」

樹里「最後らへんに、私らがんばったからというのも」

貴城「くっつきっぷりが見事だったというのがね」

樹里「第100位ぐらいにね(笑)。本来の作品自体がやっぱり評価されたというのと、その作品に挑戦できたというのがすごく喜びでした」

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ーーお互いだからよかったというのは最初に言ってましたが?
 

樹里「今でも仲良いもんね」

貴城「次にやる『ビクター・ビクトリア』もさっき舞台でも言ってたんですが、『ビクター・ビクトリア・デイジー』でいこうと(笑)」

樹里「出てしまおうと言ってます(笑)。ほんとに息も合ってきて何も言わなくてもあちこち動けるんです」
貴城「右行くとか左行くとか最初は決めてたんですが、今となってはお互いがどっち行きたいかなんとなく感じて、あ、こっちねとか、不思議よねー」
 

ーー再演のいき込みを。
 

貴城「1年も経つと、あれもしたいこれもしたいっていうのがいっぱい出てくるんですね。なので、また全然違った『サイド・ショウ』になるんじゃないかと思いますので、それに向けて、果敢に挑戦していきたいです」

貴城「再演ってすごく難しくて、初演で素晴らしかったって言ってもらえるのがとても有り難いことなんですが、やっぱりそれだけハードルが高くて、ただなぞるだけではなくそれ以上のものに必ずしなくてはいけないので、プレッシャーも感じてますけど、でもまた樹里さんのデイジーと一緒に、ゼロからのスタートのつもりで作り上げていって、前回よりもさらに良かったって言っていただけるように精一杯がんばりたいです」

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ブロードウェイ・ミュージカル

『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリー・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい、樹里咲穂、大澄賢也、吉田朋弘、吉原光夫、下村尊則 他

●10/1〜10◎シアター1010

●10/15◎森ノ宮ピロティホール

〈料金〉11000円 (全席指定、税込)未就学児童の入場不可

〈問合せ〉東京/03-3202-5400 コマ・スタジアム

大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888

http://www.sideshow.jp/(PC&携帯)
 



取材・文/榊原和子】

演劇キック演劇情報コーナー

http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/

再演報告で盛り上がった『サイド・ショウ ミュージカルライブ』


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6月18日、昨年の4月に上演され、その内容の深さと楽曲の素晴らしさで評判となったブロードウェイ・ミュージカル『サイド・ショウ ミュージカルライブ』が開催された。

また再演決定のニュースも、このコンサートの最後にサプライズとして発表された。


『サイド・ショウ』は、『ドリームガールズ』を作曲したヘンリー・クリーガーが手がけ、98年のトニー賞でオリジナル楽曲賞など4部門にノミネートされた傑作ミュージカル。

実在した結合双生児のヒルトン姉妹を主人公に、「サイド・ショウ」と呼ばれる見世物小屋からヴォードビル、ショービジネスの世界へとサクセスストーリーを昇っていった姉妹の、ドラマティックな運命とそれぞれのラブロマンスが、多彩な楽曲とともに描かれている。
 

昨年初演された日本版は、貴城けいと樹里咲穂という2人の抜群のコンビネーションと充実した歌唱・演技で、まさにヒルトン姉妹がそこに現われたようだと高く評価された。また、アンサンブルに至るまでの出演者のクオリティの高さで楽しませ、再演希望の声も高かった。それを受けて、まず今回のガラコンサートという形が実現した。


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6月18日、2ステージ行なわれた『サイド・ショウ ミュージカルライブ』は、フジテレビの軽部真一アナが司会役で登場。作品解説やトークをはさみながら進行する。
 

出演者は、ヴァイオレットとデイジー姉妹を演じる貴城けいと樹里咲穂、そしてデイジーを愛して苦悩するテリー役の下村尊則の3人は初演のまま。

このコンサートで新しく加わったメンバーは、ヴァイオレットを愛する青年バディの吉田朋弘(再演の参加も決まった)、姉妹を支えるジェイク役の友石竜也。

コンサートには出演できなかった大澄賢也のボスのパートには田村雄一が入った。
ほかにも、石井雅登、岩本やよい、上野聖太、小野田龍之介、鎌田誠樹、小林遼介、白石拓也、白木原しのぶ、高田亜矢子、谷合香子、谷口ゆうな、牧勢海、水月舞、山中紗希という、半数以上が初演にも
出ていたアンサンブル(フリークス)たちが出演。
1日限りとは思えない豪華でドラマチックなコンサートが繰り広げられた。

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ヴァイオレットとデイジーの貴城と樹里は、本番同様に衣裳の着替えも数多く華やかに登場し、ヒルトン姉妹の数奇な生涯と愛を歌い上げる。1年のブランクをものともせずに、ハーモニーはよく響き合い溶け合う。また、実際はくっついてはいないのに、ぴたっと離れない2人の動きの素晴らしさには感嘆させられる。


テリーの下村は幅の広い音域と深い声が魅力で、「愛のトンネル」などソロのパートは圧巻。

吉田はバディ役でヴァイオレットに夢中になる青年の、若さと初々しさが似合う

ジェイク役の友石は姉妹を見守る温かさがあり「君を愛すべき人」などを聴かせる。

アンサンブルたちもこのミュージカルの醍醐味の1つで、オープニングの「バケモノを見においで」に始まり、「前を向いて」という大詰めにいたるまで大迫力で支える。
 

ミュージカルの舞台そのままの流れのなかで、全19曲のナンバーが歌われたあと、最後のカーテンコールで「再演が決定しました」という発表があり、客席から大歓声があがる。

貴城けい・樹里咲穂という2人だからこそ上演を可能にし、またその努力で成功させたといっていい『サイド・ショウ』、今回の再演決定と客席の拍手に、感激ひとしおといった面持ちの2人が印象的だった。



ブロードウェイ・ミュージカル

『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリー・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい、樹里咲穂、大澄賢也、吉田朋弘、吉原光夫、下村尊則 他

●10/1〜10◎シアター1010

●10/15◎森ノ宮ピロティホール

〈料金〉11000円 (全席指定、税込)未就学児童の入場不可

〈問合せ〉東京/03-3202-5400 コマ・スタジアム

大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888

http://www.sideshow.jp/(PC&携帯)

 


【取材・文/榊原和子 舞台写真提供/サイド・ショウ製作委員会】


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名作の再演『ノバ・ボサ・ノバ/めぐり会いは再び』囲み取材

1971年に初演され、1999年には月組・真琴つばさ、雪組・轟悠主演により再演されたショーの傑作『ノバ・ボサ・ノバ』。そして、演出家・小柳奈穂子の大劇場デビュー作となった『めぐり会いは再び』が6月3日より東京宝塚劇場で上演されている。

『ノバ・ボサ・ノバ』では主要キャラクターのオーロ、マール、メール夫人の役替わりが夢乃聖夏、紅ゆずる、真風涼帆の3人により行われており、立ち見客が出るなど連日賑わいをみせている。
鴨川清作の色を引き継ぐ形で今回は藤井大介が演出をつとめた。リオのカーニバルを舞台に繰り広げられる人間模様、フィナーレへと向かう熱いエネルギーは健在だ。

『めぐり会いは再び』はフランスの劇作家マリヴォーの喜劇『愛と偶然との戯れ』をミュージカル化した作品。結婚しようとする男女が召し使いに扮し、お互いの本性を見極めようとするところから始まる、あたたかなコメディ作品に仕上がっている。

6月3日の舞台稽古のあとに行われた柚希礼音・夢咲ねねの囲み取材の模様と合わせて、舞台写真を紹介する。


【囲み取材】

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──とても宝塚らしい楽しい2作品ですが、それぞれの役作りのポイントは?

柚希 『ノバ・ボサ・ノバ』は私の初舞台の作品で、本当にどの役でもいいので出演したいと思っていました。ソール役をさせていただくということで、感動と大きなプレッシャーに押しつぶされそうな時もあったんですが、やはり今はお客様も一緒に、太陽や、風や、砂浜、海などを感じていただけるように、のびのびと明るく、また明るいだけではなく孤独や哀愁なども感じさせるようになればいいなと思っています。
お芝居のドラントは“大人かわいい”をテーマにしておりまして、胸きゅんポイントがいっぱいあると思います。ショーとは全く違うポップで可愛らしい、ほのぼのとしたお芝居です。観ていて微笑ましい気持ちになっていただけるような役になればいいなと思っています。

夢咲 エストレーラをできるだけ等身大の、身近にいるような女性になればいいなと思って作っています。お客様に共感していただけるようになれたらいいなと。
シルビアはおとぎ話から抜け出たような、少女漫画のようなお姫様で、小さい女の子が観て憧れるように役を深めていきたいです。

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──たくさんの先輩が演じてこられたソールですが、苦労した点などは?
 

柚希 そうですね、形から入っていたことに気付きました。稽古中には「振り返った時の顔は素晴らしい顔でなければならない。」とかそういうことばかりに気がいっていたんですが、それは振り返った時にすごい海があって、風があって、太陽があったからそういう表情になるんだと気づき、そこからはどんどん自分のソールとして広がっていきました。でも、そこまでにお稽古中苦労しましたね。
 

──ショーでは「アマールアマール」や「シナーマン」という名曲、芝居では平井堅さんの「LIFE is…」を歌ってらっしゃいますが、楽曲についてはいかがですか?

柚希 ソール役がこんなにも歌われていたんだなと実感しました。名曲でみなさまが知っていて、一つ音を間違っただけでも「あ」と思われるような曲ばかりなので、メロディを大切にしっかり歌わねばならないと思っています。メロディを通して伝わるものが多いので、感情だけで歌わないよう、そこを崩さないようにしています。
平井堅さんの歌は、本当にドラントの心情を表すかのようにぴったりとはまっているので、非常に良かったなと思います。平井堅さんの曲を使ったんだと、いきなりお客様に思われないよう、お客様が作品の中にどんどん入って行けるように歌えたらと思っています。
 

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【舞台写真】

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星組公演

ミュージカル・ショー
『ノバ・ボサ・ノバ』−盗まれたカルナバル−
作◇鴨川清作
演出◇藤井大介

ロマンティック・ミュージカル
『めぐり会いは再び』−My only shinin’ star−
〜マリヴォー作「愛と偶然との戯れ」より〜
脚本・演出◇小柳奈穂子

6/3〜7/3◎東京宝塚劇場

 

 

 【取材・文/岩見那津子】

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