えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『不徳の伴侶 infelicity』

『サイド・ショウ』制作発表とライブvol.2

【スペシャルライブ】

平成22年2月22日、トニー賞にノミネートされた傑作ミュージカル『サイド・ショウ』の制作発表が行われたが、その日の夕方から同じ草月ホールでメインキャストたちによるライブも行われた。そのライブをレポートする。

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【2人は離れない】

「早くこのミュージカルを聴きたい!観たい!」そんな思いをかき立てられるライブだった。

この素晴らしい楽曲がストーリーの流れに乗り、さらにそれぞれの役の感情がプラスされたら一体どうなるのか? この日に披露されたのは9曲だったけれど、それでも十分に作品への期待を高めてくれた。
ライブの出演者は、貴城けい、樹里咲穂、下村尊則、大澄賢也、伊礼彼方の5人(岡幸二郎は都合で欠席)。そのほかにアンサンブルのメンバーが男女合わせて6人という構成である。

会見と同じ紫のドレスで現れた貴城と樹里は、このライブ中でもつねに2人一緒、歌もソロナンバーやデュエットナンバーを素晴らしい歌唱力で聴かせる。
合間のトークでも、さすが宝塚歌劇団出身者同士だけに、絶妙なコンビぶりを発揮して、くっついた姉妹のデイジーとヴァイオレットを演じる準備はバッチリ!といった雰囲気だ。

司会はフジテレビの笠井信輔アナウンサー、貴城や樹里だけでなくメンバーをよく知っている演劇通だけに、ツボを心得たスムースな司会で進行する。

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ライブは、まず最初にボスの大澄が「Come Look at the Freaks(この奇形を見てみろ)」を、見世物小屋の怪しい雰囲気たっぷりに歌い上げてスタートした。

続いて貴城と樹里が、テリーに見出された姉妹が自分たちについて歌う美しいバラード「Like Everyone Else」

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ジェイクの岡のリズミカルなナンバーで、岡の代わりにアンサンブルが歌う「The Devil You Know」

貴城と樹里が、恋に落ちた姉妹の心の中を切なく歌う「We Share Everything」

テリーの下村は豊かな声量を生かしてデイジーへの愛をドラマティックに「Private Conversation」

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バディが結婚について姉妹と歌う弾むような楽しげな曲を、伊礼がアンサンブルとともに「One Plus One Equals Three」

ジェイクが君は愛されるべきだと語りかけるナンバーで、岡の代わりにアンサンブルが歌う「You Should Be Loved」

ソウル風な曲調で公演では姉妹とバディ、テリーが歌う曲を、下村がアンサンブルとともに「Tunnel of Love」

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そして最後に、貴城けいと樹里咲穂が「私は絶対あなたのもとを去らない」と歌うメインテーマ「I Will Never Leave You」

ノリの良い明るい曲や、しっとりと聞かせるバラード、魅力的な楽曲ばかりの中で、やはり姉妹の歌う「I Will Never Leave You」はとくに美しく、心に響いてくる。

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作曲は『ドリームガールズ』を手掛けたヘンリー・クリーガーだけあって、どれもさすがという楽曲ばかり。このほかにもゴスペルからロックまでバリエーション豊かで聴き応えのある、名曲揃いの『サイド・ショウ』。
今回のライブはそのほんの一部、それでも音楽とテーマの素晴らしさはダイレクトに伝わってきて、この優れたミュージカル『サイド・ショウ』に対する興味と期待が一気に高まった。

 

予備用

『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリ−・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい 樹里咲穂 下村尊則 大澄賢也 伊礼彼方 岡幸二郎 他

●4/7〜4/18◎東京芸術劇場 中ホール

〈料金〉

【平日】S席¥10,000、A席¥8,000

【土日】S席¥11,500、A席¥9,500(全席指定・税込)

〈問合せ〉オフィス・ミヤモト 03-3312-3526(平日11時〜18時)


【取材・文/岩見那津子】
 

『サイド・ショウ』制作発表とライブ vol.1

 

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【制作発表】

平成22年2月22日、2がずらっと並ぶ「双子の日」に、双子の姉妹がヒロインのミュージカル『サイド・ショウ』の制作発表が、赤坂草月ホールで開催された。
4月に日本初演を飾るこのミュージカルは、作曲は『ドリームガールズ』や『タップ・ダンス・キッド』をヒットさせたヘンリー・クリーガー、1998年にトニー賞4部門にノミネートされた優れた作品である。
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物語の主役は、1930年代アメリカのショウ・ビジネス界で活躍した結合双生児のヒルトン姉妹。トッド・ブラウニングの映画『フリークス』に出演したことでも知られている彼女たちは、見世物にされていたところをスカウトされ、やがてヴォードヴィルの舞台で活躍し、ついにはブロードウェイにまで出演するようになる。その姉妹のサクセスストーリーとともに、それぞれの愛や悩みにもスポットライトを当てた、ヒューマンでありながらファンタスティックなミュージカルである。

 主役のヒルトン姉妹には、宝塚出身で女優として活躍中の貴城けいと樹里咲穂、2人は昨年も『NINE THE MUSICAL』で共演したばかり。また男優陣は、下村尊則、大澄賢也、伊礼彼方、岡幸二郎といった実力派の人気者が揃った。

制作発表会見は、舞台出演中で来られなかった岡幸二郎を除いたメインキャストが全員参加、和気あいあいのうちに繰り広げられた。

 

DSCF1797【制作発表応答】

ーー貴城さんはこの作品の映画をニューヨークまで観に行かれたそうですね。

貴城「すごく感動して、英語が全然わからないのに泣けました。すごく曲がいいんです」

ーー今、ゴージャスなドレスですが、14点も着替えるとか?

樹里「そんなに着替えるのは、私と貴城さんがいた某劇団以来です(笑)」

貴城「どれも豪華で嬉しいです」

樹里「最初のほうで全身総タイツふうなのにビラビラしたのが付いてる格好もあるので、身体を少し絞らないと恥ずかしいかなと」

貴城「そう。でも衣装も見どころですから」

ーー大澄さんは振付けも担当されるそうですが。

大澄「振付けとステージングです。大人なショーにしたいですね。姉妹のいろいろな動きも含めて、これまでにない振付けを工夫していこうと思ってます。僕は歌うのは1曲だけですし、二幕は出てないので今回は振付けに力を入れます」

ーー下村さんは97年に本物の舞台をご覧になったとか。DSCF1791

下村「ブロードウェイならではのよさがあって、いいミュージカルは耳に残るんですが、そういう曲が何曲もある作品です。ワクワクさせられたし、10数年、曲を聴き続けてきたので、そういう作品に出られることになってすごく嬉しいです」

ーー伊礼さんはプロモーターでありながら貴城さんを好きになる役ですが、そういう経験は?

伊礼「僕は一般の女性が好きなんです。あ、でも仕事中は相手役さん一筋ですから」

貴城「いいねいいね!」

伊礼「稽古場から本気ですから、最初は引かれちゃうかもしれないですけど(笑)。よろしくお願いいたします」

貴城「わかりました(笑)」

大澄「あのね、同業者もいいよ」

一同「(爆笑)」

伊礼「経験者として、いろいろ教えてください」

大澄「まかせておいて!」

ーー歌のナンバーも多いそうですが?

貴城「先日譜面をいただいて、だいたい50数曲あるんですが、そのDSCF1785中で一部分だけでも歌うのが30何曲あって」

樹里「もう、丸をつけてもつけても終わらない(笑)」

貴城「それに1曲まるまる歌うんなら掴みやすいんですが、曲の途中に言葉が音符で入ってくるので。覚えるときにも普通のセリフと違うし、そこをまた表現にもっていくまでがたいへんなんです」

樹里「音楽自体がコンサートで歌って成立するようなものが多いんですが、それをお芝居で歌うことがなかなか難しいのね」

ーーこの姉妹と自分と似ているところはありますか?

貴城「ありますね。私のヴァイオレットは普通の家庭を望んでる人で、デイジーは野心家なんですが、あ、似てないか(笑)、似てなかったわ(笑)」

樹里「私のデイジーのほうは、こういうお仕事をしてたらある程度わかる人なんでやりやすいです」

ーー他のかたは似てるところは? デイジーを愛するのが下村さんですね。

下村「そうなんですが、やはり最後に去るところで、僕はノーマルだからみたいな言葉を言うんです。そこが非常にアメリカ的だなというか、難しいところですね」

大澄「僕のボスは悪いやつですけど、ビジネスを考えてる。ショー・ビジネスを愛してるという点ではよくわかります。これは言っていいのかな? サイド・ショウという意味はお客様も見られるという意味も含みますので、そのへんで考えさせられるものになるかなと」DSCF1792

伊礼「僕は演じるバディとは正反対で、彼は裏方が好きなんですけど僕は表方が好きですから。それから、いちばんリアルな答えを出す人間というか、双子と恋をしたらこういうことを言うんじゃないかなという点でわかりやすい人間だと思います」

ーー最後に皆さんに観ていただきたいところを。

貴城「題材そのものが今までのミュージカルにはないものですから、それだけに難しさはありますが、それだけではなく、2人のそれぞれの思いとか、どういうふうに生きていくのかとか、2人が普通に生きていきたいと思う、その感情の流れとかを、お客様に観ていただきたいです。あと、いつも離れないで、うまくくっついていることができるか(笑)」

樹里「さっきはまだ慣れないからアタフタしてたね(笑)。衣装はくっついてないんですけど、歌うときも動くときもくっついたままなので」

貴城「そう。このまま絶対離れないで移動するの」

樹里「ちょっとでも離れちゃいけないんけど、できるかな(笑)」

貴城「うっかり離れたりして(笑)」

樹里「30数曲を本当にくっついて歌うので、2人の気持ちもうまく重なっていたいなと思います」

 

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『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリ−・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい 樹里咲穂 下村尊則 大澄賢也 伊礼彼方 岡幸二郎 他

●4/7〜4/18◎東京芸術劇場 中ホール

〈料金〉

【平日】S席¥10,000、A席¥8,000

【土日】S席¥11,500、A席¥9,500(全席指定・税込)

〈問合せ〉オフィス・ミヤモト 03-3312-3526(平日11時〜18時)

【取材・文/榊原和子】

星組東京宝塚劇場公演 初日囲み

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2月12日、星組の東京公演が幕を開けた。

『ハプスブルクの宝剣』は、藤本ひとみの小説を植田景子がミュージカル化したもの。
背景になるのは18世紀前半、ヨーロッパ激動の時代。エドゥアルトはユダヤ社会を捨て、ウィーン宮廷やオーストリア人社会に、生きる場所を探し求める。その野心と闘い、そして彼が仕えた主君フランツ1世との友情や、その妻でオーストリアの女帝になるマリア・テレジアとの愛憎などを、ドラマティックに描き出す。
開幕に1人、柚希礼音が歌う主題歌「Candle in your mind〜魂に宿る光〜」は、『エリザベート』などのシルヴェスター・リーヴァイが作曲、ダイナミックで美しい旋律が心に沁みる名曲だ。

ショーの『BOLERO −ある愛−』は、作・演出が草野旦で、劇中に「ボレロ」を踊る柚希礼音と星組ダンサーたちの迫力が圧巻だ。
1組の男女のモノローグでつなぐファンタジーで、二番手凰稀かなめもフィナーレの黒エンビをはじめあちこちでフィーチャーされて活躍したり、柚希と夢咲のデュエットダンスなど、見どころ満載のショーとなっている。

この日の朝の舞台稽古のあと、星組トップコンビの柚希礼音と夢咲ねねが、報道陣の囲み取材に姿を見せて、まず挨拶がある。

_MG_6716柚希「皆様、本日は通し舞台稽古にお越し下さいまして、本当にありがとうございました。今日の初日から3月21日まで、星組一丸となってがんばりますのでよろしくお願いいたします。」

夢咲「夢咲ねねでございます。千秋楽までがんばりますので、よろしくお願いいたします」

記者からの質問が投げかけられる。

ーー今回トップになられて初めてのショーで、宝塚ならではの魅力だと思いますが、それぞれ、こういうところを観てほしいといところがありましたら。

柚希「私は、白いイメージの場面に出ることがあまりなかったんですが、今回トップとして白いイメージの場面がけっこうあるので、新しい柚希礼音の魅力を発見していただけるようがんばります」

夢「今回の作品は、コスチュームがけっこう豪華で、ワッカのドレスとかもたくさん出てきて、これぞ宝塚という舞台だと思うので、そこを観ていただきたいです」

ーー芝居ですが、何度も挫けそうになりながら生きていく主人公を演じる苦労、また二役をされる工夫などを。_MG_6710

柚希「本人としては、心理を深くたどっているので、すごく入り込みやすいです。でも最後に希望に向かっていくところまで、どこまでお客様が同じような感情で観てくださるか、というのが難しいなと思っていまして。自分ひとりだけでなく、ちゃんとお客様が感動してついてこれるように。とくに学生時代の希望を持って生きていた時代を、印象的に生きるようにしております」

夢咲「二役ということで、まったく違う二人の役なので、それぞれの役を作るのに、二倍、時間がかかりまして、いまだに悩まされているんですけど。でも舞台に立って衣装を着けますと、やはり雰囲気が違いますし、周りの空間とかもまったく違うので、やはり舞台に行ったほうがやりやすいなと思います」

ーーテレーズは、とくに国を治める存在になってからは、貫禄も出さないといけないですね。

夢咲「たくさんの資料を参考にしたり、皇室アルバムとか見たり(笑)、どういう雰囲気なのか学んでいたりしてます」

ーーショーの「ボレロ」についてですが、大作でいろいろなかたが踊っていますが、参考にしたこととか、またプレッシャーは?

柚希「本当に、クラシックバレエ時代はラヴェルの「ボレロ」を踊るなんてすごすぎることなので。草野先生も、すごすぎる作品だしお客様のほうがよりご存知なくらいなものなので、それを星組のこの『ボレロ』で入れていいかどうか、悩むくらいだったそうですが。それをやっぱり入れていただいて、星組のみんなもすごくお稽古して、ダンス力もついてきてるので、ちょっとずつレベルアップしていけたらと思っていますし、毎日稽古をやっておりますので、宝塚の星組のラヴェルの「ボレロ」を、ぜひ観ていただけたらと思っております」_MG_6688

元気に答えて、最後に「よろしくお願いいたします」と頭を下げて、柚希礼音と夢咲ねねは、初日の楽屋に戻って行った。

 

星組東京宝塚劇場公演

『ハプスブルクの宝剣ー魂に宿る光ー』

『BOLERO −ある愛−』

2月12日〜3月21日

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

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【取材/榊原和子  文/岩見那津子   写真/岩村美佳】

『ローマの休日』制作発表

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映画『ローマの休日』がストレートプレイとして舞台化される。
名女優オードリー・ヘップバーンの主演で知られる1953年製作のアメリカ映画で、今も世界中で愛されているラブロマンスである。これまでにミュージカルで舞台化されたことがあるが、ストレートプレイとしては日本で初の上演。しかも今回はなんと出演者は3名だけという斬新な形で上演する。

ストーリーは、窮屈な親善旅行を抜け出して、ローマの街に飛び出したヨーロッパのある国の王女アン、彼女と知らず自宅に泊めたのは新聞記者のジョー・ブラドリー。やがてジョーはアン王女と気づくが、スクープをものにしようと知らない振りをしてローマを案内する。そんな2人の間にしだいに恋心が芽生えて…いうもの。

アン王女には朝海ひかる、ジョー・ブラドリーには吉田栄作が、ジョーの友人であるカメラマン、アーヴィングには小倉久寛が扮し、たった3人の登場人物で描きだす『ローマの休日』。脚本・演出はマキノノゾミ、脚本に鈴木哲也が手がける。

1月15日の制作発表には、マキノノゾミ、鈴木哲也、そして吉田栄作、朝海ひかる、小倉久寛が登場。取材陣からの質問に答えた。

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【一問一答】

ーーまず新聞記者ジョー・ブラドリーの吉田さんから。

吉田 今回『ローマの休日』でジョーをやらせていただきます吉田栄作です。このような大作で、大役を仰せつかりまして、良い意味で緊張しております。まだ台本読ませていただいてる段階なんですが、最初3人きりでこの大作をやると聞いて、無茶だなぁと思ったんですが、本を読んでとても今安心しています。稽古に入るのがとても楽しみな今日この頃です。どうぞよろしくお願いします。

ーーまるでオードリーのようなアン王女の朝海ひかるさん。

朝海 そう言われたら、帰ろうかなぁと思っちゃうんですけど(笑)。アン王女役をさせていただく朝海ひかるでございます。『ローマの休日』というと、イコールオードリー・ヘップバーンと出て来てしまうような役に挑戦するというのは、とても無謀なことですけど、私なりにアン王女という役を深めて、私ができる、私で皆さまに楽しんでいただくことができたら、と思っております。どうぞよろしくお願いします。

ーーそしてカメラマンのアーヴィングは小倉久寛さん。

小倉 アーヴィング役の小倉久寛です。こんな中に入れてもらえて、とっても今喜んでいます。こういう方とこういう方なんで、その中で、上手くかき回すことができればいいなと思っております。今は一人で立っているので、そんなに目立たないんですけど(笑)、皆さん背が高くて、1人だけすっごい小さくって、なんか必要もないのに、ちょっと背伸びをしてしまう(笑)。あんまり背伸びしないで頑張りたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

――小倉さん、そんなに背丈の違い意識されますか?吉田さんと朝海さんちょっとお立ちいただけますか(笑)?

小倉 ものすっごい高いんですよね(笑)。座ってる時はどっちかっていうと、僕のが大きく見えたりするんですけど(笑)。ポスター撮影とかプライベートでは高さが合ってるんですよ。いつも座ってるから(笑)。_MG_3386

ーー鈴木哲也さん、3人だけでやろうという試みはとても挑戦的であり、大変だと思いますが、どんなところを苦労され、面白味を感じたか?

鈴木 マキノさんがせっかく舞台でやるんだったら、登場人物3人だけに限定してやるくらいじゃないとと。映画がみなさんご存知で完成度の高いものですから、そのままやるんなら映画見たほうが早いんじゃないかということになりかねないので。3人と聞いた時は、無茶言い出すなーと思ったんですけど、同時にそれやれたらすごいなと。脚本家としてもそういうのは燃えるわけですね。3人で有名なあのシーンこのシーンをやっていくっていうのを、逐一マキノさんと相談しながら、少人数ですので、原作にはない、また原作から膨らませたハードな会話であるとか、シチュエーションだとか、濃い人間関係っていうのも当然必要になってくるので、そういうものも盛り込んで。新しい要素と同時にロマンティックな要素を上手く融合するようなことを、マキノさんと相談しながら進めさせていただけました。

ーー3人でやるならではのアイディアがあったりするんですね?

マキノ あの有名なシーンはどうなってるの?っていうのは見てのお楽しみにさせていただいて(笑)。どう考えてもローマのロケーションを見せるのは無理ですが、舞台ならではの観客の想像力を刺激して、あたかもそう見えるような、演出ではいくつか考えています。それと3人だけのお芝居ですので、実際の映画の中でもジョーのアパートはかなり重要な場所で結構長いシーンがあるので、あそこをメインの場所としてそこでじっくりとした芝居をしていこうかと。

ーースクーターのべスパも活躍する?

マキノ それは活躍するでしょう、おそらく。でも朝海さんは免許がないということで、練習は公道でしないようにしてくださいね。
朝海 はい(笑)、稽古場でブンブン走らせたいと思います(笑)。

ーー吉田さんにお伺いしますが、映画とはこう違うふうにというのがありましたら。

吉田 映画では描かれなかったジョーという男の、なんで彼はそこにいるんだろう、とか、彼のそれまでの人生がすごく気になるんです。その辺を今回はうまくアレンジして、原作者のダルトン・トランボの人生をちょっとそこに織り交ぜてあるんですよ。その辺が見ていただくと、ローマで新聞記者として働いてる理由もわかるし、アーヴィングとの友情も映画よりも更に深くなっている部分があります。当時アメリカと言う国が抱えていた、時代背景がすごくわかり易く描かれて、ある意味メッセージ色もありますし、そんなところに僕はとっても魅力を感じています。

ーー吉田さんと小倉さんは居酒屋での友情が役に立ちそうですね。

吉田 10年来無駄な酒ばっかり飲んでたりするんですが、それも無駄じゃなかったと。
小倉 飲みに行くと朝まで帰してくれませんからね、この人は(笑)。

ーー朝海さん、オードリーヘップバーンの作品は『暗くなるまで待って』から2作連続ということになりますね。

朝海 偶然、オードリー・ヘップバーンさんが主演された映画を続けてやらせていただくことになって、やはり2作続けてその映画を研究すると、オードリーさんの素晴らしいキャラクターというか、美しさとか、可愛らしさとか、全部内面のものだったんだなというのがすごくよくわかります。外見だけでなく本当に素敵な女優さんだなぁ!と、今一番大好きな女優さんですね。

ーーヘップバーンを演じる気持ちはどのような感じ?

朝海 まず、ヘップバーンさんを演じていたというプレッシャーを外さない限り、そこからは飛べないという感じなので、皆さんが持ってる映画のイメージというのは踏まえながらも、そこから自分の想像力を働かせていくというのが大事だなと。今回もそれプラス皆さんの力をお借りして、素敵な作品にできたらと思っています。_MG_3379

ーー小倉さんは、意外ですが本格的なストレートプレイ作品は初めて?

小倉 そうですねー、お芝居はいっぱいやらせてもらったんですけど。劇団の芝居とか伊東四郎一座とか、外でもコント55号だったり寺内貫太郎一家だったり、笑いが中心になったお芝居が多かったですね、今まで。今回は嬉しいです。初めてこういう名作というか大作で、すごく嬉しいですよ。また、今回は3人ということで、役も深く書かれてましてね、関係性も深くなってますし、すごくいいなぁと思って。また深めるためには、もっともっと飲みに行かないとね(笑)。

ーー朝海さんとの共演は?

小倉 素敵なんでねー(笑)、アン王女と絡むシーンも映画と比べてもっとあるし、ちょっとドキドキしてます。

ーーこのシーンが思い入れがあるんだよなっていうのは、ありますか?

吉田 映画で言えば、べスパでローマ観光をするシーンとかあるんですけど、本を読んだ中で不安なのは、2人でね、そこまでべスパが都合よく動くかな?っていう(笑)。盆があれば盆が回って背景があれば走ってることになるんですが。盆がないので若干不安ですね(笑)。朝海さん免許ないし(笑)。僕が後ろに乗らなきゃいけない場面もあるんでね。そこが課題だと。

朝海 吉田さんに怪我をさせないように頑張ります(笑)。

ーー朝海さんは、暮れの『暗くなるまで待って』で初めてのストレートプレイということでしたが、その面白さをどういう風に感じているか。

朝海 ミュージカルを続けて何本かやらせていただいてたんですけど、ミュージカルのよさとして、感情の拡大版っていうのが、音楽に乗った表現方法だったり、踊りになったりするんですが、

台詞だけで役の感情を追求していける、深く、もっともっと深く人物像を自分で体感出来るというところが、とても魅力的でしたし、楽しかったですね。だから、今回もすごく楽しみにしてます。

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『ローマの休日

●4/27〜5/9◎天王洲 銀河劇場 メインホール

●5/12〜16◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

原作◇ダルトン・トランボ

演出・脚本◇マキノノゾミ

脚本◇鈴木哲也

出演◇吉田栄作、朝海ひかる、小倉久寛

<料金>
銀河劇場/¥9000(全席指定/税込)  
梅田芸術劇場/¥9000(全席指定/税込)

<お問合せ>
銀河劇場チケットセンター/03-5769-0011  http://gingeki.jp

2/20前売開始日のみ(10:00〜13:00、以後は10:00〜18:00)

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ/06-6377-3800  http://www.umegei.com/
 2/20前売開始

 

 

  【取材・文/岩見那津子 撮影/岩村美佳】

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