えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

座・ALISA『キセキのうた』

ジブリらしいミュージカル『おもひでぽろぽろ』

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1991年に公開されたスタジオジブリの人気作品『おもひでぽろぽろ』が、秋田・角館を拠点に活動を続けてきた劇団わらび座の手でミュージカル化され、東京・天王洲 銀河劇場で上演されている。

物語は、1982年の夏。東京の銀行でOLとして働いているタエ子の前に、
ある日、“5年生の自分”が現れ、当時の思い出や感情が次々と甦ってくる。
子どもの頃にあこがれていた夏休みの田舎暮らしをしたいと思い立ったタエ子は、
姉の夫の実家のある山形の農家に、“小学生の私”を連れて夏休みをとり出かけていく。
あたたかく彼女を迎えてくれるばっちゃや、トシオたちと触れ合ううちに、
タエ子は今まで忘れ、見失っていた自分を取り戻していく…。

タエ子を演じるのは、元宝塚男役トップスターで、退団後も女優として活躍を重ねている朝海ひかる。
タエ子の母と「ばっちゃ」の二役を演じるのは杜けあき。トシオ役はわらび座の三重野葵が演じている。

秋田が拠点のわらび座、物語の舞台の山形、宮城出身の朝海と杜という、東北に縁の深い作品となった本作。その稽古の3日前には、大震災が起こった。そんな中、全員が様々な葛藤を胸に抱きながらも、前を向いて舞台に真摯に取り組んできた。

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公開舞台稽古に際して、朝海と三重野が作品にかける想いを語った。
朝海ひかる
「ジブリ作品の世界が大好きなので、出演が決まったときは本当に嬉しくてとても光栄でした。その世界を表現するために、自分を開放していきたいです。
家族団らん、兄弟げんか、土と共に生きていた頃の重み、今ではちょっとずつ失くなっているようなことが、この物語を演じてみてわかってきたような気がします。
声高な強いメッセージというのではなく、自然とこの作品を感じていただけたら。
地に根付いている人たちの中で稽古をさせてもらって、改めて人間の強さを感じたし、自分ももうちょっと、地に足をつけてやっていきたいと思っています」
三重野葵
「映画では、花や水、森などは絵で表していますが、今回の舞台では、人間が木になり、花となり、小鳥となる。自然を人間が表現することは舞台ならではだと思います。
人間の力は自然からもらっている。捉え方は本当にそれぞれですが、人間がずっと追い求めてきたもの、自然とは切っても切れない関係にあることなど、そういうことを大切に僕たちが受け継いで、
それを次の人に繋いでいけたら。今、この舞台を誠実に作っていきます」

自然や人間へのあたたかい日差しのような愛を描きながら、生きている人間の心の中にあるツラサや悲しさ。そんなさまざまな思いを、懐かしさとともにジブリらしい深い目線で、情感豊かに描き出している。
朝海の素朴な笑顔、素直な演技はタエ子そのものだし、杜の可愛い「ばっちゃ」ぶりは見逃せない。またわらび座の若手俳優である三重野のパワフルな演技と歌。『おもひでぽろぽろ』はそんな役者たちの心のこもった芝居で、温かな気持ちになれる舞台となっている。


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公演情報
ミュージカル『おもひでぽろぽろ』

台本・作詞◇齋藤雅文 
演出◇栗山民也 
作曲◇甲斐正人
出演◇朝海ひかる 杜けあき 三重野葵 ほか
●2011/4/16〜4/29 ◎東京・天王洲 銀河劇場
<料金>¥8500円(全席指定・税込)
<問い合わせ>銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011

●2011/5/8〜7/22、2011/8/21〜2012/1/3 ◎秋田・わらび座劇場
*東京公演とは一部キャスト変更あり
<料金>
(前売) ¥3675円 小中学生¥2310円 
(当日) ¥4200円 小中学生¥2625円 
<問い合わせ>
わらび座 0187-44-3311



【取材・文 安孫子惠】

等身大の瀬奈じゅんが、観客を魅了 『ALivell 〜Handsome Woman〜』

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宝塚歌劇団月組のトップスターとして人気を集めていた瀬奈じゅんが、退団してから1年が経った。
退団後は、人気ミュージカル『エリザベート』や、『アンナ・カレーニナ』などのタイトルロールを見事に演じてきた彼女が、2度目のソロコンサート『ALivell 〜Handsome Woman〜』を開催した。
タイトルの「ALive」とは、「a live=今を生きる」「A Live=一つのライブ」「あさこ(瀬奈の愛称)のライブ」など、さまざまな意味がこめられている。
「1年間女優として活動して、少しは女らしくなった私を表現したい」とコンサートに向けて熱い意気込みを語った瀬奈は、その言葉通り、妖艶で情熱的なアルゼンチンタンゴを披露したほか、宝塚時代にも好演してきたミュージカルナンバー、女性役で出たミュージカルから男性のナンバーを歌うなど、様々な魅力で観客を魅了した。
おりしも、このコンサートの稽古中に東日本大震災が起こった。
自身も阪神・淡路大震災で被災した彼女は、様々な葛藤を抱えたという。
「舞台の上から夢や希望をお届けするのは綺麗ごとのような気がして、複雑な気持ちでお稽古をしてきました。でも、いまこの瞬間、私にしか出来ないことが必ずある、と信じています。
今、こういう時だからこそ、私たちが出来ることをしなければいけない、という想いで、スタッフ・キャスト全員が一つになりました。一人一人の想いが劇場に集中しました。
そのパワー、それを少しでもお届けできることが出来たら、それが願いです」
と舞台上で心境を語り、様々な想いがつまった『ALive』を熱唱した。


 
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瀬奈じゅん Concert
『ALivell 〜Handsome Woman〜』
●4/1〜5◎赤坂ACTシアター
●4/9、10◎NHK大阪ホール
原案◇藤井大介(宝塚歌劇団)
演出◇山田和也
音楽◇青木朝子
出演◇瀬奈じゅん 舞城のどか 美鳳あや 大月さゆ
東山竜彦 白髭真二 西田健二 千田真司 加賀谷一肇 宮垣祐也
<料金>
東京公演/S¥10000円 A¥8000円
大阪公演/S¥10000円 A¥8000円
公式サイト


【取材・文/安孫子惠】

OGレビューツアー『DREAM FOREVER』公演決定

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2011年1月に上演された『DREAM TRAIL〜宝塚伝説』に続いて、宝塚歌劇団創立100周年に向けての公演第2弾が発表された。

鳳蘭、麻路さきが繰り広げる懐かしさと新しさが癒合したレビューショーに、卒業後初めてレビューで男役姿を披露する大和悠河が加わり、そして風花舞、星奈優里、初風緑が華を添える。

公演は東京、大阪の他に全国ツアーを予定。まもなく1世紀を迎えようとする宝塚歌劇の夢と感動を、日本中の観客に与えるステージとなる。

 

TAKARAZUKA WAY to 100TH ANNIVERSARY Vol.2

宝塚OGレビューツアー2011

DREAM FOREVER

構成・演出◇酒井澄夫

出演◇鳳蘭、麻路さき、大和悠河、風花舞、星奈優里、初風緑 ほか

●10/29〜30◎日本青年館大ホール

●11/21〜23◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

●11/1〜28◎全国ツアー

前売開始/8月予定

問合せ/梅田芸術劇場 06-6377-3888
http://www.umegei.com/ 

真飛聖退団公演 花組『愛のプレリュード Le Paradis!!』囲み取材

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325日、東京花組公演『愛のプレリュード/Le Paradis!!』の公開舞台稽古と囲み取材が行われた。
トップ男役の真飛聖はこの公演での退団が決まっているが、そのことに対する思い以上に、
真飛のある真摯な気持ちが、この囲み取材ではストレートに伝わってきた。
通常の初日会見だと、いくつかの質問に答えた後にフォトセッションとなり撮影、
そのまま退場となるのだが、フォトセッション後、
「最後によろしいですか?」と真飛のほうから再び、
取材陣を前に話をはじめたのがとりわけ印象に残る。
話の内容は下の一問一答にも記してあるように、
「毎公演後、生徒が交代で1階ロビーに立ち義援金のお願いをすることになりました。」
ということだった。
その言葉の通り、初日から真飛自身も先頭に立ち、募金活動を行っている。
公演は424日まで、東京宝塚劇場にて上演中だ。


【挨拶】

真飛 みなさま本日は朝早くからお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。私事ではございますが、4月24日付けで宝塚を卒業させていただくことになりました。こういう状況ではございますが、とにかく舞台に立つこと、最後まで舞台を務めること、それが私たちの役目だと思っています。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

_MG_4773──今、こういう状況だともおっしゃいましたが、どういったことを伝えていきたいと思っていますか?

真飛 毎日毎日状況が変わっていく中、初日が近付いていって、今日になりました。地震が起きてから本当に、初日を開けるべきか、どうしたらいいのか、花組も、劇団も、本当に悩みに悩んで、苦渋の決断というか、通常通りに公演を行うということが決まりました。
宝塚をご存知ない方もいる中で、どういう風に感じられるのか?という不安もありましたが、被災地でも宝塚を楽しみにしてくださっていた方がたくさんいらっしゃる、というお声も聞きました。
今回は残念ながらご覧になれない方もいらっしゃるとは思いますが、私たちが東京で精一杯舞台をつとめることが、その方たちの明日への第一歩になれば、そしていつか、いつの日か宝塚をもう一回見るんだ、という夢を諦めずに心にずっと持っていただければ…そんな思いです。この劇場に来てくださる全てのお客様が時間を費やしてきてくださるので、その気持ちに私たちは100%応えて、素敵な時間、3時間、夢の世界をお届けできたらいいなと思っております。

──今回、お芝居は命の尊さ、ショーは「人生は一度しかない」というメッセージが込められていますね。

真飛 大劇場のときも、もちろん芝居の台詞の深さや歌詞から、当たり前の日々も、当たり前ではないんだと思いながら過ごしてきましたが、このような状況になりまして、改めて、自分たちが今、舞台で伝えたいメッセージというのは、形は違えども本当に似ているというか、なにかリンクするなと感じています。
より一層自分たちの思いが重なり、深くなってきていて、改めて色んな思いに気付かされたり、本当に生きることの素晴らしさなどを痛感しております。

_MG_4754──退団公演となりましたが、一回、一回どんな思いで舞台に立っていますか?

真飛 退団公演というのを考えすぎると自分の中で、何かが壊れてしまいそうな気がして…自分の感情と言うよりは、お芝居ではフレディー・クラークという役で生き、ショーでは『Le Paradis!!』の世界をみなさまにお届けしたいという思いで、大劇場公演は1ヶ月間やっておりました。
私の退団を知らずに見に来る方もたくさんいらっしゃる中、自分ひとりの思いということではなく、花組で今この舞台をやっているということに自分は全力を捧げたいので、退団公演ということはあまり意識していません。何度も申しますが、こういう状況ですので、1回1回が本当に大切で、1回1回何が起こるかわからない状況で、お客様が見に来てくださり、私たちも舞台をつとめています。でも、その時間と言うのも、もう戻ってはこない時間ではあるので、その時間を精一杯生きること、精一杯舞台に立ち続けること、というのが自分たちの夢であり、千秋楽までの大きな課題というか、目標というか、それだけは譲れないものです。

──若手の演出家との組み合わせはいかがですか?

真飛 鈴木圭先生の大劇場のデビュー作ということだったんですが、『ベルサイユのばら』などで植田先生の助手としてついてらして、私の男役としてのあり方とか、こだわりとかをご存知だったので、あまり初めての組み合わせ、という感覚というのはありません。


【真飛聖から一言】

真飛 宝塚という世界は限られていますので、情報などを私たちの口から発信するのはなかなか難しい状況にもありますが、みなさまに私たちの気持ちを伝えていただけることが、本当にいつも嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
今公演は、チャリティー公演ということで公演いたします。どういう形で、というのはまだ詳しくはお伝えできませんが、終演後には毎公演、全公演、出演者が義援金のお願いに立たせていただきます。見に来てくださった方々、舞台を一緒に作った同じ空間ですごした仲間たちがこの時間を通じて被災地の方を、なにか助けられないかと考えまして、義援金のお願いすることが決定いたしました。
私たちができることは小さなことかもしれませんが、何かできること、というのを考えての答えが今ひとつそういう形で見えはじめてきました。是非みなさまにもその気持ちを汲んでいただいて、ご協力していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。


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花組公演
ミュージカル・ロマン『愛のプレリュード』
レビュー『Le Paradis!!(ル パラディ)−聖なる時間(とき)−』

『愛のプレリュード』
作・演出◇鈴木圭

『Le Paradis!!』
作・演出◇藤井大介

3/25〜4/24◎東京宝塚劇場

<料金>
SS席 11,000円、S席 8,500円、A席 5,500円、B席 3,500円(税込)



【取材・文/岩見那津子】【撮影/岩村美佳】

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