えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

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鈴木裕美の新作にチャレンジ! 陽月華インタビュー

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元宙組トップ娘役で女優として活躍中の陽月華が、ユニークな公演に挑戦する。
作品は『ノミコムオンナ』、演出家の鈴木裕美が立ち上げた新プロジェクト「鈴木製作所」の第1回公演となる。

鈴木裕美と陽月華の出会いは、今年の2月に再演された『愛と青春の宝塚 恋よりも 生命よりも』で、陽月は星風鈴子(トモ)として、青春と死のドラマを激しく生き生きと演じていた。

その稽古場で演出家・鈴木裕美に魅了されてしまった陽月華が、今回参加することになった公演は、即興のダンスと芝居を組み合わせて創る、これまでにない形の舞台である。

まもなく初日を迎えるという熱気あふれる稽古場で、作品の内容を陽月華に語ってもらった。


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【裕美さん語録を作りました】


ーー今回、この作品に出演することになった経緯を聞かせてください。
 

鈴木裕美さんの演出は『愛と青春の宝塚』が初めてだったのですが、そのときにすごく感銘を受けたんです。言葉がすごく心に届いてきて、裕美さん語録をノートに作ったくらい勉強になりました。すごく楽しい稽古場でした。でも私が一方的に「素敵だな」と思っているだけで、まさかご自分の公演に声をかけてくださるなんて思ってもいなかったので、もう、喜んで!お願いします!という気持ちでした。


ーー裕美さんの演出はどこがいちばん魅力的でしたか?
 

まず、モノ作りへの姿勢がすごいんです。「あきらめる」とか「もういいか」ということがないし、わかりやすいんです。そして戯曲の読み込みが深いし、こちらがやりたいことがあるとそれを生かしてくれる。個々の役のことを考えながら全体を見ている。しかも多方面から考えているのがすごいなと。


ーー『愛と青春の宝塚』は陽月さんにとって女優3作目でしたね。生き生きと芝居に打ち込む陽月さんを見せてもらいました。
 

なんといってもほとんどが宝塚OGの方ばかりで気心が知れているということや、私の出る回のリュータン(嶺野白雪)さんが、星組時代にご一緒した湖月わたるさんだったことも大きかったと思います。それにトモというのはちょっと自分勝手なところもあるので(笑)、そのへんは自由にできたかなと。私は宝塚が大好きですし、私の原点だと思っているのですが、そのなかでも一番自分らしかった頃に戻ったような感じがありました。


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【自分を持ちつつ柔軟に】


ーー女優になって舞台に出て感じる宝塚時代との大きな変化は?
 

いちばん大きな違いは毎回メンバーが違うことで、それはすごく大きいなと。同じメンバーでいる良さと難しさ、違うメンバーである難しさと良さが、それぞれあるなと思いますね。


ーー理解し合うにも時間がかかりますからね。
 

仲良くなるとか解り合うということよりも、作品創りの中で自分というものをちゃんと持っていないといけないなと思います。「これです」というものを持っていれば、初めての人ばかりの中でもすっと立っていられる。ブレずにいられるのかなと思うんです。


ーー自分をそこでどう存在させるか、みたいなことですか?
 

例えば紙だとしたら、その前の繊維みたいな素材ではなく、ちゃんと1枚の紙になっていたいと思うんです。それで、色や形が変わるけど紙でいる、というようなことなのですが。とりあえず自分はこういう人間ですというのを持っていて、そして柔軟になっていきたいなと思うんです。


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【創作の面白さがわかってきた】


ーーこの公演の内容はかなり斬新だそうですね。
 

最初に裕美さんがダンスの公演をしたいとおっしゃったので、私でいいのかなとびっくりしたんです。私はダンサーではないですから。『愛と青春〜』の稽古場で、フィナーレですごいダンサーの星奈優里さんの隣りで踊る私の技量もちゃんと見ていられたはずで(笑)、それを承知で言ってくださっているのならとお受けしたんです。でも内容も「即興劇をダンスで」というようなことをしたいと。私の中には創作的な部分が全然なくて、1度だけ創作したことがあるのですけど、それは宝塚音楽学校でアキコ・カンダ先生の試験で、それ以来なんです(笑)。


ーーそれはプレッシャーですね。
 

裕美さんが「他の人たちがすごいダンサーさんばかりだから大丈夫」と言ってくださったので、私は何もしなくていいのかなとちょっと安心していたんです。ところがいきなり「16小節考えてみて」とか、「ここ8カウントまかせる」とか振られて(笑)。それも並みいるダンサーさんの前で一番最初に、「ここの気持ちを動いてみて」とやらされたんです。でもその時は本当にできなくて。次に他の方が自分の部分を作って踊られたんです。それを見ていたら「あ、面白い! 自分もやれそう」と思えてきたんです。


ーー具体的にはどんなことをするのですか?
 

たとえば「美味しい」という言葉を身体で表現するとか、感情を表現するとかなのですが。それで感じたのは、自分の肉体がどれだけ訓練されているかで表現の幅が広がるんだなと。それから勝手に自分で壁を作っていたなと思いました。とにかく始めないとダメなので開き直って(笑)少しずつ踏み出し、ぶつかりながら、今は肉体の表現力ってすごいなと思っています。


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【ダンスってこういうものなんだと】

ーー背景がボクシングジムということですが、ストーリーもあるのですね?
 

基本に蓬莱竜太さんが書いた台本があって、それがセリフの部分とダンスで表現する部分に分かれているんです。そのバランスを裕美さんが考えて演出していってます。人間関係はかなり複雑で、それを言葉なしで表現していく裕美さんの演出力はすごいなと思います。この前の通し稽古の印象では、やっぱりお芝居を観たという感覚みたいです。


ーーダンスで伝える部分がどう出来ているか楽しみですね。
 

ストーリーのあるダンス公演は色々ありますが、それよりもっとお芝居的なダンスを見せるという形ですね。ダンスって興味ない人には馴染みにくかったりしますけど、この公演だったら「ああ、ダンスってこういうものなんだ」と解ってもらえる気がします。とにかくみんなの肉体がすごいから、それだけでも面白いです(笑)。


ーー陽月さん自身のダンスへの意欲も増しましたか?
 

身体は鍛えておかないとと思いました(笑)。それと振り数がないと表現を発展させられないので、いろいろな知識も必要だなと。みんなが発信型なのですごく刺激になっています。この稽古場で改めて「私、受け身だったな」と。昔はもうちょっと攻めてたんじゃないかな(笑)と思いました。


ーーこの舞台で、新しい陽月華を見られそうですね。
 

自分の中では間違いなくそうです。皆さんにもそういう私を観ていただきたいですし、作品も絶対面白いと思いますから、観て損はないよと(笑)。
 


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鈴木製作所1

『ノミコムオンナ』

作◇蓬莱竜太

演出◇鈴木裕美

出演◇陽月華、木村晶子、鴇田芳紀、安田栄徳、瀧川英次、柴一平 / 福麻むつ美、久保酎吉

●8/31〜 9/5◎新宿シアターモリエール

〈料金〉前売4500円 当日4800円(全席指定、税込)

〈問合せ〉自転車キンクリーツカンパニー 080-3068-7427

  http://www.jitekin.com/

【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

演劇キック演劇情報コーナーhttp://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/


ミュージカル『ドラキュラ』フォトレビュー


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ブラム・ストーカーによるヴィクトリア朝文学の傑作、「ドラキュラ」の世界に、元宙組トップスターの和央ようかが挑戦するミュージカル『ドラキュラ』が8月20日、東京国際フォーラムで開幕した。

このミュージカル『ドラキュラ』は、人気ミュージカル『ジキルとハイド』の作曲で著名なフランク・ワイルドホーンが作曲、ドン・ブラックとクリストファー・ハンプトンが作詞、脚本を手掛けている。
2001年に初演、その後2004年にブロードウェイ、2007年にオーストリア・グラーツで上演され、今回は初めての日本上演となる。オーストリア・グラーツ版をもとに、吉川徹が演出を担当している。
出演者は、女優の和央がドラキュラ伯という男役に退団以来5年ぶりに挑戦。名コンビとして知られた花總まりがドラキュラに愛される美女ミーナに扮している。また舞台で活躍中のアイドル安倍なつみや、ミュージカル界で実力と人気の小西遼生、鈴木綜馬といった出演者が顔を揃えている。


【物語】

トランシルヴァニア城に青年弁護士ジョナサン(小西遼生)を迎えたドラキュラ伯爵(和央ようか)は、彼の婚約者ミーナ(花總まり)の写真に魅入られてしまう。そしてジョナサンの血を吸って若さを得たドラキュラ伯は、ミーナを手に入れるために、親友ルーシー(安倍なつみ)を誘惑し、さらにミーナにも接近していく。だがドラキュラの正体を知るヴァン・ヘルシング教授(鈴木綜馬)が立ちふさがる……。

 


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ミュージカル
『ドラキュラ』

作曲◇フランク・ワイルドホーン

訳詞・演出◇吉川徹

出演◇和央ようか/花總まり 安倍なつみ 小西遼生 上山竜司 矢崎広 小野田竜之介・松原剛志/鈴木綜馬 ほか
 

●8/20〜9/11◎国際フォーラムC

〈料金〉プレミアム席20000円 S席12000円 A席9000円 B席6000円

〈お問合せ〉キョードー東京 0570-064-708

●9/15〜9/18◎梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉SS席19000円 S席12000円 A席9000円 B席6000円

〈お問合せ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00)  


【撮影/岩村美佳】 

 


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瀬奈じゅん主演ミュージカル『ニューヨークに行きたい!!』制作発表


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帝劇100周年のラインナップの1つでドイツ発のヒットミュージカルが、この秋、瀬奈じゅん主演で上演される。

その作品、『ニューヨークに行きたい!!』は、ドイツのヒット曲メーカー、ウド・ユルゲンスの音楽に乗せて送るミュージカルコメディーで、『エリザベート』のミヒャエル・クンツェが歌詞のほとんどを担当している。

豪華客船を舞台に華麗な衣裳と楽しいダンスがいっぱいというショーアップしたステージで、07年にハンブルグで初演、現在はシュツットガルトとウィーンで大ヒット上演中である。
 

主演の瀬奈じゅんは人気テレビのキャスターをしているリサの役。老人ホームで暮らす母マリア(浅丘ルリ子)が、同じホームのオットー(村井国夫)と豪華客船で駆け落ち、ニューヨークで自由の女神の下で結婚式を挙げるというので、オットーの息子のアクセル(橋本さとし)とともにあとを追いかけていく。その道中でアクセルとの間に恋が芽生えて……。楽しい歌とダンス、笑いで運んでいくハッピー・ミュージカルである。


この作品の制作発表が8月22日に行なわれ、劇中の衣裳で瀬奈、橋本、浅丘、村井という4人のメインキャストが登場した。
 

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【一問一答】
 

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ーーまずこの作品の魅力を語っていただきたいのですが。

山田 僕は子供の頃から船が大好きだったので、客船を舞台にしたミュージカルの演出ができることを本当に嬉しく思います。ミュージカルコメディなので笑いがふんだんにあるし、ダンスや見せ場がたくさんある。一番の特徴は現代のミュージカルということで、あまり現代というものはないんですよね。これはまごうかたなく現代の血の通った人たちが、人生のいろいろなことや仕事に追われながら生きていく。そういう人たちの喜怒哀楽、愛憎が客船の中で繰り広げられていく。世代の違い、仕事を取るか恋を取るか、我々に身近な問題がたくさん出てくるんですが、深刻にならずに笑いの中に何が大切なのかを考えさせてくれる、楽しいミュージカルです。

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ーー瀬奈さんはキャリアウーマンのリサ役ですが?

瀬奈 今回の最近では珍しい現代のミュージカルで、私は女優になってから現代女性を演じるのは初めてなので、新たな挑戦と思って頑張りたいです。女性の永遠のテーマである仕事か結婚かということでは自分にちょっと重ねながら(笑)、悩みながら、共演者の皆様にいい刺激を受けながら、とにかく楽しいミュージカルをお届けしたいと思っております。
 

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ーー橋本さんは『三銃士』に続いて瀬奈さんと恋人役ですね?

橋本 瀬奈さんとは今、舞台でとても切ない恋を繰り広げています。しかも舞台上で絡むのも一瞬なんですよね。でもこの作品はがっちり、ハッピーラブなので、俳優としても男としても楽しみに思っております。でもさっき控え室で山田さんから「さとしも早く衣裳に着替えたほうがいいよ」と言われたんですが、確かにこれ普段着そのままみたいで(笑)。これが衣裳です。しかも箪笥から出したばかりみたいな匂いがして硬いし、靴も足が痛いんです(笑)。これがちゃんと馴染んで役の衣裳に見えるようになっていたいなと思います。
 

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ーー村井さんは浅丘さんと駆け落ちする役で、色々なご経験も踏まえて。

村井 私が初めて駆け落ちをしたのは・・・(笑)。今回の役のことなんかどうでもいいんです。変わり映えのしない中に唯一新鮮な浅丘さんにワクワクしております。僕は少年の頃から、浅丘さんが少女の頃から、憧れの方なのでご一緒できるので、何よりも嬉しいです。この話は人生の楽しさとか恋の素晴らしさとか、人を許容することの美しさとかがテーマになっております。4人のうちの3人までは恋の達人ですから、(瀬奈・立ち上がる)君のことだとは言ってないでしょ(笑)。素敵な恋模様ができるんじゃないかと思っております。
 

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ーーミュージカル初登場の浅丘さんですが、今の気持ちは?。

浅丘 今の気持ちは死にたいです(笑)。私がこんな仏頂面でいるのは、「なあに?私に歌えってか?」と(笑)。いろんな不安ばっかりで、どうしたらいいのかわからなくて、もう本も覚えたくないくらいで(笑)。今年はなぜか三本目で、全部同じ年の役なのでそれは嬉しいなと。でもミュージカルのお稽古は1カ月半かかりますと言われて、まず歌の稽古、踊りの稽古、そして本番の稽古と、それを聞くたびに憂鬱になってきて(笑)。どうしたらいいか、本当にできるものなら今からでも降りたいと(笑)。(3人に)あなたたちは慣れてるからいいけど、お客様をがっかりさせないように、できるだけ早く台本も音楽も先にいただいて先に努力して、皆さんと肩を並べられるようにと思っております。どうなりますことやら。私は歌は下手でございますけれども心で歌ってみようと思います。そうぞよろしくお願いいたします。
 

ーー浅丘さん、すでに何かされているのでしょうか?

浅丘 毎日30分声を出しなさいと言われてて。そんなの絶対できないからすぐに上手くなる方法を教えてと言ったんですが、そんな方法はないと(笑)。仕方ないのでできるだけ努力します。
 

ーー役柄への取り組みを。

瀬奈 台本を読んでみた限りでは、なかなか人に心を開けなかったり、女だから舐められたくないとか、ちょっとというか、かなり自分と重なる部分がありますので。

浅丘 意外!

瀬奈 そうなんです。人見知りが激しいのでよろしくお願いいたします(笑)。最後はリサは母親に心を開いていくのですが、その成長とともに、私自身ももっともっと心を開いて成長したいなと思っています。

橋本 僕はルックス的にはふだんと全く変わらないからそのへんは気楽なんですが、いつもハッピーラブとは縁遠いので(笑)、何を言わすねん(笑)。瀬奈さんとは二度目なのでわかってる部分もあるし、新しい関係性で再会できて嬉しいです。それに村井さんと親子というのが今回、どんな家族?と(笑)。

村井 うーん、ちょっとヤバいね(笑)。

橋本 親子の絆とか、男同士の関係も楽しみなんですが、できれば村井さんには浅丘さんだけで、瀬奈さんは奪われないように僕も頑張らないとと思ってます。

村井 マリアが相当アクティブな女性なので、僕はそれに引っ張られていくんですけど、僕がマリアに惹かれるのはわかるんですが、マリアがなぜ僕を選んでくれたのかちょっとわからなくて(笑)。そこをうまく納得してもらうように作っていくのが大事かなと思ってます。

浅丘 アクティブという役は私にはたいへん合っております(笑)。私は何をやらかすかわかりません(笑)。老人ホームの経験もないしこんな大きな娘を持ったこともないので、いろいろ想像できないんですが、瀬奈さんを妹と思っているほうが親しい感じがするかもしれませんね。でも親って本当にたいへんだろうなと思います。喧嘩もしなければならないしね(笑)。でも最後は仲直りするのよね。私、あなたをすごく愛しますからね。

瀬奈 はい。私も愛したいと思います。よろしくお願いします。


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ーー瀬奈さん現地で観た感想は。

瀬奈 プレビューでしたから、かつらを飛ばす人はいるわ、出遅れする人もいるわ、はちゃめちゃだったんですけど、たくさんダンスナンバーがあるし、私はドイツ語はわからないんですけど、なぜか笑ってしまったんです。ミュージカルの面白さってやっぱり身体を使って伝えるものだなと。それに曲の素晴らしさと、人間関係の面白さ、狭い船の上ならではの楽しさもあって。この楽しさを日本語にして私たちが伝えるのはどうしたらいいのかなと思いながら観てました。とにかく楽しいミュージカルでした。
 

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【囲みインタビュー】
 

ーー大先輩たちに囲まれて主演ですが。

瀬奈 そこを考えすぎちゃうと気負うのであまり考えずに、こんな素敵な方たちと一緒にさせて頂けることを、ありがたいなと思って大切に演じたいです。
 

ーー浅丘さんウエディングドレスの感想は?

浅丘 40年目ですね。素敵でしょ? 着る機会?もうないでしょ。
 

ーー村井さんと共演は初めて?

浅丘 初めてなんです。テレビでも舞台でも全然なくて。前から拝見させていただいてましたので、嬉しいです。

村井 私の方こそ嬉しくて嬉しくて。昔から「何かやりたいね」というお話はしていたので、それが恋人役なので、本当に嬉しいですね。
 

ーー橋本さんはカメラマンですね?

橋本 何のカメラマンかと思っていたんですけど、衣裳からいうとどうみても戦場カメラマンですよね(笑)普段自分では携帯の写メールぐらいで(笑)。カメラマンに内面からなりきりたいと思います。それよりもト書きに「フレッド・アステア顔負けのダンスをする」と書いてあって(笑)。ダンサーでない僕の1番不安なポイントで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。

村井 あれ、無くなったから。

橋本 ほんと?

村井 うそだよ(笑)。
 

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ーー浅丘さん歌がすごく心配だと?

浅丘 だって皆さんはミュージカルの方でしょ? 私が歌うことでがくっと落ちたら申し訳けないから。

村井 バラードですから大丈夫ですよ。この間の芝居でも歌ってたじゃないですか?

浅丘 でもあれは普通の芝居だから。

村井 芝居歌でいいんです。

浅丘 じゃ、心で歌います。本当に不安なので早く稽古がしたいです。早く音もほしいし、台本もほしいし。早く覚えて早く皆さんに追いつきたいです。

村井 浅丘さんは立稽古の時には全部台詞が入ってますからね。橋本くん、大丈夫ね?

橋本 僕も博多の『三銃士』公演中に必死でがんばります!

瀬奈 同じく博多でがんばってきます。
 

ーー最後に瀬奈さん一言。

瀬奈 親子の絆も描いているこのミュージカルが、ふだん身近にある大切なものを見直していくきっかけになればいいなと思います。もちろん、とてもハッピーなミュージカルなので、何も考えずにただ楽しんでいただいてもいいと思います。私たち、精一杯お稽古を頑張りますのでぜひ観にいらしてください。よろしくお願いいたします。


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帝国劇場100周年記念公演 ミュージカル

『ニューヨークに行きたい!!』

音楽◇ヴド・ユルゲンス

演出◇山田和也

出演◇瀬奈じゅん、橋本さとし、泉見洋平、戸田勝海、村井国夫、浅丘ルリ子、他

●10/29〜11/20◎帝国劇場

●11/25〜11/29◎梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉S席12500円 A席8000円 B席4000円(全席指定/税込)

〈料金〉SS席15000円 S席12000円 A席9000円 B席5000円(全席指定/税込)

〈問合せ〉東京/東宝テレザーブ 03-3201-7777

大阪/梅田芸術劇場 06-6377-3800

http://www.tohostage.com/newyork/


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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女優としてスタート・愛原実花インタビュー

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元宝塚歌劇団雪組のトップ娘役だった愛原実花が女優としてスタート。8月6日から名古屋の御園座で、退団後初の舞台に出演している。

作品は井原西鶴の名作『好色一代男』で、片岡愛之助が扮する色男の浮世之介が、さまざまな姿に身を変えながら、理想の女性を求めて諸国を遍歴する物語である。

世之介を取り巻く女性たちには、宝塚OGの紫吹淳や遼河はるひ、ベテラン女優の竹下景子なども出演するという贅沢なキャストの中で、愛原は島原の花魁・夕霧太夫と、やくざの囲われ者のおしのという二役で登場する。

来年初めには『ラ・カージュ・オ・フォール』という人気ミュージカルにも出演が決まって、女優として順調に歩きはじめた愛原実花に、女優初舞台の稽古場で、この作品への取り組みと、これまで、これからを聞いた。


【最高位の花魁と薄幸の女性の二役】

ーー愛原さんの役柄は二役だそうですね?
夕霧太夫という島原の花魁と、おしのというヤクザに囲われている女の役です。

ーー『好色一代男』という作品は主人公の浮世之介の女性遍歴を描いていますが、実は真実の愛を求めてさまよう物語でもありますね?

そうなんです。出演が決まってから原作を読んでみたのですが、世之介さんが理想の女性を求めて旅をするというお話なんです。

ーーおしのは悲恋だとか?

はい。すごく切ない恋で、世之介さんと道行きの舞いもあったりして、最後は悲しい別れになります。

ーー夕霧太夫のほうは最高位の花魁だそうですが、そういう役どころは?

初めてです。資料を調べてみたら、全てに長けていて、和歌、鳴り物、書、唄、踊りにも優れていて、さらに、品と芸と教養と容姿が「極上の人」という、たいへんな役です(笑)。

ーー衣裳も豪華だそうですね。

太夫の衣裳は今まで着たことがないようなものです。和物ではこれまであまり豪華な衣裳には縁がなくて。宝塚時代の『風の錦絵』など、ブーツを履いてました(笑)。

ーー御園座という劇場は?

まだ行ったことがないのですが、伝統ある劇場ということで楽しみです。

ーー今回、宝塚のOGの紫吹淳さんと遼河はるひさんとの共演もありますね?

紫吹さんの舞台は宝塚に入る前のファン時代からたくさん拝見していましたから、お会いするのをすごく楽しみにしていたんですが、まだお会いできていないんです。出る場面が紫吹さんは江戸で、私は京都ということもあってすれ違いで。遼河さんも今回初めてご一緒します。モデルさんみたいに美しくて素敵な方です。

ーー相手役の愛之助さんとの呼吸はいかがですか?

まだ一緒のシーンはなくて、ちょっとお話させていただいただけなんですが、すごく優しい方です。私はご挨拶するだけで緊張していたのですが、「こちらこそよろしくお願いしますね」と穏やかに言ってくださって、ファンの方がたくさんいらっしゃるのがよくわかりました。そこにいらっしゃるだけで雰囲気がファーとなるんです。

ーー男優さんとの舞台は確か初めてですね?

はい。まだ慣れなくて緊張しています。宝塚の娘役は、一挙手一投足まで相手役の方に合わせることが当たり前でしたし、まず相手役さんの考えを大事に、いろいろ教えていただきながら、というような形でしたが、これからは、自分の考えをちゃんと見せていかないと、ということをすごく感じています。

ーー宝塚歌劇団では「生徒」でしたからね。

愛之助さんにも最初は、「教えてください」みたいな感じになってしまって。「一緒にやっていきましょう」という姿勢で向き合ってくださっているのが、厳しくもあり、楽しみでもあって、新たな気持ちでがんばりたいと思っています。
 

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【今を生きるのに必死だったトップ娘役時代】


ーー周りの役者さんたちも含めて稽古場も雰囲気がずいぶん違うのでは?

やはり相手の方が本物の男の方というのが一番大きな違いですね。すごく声が太くて低いなとか具体的な違いを感じますし、年輩の男優さんや女優さんもいて、多様というか個性がある方ばかりだなと。

ーーその中で愛原実花らしさをいかに出すかですね。

そうなんです。まだ娘役の形がどこか残っていて。

ーーでも下級生時代からリアルな演技派として目立っていて、『忘れ雪』の金井静香とか、『凍てついた明日』のボニーなどは、伸び伸びと演じて好評でしたね。

何もわからないまま、自分なりにやってました。とくに原作がある役は、その役にいかに近づくか、演じていて自分でも楽しかったです。

ーー愛原実花らしさは、そういう自由さだと思うのですが?

そうですね。『忘れ雪』の頃は、ちょうどなにか吹っ切れたというか、とにかくお芝居を楽しみたいと思っていて、悪役でも濃い役でも、何でも楽しもうって。純粋に作品の中できちんと生きられればいい、作品の中で自分の役割りを見つけられたらそれでいい、そういう気持ちでした。

ーーその頃はトップ娘役になるという話はまだ?

全然ないです。考えてもいませんでした。

ーー女役とか個性派で行こう、みたいな?

セリフがなくても脇のほうで誰かと小芝居していたり、そういうことが楽しかったですね。それまでは、ふだんも娘役だから娘役らしい服にしようとか、背が高いので3センチヒールしか履かないとか、いろいろ気にしていたんですが、全部やめて自分らしくしはじめたんです。それを水夏希さんが見てくださって、「そこが良かったんだよね」と、あとでおっしゃってくださいました。

ーートップ娘役になってからは、そういう自由さと相反する部分も多かったと思うのですが、かなり苦しんだのでは?

どういう芝居をしたいとかどういうふうになりたいとか、それどころではなくて、とにかく目の前にある与えられたものに取り組むだけでした。今日を生きること、明日を生きること、それだけで必死で。トップ娘役という立場にいることだけで精一杯でした。


【父の看病をする用意を】


ーー退団公演の最中にお父様が亡くなりましたね。

宝塚大劇場の公演中でした。父が亡くなったと聞いたのが開演10分前だったので、逆に泣いている場合ではないというか、やらなくてはならないことが目の前にあったのは有り難かったと思います。今のように1日がゆったりと流れているなかで受け止めるより、あの開演前の緊張の中でよかったなと。それに、舞台ってやっぱり神聖な場所ですから、守られているのをすごく感じていました。暗転とか袖にいるときとか、近くにいるのを感じていました。そういう気持ちで冷静に舞台をつとめられたのも、お客様のおかげだと思いますし、水さんはじめ雪組の皆さんのおかげだったと思います。

ーーとくにお父さん子だったそうですね。

そうなんです。それだけに何もなかったら立ち直るのがたいへんだったと思います。だから退団の忙しさに救われました。

ーー退団後のことは相談されたのですか?

一応、こういう仕事をしたいと言ってありました。

ーー芸能界は反対だったと聞きますが?

早く辞めて医者か公務員と結婚しろというのが口ぐせで(笑)。でも最後は、私の続けたいという気持ちはわかってくれていました。ただ、役者を続けるのがどれだけたいへんか知っているので、心配もしていました。

ーー厳しい世界ですからね。

私も退団したあとはすぐ女優になるのではなく、まず父の看病をしようと思っていて、その用意をしていたんです。ちょうど退団を考えた時期に父の病気がわかったこともあって、辞めたら車の免許を取って病院に乗せて行こうとか、介護の勉強をしようとか考えたり…。

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【できれば映像にもチャレンジしたい】


ーー退団して3カ月くらいで事務所の発表がありましたね。

12月に誕生日があったので、ちょうど次のことに踏み出すのにいいきっかけだと思いました。

ーーまだ25歳ですから、早い退団でしたね。

宝塚は本当に大好きだったので、辞めるのは寂しかったんですけど、幸せに送りだしてもらったので、最高の思い出として大事にしていきたいと思っています。これからもずっと観ると思います。自分のホームだったと思えるところですから。

ーーあちこちの劇場や関係者ゲネプロなどでよくお見かけするので、すごく舞台が好きなんだろうなと。

いろいろな舞台を見ることで本当に勉強になってます。芸能界の先輩方とかスタッフの方たちとお会いできる機会にもなって、視野がすごく広がりました。それに宝塚もすごくたくさん観に行ってます(笑)。

ーーそして、今後の方向性ですが、どんなものをやりたいですか?

舞台だけでなく映像もチャンスがあったらやってみたいです。今は型にはまらないでなんでもやってみたいし、可能性を探るためにもなんでも経験したいです。

ーー演技の資質をどんどん伸ばしていければいいですね。まずは、この初舞台にチャレンジですね。

皆さんの胸を借りて頑張りたいです。すごく素敵な舞台になりそうです。和物なのにイタリア歌曲みたいな音楽が入ったり、照明も道具もいろいろ凝っているし、踊りもあるし。楽しく観ていただけるものになると思いますので、皆さんぜひ名古屋までいらしてください。
 


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御園座八月納涼公演

『好色一代男』

原作◇井原西鶴

脚本・演出◇岡本さとる

出演◇片岡愛之助、紫吹淳、愛原実花、守田菜生、遼河はるひ、

原田龍二、桂雀々、田根楽子、上村吉弥、竹下景子 ほか

8/6〜21◎名古屋・御園座

〈料金〉一等席 13,000円/二等席 7,800円/三等席 3,900円/特別席 15,000円/特別室[食事付]東(4名)40,000円/西(3名)30,000円   (全席指定・税込)

〈問合せ〉御園座 052-222-1481 (午前10時〜午後5時)
http://www.misonoza.co.jp/


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

演劇キック演劇情報コーナーhttp://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/

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