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真飛聖退団公演 花組『愛のプレリュード Le Paradis!!』囲み取材

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325日、東京花組公演『愛のプレリュード/Le Paradis!!』の公開舞台稽古と囲み取材が行われた。
トップ男役の真飛聖はこの公演での退団が決まっているが、そのことに対する思い以上に、
真飛のある真摯な気持ちが、この囲み取材ではストレートに伝わってきた。
通常の初日会見だと、いくつかの質問に答えた後にフォトセッションとなり撮影、
そのまま退場となるのだが、フォトセッション後、
「最後によろしいですか?」と真飛のほうから再び、
取材陣を前に話をはじめたのがとりわけ印象に残る。
話の内容は下の一問一答にも記してあるように、
「毎公演後、生徒が交代で1階ロビーに立ち義援金のお願いをすることになりました。」
ということだった。
その言葉の通り、初日から真飛自身も先頭に立ち、募金活動を行っている。
公演は424日まで、東京宝塚劇場にて上演中だ。


【挨拶】

真飛 みなさま本日は朝早くからお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。私事ではございますが、4月24日付けで宝塚を卒業させていただくことになりました。こういう状況ではございますが、とにかく舞台に立つこと、最後まで舞台を務めること、それが私たちの役目だと思っています。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

_MG_4773──今、こういう状況だともおっしゃいましたが、どういったことを伝えていきたいと思っていますか?

真飛 毎日毎日状況が変わっていく中、初日が近付いていって、今日になりました。地震が起きてから本当に、初日を開けるべきか、どうしたらいいのか、花組も、劇団も、本当に悩みに悩んで、苦渋の決断というか、通常通りに公演を行うということが決まりました。
宝塚をご存知ない方もいる中で、どういう風に感じられるのか?という不安もありましたが、被災地でも宝塚を楽しみにしてくださっていた方がたくさんいらっしゃる、というお声も聞きました。
今回は残念ながらご覧になれない方もいらっしゃるとは思いますが、私たちが東京で精一杯舞台をつとめることが、その方たちの明日への第一歩になれば、そしていつか、いつの日か宝塚をもう一回見るんだ、という夢を諦めずに心にずっと持っていただければ…そんな思いです。この劇場に来てくださる全てのお客様が時間を費やしてきてくださるので、その気持ちに私たちは100%応えて、素敵な時間、3時間、夢の世界をお届けできたらいいなと思っております。

──今回、お芝居は命の尊さ、ショーは「人生は一度しかない」というメッセージが込められていますね。

真飛 大劇場のときも、もちろん芝居の台詞の深さや歌詞から、当たり前の日々も、当たり前ではないんだと思いながら過ごしてきましたが、このような状況になりまして、改めて、自分たちが今、舞台で伝えたいメッセージというのは、形は違えども本当に似ているというか、なにかリンクするなと感じています。
より一層自分たちの思いが重なり、深くなってきていて、改めて色んな思いに気付かされたり、本当に生きることの素晴らしさなどを痛感しております。

_MG_4754──退団公演となりましたが、一回、一回どんな思いで舞台に立っていますか?

真飛 退団公演というのを考えすぎると自分の中で、何かが壊れてしまいそうな気がして…自分の感情と言うよりは、お芝居ではフレディー・クラークという役で生き、ショーでは『Le Paradis!!』の世界をみなさまにお届けしたいという思いで、大劇場公演は1ヶ月間やっておりました。
私の退団を知らずに見に来る方もたくさんいらっしゃる中、自分ひとりの思いということではなく、花組で今この舞台をやっているということに自分は全力を捧げたいので、退団公演ということはあまり意識していません。何度も申しますが、こういう状況ですので、1回1回が本当に大切で、1回1回何が起こるかわからない状況で、お客様が見に来てくださり、私たちも舞台をつとめています。でも、その時間と言うのも、もう戻ってはこない時間ではあるので、その時間を精一杯生きること、精一杯舞台に立ち続けること、というのが自分たちの夢であり、千秋楽までの大きな課題というか、目標というか、それだけは譲れないものです。

──若手の演出家との組み合わせはいかがですか?

真飛 鈴木圭先生の大劇場のデビュー作ということだったんですが、『ベルサイユのばら』などで植田先生の助手としてついてらして、私の男役としてのあり方とか、こだわりとかをご存知だったので、あまり初めての組み合わせ、という感覚というのはありません。


【真飛聖から一言】

真飛 宝塚という世界は限られていますので、情報などを私たちの口から発信するのはなかなか難しい状況にもありますが、みなさまに私たちの気持ちを伝えていただけることが、本当にいつも嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
今公演は、チャリティー公演ということで公演いたします。どういう形で、というのはまだ詳しくはお伝えできませんが、終演後には毎公演、全公演、出演者が義援金のお願いに立たせていただきます。見に来てくださった方々、舞台を一緒に作った同じ空間ですごした仲間たちがこの時間を通じて被災地の方を、なにか助けられないかと考えまして、義援金のお願いすることが決定いたしました。
私たちができることは小さなことかもしれませんが、何かできること、というのを考えての答えが今ひとつそういう形で見えはじめてきました。是非みなさまにもその気持ちを汲んでいただいて、ご協力していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。


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花組公演
ミュージカル・ロマン『愛のプレリュード』
レビュー『Le Paradis!!(ル パラディ)−聖なる時間(とき)−』

『愛のプレリュード』
作・演出◇鈴木圭

『Le Paradis!!』
作・演出◇藤井大介

3/25〜4/24◎東京宝塚劇場

<料金>
SS席 11,000円、S席 8,500円、A席 5,500円、B席 3,500円(税込)



【取材・文/岩見那津子】【撮影/岩村美佳】

花組公演『愛のプレリュード Le Paradis!!』

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花組トップスター・真飛聖の退団公演となる、
『愛のプレリュード/Le Paradis!!』の東京公演が3月25日に開幕した。
『愛のプレリュード』はこれまで『THE SECOND LIFE』(07年宙組)や『逆転裁判』(09年宙組)、
『摩天楼狂詩曲』(10年星組)を作・演出してきた鈴木圭の大劇場公演デビュー作品。
デビュー作品がトップスターの退団公演となるのは初めてのことである。

ボディーガードの仕事をしているフレディー(真飛聖)は、
発明家であるドイル(悠真倫)の依頼を受けてサンタモニカにやってくる。
ドイルの一人娘・キャシー(蘭乃はな)の命を守ることがフレディーの仕事。
しかし、キャシーはフレディーがボディーガードに付くことを頑なに拒む。

まずは、嫌々ボディーガードを続けるフレディーと、
勝気なお嬢様であるキャシーの丁々発止のやり取りが見所、といった感じ。
蘭乃が、ちょっと背伸びをしているけれど、
実は子供好きだったり、可愛らしい一面をもったキャシーを等身大の魅力でみせていた。
真飛のフレディーは、キャシーに皮肉をいったり、からかったり、と対応がひとつひとつ上手で、
キャシーと一緒にいることで余計に大人っぽさや、クールさが際立つ。
退団を意識しての衣装だろうが、真飛の白いコートの似合いっぷりが、もはや憎い。

ボディーガードとしてドイルの屋敷を訪れたフレディーは、
そこで、捜査員時代、無二の相棒であったジョセフ(壮一帆)と再会する。
偶然の再会に喜ぶフレディーだが、ジョセフにかつての面影はなく、
心ない彼の対応に、困惑するフレディー。
ジョセフは捜査員をやめ、不動産を扱う実業家に転身していた。
しかも、その裏で銀行強盗など、
たとえ悪事に手を染めてでもお金を手に入れようとする組織をつくり、活動を続けている。
ジョセフが変わってしまった、その理由は?

キャシーとの恋物語と平行して、ジョセフとの友情が描かれているこの物語。
終盤、娘役の蘭乃とではなく、壮と真飛のデュエットダンスがあることに驚いたが、
トップ娘役との恋、2番手男役との固い友情、とまさに王道の展開をみせる。
ジョセフの部下、マロウ(華形ひかる)、デューイ(朝夏まなと)、ゲイリー(望海風斗)として、男役スター陣も登場。
それぞれ黒いスーツに身を包み、悪さ漂う男役の色気と、仲間であるジョセフを思う熱さをみせる。
この辺りは、ちょっと『ベルサイユのばら』の衛兵隊たちの場面を思い出した。

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愛音羽麗はフレディーの同僚、スティーブ役。
フレディーを支えつつ、彼の生き様を見守り続ける役どころ。
真飛のほかにも退団が決まっている、真野すがたや、天咲千華、眉月凰らにも、
それぞれ見せ場があり、作者の愛情が感じられた。

最後に真飛演じるフレディーが、サンタモニカへの思いを告げる場面があり、
その台詞はそのまま、「真飛聖と宝塚」に重なっていく。
最後の最後まで王道の宝塚で、ここまで王道を突き進んでくれると、
小さなほころびを気にしても仕方がないか、という気分にさせられる。
フレディーは、引くに引けない大きな思いと影を常に抱えた男。
風のようにみんなを包み去っていく、真飛の男役最後の姿を味わいたい。

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ショー『Le Paradis!!』は藤井大介、作・演出。
賑やかな場面から、軽いタッチのストーリー性のある場面、最後は正統派な男役黒燕尾で締め…
と、飽きずに楽しくみていられた。
もう大劇場のショーはお手のものなのでは?というぐらい、
安心して、ワクワクし続けられる作品だ。
同じく藤井大介演出で、真飛の花組トップ時代を代表するショーといっていいだろう、
『EXCITER!!』と比べると派手さはないかもしれないが、
その分、パリの香りを感じられる、大人っぽい作品に仕上がっている。
銀橋を生徒が通る場面がたくさんあるのは、ファンにとっても嬉しいことだろうし、
途中、壮がドレスに身を包み、真飛と絡む色っぽい場面があったり、
クラッシクに面白い場面と、意表をつく場面とのバランスも楽しい。
もちろん退団する生徒への見せ場も盛り込まれていて、そこも見ていて嬉しくなるショーだった。

この公演で退団するのは、眉月凰、真飛聖、真野すがた、祐澄しゅん、天宮菜生、
天咲千華、鳳龍アヤ、朝陽みらいの8人。
無事に、そしてたくさんの幸せに包まれて、宝塚を卒業できるように、と願いたい。

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花組公演
ミュージカル・ロマン『愛のプレリュード』
レビュー『Le Paradis!!(ル パラディ)−聖なる時間(とき)−』

『愛のプレリュード』
作・演出◇鈴木圭

『Le Paradis!!』
作・演出◇藤井大介

3/25〜4/24◎東京宝塚劇場

<料金>
SS席 11,000円、S席 8,500円、A席 5,500円、B席 3,500円(税込)



【文/岩見那津子】 【撮影/岩村美佳】

雪組公演『ロミオとジュリエット』千秋楽報告

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2月17日から始まった、
雪組東京宝塚劇場公演『ロミオとジュリエット』の千秋楽を3月20日に観劇。

奇跡みたいな思いの受け渡しが、劇場の中では起こりうる。

舞台の熱気、
それをさらに盛り上げる客席からの拍手、
拍手を感じたタカラジェンヌたちから、
また熱い演技が返ってくる。
その繰り返しだった。

非日常×非日常

が作り出した千秋楽の舞台だったと思う。
宝塚の舞台は、もともと非日常の色が濃い。
さらにどんな公演でも千秋楽というのは、
“最後の1回”という思いが加味されて少し空気が変わるものだけれど、
地震の影響を受けての公演中止、そして再開を経ての千秋楽。
その点でまた舞台上も、客席も空気が違った。

特にそれを実感したのが、客席から手拍子が入る場面。
一幕の「世界の王」では明るいエネルギーが劇場全体に広まり、
その力の大きさには、ただただ単純に勇気づけられた。

キリキリと高まっていく出演者の集中力と熱気に、
胸が熱くなったのと同時に、
もしここでギリギリ保ってきたものがプツンと切れてしまったら、
演技の流れも何もかも取り返しがつかなくなりそうだ、
という恐怖感のようなものも実は感じていた。
決して広くはない道を、全力で駆け抜けていくような疾走感。
前しか見ていない。
少しでも足を踏み外したら、そこはもう崖。
そんな怖さ。
でも、だからこそ、最後の一回に込める思いも大きくなる。
そのことで生まれる感動も広がった。

最後まで無事に駆け抜けたのを見届けて、
一緒に駆け抜けられたような達成感と安堵感を、
客席にいても味わうことができた気がする。

この日で宝塚を卒業した、
花夏ゆりん、凰華れの、希世みらの、千瀬聖、鈴蘭まあやの5人も、
無事、袴姿でファンの前に登場し、
温かな拍手に見送られ宝塚の舞台をあとにした。

演じる側と観る側の思いが一つになる瞬間がある、
“劇場”という空間の怖さと最大の魅力を、宝塚の舞台でも実感した。
そんな、千秋楽の舞台だった。



雪組公演
『ロミオとジュリエット』

●2/17〜3/20◎東京宝塚劇場

〈料金〉SS席¥11000、S席¥8500、A席¥5500 B席¥3500

〈問い合わせ〉 03-5251-2001 東京宝塚劇場 


 【文/岩見那津子】

白羽ゆりさんからのお願い。

被災地である福島県出身の白羽ゆりさんからのお願いです。
所属するホリプロでは、次のような形で義援金のご協力をすることになったそうです。
まだまだ余震と原発の恐怖の中で毎日を送るかたがたへの祈りを込めて、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」

義援金窓口のための特別口座を、「希望」「信じあう心」を歌詞に込めた、ホリプロの代表的楽曲である「あの鐘を鳴らすのはあなた」(唄:和田アキ子) にちなんで「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」と名付け、17日付で下記口座を開設しました。

口座名:「あの鐘を鳴らすのはあなた基金」
口座番号:三井住友銀行 目黒支店 普通7119559


基金に集まった浄財は、すべて日本赤十字社を通じて、被災地の復興資金に充てることになっているそうです。
よろしくお願いいたします。

演劇キック/宝塚ジャーナル編集部

演劇キック演劇情報コーナー http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/ 

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