えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『HEADS UP!』

熱気とノリのよさで盛り上がる真琴つばさライブ『TSUBASA 〜To be to be more to be』公開舞台稽古&囲みインタビュー

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今年で芸能生活25周年を迎える真琴つばさのライブ『TSUBASA 〜To be to be more to be』の公開舞台稽古と囲みインタビューが7月2日、赤坂BRITZで行われた。

1985年、宝塚歌劇団に入団。月組トップスターとして多くのファンを獲得。2000年に退団してからは歌手活動をメインに、テレビのバラエティなどでも楽しませるタレントとして、また女優としてもミュージカルからストレートプレイまで活躍中だ。

初日を迎えた2日の昼に行なわれた公開稽古は、多数のファンがオーディエンスとして参加、本番さながらの熱気に包まれ、実際の公演の盛り上がりを予感させた。

コンサートは真琴のオリジナル曲を中心に構成されたプログラムで、客席のファンと積極的かつ自然にコミュニケーションを取り確実に笑いに繋げていく彼女らしく楽しいMCに、ダンスシーンも盛りだくさん。子供っぽいやんちゃな一面を見たかと思えば次の瞬間にはがらっと大人の格好よさや色気を見せる。

男とか女とかいうくくりでは語れないからこそ魅力的な「真琴つばさ」というたった一つの個性。その魅力を満喫できる、25周年にふさわしいライブである。

 

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【一問一答】

ーー今日これから初日公演を迎えられますが、今のお気持ちをお願いします。

待ち遠しいです、本番が。色々ゲネプロで成功出来なかったところがありますので、成功しますようにって、今つばさ頼み(親指をクロスさせて翼の形を作るポーズ)してます。

ーー衣装は何点ぐらい用意されているんですか?

基本は3、4着ですね。そこに上着を足したりとかしてるんですけど、たくさんに見えます?たくさんに見えるのが、イリュージョンです。

ーースリットの入ったセクシーな衣装がありましたが。s_RIMG1383

脚“が”綺麗ってやつですね(笑)。本当は、全然スリットも入ってないロングコートだったんですが、せっかく美脚に生まれてきたので(笑)、出してしまおう!と、スリット入れました。このライブは自分の曲だけで構成されているので、たぶん見てる方も知らない曲が多いんじゃないかと思うんですね。だから目を潤すためにも(笑)ちょっと視覚的な見せ方を考えました。

ーー25周年を振り返ってみて今のお気持ちは。

実は、昨日のテクニカルリハーサルの時にちょっとお邪魔して、映像を見てたんです。たぶん私は「宝塚出身」ってイメージが強いと思うんですけど、本当の、単独の真琴つばさとしてのこの9年間っていう日々を写真を見ながら感じて…ちょっと自分自身ジーンと来て、「あぁ、ようここまで歩いてきたな」と、感無量になってます。

ーー映像で機長や、スチュワーデスの格好をされていましたが、撮影の際のエピソードがありましたらお願いします。

あのスチュワーデスはあんな格好するつもりじゃなかったんですけど(笑)、スチュワーデスのちょうど良い制服がなくて、普通の事務のOLの制服を取り寄せまして。で、服がピンクだったら白いカツラのほうがいいんじゃないか、と。

あと自分と、スチュワーデスと、パイロット、この三変化が上手くいくように全部自分で台詞考えて、しかも、撮影したあとに台詞を埋め込んだもんだから、「よくあそこまで、全てが上手く行ったなー」と、ちょっとビックリしてます。

ーー今回3日間で4公演、それぞれ「Cheers!」、「Clap!」など違うタイトルが付いていますが、どのあたりが変わってくるのかをお願いします。

毎日違うことをやるのと、毎日違うゲストの方をお呼びしたいなと思ってるんですよ。ゲストの方の予定もあって、寸前まで変更があったんですけど、今日あたり頭がまとまってきたので、毎日違う趣向で、アンコールは楽しんでいただけると思います。

ーーご自身のアイディアがたくさん盛り込まれていると思いますが、特にどのようなところを意識されましたか?s_RIMG1247

映像は、一番元はプランナーなんですけど、そこに、機内アナウンス入れたりだとか、そういう要望を出したのは自分でして。あと「綺羅―KIRA―」、黒い衣装で出てきた時に、そこはなんちゃってマイケル・ジャクソンにしたいって言うことはお願いして。色々ありすぎてわからないですけど、とりあえず、そんな所でしょうか。

ーー客席でワールドカップを見た人の方が、退団公演を見た人より多かったですね。

稽古場でサッカー見た人って言ったら結構少なかったんですよ。だから絶対、私の退団公演を見た人の方が多いなと思ってお客さんに聞いてみたら、そうでもなかったですね。でも逆に嬉しかったりしますね。新しいお客様も増えてるのかなぁと思って。

ーーライブの後は『ムーラン』、『愛と青春の宝塚』とお仕事が決まっていますが、それについてはいかがですか?

来年の2月に『愛と青春の宝塚』をさせていただくんですけど、ちょうど25周年の締めくくりにいいかなと思ったら、『ムーラン』のお話もあって、またきたか!男役!みたいな。今年はもう、宝塚で得たものを出し切れたらと思います。

 

真琴つばさ25周年 記念ライブ

TSUBASA』〜To be to be more to be

●7/24◎赤坂BRITZ

〈料金〉S8500円A7500円(全席指定/税込)

〈問い合わせ〉キョードー東京 03-3498-999910:0018:00  

 

【取材・文/岩見那津子】

 


25周年のイベント満載 真琴つばさインタビュー

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テレビや舞台で活躍中の真琴つばさが、宝塚を退団してこの7月で10年目、同時に芸能生活も25周年という大きな節目にあたる今年、さまざまな活動が目白押しだ。記念としてアルバムを2枚たて続けにリリース、また宝塚退団記念日の7月2日からはライブも行なう。そのほかにも映画にも初出演など、話題満載の最近の真琴つばさにインタビュー。

 

RevueSymphony

ーー今年2月と5月に続けてCDアルバムを出されましたが、「Revue〜響想曲〜」は宝塚時代の曲ばかりですね。

宝塚を退団してから、幸せなことにCDを5枚、ほとんどオリジナルの曲ばかりなのですが、ずっと「宝塚の曲も私の曲」という思いがあって、退団してしまうと歌う機会がなくて曲たちに可哀想だなという思いがいつもあったんです。それにCD化されてない曲も多かったので、是非アルバムという形にしたかったんです。

ーー曲のセレクトはどういうコンセプトで?

実は、ファンのかたたちのリクエストで構成されているんです。でもすごく私らしい選曲になってるかなと。びっくりしたのは「歌劇」の5月号に、亡くなられた小林公平師がこのアルバムについて書いてくださってて。「きっと真琴さんのことだから王道を行くようなものではないだろう。案の定、聴いたらその通りだった」と。そして「これからも独自の路線を続けてほしい」というお言葉だったんです。その文をお亡くなりになってから読んだのですが、とても胸に響きました。

ーー確かに「螺旋のオルフェ」「BLUE ILLUSION」「情熱の翼」とか、すごく真琴さんらしいものばかりで。そしてもう1つのアルバムが「Symphony〜翼望〜」。

Revue」のほうは、「過去を今の真琴つばさで表現する」ということなので、こちらは「現在と10年後の自分を表現する」というコンセプトです。これまでライブ中心に曲を考えてたんですが、できればじっくり聴かせる曲をと思って、そういうものも考えて選んでます。

ーー曲を提供してくださってるかたたちがすごいですね。_MG_5231

音楽プロデュースがシャ乱Qのはたけさん。高見沢俊彦さんと加藤登紀子さんなど、すごい方々に曲を書き下ろしていただいてます。亡くなった加藤和彦さんの未発表の曲もあって、2004年に「これ以上愛せない」という曲を作っていただいたときに「君は女デヴィッド・ボーイだよ」と言ってくださって。その後第2弾もお願いしていたんですが、お亡くなりになってしまわれて。でも「これ以上愛せない」と一緒に候補にいただいた曲のうちの1曲が、まだ未使用で残ってたんです。それが「BUDDY」という曲です。相棒という意味らしいんですが「愛犬を思い浮かべるのも良いかと…」と書いてありました(笑)。私は犬と散歩するのが夢なので、歌いながらその光景を思い浮かべています。

ーーこのアルバムは、ドラマ性をすごく感じますね。

ライブ中心に曲を作っていたときは、やっぱりみんなの元気ドリンクみたいな存在でいたいと思っていたんですが、25周年という大きな節目ですし、前から歌いたかったシャンソンとか、ディナーショーでは歌ってた大人の曲に近いものも意識しました。これから10年後の自分を考えてというイメージです。

 

【オモシロイとかっこいい】

ーー歌手活動と同時に、最近女優としても活躍中で、昨年はとくに4本も出て、蜷川幸雄さんあり、中山秀征さんとのいつもの『SHOW店街組曲』、ミュージカルも2本もあって。

たまたま重なってしまって。なんで舞台のお仕事ってまとまって来るの?というくらい一度にきて、自分でもびっくりしてるんです(笑)。

ーー蜷川さんは恐かったですか?

言われてるほど恐くなかったですけど、稽古場ではいろいろ教えてくださって、そのなかで「宝塚の女優さんは色気が少ない」と。とくに私は少ないほうなんですけど(笑)。あと情緒感がないと言われました。それから印象に残っているのが、「できないものはできないんだ。時には意地を通すしかない。おれはそうやって生きてきたんだ」とおっしゃって。それでなにかポンと力が抜けました。

ーー舞台ですごく落ち着いて見えたのは、そういう稽古だったからでしょうね。

それに鳳蘭さんの肉親の役で、いつも一緒に出て下さっていたのが心強かったですね。

ーー女優の仕事も面白くなってきたのでは?

まだ面白いところまでは行ってないと思うんです。扉が開きはじめたというくらいで。でも真琴つばさという存在は舞台から生まれたんだ、という感覚を改めて感じているし、この道が自分に合ってるか合ってないかというのは、ずっと悩んでいくことなんだろうなと。それはどのジャンルに関しても同じだと思います。でもテレビのバラエティで、今は「オモシロイ真琴さん」という面がフィーチャーされてるけど、「カッコいい真琴さん」というのを、できれば女優業では出して行きたいなという欲は出てきました。_MG_5260

ーー違う自分を演出できる場があるということですね。

何かの取材で、「今後やりたい役」というので「意地悪な役。だってふだんの私はいい人だから」と答えてる自分に笑っちゃったんですけど(笑)、意地悪な役はやってみたいですね。

 

【真琴つばさらしさ】

ーーバラエティの真琴さんは、いつも現場の空気にすごく馴染んでいるなと。とくにOGさんが沢山出演する番組にいらっしゃると、すごく安心です。

私のほうも、1人で出るよりすごく心強いんです。1人で出る場合、周りの方から宝塚出身という大きなくくりで見られている気がして、背負ってるという気持ちもあるけど、たくさんだとその中の真琴つばさでいられるし。

ーーリーダーシップを取るのもうまいし。きっとご本人はいろいろ気を使ってるんでしょうが。

この間ある番組に出たときは、ちょっと、自分は司令塔かもしれないと思いました(笑)。そのぶんだけみんなが立ててくれてるんですけどね。

ーー宝塚出身というのはずっと付いてくると思いますが、タレントとして、真琴つばさという1つのキャラも定着してきましたね。

それが「オモシロイ真琴つばさ」になってるのがねー(笑)。今年になって本当にたくさん特番などに呼んでいただくんですが。私のキャラって何?って考えたりするときもありますが、今は何でもハングリー精神で経験しようと思っています。

ーー映像で10年かけて培ってきた真琴つばさの個性は、簡単には揺らがないのでは。

この間も、ある番組で、「どういうときに男っぽさが出ますか」という質問があって、一応「オイと言ったり、つい足を開いちゃう」とか答えたんですが。でも男っぽさとか女っぽさとか本当はどうでもいいというか、男とか女とかではなく、自分らしく生きてきたんだなと、それを実感しています。_MG_5282

ーーその点で真琴さんは、男役のかたが退団しても女っぽくならなくてもいいというパイオニアで、10年の成果は大きいと思います。

10年ですからね。いろんな意味で周りも変わったし。私も強くなりました(笑)。

 

【曲と舞台への思いを込めて】

ーーそして、今現在の真琴つばさを見せてくれるの『TSUBASA』で、25周年記念ライブですね。

25年という節目はとても大きくて、今までできなかったことができるようになったり、できていたことができなくなったり。だから今できることは全部やりたいなと思ってます。そのひとつに、本番ではお客様と一緒に同じ振りを踊りたいと思っています。やりたいのは共有感を持つことなんです。「真琴と一緒に踊った25周年」と思っていただいたりして、いっそう記憶にとどまればいいなと思っているんです。

ーー曲はどんなものになりますか?

オリジナルアルバムの数でいうと、自分の曲が40曲以上あります。だからその中から抜粋して、ライブは自分の曲だけでいこうと思ってます。もちろん宝塚の曲もアルバムの「Revue」から歌います。いろんな曲にスポットを当ててあげたいですね。宝塚の曲は回数でいうと公演中ずっと歌ってて、オリジナルはそんなに何回も歌ってあげてない。だから、オリジナルがんばれー!って気持ちになってます! 

ーーなんか曲はみんな真琴さんの子供みたいな(笑)。そういう曲への思いと、25周年間立ち続けてきた舞台への思いが伝わるようなライブになりそうですね。

ガンガン飛ばします(笑)。

ーースタンディングもありですね?

ファンのかたにムリしないでほしいから、たまにでいいです(笑)。立ってほしいときは合図しますからちゃんと付いて来て下さい。

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真琴つばさ25周年 記念ライブ

TSUBASA』〜To be to be more to be

●7/24◎赤坂BLITZ

〈料金〉S席¥8500A席¥7500(全席指定/税込)

〈問い合わせ〉キョードー東京 03-3498-999910:0018:00  

 

アルバムー発売中ー

Revue〜響想曲〜」¥3500 MDA-1003

Symphony〜翼望〜」¥3500 MDA-1004

発売元 エフ・スピリット

 

【取材・文/榊原和子 撮影・岩村美佳】

 


故人を偲んで献花 小林公平氏お別れ会

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阪急電鉄の元社長・会長で宝塚歌劇団理事長などをつとめ、5月1日に82歳で死去した故小林公平氏のお別れの会が、6月2日に大阪のホテル阪急インターナショナルで開かれた。

宝塚歌劇団との関わりでは、1966年に宝塚歌劇団の理事に就任、1974年6月〜1980年6月、1984年1月〜1985年6月の2度、理事長をつとめた。1987年からは宝塚音楽学校の理事長、1996年からは校長も兼任、4月に両職を退任している。

理事長時代には、『ベルサイユのばら』や『風と共に去りぬ』などのヒット企画で宝塚歌劇団の発展に力を尽くした。公文健のペンネームで作詞や脚本なども手がけていた。

お別れ会には、宝塚歌劇団関係者や財界関係者ら約2800人が参列し、宝塚歌劇オーケストラの演奏による「すみれの花咲くころ」「タカラヅカ・フォーエバー」など、宝塚歌劇ゆかりの曲が流れる中で、故人をしのんで献花した。

参列した現役生は、専科生と花組生、稽古中の雪組は組長以下全員が参列。OGでは初風諄、汀夏子、鳳蘭、寿ひずる、安寿ミラ、こだま愛、涼風真世、久世星佳、絵麻緒ゆう、湖月わたる、風花舞、春野寿美礼、朝海ひかる、森ほさち、紺野まひる、白羽ゆり、また、退団したばかりの未来優希と彩吹真央も連れ立って献花。回想会場ではニューヨーク公演など宝塚関連の写真やプライベート写真がパネルで飾られ、参列者の涙を誘っていた。


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【献花を終えたOGや演出家のコメントと写真】

(※コメントだけのかたもいます)

初風諄 できればお元気で100周年まで見守っていただきたかったです。私たちはロシアからパリへの長期3ヶ月公演で、当時はまだソ連でしたから、いろいろ心配されたのか何回も足を運んでくださったのを覚えています。先ほどちょうど主題歌だった「愛の宝石」が聞こえてきて胸に迫りました。OGの舞台もよく観にきてくださって、楽屋にも激励にきてくださって、そこにいらっしゃるだけで100万人分の味方がいるという気持ちでした。

鳳蘭 本当に残念です。昨年12月に『レザネ・フォール』で、客席の公平先生に立っていただいて一緒に踊ったのが最後です。お痩せになっていて悲しかった。私もパリ公演の空組メンバーでしたから思い出は数え切れないくらい。優しくて神様みたいなかたでした。

安寿ミラ ロンドン公演に行ったときの思い出なのですが、ちょうど公演中にお誕生日を迎えられて、みんなでお祝いしたら喜んでくださいました。本当にお父さんみたいな存在で、私のちょうど現役バリバリのときに理事長をしていらしたんですが、いつも楽屋のお稲荷さんの下に座ってらして、早替わりで私たちがそこを駆け抜けていくのを、ニコニコされながら送り出してくださってました。現場が本当に大好きなかたでしたから、100周年をすごく楽しみにしてらしたと思います。それが本当に残念です。

こだま愛 大きな力でお元気で引っ張ってくださったかたです。私はNY公演でご一緒したのがいい思い出になっています。本当に寂しいです。

涼風真世 先生がいらっしゃらなかったら今の私はありません。お元気な姿しか知らないのでまだ信じられないです。

久世星佳 経営がたいへんになったときに、宝塚か球団かという時に宝塚かただと思います。最後にお目にかかったのは、麻実れいさんのパーティだったと思うのですが、がんばってるねと声をかけていただいて、僕はすっかりお爺ちゃんになってしまったよ、と笑っていらっしゃいました。今日、お写真を拝見して、もういらっしゃらないんだなとしみじみ感じました。

湖月わたる 思い出は数え切れないくらいですが、『愛するには短すぎる』の公演の原案を書いてくださって、それで退団できたのがいちばんの思い出です。何度もご自宅に呼んでいただいて、お話させていただいたり、ご馳走になったり。海外公演にも駆けつけてくださったりしたので、亡くなったと聞いたときは信じられなくて。ちょうどお稽古中で、終わったとたんに涙が溢れてきました。お見舞いのメッセージカードをお送りしたら、ご自分のカードでありがとうとお返事をいただいたばかりでした。

春野寿美礼 私たち生徒にとって大きな方で、お父さんという存在でした。作詞もされたりお芝居の本も書かれたりされて、ご本人は悔いのない生き方をされたという気がします。100周年を楽しみしていらしたと思いますので、とても残念です。

朝海ひかる 訃報をうかがったときは、まさかという気持ちでしたが。本日、こうしてここに来ることができまして、献花台のお写真を目にして、ご生前にかけてくださった優しいお言葉や、レビューを愛する心を教えていただいたことなどが、走馬灯のように浮かんできました。宝塚を愛する気持ちを、私も、これからも持ち続けていたいなと思いました。最後にお目にかかったのは1年くらい前で、一度退院されたあとだったと思いますが、舞台を観に来てくださって。「とてもよかったよ」と言ってくださって、とても輝いたお顔をしていらっしゃいました。宝塚の生徒全員がその腕に抱えられていた、そういう存在のかたでした。

森ほさち いつも笑顔でいらしたので、ニコニコしながらお声をかけてくださった姿が目に浮かびます。本当に優しくてお父さんみたいなかたでした。

白羽ゆり 公平先生の原案の『愛するには〜』でご縁があったんですが、作品のこともとても気に入られて喜ばれていらっしゃいました。ご自宅にもよくうかがって、いろいろ楽しくお話させていただきました。ディナーショーも観に来てくださいました。最後にお目にかかったのは『シュルブールの雨傘』の大阪公演を観に来てくださったときです。体調を崩されていることはうかがっていましたが、そこまでお悪いとは思わなかったので、やはり信じられません。ここに来てお写真を見て涙が出て止まりませんでした。

謝珠栄 12月に宝塚大劇場でばったりお会いしたとき、「『シュルブールの雨傘』、東京までは観に行けないんだよ。ごめんね」とおっしゃって。そういう言葉でも最後に交わせたことがよかったなと思っています。生徒さんを本当に愛してらしたかただから、生徒の皆さん、寂しいだろうなと思います。

植田紳爾 亡くなられてから毎日のように、いろいろなことをふと思い出すんです。なにしろ50年の付き合いで、最初にお会いした頃は、まだお互いに30代でしたから。後年、仕事でもプラベートでもよく一緒に海外に行きました。テレビで外国が出て来ると、あそこもここも一緒だったと思い出します。いちばんたいへんだったのは『ベルサイユのばら』のあとの『風と共に去りぬ』のときで、著作権とか色々たいへんな作品でしたが、無理を承知で企画を通していただいた。裏ではいろいろご苦労されたと思います。いろいろ他に役職を持たれていてお忙しかったけれど、宝塚大劇場の初日と中日と千秋楽、新人公演、東京の初日と千秋楽、そしてバウホール、ディナーショー、コンサート、地方公演、海外公演。それにOGさんたちの公演にも必ず足を運ばれた。小林一三先生の心を大事にしていらしたし、あれだけ宝塚と生徒を愛された方は他にいません。24時間心の中は宝塚というかたでした。


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【取材・文/榊原和子】

幻想的な美しいミュージカル『ロミオとジュリエット』制作発表インタビュー

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この夏、星組が梅田芸術劇場と博多座で上演するミュージカル『ロミオとジュリエット』の制作発表が、6月8日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティに、マスコミ各社と200人のオーディエンスを迎え入れて開催された。

この作品はタイトル通り、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」をもとにしてあり、作詞・作曲・演出を手がけるジェラール・プレスギュルヴィックによってミュージカル化、2001年にフランス「パレ・デ・コングレ・ドゥ・パリ大劇場」で初演。以来、スイス、ベルギー、カナダ、イギリス、ロシア、ハンガリー、オーストリア、韓国など世界各地で上演され、全世界で500万人以上の観客動員を記録するヒット・ミュージカルとなっている。

今回の日本初演は、大作ミュージカルの演出家としては日本でトップクラスの小池修一郎が潤色・演出。スペクタクルで現代的要素を持ち合わせ、詩的な楽曲や幻想性に富んだこの舞台を、さらにエンターティメントとして優れたものにしてくれるはずと期待は大きい。
この日の制作発表の出演者は、星組から英真なおき星組組長が司会で出席、ロミオ役の柚希礼音、ジュリエット役の夢咲ねね、ティボルト役の凰稀かなめは劇中でのナンバーを披露するなど、公演の片鱗を感じさせる歌唱で会場を盛り上げた。

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【キャストによる歌唱】

柚希礼音、夢咲ねね「いつか」

柚希礼音「僕は怖い」

凰稀かなめ「ティボルト」

柚希礼音、夢咲ねね「エメ(Aimer)愛」

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【メッセージ】

フランス版作詞・作曲のジェラール・プレスギュルヴィック氏からのメッセージ。

「親愛なる、日本のみなさまへ。
私が待ちかねております、ロミオとジュリエット宝塚バージョンの、初日公演を見に、あなたがたの元へ参ります。宝塚歌劇団という名高い劇団によって上演されますことは、私にとって大変名誉あることでございます。
と、言いますのも、宝塚歌劇団は女性のみで演じると言う独創性に富み、舞台美術、衣装、照明技術への多大なる名声はもはや説明する必要がないからです。
宝塚歌劇版、ロミオとジュリエットを拝見できますこと、また日本のお客様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。
小池修一郎氏を始めとする、非常に熱心な関係者の皆様方の幸運をお祈りしております。
そして、他の宝塚歌劇団の作品同様に、大成功をおさめることを信じております。
それではまた、近いうちに。
敬意を込めて。

ジェラール・プレスギュルヴィック」

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【出席者挨拶】

小池 みなさま本当に本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。そして、梅芸の会員さんですか?ちょっと見えないですけど、ありがとうございます。
この作品は今、多々ご紹介にあり、皆様もフランスの舞台の断片とか、見に行った彼女達の様子とか、色々見ていただいてたけた思うんですけど、そして今社長の、ご紹介もありましたように、本当に現代的にアレンジされた、『ロミオとジュリエット』でございます。
そしてフランスのミュージカル、これは、フランスではスペクタキュルと呼ばれておりますけれども、そういうジャンルのモノが、日本で、日本人によって上演されるのは、たぶん今回が初めてであると思います。
だいぶ前に『十戒』という作品が、ツアー日本で上演されましたが、それ以来だと思います。それはフランス人のツアーでございました。
今回こうして、星組のメンバー、大変、本当に今も熱い歌唱を聞かせてくれた柚希礼音、そして、可憐な夢咲ねね、そして、ちょっと妖しいっていうとあれかな、ま、悩ましいというか、妖しい凰稀かなめという、この3人の大変魅力的なトリオでこの作品が上演されると言うことを、とても私も面白く思っております。
真夏の暑い時期に、大阪、そして博多と上演されるんですけど、たくさんの方にご覧いただいて、そして、このフランス製のミュージカルを、宝塚歌劇で上演するとどういう感じかというのを見ていただけるとありがたいなと思います。

柚希 みなさま本日はお集まりいただき、まことにありがとうございます。宝塚歌劇団星組の柚希礼音でございます。
えー、先ほど映像にもありましたように、私たちは今年三月にフランスに行かせていただき、フランス版を見させていただきました。本当に現代的で、ダンスシーンも激しく、音楽も素晴らしく、あの『ロミオとジュリエット』をこんな風に作った。これを作られた方は凄いなと感動いたしました。
この素晴らしい作品を今の星組で上演できることを、光栄に感じつつ、それと同時に日本初演を担う責任を感じております。
小池先生を信じて、お客様に楽しんでいただける舞台をお届けできるよう、お稽古に励んでまいります。みなさまどうぞ、よろしくお願いします。

夢咲 本日はお集まりいただき、本当にありがとうございます。夢咲ねねでございます。
私は4年ほど前に、ウィーンで『このロミオとジュリエット』のウィーン版を見させていただいたんですけれども、そのときに、終演後に熱が出てしまうほど、本当に魅了された作品でした。ずっとそのときから、この作品をさせていただきたいな、と夢を見ていたんですけど、させていただくことが決まり、本当に今でも夢のようです。
ですが、お稽古が始まってみますと、本当に難しい曲ばかりで、とても大変だなぁと思うのと同時に、この素晴らしい作品を、ちゃんとお伝えできるよう、お稽古に頑張っていかなければいけないなと、そういう責任もとても感じております。
これからも頑張ってまいりますので、どうぞみなさんよろしくお願いいたします。

凰稀 みなさま、本日はお集まりいただき本当にありがとうございました。凰稀かなめでございます。
私もこの3月にフランスに行かせていただき、フランス版を見させていただいたんですけど、今までの『ロミオとジュリエット』のイメージとは全く違い、現代的で、格好良いミュージカルで、この作品を見て私も魅了させられてしまいました。日本で小池先生がどのように演出してくださるか、本当に楽しみにしてました。
えーー(笑)えっと、まだお稽古も始まって、まだ全貌もわからないのですが、小池先生と一緒に、役を突き詰めて、そして自分自身たくさん勉強していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


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【一問一答】

記者 フランスで公演をご覧になって、自分が演じる役の方を見たと思うんですが、どんな感想をお持ちになったか。格好良かったところとか、どんなところを参考にしたいとか、ありましたら。

柚希 私はロミオと言えば白いタイツみたいな、イメージがあったんですが、すごく男らしい、ロミオでした。なので、ロミオだからこうしなきゃっていうのじゃないんだなって思いまして、自分で自分らしいロミオを役として作っていこうと思いました。

夢咲 私はやはり、海外のミュージカルですので、まず言葉がわからないんですけれども、でも、それをも超える、気持ちが伝わってくるっていうか、やはり気持ちが一番大切なんだなと感じたのと同時に、フランスのその曲調というか、あの、現代的なアレンジの仕方とかを、とても素晴らしく歌ってらっしゃったので、すごく参考にしたいなと思いました。

凰稀 私は、フランス版とあと他にウィーン版とか色々見させていただいたんですけど、その中でティボルトさんっていうのは、男性がやられてきて、すごくガッチリした方がやってたので、それをどうやっていこうかっていう部分は、もうちょっと考えていかないといけないな、と思ってるんですけど、イメージ的に凄く熱いとか、見た目的に、暴れるってなってるっていうイメージが凄く強いんですけど、凄くフランス版をみて感じたのは、ティボルトの中の切なさとか、孤独とかっていうのが、すごくこの歌に表されてるなと思っていたので、そういう部分、内面的な部分を大切に演じていきたいなと思っております。

記者 小池先生へ。みなさん今回のロミオとジュリエット、現代的ってキーワードをおっしゃってる方が多かったですが、どの辺りに現代的なところがあるのか?小池先生ならではの強調されたいこと、特筆されたいことをお願いします。

小池 現代的という理由は音楽です、やっぱり。ロックミュージカルというか、さっきもお聞きいただいたもののリズムが、全部テイストであるということが違うんだと思います。
逆に言うと、お話はむしろ非常に原点というか、オリジナル、元のシェイクスピアの原作に非常にのっとってると思います。つまり、演出された物語が、その時代の現代のNYだったということと比べると、そういうことにはなっておりませんので、やっぱり、時代の世界観みたいなものは、中世の原作に近いと思います。
ただビジュアルの、衣装やなんかのコンセプトであるとか、音楽であるとか、そういった所はものすごく今のモノに、洗いなおしてると。
あと、お話の構築として、非常に独特なのは、ティボルトという役が、ジュリエットの従兄弟なんですけど、ロミオに殺されるというのは、それは決まっている筋なんですけど、そのティボルトが従兄弟であるジュリエットにずっと密かに恋をしているという設定が、ものすごく強調されていて、先ほど歌った歌もティボルトのジュリエットへの思いを歌っているんですけど、争いになる一つのキッカケというか、動機が、ティボルトのジュリエットへの愛であり、それがロミオとジュリエットが結婚したことを知って、ティボルトが逆上するという作りは、このフランス版の、今のこのミュージカルの非常に特徴的なところであると思います。
そして、やはり強調されているところは、最終的に争う人たち、広げてみると世界の紛争ということに繋がると思うんですけど、そういったものが、愛の力で乗り越えることができるのではないか。というメッセージがこの作品の根幹にあると思います。
宝塚版でもやはりそこのところは、ちょっとお客さまに表現してまいりたいなと思っております。宝塚でも大劇場公演ではないので、選抜メンバーですから、その意味では、梅田芸術劇場でやる『ロミオとジュリエット』という形に、ミュージカル作品として、つくるといいますかね、そこにもっと、焦点を合わせていく感じになると思います。
でも、この今の柚希礼音、夢咲ねね、凰稀かなめといった彼女達の、今が盛りの星組の花たちが競って競演していくわけですから、そこにこの物語のロマンティズムっていうのが、上手く噛み合って、「ロミオとジュリエットって昔のたるい恋物語でしょ?」ってイメージじゃなくて、もっとスリリングでエキサイティングなドラマとして、お見せできればなと思っております。

記者(以下しばらく浜村淳氏) イタリア映画の『ロミオとジュリエット』は、シェイクスピア文学の香り、古典文学の香りをそのまんま残しながら、小池先生のおっしゃいました、大変エキサイティングな若い人のキビキビとした颯爽とした物語に仕上げました、一方アメリカ映画の『ロミオとジュリエット』は、ディカプリオが車ぶっ飛ばしたりして、もの凄い現代的な『ロミオとジュリエット』をやりました。どっちも面白かったんですが、どちらに期待をおいて拝見すればいいでしょうか?

小池 えーっとですね、どちらかというと、どちらでもないと思うんですね。というのは、現代だからといって、マフィアというか、ヤクザもの系に置き換えられていたと思いますし、イタリア映画のは当時こうだっただろうっていうのを、再現しているところが、ロケーションや、時代考証みたいなものを、もの凄く正確にやったというのが魅力であって、したがって、出演者たちがあの物語の設定の16歳とか、本当にその年齢の人がやることで新鮮だったと思います。この作品の場合は21世紀のミュージカルであるというところなので、そこに期待をしていただくといいかもしれません。映画のどちらも、私もどうかな?と思ったんですが、どちらとも違うように思います。
筋の運びが原点にあって、基本的には近いと思うんですけど、ティボルトのあり方が違ったりもしてますし、ヴィジュアルも今の最先端のファッションみたいなものを、上手くアレンジしている形ですし、というところで、宝塚ならではのこういうヴィジュアルの面白さとか、美しさもあると思うのでそこに期待していただければと思います。

記者 映画ではロミオが始めてジュリエットと喋るパーティーの場面がありますね。とってもロマンチックでした。一方チャンバラもあれば、オリビア・ハッセーのヌードもありました。そのうちのチャンバラはありますか?

小池 これはですね、ダンスで全部表現されておりますのと、あの、あと、ピストルもまだこの物語に出てこないので、従いまして、どちらかと言うと素手と短剣とかでしょうね。あの、ちゃんと、星組はファイティング強いんで(笑)、だからちゃんと柚希さん鍛えてますから、楽しみにしてください。

記者 夢咲さんのヌードはないですね?

観客 (笑)。

小池 あの(笑)、今日ちょっと、映像出なかったんですけど…。

記者 あるんですか?

小池 いやいやいや、あのですね、これフランスではDVDとか、初演の2001年か2000年のやつは、DVDで売り出されてますし、たぶん今やってるバージョンのものも出たりすると思うんですけど、ウエストサイドと一緒でロミオは脱ぐんですよ、上半身ね、で、女の子の方は、シーツを巻いているというよくあるパターン。ですから、宝塚の場合も柚希さんどうしましょう?というのが(笑)、あの、女の方の人は、残念ながらといいますが、なんか巻いてますね。

記者 柚希さんはあるんですか?

観客 (笑)

小池 まだちょっと本人と相談してないんですけど、

観客 (笑)

小池 肩甲骨とかそういうところは大丈夫なのか、ちょっと聞こうと思ってます。

記者 柚希さんはどうですか?

小池 あの組長さんがOKとおっしゃれば。

英真 肩甲骨、鎖骨OKです。

小池 男性に見えますでしょうか。

英真 見えます大丈夫です。

記者 組長の許可が出た以上やりますよね?迷ってますか。

観客 (笑)。

小池 後ろ向きが裸で男だっていうのも嬉しいんだか、男役の芸のウチに入るんですかね?

記者 夢咲さんはチラっとも出しませんか?

小池 娘役さんは衣装で、肩甲骨ぐらい出てるときがありますから、どうでしょうね?

これから相談させていただきます。

記者 本番まで楽しみにしております。ありがとうございました。

記者 あの、スペクタキュルですか?ということが、日本で日本人がやるのは初めてということですが、その辺を少しわかり易く説明していただけませんでしょうか?

小池 スペクタキュルというカテゴリーは、つまりあちらの「ぴあ」のようなものを見ますと、演劇はテアトロとなっていて、ミュージカルっていうのは、スペキュタクルに…今、思い出しました、すみません。最近フランスの『ノートルダム・ド・パリ』という公演が大ヒットしてから、大きい劇場の5000人とか入る、劇場とか、体育館のようなところで、たくさん何十人も人が出て、ほとんど歌ですね。そして踊りを常に誰かが踊っている形の、ちょっとショーみたいなミュージカルの公演というのが、ヒットというか、ちょっとジャンルが出来てるんですね。
古いところで思い出したんですが、『シェルブールの雨傘』とかがありましたから、あの辺のものもフランスの方はスペクタキュルと呼んでいらしたのかもしれません。
ちょっと私が勉強不足でそれをどう呼ぶかはちょっと把握してないんですが、スペクタキュルというと、いわゆるスペクタクルですよね、英語で言うなら、ダイナミックな設定のあるものを呼んでると思うんで、サーカスがスペクタキュルというところに入っていたりして、ちょっと演劇と言うより、ちょっと派手なパフォーマンスという、音楽とか、歌の多い、でもコンサートというよりは、筋とか、ダンスがついているものという、そういう概念なんだと思います。
ある意味宝塚とすごく近いなと思います、たぶんフランスの方がご覧になると、宝塚の名作であります、『ノバ・ボサ・ノバ』というのがありまして、柚希礼音の初舞台でですね、その作品とか、筋の伴ったショーで、僕なんかこれミュージカルとして面白いなぁ、とすごく思ったんですが、たぶん宝塚だとショーというカテゴリーに入っていて、やっぱりスペクタキュルというのはそういうものを指してると思いますね。

記者 この作品はウィーン版もパリ版もフランス版も、ずいぶん見た人によるとイメージが違うと聞いているのですが、宝塚版で、小池先生は海外ミュージカルとかなり大胆に、潤色されますので、宝塚版ならではのシーンとか、ウィーン版とか、パリ版と違う部分があるのかということをお願いします。

小池 いわゆるナンバーとして、宝塚用に、お書きいただいたということはありません。なぜかというと、たくさん曲がもうありまして、ありすぎるぐらい入ってまして、今回、今年フランスでリバイバルしたんですね。10年ぶりのリバイバル版、さっき歌ったティボルトもそれで書かれた新曲でした。
いっぱいあって、宝塚歌劇にするにはちょっと長いので、そういうったところは整理して、向うも使いやすいように再構成してくださってかまいませんよ。と言ってくださてます。
なんといっても宝塚歌劇の強みというのは、みなさんご存知のように、歌踊り演技という三拍子をバランスよくやるので、これらの作品はちょっとビデオみておわかりかどうか、基本的には、歌の方がおやりになるんですね。これは近年、英米でも『レ・ミゼラブル』とか、『エリザベート』もそうだと思うんですけど、みなさん歌のミュージカルのスターなんだけれども、映画出たりとか、普通のお芝居に出たりとかあまりなさらないし、ダンスはあまり得意じゃない人の方が多いと思います。
基本的に音楽畑の方がやることに、なんかなってるんですけど、宝塚の場合は、そこが3つのバランスをとった生徒達、スターたちが演じますので、ちょっと踊る要素とか増やしていきたい。それから、2コーラス、1番2番とある歌が、歌だけで、ちょっとコンサートのように盛り上げてしまうのではなく、やはりお芝居をともなって、ナンバー、場面と言うのを盛り上げていくようにしたいと思っております。
それによっておのずと、宝塚のミュージカルなんだなとお客様は感じてくださるんじゃないかと思います。逆に言うとダンサーはダンスだけなんです。お芝居もあまりしないし。
どっちかというと、キャピュレット家の人というのが、バンバン踊り狂っているという、そこにそれ以上に、芝居的な要素が少し薄いので、そういったところも加味していく。もう少しドラマ的な要素は強くなるかなと思っております。
あとごめんなさい、1個言い忘れておりましたが、昨日宝塚で稽古、初めて振付したんです。凰稀さんは除いていますがね。このミュージカルは大変特徴的なのが、死という役がありまして、これが、女性のすごくおっかない女の人が踊るんですね。
それはフランスのオリジナル版ですと、黒髪のなんかすごい死神の女性がいるんです。近年は白髪というかメイクキャップも変えて、全身白で出たりだとか、ロシアでは男性がやっておりました。
これを宝塚でやると考えたんですが、死という役を私が演出すると、エリザベートを転用したんではないかと思う方が多いんじゃないかなと思い、あ、トートって言われるなと思い。で、それだけがテーマじゃなくて、『ロミオとジュリエット』という物語に「死」という影がよっているんだけど、でも二人は結ばれて、愛が、最終的にはベローナに平和をもたらすという意味では、愛が勝つと言うお話だと思いますので、愛という役を作っております。
従いまして、死という女性のダンサーが踊っているパートがあるんですけど、役があるんですけど、それに愛という役をつくり、愛と死。死を男、愛を女役、女のダンサーとして、使っております。演じるのはどちらも男役なんですけど、そういった形で、そこが宝塚の一番のそれまでの、海外で上演されたものの、一番違うところだと思います。
ちなみに先ほど夢咲が見たともうしましたウィーンのバージョンでは、その死のダンサーが出てこない。出てこないバージョンもありました。でもほとんどの国で、これ今世界、二十何カ国かで上演されたんですね、私たちが一番、今のところ後なんですけど、そのたぶん、ウィーン版以外ではほとんど全部死のダンサーが出てると思います。
で、愛と言うのは今回初めて宝塚で登場させます。この物語が一方でさっき怖いと歌った、死の影が、忍び寄ると言うことをダンスで表現しますし、そこらで宝塚の魅力と言うのが別の形で出てくるかなと思ったんです。

記者 一言だけ、教えていただきます。凰稀さんは、ロミオによって命が失われた、命を奪われて、殺されたわけですが、その後は一度も出てこないんですか?

小池 あのね、今ね、彼女はまだ知らないんで(笑)すみません。
外国のモノを日本語に、マキューシオというのが死んで、そのあとに色々、ロミオとどうするってところの場面を今直してるものですから、オリジナルとちょっと変えようかと思ってるんですが、それから舞台はたぶん30分以上続くので、そこで楽をさせてはいけない(笑)。楽屋でもう一人マキューシオは紅ゆずるですか、二人でなんか喋ったりね、みんな汗かいて踊ってるのに、食べたりしてるといけないと思いまして、ちょっと復活させようと思っております(笑)。

凰稀 ティボルトで?

小池 だから踊ろうかななんて。ティボルトとか、マキューシオとか、ちょっと霊になって踊るとか、それは。絶望っていう、全員のコーラスなんですけど、そこの時に、ちょっと出ると良いなというのを、実はここにくる阪急電車の中で思いましてですね(笑)阪急宝塚線に乗りますと、なんか大変良い案が浮かぶと(笑)。あ、そこの辺、もう少しと思いまして、色々な試行錯誤、色々考えてたんですが、宝塚版としては、盛り上がりになるかなぁと思ってますし、彼女も二幕の後半の一人、町を追放されたこととかに、歌もありますし、ちょっと踊ろうと思っております。

記者 凰稀さんよかったですね。

凰稀 よかったです。はいー。

司会 あそこで殺されてあと全然出ないとしたらフィナーレまでの時間が余ってしかたないですからね。

凰稀 袖で見ようと思ってました。

司会 楽しみにしてます。再びの登場を。最後に小池先生から締めの挨拶を。

小池 あの本当にこの海外の作品というのは、私たちのために作られたものではないので、毎回やるたびに、宝塚という場で上手く移殖させて上手く花を咲かすことができるかどうかと、毎回非常に不安と期待に満ちて、やっております。
今回も今日お聞きいただいたように、とても綺麗で良い曲ばかりなんですが、やはりそれをこなしていくのは、とても大変ですね。一番は音域の問題で、彼女たちは女性なので、男性用に書かれた曲というのを変えたときに、色々と無理が出てまいります。
そういったところの調整を、音楽監督の太田先生や、歌唱指導の先生と、もう力をお借りしてなんとか、宝塚でもちゃんと上演できるような形にもっていき、そしてお客様が最終的に、ご覧になられたときに、納得がいくというか、そこに、あ、こういう物語になったんだ、こういう作品なんだと、楽しんでいただける形にまとめたいなと思っておりますが、なにぶんにも時間が迫っておりますので、大変なんですけど、たぶんその分熱い柚希礼音ですので、ロミオといえども、とてもホットなロミオだと思います。
そうすると、その熱は、できあてほやほやの時の方が、より熱くて美味しいかなと思いますので、是非みなさん梅田芸術劇場の方へお越しになってください。よろしくお願いいたします。

05

宝塚歌劇星組公演

ミュージカル

『ロミオとジュリエット』

原作◇W・シェイクスピア

作詞・作曲・演出◇ジェラール・プレスギュルヴィック

潤色・演出◇小池修一郎

出演◇柚希礼音、夢咲ねね、凰稀かなめ 他宝塚歌劇団星組

●7/10〜26◎梅田芸術劇場 メインホール

〈料金〉S席¥8500、A席¥6000 B席¥3000

〈問い合わせ〉 06-6377-3800 梅田芸術劇場

http://www.umegei.com/

●8/2〜24◎博多座

〈料金〉S席¥8500、A席¥7500 B席¥6000 C席¥4000

〈問い合わせ〉博多座/TEL.092-263-5555

http://www.hakataza.co.jp/

http://www.hakataza.co.jp/keitai/

【取材・撮影/岸隆子 文/榊原和子】

 


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