えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

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宮本亜門が発起人「うれしいプロジェクト」

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    西條剛央      宮本亜門

先日、このサイトでもお知らせした宮本亜門の提唱するスターたちの「チャリティー・オークション」が、12月26日からスタートした。

呼称も「うれしいプロジェクト」と命名、ボランティア団体「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の内部組織として立ち上がった。その組織の発起人である宮本亜門からのコメントと、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の代表として活動する西條剛央氏からのコメントが届いた。


【宮本亜門のコメント】

3月11日、東日本が被災してまもなく1年になろうとしています。しかし何も片付いたわけではありません。
むしろ、今が最も大切な時期に入りました。

それは被災されて、余儀なく新たな生き方をしている方々に、自立支援という形で希望と生きる自信をつけてもらうためです。笑顔がこぼれる春を迎えるためには、自立した生活が出来るように、人と人との絆を深め、共に感動できることが大切なことなのではと強く思いました。

そこで、今、舞台人たちが集結しました。

まさに舞台のライブと同じように人と人を繋ぐ、FACE TO FACEのプロジェクトを展開するために、事務所、プロダクションを超え、人々に感動を与えることを生業とする人々が自分にできることを始めようとしています。

被災者の立場に立って、具体的に支え、自立をうながす「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の一端として、まずはチャリティー・オークションから始め、「うれしいプロジェクト」として進めていきたいと思います。

どうぞ、皆さんのお力をお貸しください。

舞台好きな方や、また文化を愛する多くの方達が、被災された方々への気持ちや、支援を忘れず続けられるために。そして、被災された方、支援する方、両方向から「生きててうれしい」と思える絆が、大きく広がっていくことを心から願います。


【西條剛央氏からのコメント】

これからの被災地に必要なのは仕事と教育と心のケアの3本柱と考えています。仕事がなければ自立した生活を営むことはできません。また誰でも仕事がないだけで不安な気持ちになりますから、雇用創出は心の安定にもつながっていきます。

こうした考えから、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」では、物資支援や家電プロジェクトといったモノの支援に加えて、早くから「重機免許取得プロジェクト」「ミシンでお仕事プロジェクト」「布ぞうりプロジェクト」といった就労支援を行なってきました。数万円は生活費としては1週間でなくなってしまいますが、同じ数万円で重機免許を取得してもらったり、ミシンセット(講習会)を提供することで、何百万円も稼げるようになれば、自立にもつながる最も効果的な支援となります。
また被災地には塾もなにもなくなってしまったため、子供たちの教育環境は極めて厳しい状況にあります。10年かかると言われている復興の未来を担うのは子供たちです。15歳の子は10年後に25歳となります。そうした子供たちが望む進路に進み、いきいきと輝いた人生を送ってもらうことが、復興につながっていくことから、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」では「学習支援プロジェクト」も行なってきました。個人指導を通して子供たちに寄り添うことは、震災で傷ついた子供たちの心のケアにもつながっていきます。

ぜひ、これからの被災地に本当に必要な、自立につながる支援を応援していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。



「うれしいプロジェクト」現時点での参加者は以下の通り。

●出品者名(50音順) 彩吹真央、石丸幹二、市村正親、井上芳雄、浦井健治、大竹しのぶ、木村佳乃、佐藤隆太、城田優、ソニン、成宮寛貴、藤原紀香、別所哲也、松田美由紀、南果歩、森山未來、宮本亜門&『アイ・ガット・マーマン』キャスト(田中利花、諏訪マリー、中島啓江、エリアンナ、シルビア・グラブ、浦嶋りんこ、樹里咲穂、西国原礼子、Miz)他を予定。

●オークションは『アイ・ガット・マーマン』公演の期間中(2012/1/3〜19)に実施する。

●出品物は、2012年1月3日から19日まで、シアタークリエの劇場1階エントランスで展示。また入札申込書も用意。

●入札期間を延長、1月30日劇場到着分まで有効。

●詳細は『アイ・ガット・マーマン』公式HPにて公開中。

http://www.tohostage.com/merman/index.html


【文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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マルキューブで『大和悠河クリスマスライブ』レポート

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ライトアップされた丸の内界隈で11月10日から行なわれていた『Marunouchi Bright Christmas 2011 Special 宝塚歌劇展』 のクリスマスイブ・イベント、「大和悠河クリスマスライブ」が、12月24日の夕方、2回にわたって行なわれた。
 

丸ビル1F「マルキューブ」にある、宝塚歌劇をイメージした「赤」を基調とする高さ8メートルのクリスマスツリーの前が舞台。
この日はグランドピアノがおかれ、開始の17時にはまだ1時間近くあるのに、なにやら人だかりがしている。しかもピアノをバックに歌声が聞こえてくる。なんと本番前のリハーサルが公開で行なわれていて、
大和悠河が白いTシャツにジャケット、黒いパンツというカジュアルでかっこいい姿で、ワイルの「アラバマ・ソング」を歌っている。
ピアノは齋藤恒芳。「飲まなきゃ死んじゃうよ」というちょっと自堕落なフレーズを何度か繰り返すとリハは終了。譜面を閉じて
ギャラリーに、「皆さん、大和悠河です。5時からこちらでライブをしますので、ぜひ聞いて行ってください」と呼びかけ、手を振りながら大和悠河はいったん退場した。


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17時と19時と2回ある「クリスマスライブ」の整理券は、配布予定の10時には定員分の人数が並んでいたとかで数分で終了。整理券のない人たちは、吹き抜け上の2階や3階に鈴なりになって待っている。
そして17時、エスカレーターに乗って白い変わりエンビの大和悠河が登場した。


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トークは、まずこの「マルキューブ」の話から。飾ってある宝塚の衣装が華やかで、自分もそれを着ていたことが恥ずかしいけれど嬉しくて、何度もそばに立ち止まって見ていたという話や、大好きなオペラの話などを齋藤さんとトーク。齋藤さんからはオペラとオペレッタ、ミュージカルの違いなどの解説が行なわれる。

その合間に歌が入る。まず『キャバレー』の「Wilkommen」を原語で勢いよく歌い、そのほかに先ほど練習していたワイルの「アラバマ・ソング」、しみじみとしたクリスマスソングの「オーホーリーナイト」、賑やかな「シング・シング・シング」、シャンソンの「愛の賛歌」、そして「上を向いて歩こう」など多彩なジャンルの歌を次々に歌いあげて大きな拍手を浴びた。
最後の曲は、今年を締めくくるのにふさわしい「瑠璃色の地球」。大きく歌い上げてライブは終了した。
そして参加者へのクリスマスプレゼント。自著の「大和悠河のオペラとお菓子の旅」が抽選で
5名に贈られる。


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約45分ほどのライブを終え、見送るギャラリーに投げキッスを送り、華やかさを振りまきながら再びスカレーターに乗り、大和悠河は会場をあとにした。
2回目、19時のライブの衣装はピンクの総スパンコール。2着の衣装はともにこの秋の全国ツアー『DREAM FOREVER』で着用したものだという。セミロングの髪型だが違和感のない着こなしで、華やかな宝塚スターらしさを彷彿とさせる大和悠河だった。

この丸の内「マルキューブ」イベントは、12月25日の宝塚オーケストラのコンサートをもって賑わいの中、全てを終了した。

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【文/榊原和子 撮影/冨田実布】


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『DANCIN' CRAZY2』制作記者会見

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12月23日に東京の丸ビル1階、マルキューブにて行われた『DANCIN' CRAZY2』の制作記者会見の模様をご紹介する。
この作品の前身となる『DANCIN' CRAZY』は2007年、大浦みずきを中心とした宝塚OGにより上演されたオリジナルダンスショーである。今回は『DANCIN' CRAZY2』として湖月わたる、朝海ひかる、姿月あさとらのOGが集結し、Act1では約40分間でミュージカル『CHICAGO』のハイライトナンバーを、そしてAct2では約80分のオリジナルダンスショーを上演する。
「Razzle Dazzle Musical Selection from CHICAGO」(きらびやかな『シカゴ』ミュージカル・セレクションズ)と題されたAct1ではヴェルマを湖月、ロキシーを朝海、そしてビリーを姿月が演じる。
Act2のショーでは観客からのアンケートの結果、再演の希望が高かった湖月と朝海共演の『月夜歌聲』(00年、雪組)をオマージュした場面なども組み込まれるということで、その説明がされた際には観客から歓声もあがった。
11月から12月25日まで丸の内の主要ビルでは宝塚歌劇展が行われており、丸ビルにも『ベルサイユのばら』で使用される小道具が飾りの一部となったクリスマスツリーが。ツリーの前に黒燕尾をびしっと着こなした湖月わたる、朝海ひかる、風花舞、星奈優里の出演者4人とAct1の演出を担当する吉川徹、Act2の演出担当である三木章雄が登場し、記者会見が行われた。

<出演者挨拶>

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湖月 『DANCIN’ CRAZY2』という作品をいつかできたらいいなぁと、ずっと心の中で願っておりました。その願いが叶い、そしてそのメンバーの一員として出演させていたただけますことを本当に嬉しく思っております。初演『DANCIN’ CRAZY』我らがリーダー、私たちにとってはダンスの神様である大浦みずきさんと過ごしたダンスの日々…この大浦さんのダンスへの思いを私たちもしっかりと受け継いでいきたいと思っております。Act1では『CHICAGO』のヴェルマ役ということで、とても憧れの『CHICAGO』。そしてボブ・フォッシーの世界をですね、肉・食・系として!(笑)精一杯、体当たりで演じて生きたいと思っております。そしてAct2ではオリジナルショー。レビュー、ショーの世界で生きてきた私たちだからこそ、そしてさまざまな舞台に立ち続けてきた私たちだからこそできる、エンターテイメントのショーをお届けしたいと思っております。その助っ人として、私たちの先輩である姿月あさとさんにご出演いただけますので、もう鬼に金棒といったところで、私たちも存分に舞台上で踊り狂わせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


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朝海 本日はお忙しいなかありがとうございます。えー寒いですね(笑)。あの、この寒い中、みなさん本当にありがとうございます。そして明日はクリスマスイヴ…こんな素敵な日に、こんな素敵なところでこうしてみなさまにお会いできて、とても幸せでございます。『DANCIN’ CRAZY』は私たち宝塚OGにとっては、ある意味宝塚を辞めたあとの、心のふるさとのような作品にこれからなっていくんじゃないかな?と思うぐらい思いのこもった作品です。一部は『CHICAGO』ということで、大好きなボブ・フォッシーさんの振りを一から本当に教えていただける、真髄を教えていただけるのでそれがとても楽しみです。どういう風に不思議な動きができるんだろうかということを一から勉強させていただきたいなと思っております。そして二部は宝塚ならではの雰囲気を保ちつつ、そしてまた新たな扉を開けるような形で、とっても楽しいダンスのショーをお見せすることができたらいいなと思って出演者一同はりきって頑張ってまいりたいと思います。是非是非みなさま、劇場の方に足をお運びくださいませ。よろしくお願いいたします。

──元娘役さんのお二人も黒燕尾を着てらっしゃいますが衣装を付けられて、どんなお気持ちですが?
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風花 この燕尾とパンツは1回目の『DANCIN’ CRAZY』のときのものなんですね。中だけ今回のイメージに合わせてということで、新たなものを作っていただきました。私は娘役だったので燕尾服を現役時代着たことはないんですけど、すごく気持ちが引き締まると言うか、「あぁこの世界に帰ってきたなー」という感じがすごくして、身が引き締まる思いがしています。今回、『DANCIN’ CRAZY2』に出演させていただけること本当に感謝しています。Act1は『CHICAGO』に挑戦させていただきますが、フォッシーのスタイル、正しいフォッシーのスタイルを継承されているスタッフのみなさまの元で、一から教えていただくありがたさをこの身で感じています。なかなか学びたくても学べるものではないと思っていますので、これからの踊りが変わるんじゃないかな?と思いながら、大変なんですけれど、これが自分の身になり、血となると思って、頑張りたいと思っております。Act2でもさまざまなジャンルの踊りを躍らせていただきます。全場面どう違うイメージをお見せできるかというのも目標に、みんなで倒れるまで頑張りたいと思いますし(笑)、それから姿月あさとさんともご一緒できることもとても嬉しく思っています。あとはやっぱり大浦みずきさんが一緒にいてくださると思って、千秋楽まで頑張りたいと思います。どうぞみなさま是非、見にいらしてください。

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星奈 今日はお寒い中ありがとうございます。私は10年前に、そちらに展示してありますマリー・アントワネットの衣装を着て(笑)、宝塚を退団いたしました。そして今こうして、男役の象徴とも言える黒燕尾服を着てここにいることが本当に不思議だなぁと思いながら、その幸せを実感しております。先日ある俳優さんと話をしていたんですが、役者ですとかダンサーというのは、体力は若いときと比べるとどんどん低下していきます。でもその分、人生の経験であったり、精神力というものはだんだん蓄積されていく。その体力と精神力が合致してるときに出会える役や作品というものは本当に運命というか、神様からのプレゼントだというお話をしていまして、本当にそうだなと特にここ2、3年実感しています。前回の『DANCIN’ CRAZY』から比べますとやはり年月を重ねていますので、体力というものは確実に低下していると思うんですけれど、まだまだ、まだまだ!やれるぞ!というところを宝塚で培った根性で(笑)乗り切り、そして宝塚をご覧になっている皆様にも、宝塚をご覧になっていないみなさんにも楽しんでいただけるショーをみんなで作り上げたいなと思っています。もう『CHICAGO』のお稽古は少し始まっておりまして、大澄賢也さんから振りを少しづつ教えていただいています。少人数ですが先日集まってその振りをみんなで一斉ににやったとき、鳥肌が立つ経験をしたんですね。まだまだ全然未完成なんですけれども、是非これと同じ思いを客席でご覧になっているみなさまと共有できるよう、これからお稽古を頑張りたいと思いますので、是非是非劇場の方に足をお運びください。今日はありがとうございます。


<質疑応答>
──Act1の『CHICAGO』を演出される吉川さんに。とても楽しみなんですけれども時間が40分ということで、どんな感じのスタイルでの上演になるのか。そのあたりちょっとお聞かせいただける範囲でよろしくお願いいたします。
吉川 あの『Razzle Dazzle Musical Selections from CHICAGO』というタイトル通り、煌くような、キラ星の如くスターが集まって、ハイライトシーンを上演する形になります。美味しいとこ取り(笑)を目指しております。

──演出の三木先生に。先ほど『月夜歌聲』をされるということで歓声があがっていたりもしましたが、具体的にどのよう演出されるのか詳しくお話お願いします。
三木 あの、歌います。それから踊りも踊ります。その時の衣装を着て演じるというのとは違うんですけれども、月光の中でその音楽を使いながら、動くことも含めて世界を表現したいなと思っております。

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──それを受けて『月夜歌聲』に出演していらした湖月さんと朝海さん、いかがですか?
湖月 私と朝海ひかるちゃんは現役時代、ね?ファンの方の間でゴールデンコンビと(笑)、言っていただいておりまして、その第一弾が『月夜歌聲』。そのあと『ベルサイユのばら』、あと『風と共に去りぬ』でもね、色々させていただいておりますけど、『月夜歌聲』はすごく伝説的に言っていただいて私たちにとっても最後退団の前にイベントでも、歌わせてもらった本当に大切な作品で、それを今回また新たな形で再現していただけると言うことで、ゴールデンコンビ復活で!(笑)、はい、愛を深めて頑張りたいと思います。

──朝海さんは?
朝海 『月夜歌聲』と聞きますと、本当に京劇を狂ったように練習したという印象が私の中にはありまして…あの、あれだけ剣を振り回したのは最初で最後だったよな、というぐらい(笑)。でも本当にお話的にもとても素晴らしく、12月になると『月夜歌聲』を思い出すんです、私はいつも。月夜を見ながら、その時の役の感情であったりがふっと思い出される時があって…。なので今回そういう風に月光の元で二人で、多少変わるでしょうけれども踊ることができるのはとても、その作品に対するオマージュ的な気持ちもあって、二人で大切に踊ることができたらいいなと思っております。

──湖月さんと朝海さん。チラシなどでもすっかり女性らしい衣装がお似合いになってるという感じですが、素敵なクリスマスツリーを前に宝塚時代を思い起こさせる男っぽい衣装を着た感想を。

湖月 そうですねぇ。やっぱり、なんでしょう、黒燕尾をこう、着ますと、何かこう、声も低くなってくるような気がするといいますか、何かこう、スイッチが入ってですね、みなさんに愛をお届けできる(笑)、そんな『DANCIN' CRAZY2』になればいいなと思っております。素敵なクリスマスを…。

朝海 今ふっと振り返ったら、ツリーが宝塚のフィナーレで持つ小道具が突き刺さっているのを見て…みなさんご存知でした?

湖月
 あ、本当だ!『ベルサイユのばら』のシャンシャンが。
 

朝海 『ベルサイユのばら』のフィナーレで持つ小道具がこのツリーに突き刺さってるんですけど、あのうわーって思って、今ちょっと感動してたところで、すみません(笑)。あの燕尾を着るとやはり、背筋がぴっと伸びるというか、身震いがするというか…武者ぶるいですね、身震いじゃないですね(笑)、武者ぶるいが起こるというか、すごく引き締まった気持ちになります。声は私は元々低いのでこのままなんですけれど(笑)、男役の潔い、パッとした気持ちが戻ってくる感覚があります。

──湖月さんと朝海さんはチラシの写真とずいぶん違うんですけれど…。
全員 (笑)。

──ご本人はどっちが似合うと思ってらっしゃいますか?
全員 (笑)。

湖月
 正直落ち着くのは今日の私です(笑)。ですけども、そのチラシの私というのは、退団後、培ってきた私なんでございます。どちらも私なんですけれども…いかがですかねぇ?(笑)そんなに違いますか?(笑)でも『CHICAGO』はその雰囲気を飛び越える肉食系を目指して…二部では香盤表を見させていただいたら、もう(ここにいる)全ての方とメンズとして踊らせていただくようなので(笑)、その辺は男役を発揮して頑張りたいと思います。よろしくお願いします。  

朝海 私もどちらかというとこちらの方がこのまま寝られるぐらいに身体に馴染んでるんですけれども(笑)、『DANCIN' CRAZY2』のチラシ撮影でその衣装を着た際、「こういう衣装も着られるようになったんだ!」ってちょっと女性としての自分の成長というか、なんとなく「あ、男役から女性に。女性としての年齢も上がってきたかな?」と。似合うとまではいかないですけれど(笑)でもなんとなく落ち着いて、着られるようになったなと思って、人間の成長を自分で確かめました。

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──対する元娘役お二人さんですけれども、あのAct2ではより女らしく、より艶やかに、凛々しくと資料などに書いてありますけれども、その辺はいかがでしょうか。
風花 あぁ、ねぇ?(笑)いやでも、あの辞めてから、女の方が演じる男役の方を相手に踊るっていうことがほとんどないので…やっぱりその女性が作る男役と踊る時というのは、この素のままで行くとやっぱり強くなりすぎるところが多少ありますので、柔らかいというか、少し慎ましく、頑張るっていう感じで(笑)。あのその分、Act1の方でですね、だぁーと広がって踊りたいかなと思っております。

──宝塚時代、我慢してらした?(笑)
風花 いや、我慢はしてないです!(笑)我慢はしてないです!でも、あのやっぱり、特に私はすごくスッとした方々と組ませていただくことが多かったので、あんまり幅を取るといけないかな?っていう…

湖月 大丈夫よ、今回は私が(笑)。

風花 (笑)ありがとうございます!

──星奈さんはいかがですか?
星奈 そうですね、私は辞めたあと、実際に身長もすくすくと伸びておりまして…あの、30歳過ぎて身長が伸びてしまった例なんですけれども(笑)。男役、女役という感覚のボーダーが段々なくなってきていて、役としての捉え方といいますか、そういうものでやっていけたらいいなと思っているので、今日のようなスタイルもすごく嬉しいですし、逆にすごく女らしい役をやらせていただくのもすごく楽しいですし、一粒で二度三度四度五度楽しんでいただけるのではないかなと。私も楽しみたいなと思っています。

──ボブ・フォッシーの振りについてどんな感想を持たれていますか?踊られてみた印象などを。
湖月 実は私と朝海はまだお稽古にも参加していないので、今から一から教えていただく感じなんですが、宝塚受験前とかもビデオとかで見てきましたし、私は退団後第一作目の『ダム・ヤンキース』という作品が振りは新たに作ったんですけれども、ボブ・フォッシーさんの香りがする作品でした。今回、あのしなやかな、独特な動きを自分で体現していくのが本当に楽しみですので、心を込めて踊りたいと思います。

朝海 私も小さい時から、ボブ・フォッシーさんの振りの作品は、ビデオとかで見たりして触れてはいたんですが、まさか自分がこのように踊れるとは思ってもいなかったので、本当に今は嬉しい気持ちと、自分に果たしてそこまでできるのだろうかという不安な気持ちです。でも今は本当に楽しみが80%以上な感じで、稽古に挑んで倒れるまで踊りたいなと思っております。

風花 私と星奈は先日から稽古を受けているんですけれども、客席で見ている感じとやった感じとは全然違ってですね、すごく滑らかなように見えるんですけど、ものすごく制約…技術的には型があるというか、稼動範囲が決まっている。本当に今まで自分が自由に踊ってきたものを一回全部収縮させるというか、そこを我慢して我慢してある時解放されるという言い方を大澄さんもされていて、「今は窮屈だと思ってくれたほうが良い。」という説明も聞きました。本当だったら3月本番なので今からやるのは早いんですけど、今からやっても遅いんじゃないか?ぐらい、もっと早くからやらないと『CHICAGO』の世界を表現するには間に合わないという不安もありつつ、でもやっぱり今まで知らなかったことを知れるという時間はとても貴重で楽しい作業だなと思っています。

星奈 私も、まだまだ全然自分の身体には入っていないものなので、どれが正しいのか、まだ自分で体感できていないとこがとても多くて、3月までになんとか自分の中に入れたいなと思いながらやっています。確かにすごく制約があるんですけれども、抑えられているからこそ出てくるエネルギーだとか、色気とか、そういうものがあるのかな?というのは、大澄さんの踊ってらっしゃる姿とか、日本に来日したフォッシーを、拝見したことがあるんですけれども、そういうものを見た時に受けた印象がありますので、自分が同じものを受け取れるように、そしてみなさんにもそれを感じていただけるところまで辿り着けるように、頑張りたいと思います。

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<公演情報>
TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARY Vol.3
『DANCIN' CRAZY2』

出演◇湖月わたる 朝海ひかる/風花舞 星奈優里/姿月あさと(スペシャルゲスト)
秋園美緒 百花沙里 珠洲春希 牧勢海 桐生園加 美鳳あや 彩海早矢 真波そら 大凪真生 祐澄しゅん 大月さゆ

●2012/3/17〜20◎梅田芸術劇場メインホール
●2012/3/23〜25◎Bunkamuraオーチャードホール

<料金>
S席 12,500円/A席 8,000円/B席 5,000円 (全席指定・税込)


<問い合わせ>
梅田芸術劇場
東京 03-3503-5815
大阪 06-6377-3800



【取材・文/岩見那津子 撮影/冨田実布】



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会話の緊張感で見せる推理劇『8人の女たち』レビュー

 

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1961年に発表されたロベール・トマの戯曲で、サスペンスと心理描写で見せる芝居、大地真央をはじめとする8人の女優が華麗にその演技と魅力を競い合う舞台である。


装置は装飾を排してシンプル、手前と奥の2方向から観客に挟まれている。セットはこの家の広い居間で、多くのソファーが置かれている。居間から見える上手の階段上には廊下と個室の扉が見える。殺された一家の主人マルセルの部屋。また、上手下手ぞれぞれの端には俳優が待機する椅子が置かれている。いつもと一味違うルテアトル銀座だ。

また、出演者や役柄の個性に合わせたファッションが見どころだが、なかにいくつか時代と合っていないものがあったのが惜しい。


物語はクリスマスの朝。一家の主マルセルが背中をナイフで刺されて死んでいた。雪で外部との連絡を断たれた8人の女たちは、疑心暗鬼となり、互いの詮索が始まる。妻ギャビー(大地)は夫の共同経営者と浮気しているらしい。ギャビーの母(加賀)は株券を持ち欲深い。妹のピエレット(浅野)はお金のトラブルを抱えているようだ。ギャビーの妹(戸田)は、マルセルに好意を持っていた。マルセルとギャビーの長女(マイコ)、次女(南沢)、第一発見者である美貌の新入りメイド(牧瀬)、忠実な古参メイド(荻野目)。それぞれに動機がある。ひとりひとりの思惑や秘密が暴露されていくミステリー。
 

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全員……3人、2人。会話の緊張感が高まっていく推理劇が面白い。思いがけないことが次々にあらわになる。それは事件と関係があるのかないのか。

観ているとそれぞれが正にはまり役と思える、しかし、どの女優がどの役をやっても面白いに違いないと思わせる、またとない実力派豪華キャストだ。


殺された主人の妹ピエレットの浅野温子は、サバサバとした豪快ともいえる人柄を嫌味なく出して魅力的。

荻野目慶子は長く勤めるメイドのシャネル。地味で誠実、愛情ある人間らしい人。そして、それだけでは終らない厚みを出して印象に残る。

加賀まりこは車椅子の老婦人ながら活力的なキャラクター。つかみどころのない怪しい人物。人間の多面性を感じさせて流石。

毛皮ロングコートの女主人がはまるギャビーは一家の表面的な幸福を象徴している。大地真央はこの役をノーブルな美しさだけでなく、ふわっとした女らしさと存在感で魅せた。                

ギャビーの妹で“オールドミス”のオーギュスティーヌは戸田恵子。その神経質な雰囲気は場を支配するほど。

長女のシュゾン役のマイコは良家の娘の知性と教養を感じさせた。初舞台を誠実につとめて今後が楽しみ。

美人過ぎるメイド役の牧瀬里穂は、感じの悪さの出し加減が巧み。その役割を的確な役作りで果たした。

南沢奈央は母や姉とは異質な、やんちゃな妹娘カトリーヌを素直に演じている。

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パルコ・プロデュース

『8人の女たち』

作◇ロベール・トマ

上演台本・演出◇G2

出演◇浅野温子 荻野目慶子 加賀まりこ 大地真央 戸田恵子 マイコ 牧瀬里穂 南沢奈央 (五十音順)

●11/12/9〜25◎会ル テアトル銀座 

●12/1/7〜9◎森ノ宮ピロティホール

●12/1/13〜14◎ウィンクあいち

〈料金〉9500円

〈問合せ〉Quaras エンタメ事務局 03-3779-2681(平日10時〜18時)

ticket-info@quaras.co.jp



【文/佐藤栄子 撮影/冨田実布】



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