えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『不徳の伴侶 infelicity』

雪組公演『仮面の男/ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』囲み取材

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10月21日に初日を迎えた雪組公演『仮面の男/ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』の通し舞台稽古後に行われた囲み取材の模様と舞台写真をお届けする。
『仮面の男』はアレクサンドル・デュマの原作をもとに、児玉明子が脚本、演出を担当した17世紀のフランスを舞台にしたコスチュームプレイ。舞羽美海が雪組のトップ娘役に就任してから、初めての大劇場公演でもある。齋藤吉正作・演出の『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』はトランプゲーム、ポーカーの最強の決まり手をタイトルに、勝負の局面や勝者と敗者の姿を見せる賑やかなショー。
舞台稽古を終えてトップコンビとしてははじめて囲み取材の場にあらわれた音月桂と舞羽美海の二人。ときおり舞羽を気にして笑顔を向ける音月と、「ついていきます!」という舞羽の様子が微笑ましい、二人のカラーが感じられるような囲み取材となった。


【囲み取材】 
──とても宝塚らしいコスチュームプレイと元気で明るいショーの盛り沢山の二本立てですが、それぞれの見所をお願いします。
音月 私はオスカル以来の金髪ロングの鬘を今回はかぶりまして、そしてマントを翻すという本当に久しぶりのコスチュームものでうきうきわくわく大劇場公演を終えたばかりなんですけれども…。そうですね、見所は、下級生に到るまで色々な場面に出演させていただいているので、雪組のパワーがとっても詰まった、どの場面も本当にお見逃し無く!といった感じでしょうか。
舞羽 大劇場よりバージョンアップした、進化した『仮面の男』になっておりますので、すごくわかりやすくて、みなさまに楽しんでいただけると思います。

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──ショーはいかがですか?
音月 ショーは本当に元気で、お客様も舞台の上に乗って一緒に踊っているというか、楽しんでいただいているような、すごくスピーディーなショーです。齋藤先生が情熱をかけて作られたショーを私たちも楽しく演じております。
舞羽 雪組全員がどこにいても、舞台の端にいても、本当にキラキラ精一杯頑張っているので、どの場面でも端まで見ていただけたらすごく嬉しいです!

──音月さんに。ルイとフィリップの演じ分けで工夫されている点をお願いします。
音月 今回、ルイとフィリップの二役を演じさせていただくというのは、お話を頂いたときからすごく嬉しくってですね。なかなか主演になってからは、癖のあるというか、なにかこう暴君みたいな役を頂く機会はないと思っていたので嬉しくて。演じ分けというのはなかなか難しいんですけど、「双子というのはどういうものなのかな?」と、まずその双子ということを考えるところから始まり…細かく言いますと仕草とか、声色とか、お客様には表面上、耳で聞くところと、目で見るところで感じていただくのと、あとは気持ちの中身を180度変えてルイとフィリップを演じ分けています。

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──今年はトップお披露目公演で始まり、震災もあり、そこでまた一年が終わろうとしていますが、改めて舞台に立つ事について、考えられた点などがあれば。
音月 お披露目公演でもあった『ロミオとジュリエット』は1月1日に初日を迎えました。今振り返りますと、まだ一年過ぎていないのですが、充実していたなという、一言でいうとそういう気持ちなんですが、3月11日に震災がありまして、その時はチャリティー公演という形で公演を続けさせていただきました。交通も不便な中、たくさんのお客様が劇場に足を運んでくださって…。私たちがみなさまに出来ること、夢や希望をお届けすること、それを一生懸命心の中に置いて舞台に立っていたものの、逆にお客様や、思いを寄せてくださるファンの方々のお手紙から、ね、私たちの方がパワーをいただきました。私たちが公演をすることによって、少しでも心からの笑顔を取り戻していただけたら…私たちも、ね、それまで一生懸命舞台に立ちたいなと思っております。

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──舞羽さんがトップ娘役となってから初の大劇場公演となりましたが、お二人の目指していくビジョンや、お互いの印象などをお願いします。
舞羽 本当に今までもご一緒させていただくことが多かったんですけれども、やはりこの主演娘役という立場をいただいて、色々な責任もちゃんと感じながら、日々成長していけるように、毎公演、ステップアップしたいと思います。ケイさんには下級生のころからずっとお世話になっていて、いつも引っ張っていただいているんですけれども、少しでも近づけるように私なりに…。
音月 あはは(笑)、改めてこういう話をすると…なんかすごく照れくさい(笑)。でも本当に彼女がまだ主演になる前から、お芝居でもショーでも組むことが多かったんですけど、なんていうんですかね、著しい成長といいますか、やはりすごく熱心で、私が帰ってからもたぶん遅くまでお稽古していたんだろうなぁって。日に日に成長している姿を見て、私も初心に戻るというか、下級生の時に無我夢中になって一生懸命お芝居とか、歌、ダンスに取り組んでいたのを思い出しました。そんな美海から色々教えてもらうことが私もあって、これから、ね、一生懸命雪組を、みんなを引っ張っていくときに、ちゃんと美海と手をつないでしっかりとお客様にもその幸せな気持ちをお届けできるといいなと思っております。  

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【舞台写真】

『仮面の男』
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『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』
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ミュージカル
仮面の男

原作◇アレクサンドル・デュマ 
脚本・演出◇児玉明子

ドリームステージ
ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』
作・演出◇齋藤吉正 

●10/21〜11/20◎東京宝塚劇場

<料金>
SS席 11,000円、S席 8,500円、A席 5,500円、B席 3,500円(税込) 

<HP>
http://kageki.hankyu.co.jp/index.shtml



【取材・文/岩見那津子】【撮影/岩村美佳】

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大地真央、浅野温子など『8人の女たち』が製作発表。

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美しい8人の女優がサスペンス舞台で演技を競い合う。
『8人の女たち』の製作発表が10月13日行われた。司会はフジテレビのアナウンサーである笠井信輔。8人の女優は浅野温子、荻野目慶子、加賀まりこ、大地真央、戸田恵子、マイコ、牧瀬里穂、南沢奈央(写真左より/五十音順)という豪華キャストで、その8人の女優がこの日、一同に会した。


『8人の女たち』はフランスのヒッチ・コックといわれるロベール・トマにより1961年に執筆され、2002年にフランスの大女優を集めて映画化されている。出演のカトリーヌ・ドヌーブ、ダニエル・ダリューなど、8人全員がベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したことでも話題を呼んだ。


物語の舞台は郊外の大邸宅。クリスマスの朝。一家の主マルセルが背中をナイフで刺されて死んでいた。
雪で外部との連絡を断たれた8人の女たちは、疑心暗鬼となり互いの詮索が始まる。妻ギャビー(大地)は夫の共同経営者と浮気しているらしい。ギャビーの母(加賀)は株券を持ち欲深い。妹のピエレット(浅野)はお金のトラブルを抱えているようだ。ギャビーの妹(戸田)は、マルセルに好意を持っていた。マルセルとギャビーの長女(マイコ)、次女(南沢)、第一発見者である美貌の新入りメイド(牧瀬)、忠実な古参メイド(荻野目)。それぞれに動機がある。
ひとりひとりの思惑や秘密が暴露されていくミステリー。犯人は一体誰なのか。

 

劇場をリングに見立て、女優のバトルを見せると演出家のG2は言う。会見中にもバトル感を漂わせ沸かせる8人! 競演舞台が楽しみだ。
 

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【役柄と挨拶】 

浅野 (殺害された一家の主人マルセルの妹ピエレット)

このお話いただいた時に加賀まりこさん出演されるっていうのを聞いて、「あ、やらしてください」というので受けたなと。後になって何も考えないで受けて、だんだん「まずいなこれは」と思ってます。とにかく2011年のクリスマス時期、いらしてくださった方たちが素敵なひとときを過ごせるような舞台ができたらいいなと思います。映画は結構前に見たんですけど、犯人が誰かっていうのを全然覚えていないんですよ。G2さんの脚本を読んで、初めて知ったという。だから、何を見てたかというと8人の女たちを見てて内容は見ていなかったという(笑)お粗末な話でした。
笠井 加賀さんの出演を知って決めたということは、加賀さんと闘いたいと?


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浅野 そんな怖いこと(笑)。加賀まりこさんに付いていきます。 


荻野目
(長年忠実に仕えてきたメイド、マダムシャネル)

私は、名前はオシャレなベテランメイドの役です。映画のなかでは私の体の3倍くらいありそうな貫禄の黒人の女優さんが演じていらした役なので、この舞台のお話をいただいた時に驚いて、「なんでこの役を私に?」とお聞きしました。その答えは「怪しいから」の一言でした(笑)。ハウスメイドっていうのは自分の見たくないものが見えてしまう心のグレーゾーンが大きな存在かなと思っています。そんな役が面白く感じています。この魅惑的なキャストの方々と共にスリリングな舞台を頑張りたいと思います。
 

加賀 (ギャビーとオーギュスティーヌの母親役)

まさかね、こんな大きな娘二人がいる母親をやろうとは思ってもおりませんでした。でも、この12月は楽しめる12月にしたいと思っています。誰が主役でもない8人の女全員が主役である、この8分の1になるつもりで、みんなで面白い芝居作っていきたいと思ってます。是非、観に来てください。

大地 (殺害された一家の主マルセルの妻)

今回、このギャビーという役をやらせていただきますが、この本のなかには沢山コメディ要素が入っているなと思っています。ミステリー作品ですけれども、とっても楽しめる部分も沢山あると思いますので、幅広い年齢層の方々に観に来ていただけたらと思います。
笠井 映画ではカトリーヌ・ドヌーブさんが演じた役ですよね?
 

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大地
そうなんです。カトリーヌ・ドヌーブさんといえば、私、先月パリのほうに行っていたんですけど、ニット屋さんに入ってこられました。私は興奮して「あなたが映画でやられたギャビーを今度私が舞台でやらせていただくんです」っていうお話をしましたら「グッドラック」と言っていただきましたので、「よーし」っていう感じで気合が入っております(笑)。


戸田
(ギャビーの妹オーギュスティーヌ)

意気込みは意気込まないことと思っております。素敵な先輩の女優さんと頼もしい後輩の女優さんたちの、良いところを沢山学びたいなと思っていて、学んだところを十分に舞台に生かせるよう、それをさも学んでいなかったように、自分のものだったように見せるのが私の目標であります。あと、このお仕事をしていて、すごく楽しみなことは、普段自分にないものを与えていただけることですね。私、一人っ子なので兄弟がいる設定とか、独身なので旦那がいる設定とか、そういったことにすごくワクワクするんですけれど。今回は真央さんの妹、そしてお母さんは加賀まりこさんということで、こんなこと二度とないかと思っておりますので、十分に楽しんで、みなさんと一緒に素敵な作品を作りたいと思っています。
 

 

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マイコ
(ギャビーの大学生の長女シュゾン)

今日こうやってすごい先輩方に囲まれて、より一段と緊張しております。稽古を必死にやって、先輩方から沢山学んで本番は自分らしいシュゾンとして、ちゃんと8分の1として舞台の上に存在できるように一生懸命務めたいと思います。

 

牧瀬 (新しくきた魅力的なルイーズ)

今日皆さんと顔合わせさせていただいた時に、こんなに後悔する心と不安な気持ちは、本当に大丈夫かなって思いました。でも、やらない後悔より、体当たりでぶつかって粉々に散るほうがいいやと今は思っています。


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南沢 (ギャビーの次女カトリーヌ)

初めて原作戯曲を読んだ時のゾッとした感じとか、怖いという感覚とか、そういうことをお客さんに伝えられるくらいのエネルギーを持って演じられたらいいなと思っております。今回憧れの先輩方と共演なので、女優としてもそうなんですけど、女性としての魅力とか、人間としても色々学ばしてもらって成長できたらいいなと思っています。

 

【質疑応答】

━━台本を読んで誰が一番悪い、もしくは怖い女性だと感じたか?

G2 いろんな意味で言えない。言うと後が怖いもありますし、謎にも関係あるのですみません。
 

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浅野
あんまり怖くないっていうか、女だなと。それを怖いっていうのは、男目線だと思うんですよ。女が見てそんなに怖いと思うかな。この怖さって女性の生命力。それが怖いとみえるのかなという風に感じてます。誰が一番ではなく、皆どっこい生きてる感じです。

荻野目 面白いなと思っているのは、最近あった色が薄まったようなキャラクターではなく、個性の色がこれだけ屹立していて主張できるっていうのはなかなかない作品なんで。私は怪しいから選ばれたんですけど、自分は悪くないと。
 

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加賀
怖いのは自分が若かった時も思うけど、若かったからこそ出来たというか、怖いものしらずである若い人。若い二人が大人の女としたら怖いですよね。

大地 みんな怖いんですけど(笑)。みんな変で面白いなと思うんですよね。とっても コメディに感じるんですけれども。一番っていうのは、いま加賀さんがおっしゃったように若さ故の怖さというのはあると思うんですが、それぞれが怖いし、それぞれが面白いと思います。


ーー戸田さん台本を読んでないというのは。

戸田 この作品は、劇団時代に研究生公演として、私はやってないんですけど、馴染みはあるんです。皆さんがおっしゃるようにイーブンに個性があって、ごく普通の人たちだと私は捉えています。人間らしい8人が1つの部屋に集まると、こういうことになるんだというお話だなと捉えていて。とくに目立ってその人だけじっと見てるとおかしい、ということがあるかもしれないけれど、とても人間味をみんなに感じています。

マイコ それぞれにストレートな怖さといいますか。私は自分の役が一番怖いなと思ってしまいました。一見まともで冷静にみえるからこそ、こういう人が周りにいたら。詳しくはお話できないんですけどイヤだなという。私だったら注意するなという人間なので、シュゾンが怖いかなと思います。
 

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牧瀬
見た目とか発してる言葉と、思ってることが皆さんそれぞれ違うので、私自身も含めて、それは人間の怖さだなと思って、どなたが一番怖いというとストーリーに関係しちゃう部分もあるのでこのくらいにさせてください。
南沢 読んで、女性の本性というかそういう部分が自分にもあるのかなと、ハッと気付いた時に自分が怖くなりました。キャラクターが誰というのは特定できないんですが、そういう風に感じました。


━━ステージが客席に挟まれていて 演じるうえで良い点悪い点、どう思ってらっしゃるのか 

笠井 楽屋裏ではそこが一番話題になっておりまして、皆さんで模型を見ていて、戸田さんが壊すということがありましたが(笑)。先ず両方に客席があることに関して浅野さんは?

浅野 台本でなんとなくは分かっていたんですが、今日初めて模型を見させていただいて、ハッハッハッハ!ダメかもしんない(笑)。よく分かんないです。お稽古してる間に解消できたらいいかなと思っています。
 

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荻野目
サイドを客席に囲まれる舞台というのは、以前に一度だけ、小さい小屋で体験があるんですけれど、汗が垂れたりとかそういうのが見えてしまう距離にお客さんがいらっしゃったので、これは緊張するんだなと思って。今回はこのキャストのなかで、かなりの心理的バトルがある中で、目に付くお客さんがいたりすると、それはそれで面白さと緊張があるかなと思っています。
加賀 具体的にどこで鼻かんだらいいのかとか水飲んだらいいのとかはちょっと分かりません。全然想像つかないんだけど。でも、360度お客さんがいるのも私経験しているので、これは一回ごとをすごく新鮮にやらないと、近くのお客様がうんざりした顔なさるのが見えちゃうので、今初めて言葉を発するがごとくやりたいと思っています。

マイコ 以前加賀さんとお話した時に、後ろを見ているお客さんもいるので、立ち姿が大事とおっしゃっていたので、背中を意識して立てたらなと思います。

大地 こういう舞台は今回が初めてなので、G2さんとご一緒させていただくの初めてなので、どのように演出なさって、どのように私たちを動かされるのか、その辺が怖いような楽しみのような部分ですけれど。この際どこから見られてもよしという腹をくくって、お尻かいてもそれも演技のひとつと(笑)、人間生きているんだという、そういう気持ちで今回はこの役取り組みたいと思っています。
 

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戸田
そういった機構の劇場、そういう舞台には、何度も出させていただいてます。常にいつの舞台も緊張感はあるものですけれども、360度ということでより緊張感が増すということもあります。ルテアトル銀座という劇場がそういう機構で使われるということに私は興味を持っていまして、今まで劇場に足を運んでくださったお客様も、新鮮な形でお芝居を観ていただけるんじゃないかなと思います。劇場というのはこういう風に使えるんだというのを見せていただけるというか、自分達もそこに置かれるというそこがすごく楽しみです。

牧瀬 これって上手とか下手ってあるんですか。すごい苦手。普段の舞台でも絶対逆に行くタイプなので。この混乱の具合が役とか芝居のなかで表せられたらいいなと思います。

南沢 すごい緊張しますね。ガチガチになっちゃいそうなんですけど、頭の先から指の先まで役に入れるようにお稽古で作っていきたいなと思っています。

G2 僕は逆にお客様の目線からいいますと、ルテアトル銀座の客席の後ろ半分を逆側に持って行く。皆さん舞台に近い、8人の出演者にものすごく近いところで見ることができるという特典もこの手法にはあるということを付け加えまておきます。
 

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パルコ・プロデュース

『8人の女たち』

作◇ロベール・トマ

上演台本・演出◇G2

出演◇浅野温子 荻野目慶子 加賀まりこ 大地真央 戸田恵子 マイコ 牧瀬里穂 南沢奈央 (五十音順)

〈料金〉9500円

〈問合せ〉

●11/12/9〜25◎会ル テアトル銀座 

●12/1/7〜9◎森ノ宮ピロティホール

●12/1/13〜14◎ウィンクあいち

〈問合せ〉Quaras エンタメ事務局 03-3779-2681(平日10時〜18時)



【取材・文/佐藤栄子 撮影/冨田実布】


 

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深い輪廻の物語。『眠れぬ雪獅子』レビュー


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謝珠栄が率いるTSミュージカルファンデーションが公演中である。
今回の『眠れぬ雪獅子』はチベットの現在と過去を背景に、彼の地に伝わる「黒い帽子の踊り」の伝説を探りながら、「命と心」という謝珠栄ならではのテーマが、東山義久と伊礼彼方という若いスターを中心にパワフルに展開されている。

美しいターラ菩薩(保坂知寿)の歌声で幕が上がる。

舞台は1951年のチベット。旅芸人テンジン(東山義久)は都チャムドにやってくる。おどけた笑いを届ける一座が上演するのは、仏教を弾圧した王ラン・ダルマ(今井清隆)を843年に暗殺した僧侶ラルン(小西遼生)の話。

ラルンは「黒い帽子の踊り」の踊り手に混じって、ラン・ダルマを討ち仏教を救った。伝説を茶化して笑いをとるテンジンに、ドルジェ(伊礼彼方)は怒って上演をやめさせる。


チャムドの人々はワンドゥ(今井・二役)の圧政に苦しんでいた。詩人ドルジェは、父がワンドゥの命令に従わず殺されたという知らせを受けて帰郷したのだった。

収穫の祭に高僧を呼び、自分の富と権力を更に拡げる企みを持つワンドゥ。その野心を支えるのは搾取される農民たち。暴力に怯え苦しい暮らしに甘んじているが、領地を拡大されれば限界を越えてしまう。
 

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ドルジェはテンジンに「黒い帽子の踊り」を教えて欲しいと頼む。酷い態度をとられたのに、テンジンは快く受け入れる。テンジンは寺で育ちながら飛び出して旅芸人となるが、愛に溢れた人物だ。
「今」を生きるドルジェ、「未来」を考えるテンジン。

そして、過去のラルンと弟ぺマ(山田ジルソン)という二人の僧侶。彼らの行く末は……。

仏教の教えをテーマに謝珠栄が演出する深い輪廻の物語だ。


ドルジェとペマが信じた「筆の力」は「権力・暴力」に負けるのか。

それを象徴するように、文字があしらわれた装置が広がる。ゴツゴツとした岩肌の山を想起させる装置には、ターラ菩薩の天女のような緑色の衣裳が映える。

また、曼荼羅のような光効果、菩薩の動きの連動したライティングは見る者を物語に誘いこむ。


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東山義久はクールな魅力が持ち味だが、テンジン役でみせる屈託ない笑顔には場を支配する明るさがあった。ドルジェと仲間達への友情、暖かい人柄を説得力ある演技でみせる。シャープなダンスは勿論、女装のダンスシーンも見せ場である。

苦悩に満ちたドルジェの伊礼彼方は、心を隠す抑えた表現が求められる難しい役どころ。一匹狼的な動きと、その下にある情熱を感じさせる役作りで成功していた。

輪廻の源であるラルン役を演じる小西遼生は装飾のない僧侶姿が美しい。仏教への思い、弟への思い、暗殺という手段に正面からぶつかり、苦しみながら生きる様を熱演する。

ラン・ダルマとワンドゥという悪の二役を演じる今井清隆は圧倒的な歌唱で権力を表す。登場しただけで重厚な存在感があるのはさすが。

その悪と対照に、保坂知寿は時代を超越する菩薩役で神秘と慈愛溢れる美声を聴かせる。占い師ドルガ役では穢い身なりで、声も別人で驚かされる。ドルガはターラ菩薩の化身と考えることができ、二つの役は共通して物語を牽引するキーパーソンである。
 

鍵となる「黒い帽子の踊り」は、男性6名(訂正:女性も含む)による切れがあるダンス。黒い帽子を目深に被り顔を布で覆った踊り手は、勇壮でストイック。腰布が舞い、優雅で扇情的にも思える。東山、伊礼ほかがそれぞれに踊る。込められた思いを感じながら、何度も見たくなるような魅力的なシーンとなっている。


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TSミュージカルファンデーション

『眠れぬ雪獅子』

演出・振付◇謝珠栄

作◇大谷美智男  

出演◇東山義久 伊礼彼方 小西遼生/照井裕隆 滝沢由佳 小野妃香里 小林遼介 中塚皓平 麻尋えりか 上口耕平 山田ジルソン/今井清隆/保坂知寿 

●10/21〜30◎世田谷パブリックシアター

〈料金〉S席9500円 A席6000円

●11/1◎富山市民会館 大ホール

●11/5〜6◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

〈問合せ〉

TSミュージカルファンデーション 03−5738−3567

http://tsmusical.com


【文/佐藤栄子】

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真飛聖が初仕事。「ネスカフェ エクセラ」CM制作発表会


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元花組トップスターで、今年の4月に宝塚を退団した真飛聖が女優として、約半年ぶりに公の場に姿を現した。

今回のイベントは「ネスカフェ エクセラ」のCM制作発表会。

ラテ好きのタレントが集まる「ラテ研」(石塚英彦所長)の「副所長」に就任した挨拶と、初仕事として「ラテカラー国民投票2011『ラテで116(イーイロ)はじめよう』キャンペーン」のPRを行なった。


イベントは、まずトークから始まり、会場には抽選で選ばれた100名ほどの真飛ファンがオーディエンスとして集結。

ワインレッドのドレスをまとった真飛がスリムな姿を現すと歓声と拍手が起きる。
また、CMのメイキングの中で見せる男役スタイルの映像と目線には「キャー」という悲鳴も飛ぶなど、場内は興奮状態。
 

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まずはスカート姿に関しての話で「宝塚に17年間在籍、公の場ではスカートをはいていなかったので、恥ずかしいやら嬉しいやらです(笑)」。
 

今回の「ラテ研」就任に関しては「今秋、芸能活動を始めるにあたり、初の仕事としてぴったりはまって嬉しいです。コーヒーは1日に3杯以上は飲みます。1日の始まりと終わりを教えてくれる存在ですね。甘めが好きなのでミルクたっぷりで7:3くらいの割合です」。
 

苦くて甘いエピソードは「あるイベントで“まとびひじり”と呼ばれたことがあって(笑)。間違えてくれたおかげで“まとぶせい”と、ちゃんと知っていただいたのでよかったのではないかと、苦いけれど甘い結果なので(笑)。今回もCMの中で名前を言っていて、覚えていただく機会になればと思っています」。
 

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CMのメイキングフィルムを見ながら、男性風と女性風の2つのキャラが映されると、
「1つのCMで2つの面を見ていただけるのでお得かなと。ボーイッシュな方はやりやすかったんですが、女性の方はやっぱり時間がかかりました。女子ってどうだっけ?とか(笑)。どうしても足を開いたりしてしまって。男役時代から髪型の分け目にもこだわりがありまして、こちら寄りで分けるとシャープに見えるとか、いろいろ工夫があるんです。このCMで宝塚の男役から女性になる過程をメイキングで見ていただけて嬉しいです」。


トークが終わると、セットのカウンターでコーヒー作りのパフォーマンス。
好みの「ラテカラー」は、「朝はこれから仕事と、きりっとするために深みのあるめ“シャープ”を飲み、帰宅したらほっこりするために“キャメル”を飲みます」。
今の気分で“キャメル”を選んでお湯を入れて、一口試飲。嬉しそうに「甘い! 優しいあじで本当においしいです」と満足気。


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その後、「ラテカラー国民投票2011『ラテで116(イーイロ)はじめよう』キャンペーン」を紹介するコーナーでは、机上のパソコンを使って5種類の「ラテ」から好きなものを選んで投票のシュミレーション。真飛は“キャメル”を選んで投票する。

このキャンペーンの賞品は、「イーイロ」ということで現金116万円(1名)、ネスカフェ50本(116名)、花束(50名)、この三択からチョイスできる。現金当選者と花束当選者(そのうち1名)には、真飛聖が直接そのお宅まで届けるという嬉しいオマケ付きになっている。

「こんにちわ真飛です。とうかがいますから(笑)」と真飛は会場を沸かせる。


イベントの最後は、この日、10月13日は真飛聖の誕生日ということでケーキのサプライズ。

ラテカラーのマカロンのグラデーションで飾られたバースディケーキと大きな花束が運ばれる。
このサプライズに大喜びした真飛は、マカロンを1つ口に運んで試食する。「おいしい! 皆さんあとで分けっこしましょうね(笑)」。

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この誕生日プレゼントで、この日のイベントはすべて終了。最後に真飛から挨拶がある。

「皆様、今日は本当にありがとうございました。これからも「ラテ研」の副所長として、いろいろなラテを楽しんでいきたいと思います。皆様もぜひいろいろなラテを楽しんでください。そして、これからもラテと私を、末永くよろしくお願いいたします」
 

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その後、真飛聖は集まった記者たちの囲み取材に答えた。


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【囲みインタビュー】


ーー今回のCMの話を聞いたときいかがでしたか?

ちょうど道を歩いてる時だったので、嬉しくてぴょんぴょん跳ねてしまいました(笑)。ちょっと涙も出て来ました(笑)。


ーーコーヒー好きなんですね。

本当に大好きで、毎日3杯以上は必ず飲んでます。


ーーお誕生日ということで、年齢を聞いていいですか?

大丈夫です(笑)。35歳になりました。 

ーー宝塚を退団されて、女優としてこれから活動されるんですね。

はい。男役をしていただけで、もとの性別が変わったわけではないんですが、女子としての居方がまだわからないというか、まず女子への道をリハビリ中です(笑)。
 

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ーー今日はファンの方が来ていて、「キャー」とアイドルのような感じでしたね。

私も思わず「誰か来てるの?」と自分の後ろを振り返ってしまいました(笑)。現役時代は「もっと言って!」みたいな感じでしたが、今はちょっと恥ずかしいというか、でも、今の私でもよかったら好きでいてね、という気持ちです。


ーー宝塚は思い残すことなく退団という感じでしたか?

だいたい3年くらいと決めていて、ビジョンもありました。1年目は花組の83人の組子と絆を作ること。2年目は真飛聖という男役を皆さんに見ていただくこと。3年目は自分の集大成を見せようと。それが達成できたと思えたので決断しました。


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ーーこれからの目標は?

女性として演技はまだしたことがないのですが、人としての演技には変わりないし、目標は皆さんに笑顔になっていただけるようなお芝居をすることです。それに、話すことも笑うことも好きなので、何が飛び出すかわからないオモチャ箱のような存在でありたいです。これからどうなるか自分自身すごく楽しみです。


ーー男役姿はもう見られないですか?

ないと思います。でも両方やれるので双子で男のほうもやるのは面白いかなと。その場合でも太い眉とかモミアゲはないと思います(笑)。


ーー「ラテ研」の所長の座を狙う気はありますか?

とんでもない。まだ石塚さんにご挨拶もしてなくて、このままご自宅に行って「ピンポン、真飛です」とご挨拶したいくらいです(笑)。ラテの話もしてみたいです。公開討論でどっちがラテ好きかを皆さんに判定していただいて、それで所長の座を(笑)すみません(笑)。
 

ーー今後について抱負を。

これから沢山の方と出会いたいし、いろいろな方と絆を結んでいきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 

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「ラテカラー国民投票2011『ラテで116(イーイロ)はじめよう』キャンペーン」

Webサイト http://b.nestle.co.jp/nex/latte/

キャンペーン事務局 0120・241・555 


【取材・文/榊原和子】


演劇キック演劇情報コーナー http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/


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