えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

帝劇ミュージカル『1789』

星組公演『オーシャンズ11』制作発表

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7月11日に行われた宝塚歌劇星組公演『オーシャンズ11』の制作発表の模様をお届けする。
『オーシャンズ11』は2002年に公開されたアメリカ映画。ジョージ・クルーニーやジュリア・ロバーツ、ブラッド・ピットらハリウッドを代表する俳優が多数出演したことでも知られる大ヒット映画である。
リーダーであるダニー・オーシャンが企てた金庫破りの計画。その計画を実行に移すために集められた、いかさまトランプ師、カード・ディーラー、スリの達人といった11人のスペシャリストたち…果たして彼らは大金を手にすることができるのだろうか?またそこに男女間の恋愛が絡んでいく、スリリングな犯罪アクションドラマだ。
今回、世界初のミュージカル化となるのだが、きっかけは2010年に宙組で上演された『カサブランカ』だという。こちらも名作映画の初のミュージカル化ということで話題になった作品だが、この時、ワーナー・ブラザーズが宝塚に理解と興味を示し、その話の流れの中で『オーシャンズ11』の舞台化の案が浮かんできた、ということである。作・演出は『カサブランカ』でも同じく作・演出をつとめた小池修一郎が担当する。

現時点で決まっている配役は以下の通りで、

ダニー・オーシャン──柚希 礼音
テス・オーシャン──夢咲 ねね
ラスティー・ライアン──涼 紫央
フランク・カットン──夢乃 聖夏
テリー・ベネディクト──紅 ゆずる
ライナス・コールドウェル──真風 涼帆

制作発表は映画の予告編を見るような格好良い、この役柄に沿った出演者のパフォーマンスから始まった。パフォーマンスのあとに挨拶があり、その後、簡単な座談会形式でのトークの場が設けられた。時間もあまり長くはなかったので、小池が出演者に対しての現時点での希望や要望を語り、出演者が役への意気込みを語ったあたりで終了の時間がきてしまったのだが、少しラフに話しやすい空間だったせいか出演者の笑顔も垣間見られた制作発表となった。

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<小池修一郎からの出演者へのコメント>

(柚希)
柚希にはダンディな魅力を期待したいと言いますか、確かに言われてみればそれを全面に出したものはやってないのかな?そういう意味ではすごく「待ってました!」みたいなところがあると思います。

(夢咲)
これは現時点での希望で、11月にご覧になったときに「違うじゃない。」となっても困るのですが(笑)、ラスベガス、エンターテイメントの都が舞台ですので、そこの紅一点。歌手、あるいはダンサーといったスターの設定にして話を展開したいなと個人的に(笑)思っております。

(涼)
涼が演じるラスティーは、ブラット・ピッドがやっていたからという部分が大きい役だと思いますので、その辺りはもう少しクリアに存在を作らなければいけないな、と思っています。彼女はキャリアがあるので、ニヒルな感じとかも出せたら面白いかな、と。

(夢乃)
フランクはいかさまディーラーということなんですが…夢乃自身は真面目な人で、物事の捉え方がストレート。なので、逆に横に広がる役にできたら、彼女にとってもすごくいい経験になるのではないかと思います。

(紅)
ベネディックは(紅自身と)180度違うだろうところが面白く見えたら…。クールに演じるだろう紅ゆずるがやることで、コミカルに見えるのではないかという期待があります(笑)。

(真風)
ライナスはスリのエキスパートなんだけれども、ちょっとオドオドとしているところがある若者。今、世界中のどこにでもいる若者の不安、みたいなものの代表をやっていただければな、と。

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<出演者の役に対する意気込み>

柚希
 ジョージ・クルーニーさんが演じた役をさせていただけるなんて、自分としては、ものすごく挑戦になるな、と思っています。外見も、衣装の着こなしも、アクセサリーの付け方も、はりきってやっている男の時代を超えた、それをラフにできる男性。というのを研究しつつ、新しいものに挑戦する気持ちを持って、やっていきたいと思います。

夢咲 私もジュリア・ロバーツさんの役をさせていただけるのがすごく嬉しくて、色んな種類の映画を見たんですが、出てくるだけで存在感やオーラをすごく感じました。同じようにテスとして出てきただけで、そういうオーラだったり、華やかさだったりを出せるようにたくさん研究して行きたいと思います。

 先ほど小池先生がおっしゃったように、ブラット・ピットさんだからこの役の存在感があるのだと映画を見たときに思いました。クールで格好良いんですが、ちょっとキャンディーを舐めていたり、何か食べている仕草がすごくキュートだったり…。今回、どういう役になるかはまだわかりませんが、舞台では引いた映像なるので、やはり存在感が課題だと思っております。

夢乃 フランクはとてもスパイスの効いた役だと思いました。一つのやるべきことに対して、横からちょっとづつ良い感じのスパイスを加えていくような…自分も刺激的なスパイスになれるよう頑張りたいと思います。

 ベネディクトはすごく渋く重く…全てに対してガードを張っている人というか。お金を大切にしているのが第一で、第二にテスへの愛があるという。テスとお金をはかりにかけたときに、やっぱりお金が勝ってしまう。そういう冷酷なところがある男性だと思いました。テスへの愛情だけではない、彼の持っている切なさであったり、本質的に暗い部分であったりを出せたらいいなと思っております。

真風 ライナスはさきほど小池先生がおっしゃったように、若者代表といった印象を受けました。若さゆえの物事の受け取り方だったり、行動だったり…そういう所が印象に残ったので、これからもっともっとその色々な感じ方を勉強して頑張りたいと思います。


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星組公演

ミュージカル
『オーシャンズ11』

脚本・演出◇小池修一郎

●11/11〜12/13◎宝塚大劇場
●1/2〜2/5◎東京宝塚劇場

宝塚歌劇公式ホームページ 
http://kageki.hankyu.co.jp/



【取材・文/岩見那津子】

女優陣が宝塚OGばかり『L’espace du journal 〜日記の空間〜』

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宝塚の振付けなどでよく知られる桜木涼介と『エリザベート』のトートダンサーなどで活躍する俵和也が企画制作する公演、『L’espace du journal 〜日記の空間〜』が7月23日から25日まで、世田谷区民会館で上演される。

この舞台に出演する女優たち10人は、すべて宝塚のOGばかり。歌えて踊れるメンバーたちの手作りの公演となっている。


【あらすじ】

過去のその出来事は時間が経てば忘れゆく・・・。
その時の思い出を失くさないように男は日記を綴った。
それは、昔のお話。

考古学者クリフはベスミアピューリッツランド地方にある古びた屋敷で一冊の日記を発見した。

ジョセフと書かれた日記には様々な想いが綴られている。汚れ破けている日記の文字を必死で読み解こうとするクリフの前に広がった不思議な世界とは……。





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『L’espace du journal 〜日記の空間〜』 
7/23〜25◎世田谷区民会館

出演◇彩海早矢 和泉佑三子 大月さゆ 音乃いづみ 珠子 月路奏 陽色萌 峯眞琴 望月理世 百花沙里

tekkan  角川裕明 柴一平 加賀谷真聡 桜木涼介 俵和也

〈料金〉前売/6500円 当日/6800円

ホームページ http://baka2.com
ツイッター公式アカウント「@baka2_express」
http://twtr.jp/user/baka2_express

貴城けい主演『ビクター・ビクトリア』初日前囲みインタビュー

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7月16日に初日を開けた『ビクター・ビクトリア』の舞台の初日前日に行なわれた公開稽古の前に、貴城けい、葛山信吾、下村尊則、岡幸二郎、彩吹真央が記者たちの囲みインタビューに答えた。


【一問一答】


ーーこの公演のみどころを。

岡「ミュージカルコメディなので全部楽しいんですが、1つあげるなら役者の頑張りですね」

葛山「作品の中にいろんな人の人生があります。歌もありショーもあり展開が早くて飽きないです」

貴城「本当にコメディで軽い作品なので、すごく軽い気持ちでお客様に楽しんでいただけると思います。あとは彩吹さんの下着姿でしょうか(笑)」

彩吹「はい、下着姿も披露しているんですが、この作品の中にはとても男性らしい人女性らしい人、いろんな人間模様が描かれているので、ぜひいろいろな方に観ていただきたいです」

下村「ショービジネスの話なので。ショーナンバーがたくさんあります。そしてやはり、人が人を愛するって素晴らしいなと、今日演じていて感じました」


ーー稽古中にエピソードとかハプニングとか。

貴城「ハプニング?毎日(笑)。具体的には、稽古期間がなかなか短い感じで、凝縮して作り上げたので、なんとか初日に間に合ってよかったなと。あとはどんどん変化していくと思いますから、その変化を二度三度と観にきていただいて(笑)」

葛山「演出の浜畑さんが毎日、新しいことを考えてくださるんで、どれがハプニングかわからないくらいで」

貴城「けっこう自由にさせてくださるんですよ」

岡「放し飼いね(笑)。自分たちから持っていってどうですか?という形で、役者にとっては面白かった」

貴城「トディさんが2人で、同じセリフ同じ動きで、でも2人とも好き放題だから(笑)、私も好き放題で、ある意味固めずにいこうと思いました」

下村「えらい!」

貴城「ありがとう(笑)。相手との感覚で演じさせていただくことを勉強させていただているなと」


ーーでは公演中もまだまだ変化しますね?

貴城「もう、毎公演観たほうがいいです」

岡「ははは」

葛山「その場の空気で何が起きるかわからないもんね」


ーー貴城さんは複雑な役だそうですが。

貴城「いや、それが案外難しくなかったんです。最初はもっとたいへんかなと思ってたし、ビクターとビクトリアを演じ分けようと考えていたんですが、放し飼い稽古のおかげで(笑)いろいろなことを自分から発信していったら、そんなにたいへんでもなく。2役ということではなく、ビクトリアがビクターとして生きてるんだというのを感じたので、今は1人の人間としてやれているので、全然ややこしくないです。ご覧いただいてるお客様はややこしいかも知れませんが(笑)、自分ではややこしくなくなりました」


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ーーどっちが演じやすいとか?

貴城「エンビを着てるほう(笑)。あれ、なんでしょうね?もう4年目になるのに何故か落ち着くんです」

葛山「いちばん似合ってるもんね」

貴城「これ(ドレス)より落ち着くんです」


ーー皆さん、今度生まれ変わるとしたら?

岡「どっちでもいいです。楽しければ。この作品がそうなんですけど、そういうところじゃない部分での関わりでもっていくので、毎日稽古してたら、あ、どっちでもいいんだな愛があれば、と思います」

葛山「やっぱり男がいいです。やっぱり自由に生きてきたのでそれになんの不足もないので。ドレスですか?興味ないです」

貴城けい「興味の問題なの?(笑)私は迷いますね。でも次は男がいいかな、ヒゲとか似合うので(笑)。よく宝塚時代にもつけていたんです。ヒゲも似合うし、自分で言うのもなんですけど(笑)。また違った人生が開けるかな? でもやっぱりドレスも着たいから、今のままがいいです(笑)」

彩吹「私も宝塚で男役をやってて、でも女性として男役をやっていたので、本当の男の人ってどうなんだろうと思うので、1度生まれ変わってみたいです」

下村「長年男をやってきて、1度は女性になってみたいなと思ったんですけど、でも今日羽根をしょってドレスきてみたら、女はたいへんだから男がいいなと」

貴城「ふつうのオンナは羽根しょわないです」

彩吹「ハハ」

下村「ハイヒール、ストッキングとか爪とか」

貴城「爪ね」

彩吹「たいへんです(笑)」

貴城「男役時代は気にしてなかったのが、ネイルとかもするし。だから女子はお金がかかるんです(笑)」

彩吹「はい!」


ーー初日への抱負を。

岡「ミュージカルコメディなので、明るく楽しく、気楽な気持ちでいらしてください。最後にはほのぼのして帰れます」

葛山「公演期間が短くてもったいないですが、1回1回成長していくので、ぜひ観にいらしてください」

彩吹「ダブルキャストのお2人から刺激をいただき、キングさんと刺激的なシーンをさせていただき、貴城さんとは宝塚時代からは久しぶりで良い刺激をいただき、私には刺激いっぱいの作品ですから、楽しんで精一杯頑張りたいと思います」

下村「キングが“男でも女でもかまわない、君が好きだ”って言います。この作品で、本物の恋を観にきてください」

貴城「愛が溢れていると思います。1人1人の個性的なキャラクターも魅力的ですし、全体の音楽、ダンス、お芝居も楽しいものに仕上がっていると思います。今、震災のあとで暗いニュースも多い中で、この作品を観て楽しい気持ちになっていただけたら幸いです。ぜひ観にいらしてください」


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ミュージカル

『ビクター・ビクトリア』

脚本◇ブレイク・エドワーズ

音楽◇ヘンリー・マンシーニ

演出◇浜畑賢吉

翻訳・訳詞◇保坂磨理子

振付◇本間憲一

出演◇貴城けい、葛山信吾、下村尊則、岡幸二郎、彩吹真央ほか

●7/16〜24◎ル テアトル銀座

●7/30〜31◎森ノ宮ピロティホール

〈料金〉11000円

〈問合せ〉

サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(10:00〜19:00) 

キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00)  

http://victorv,jp


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

演劇キック演劇情報コーナー
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/

久しぶりに男装姿、貴城けいの『ビクター・ビクトリア』

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貴城けいの芸能生活20周年を飾る記念作品として、また、久しぶりに男装姿で歌い踊ることでも話題のミュージカル、『ビクター・ビクトリア』が公演中である。

このミュージカルは、ジュリー・アンドリュースに当て書きされたもので、1982年に映画として発表されアカデミー賞で7部門にノミネート、『ムーン・リバー』などの作曲で有名なヘンリー・マンシーニがアカデミー音楽賞を受賞している。

そして1995年に舞台化、ジュリーが33年ぶりにブロードウエイの舞台にカムバック、トニー賞の主演女優賞にノミネートされたが、作品賞などで無視されたことから自身のノミネートを辞退して話題になった。
 

日本でもこれまでに何回か公演されているが、今回はタイトルロールのビクトリアに元宙組トップの貴城けいが扮し、ゲイの芸人トディを下村尊則と岡幸二郎(ダブルキャスト)、ビクトリアを愛し合うキングを葛山信吾、キングの元愛人ノーマを彩吹真央という実力派のミュージカル俳優が揃った。演出は元劇団四季の浜畑賢吉が手がけている。


物語は売れないソプラノ歌手のビクトリアが部屋を追い出され、職を失ったオカマ芸人のトディに助けてもらったことから始まる。
パジャマ姿が男前なビクトリアを見て、トディは彼女を「ポーランドのゲイの男爵で女装したショウ・ガール」ビクターとしてデビューさせようと思いつく。
トディの計らいでデビューが決まり、女装のゲイでソプラノを披露するビクターに客たちは魅了され、たまたま観に来ていたシカゴギャングのボス、キングはすっかり熱をあげてしまう。
だがキングはどうしてもビクターが男性と認めたくない。認めたら自分がゲイだということになるからだ。そこにキングの元ガールフレンドのノーマも絡んで、大騒ぎになっていく。
 

素朴なソプラノ歌手からダンディなゲイの男爵へ、そしてゴージャスなショウ・ガールと変化する貴城は、元宝塚の男役のよさも生かしてそれぞれの役割りを魅力的に演じている。
公開されたトディは岡バージョンだったが、世話好きで愛に溢れるオカマは実にチャーミング。キングの葛山はヒゲがよく似合いセクシーで純情ないい男。ノーマの彩吹はモンロータイプのオバカさんを突き抜けたテンションで演じている。
その他に、クラブのオーナーのラビスの金澤博、キングの子分のスカッシュの友石竜也や、何役も演じる伊東弘美、美郷真也、長谷川大佑、石井雅登、KENTAROといったメンバーの力も大きい。
アンサンブルのダンスはかっこよく(振付・本間憲一)、生オケも入っているという贅沢な公演で、ヘンリー・マンシーニらしい耳に心地よいナンバーが歌唱力のある俳優たちによって歌われている。
 

性の転換という1つの事件をきっかけに価値観までひっくり返り、いやおうなしに自分の心と向き合うことになる登場人物たち。その果てにつかむ素直な生き方と愛が心を温かくしてくれる上質のミュージカルである。

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ミュージカル

『ビクター・ビクトリア』

脚本◇ブレイク・エドワーズ

音楽◇ヘンリー・マンシーニ

演出◇浜畑賢吉

翻訳・訳詞◇保坂磨理子

振付◇本間憲一

出演◇貴城けい、葛山信吾、下村尊則、岡幸二郎、彩吹真央ほか

●7/16〜24◎ル テアトル銀座

●7/30〜31◎森ノ宮ピロティホール

〈料金〉11000円

〈問合せ〉

サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(10:00〜19:00) 

キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00)  

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【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】




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