宝塚ジャーナル

えんぶ最新号

星組東京宝塚劇場公演 初日囲み

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2月12日、星組の東京公演が幕を開けた。

『ハプスブルクの宝剣』は、藤本ひとみの小説を植田景子がミュージカル化したもの。
背景になるのは18世紀前半、ヨーロッパ激動の時代。エドゥアルトはユダヤ社会を捨て、ウィーン宮廷やオーストリア人社会に、生きる場所を探し求める。その野心と闘い、そして彼が仕えた主君フランツ1世との友情や、その妻でオーストリアの女帝になるマリア・テレジアとの愛憎などを、ドラマティックに描き出す。
開幕に1人、柚希礼音が歌う主題歌「Candle in your mind〜魂に宿る光〜」は、『エリザベート』などのシルヴェスター・リーヴァイが作曲、ダイナミックで美しい旋律が心に沁みる名曲だ。

ショーの『BOLERO −ある愛−』は、作・演出が草野旦で、劇中に「ボレロ」を踊る柚希礼音と星組ダンサーたちの迫力が圧巻だ。
1組の男女のモノローグでつなぐファンタジーで、二番手凰稀かなめもフィナーレの黒エンビをはじめあちこちでフィーチャーされて活躍したり、柚希と夢咲のデュエットダンスなど、見どころ満載のショーとなっている。

この日の朝の舞台稽古のあと、星組トップコンビの柚希礼音と夢咲ねねが、報道陣の囲み取材に姿を見せて、まず挨拶がある。

_MG_6716柚希「皆様、本日は通し舞台稽古にお越し下さいまして、本当にありがとうございました。今日の初日から3月21日まで、星組一丸となってがんばりますのでよろしくお願いいたします。」

夢咲「夢咲ねねでございます。千秋楽までがんばりますので、よろしくお願いいたします」

記者からの質問が投げかけられる。

ーー今回トップになられて初めてのショーで、宝塚ならではの魅力だと思いますが、それぞれ、こういうところを観てほしいといところがありましたら。

柚希「私は、白いイメージの場面に出ることがあまりなかったんですが、今回トップとして白いイメージの場面がけっこうあるので、新しい柚希礼音の魅力を発見していただけるようがんばります」

夢「今回の作品は、コスチュームがけっこう豪華で、ワッカのドレスとかもたくさん出てきて、これぞ宝塚という舞台だと思うので、そこを観ていただきたいです」

ーー芝居ですが、何度も挫けそうになりながら生きていく主人公を演じる苦労、また二役をされる工夫などを。_MG_6710

柚希「本人としては、心理を深くたどっているので、すごく入り込みやすいです。でも最後に希望に向かっていくところまで、どこまでお客様が同じような感情で観てくださるか、というのが難しいなと思っていまして。自分ひとりだけでなく、ちゃんとお客様が感動してついてこれるように。とくに学生時代の希望を持って生きていた時代を、印象的に生きるようにしております」

夢咲「二役ということで、まったく違う二人の役なので、それぞれの役を作るのに、二倍、時間がかかりまして、いまだに悩まされているんですけど。でも舞台に立って衣装を着けますと、やはり雰囲気が違いますし、周りの空間とかもまったく違うので、やはり舞台に行ったほうがやりやすいなと思います」

ーーテレーズは、とくに国を治める存在になってからは、貫禄も出さないといけないですね。

夢咲「たくさんの資料を参考にしたり、皇室アルバムとか見たり(笑)、どういう雰囲気なのか学んでいたりしてます」

ーーショーの「ボレロ」についてですが、大作でいろいろなかたが踊っていますが、参考にしたこととか、またプレッシャーは?

柚希「本当に、クラシックバレエ時代はラヴェルの「ボレロ」を踊るなんてすごすぎることなので。草野先生も、すごすぎる作品だしお客様のほうがよりご存知なくらいなものなので、それを星組のこの『ボレロ』で入れていいかどうか、悩むくらいだったそうですが。それをやっぱり入れていただいて、星組のみんなもすごくお稽古して、ダンス力もついてきてるので、ちょっとずつレベルアップしていけたらと思っていますし、毎日稽古をやっておりますので、宝塚の星組のラヴェルの「ボレロ」を、ぜひ観ていただけたらと思っております」_MG_6688

元気に答えて、最後に「よろしくお願いいたします」と頭を下げて、柚希礼音と夢咲ねねは、初日の楽屋に戻って行った。

 

星組東京宝塚劇場公演

『ハプスブルクの宝剣ー魂に宿る光ー』

『BOLERO −ある愛−』

2月12日〜3月21日

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

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【取材/榊原和子  文/岩見那津子   写真/岩村美佳】

『ローマの休日』制作発表

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映画『ローマの休日』がストレートプレイとして舞台化される。
名女優オードリー・ヘップバーンの主演で知られる1953年製作のアメリカ映画で、今も世界中で愛されているラブロマンスである。これまでにミュージカルで舞台化されたことがあるが、ストレートプレイとしては日本で初の上演。しかも今回はなんと出演者は3名だけという斬新な形で上演する。

ストーリーは、窮屈な親善旅行を抜け出して、ローマの街に飛び出したヨーロッパのある国の王女アン、彼女と知らず自宅に泊めたのは新聞記者のジョー・ブラドリー。やがてジョーはアン王女と気づくが、スクープをものにしようと知らない振りをしてローマを案内する。そんな2人の間にしだいに恋心が芽生えて…いうもの。

アン王女には朝海ひかる、ジョー・ブラドリーには吉田栄作が、ジョーの友人であるカメラマン、アーヴィングには小倉久寛が扮し、たった3人の登場人物で描きだす『ローマの休日』。脚本・演出はマキノノゾミ、脚本に鈴木哲也が手がける。

1月15日の制作発表には、マキノノゾミ、鈴木哲也、そして吉田栄作、朝海ひかる、小倉久寛が登場。取材陣からの質問に答えた。

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【一問一答】

ーーまず新聞記者ジョー・ブラドリーの吉田さんから。

吉田 今回『ローマの休日』でジョーをやらせていただきます吉田栄作です。このような大作で、大役を仰せつかりまして、良い意味で緊張しております。まだ台本読ませていただいてる段階なんですが、最初3人きりでこの大作をやると聞いて、無茶だなぁと思ったんですが、本を読んでとても今安心しています。稽古に入るのがとても楽しみな今日この頃です。どうぞよろしくお願いします。

ーーまるでオードリーのようなアン王女の朝海ひかるさん。

朝海 そう言われたら、帰ろうかなぁと思っちゃうんですけど(笑)。アン王女役をさせていただく朝海ひかるでございます。『ローマの休日』というと、イコールオードリー・ヘップバーンと出て来てしまうような役に挑戦するというのは、とても無謀なことですけど、私なりにアン王女という役を深めて、私ができる、私で皆さまに楽しんでいただくことができたら、と思っております。どうぞよろしくお願いします。

ーーそしてカメラマンのアーヴィングは小倉久寛さん。

小倉 アーヴィング役の小倉久寛です。こんな中に入れてもらえて、とっても今喜んでいます。こういう方とこういう方なんで、その中で、上手くかき回すことができればいいなと思っております。今は一人で立っているので、そんなに目立たないんですけど(笑)、皆さん背が高くて、1人だけすっごい小さくって、なんか必要もないのに、ちょっと背伸びをしてしまう(笑)。あんまり背伸びしないで頑張りたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

――小倉さん、そんなに背丈の違い意識されますか?吉田さんと朝海さんちょっとお立ちいただけますか(笑)?

小倉 ものすっごい高いんですよね(笑)。座ってる時はどっちかっていうと、僕のが大きく見えたりするんですけど(笑)。ポスター撮影とかプライベートでは高さが合ってるんですよ。いつも座ってるから(笑)。_MG_3386

ーー鈴木哲也さん、3人だけでやろうという試みはとても挑戦的であり、大変だと思いますが、どんなところを苦労され、面白味を感じたか?

鈴木 マキノさんがせっかく舞台でやるんだったら、登場人物3人だけに限定してやるくらいじゃないとと。映画がみなさんご存知で完成度の高いものですから、そのままやるんなら映画見たほうが早いんじゃないかということになりかねないので。3人と聞いた時は、無茶言い出すなーと思ったんですけど、同時にそれやれたらすごいなと。脚本家としてもそういうのは燃えるわけですね。3人で有名なあのシーンこのシーンをやっていくっていうのを、逐一マキノさんと相談しながら、少人数ですので、原作にはない、また原作から膨らませたハードな会話であるとか、シチュエーションだとか、濃い人間関係っていうのも当然必要になってくるので、そういうものも盛り込んで。新しい要素と同時にロマンティックな要素を上手く融合するようなことを、マキノさんと相談しながら進めさせていただけました。

ーー3人でやるならではのアイディアがあったりするんですね?

マキノ あの有名なシーンはどうなってるの?っていうのは見てのお楽しみにさせていただいて(笑)。どう考えてもローマのロケーションを見せるのは無理ですが、舞台ならではの観客の想像力を刺激して、あたかもそう見えるような、演出ではいくつか考えています。それと3人だけのお芝居ですので、実際の映画の中でもジョーのアパートはかなり重要な場所で結構長いシーンがあるので、あそこをメインの場所としてそこでじっくりとした芝居をしていこうかと。

ーースクーターのべスパも活躍する?

マキノ それは活躍するでしょう、おそらく。でも朝海さんは免許がないということで、練習は公道でしないようにしてくださいね。
朝海 はい(笑)、稽古場でブンブン走らせたいと思います(笑)。

ーー吉田さんにお伺いしますが、映画とはこう違うふうにというのがありましたら。

吉田 映画では描かれなかったジョーという男の、なんで彼はそこにいるんだろう、とか、彼のそれまでの人生がすごく気になるんです。その辺を今回はうまくアレンジして、原作者のダルトン・トランボの人生をちょっとそこに織り交ぜてあるんですよ。その辺が見ていただくと、ローマで新聞記者として働いてる理由もわかるし、アーヴィングとの友情も映画よりも更に深くなっている部分があります。当時アメリカと言う国が抱えていた、時代背景がすごくわかり易く描かれて、ある意味メッセージ色もありますし、そんなところに僕はとっても魅力を感じています。

ーー吉田さんと小倉さんは居酒屋での友情が役に立ちそうですね。

吉田 10年来無駄な酒ばっかり飲んでたりするんですが、それも無駄じゃなかったと。
小倉 飲みに行くと朝まで帰してくれませんからね、この人は(笑)。

ーー朝海さん、オードリーヘップバーンの作品は『暗くなるまで待って』から2作連続ということになりますね。

朝海 偶然、オードリー・ヘップバーンさんが主演された映画を続けてやらせていただくことになって、やはり2作続けてその映画を研究すると、オードリーさんの素晴らしいキャラクターというか、美しさとか、可愛らしさとか、全部内面のものだったんだなというのがすごくよくわかります。外見だけでなく本当に素敵な女優さんだなぁ!と、今一番大好きな女優さんですね。

ーーヘップバーンを演じる気持ちはどのような感じ?

朝海 まず、ヘップバーンさんを演じていたというプレッシャーを外さない限り、そこからは飛べないという感じなので、皆さんが持ってる映画のイメージというのは踏まえながらも、そこから自分の想像力を働かせていくというのが大事だなと。今回もそれプラス皆さんの力をお借りして、素敵な作品にできたらと思っています。_MG_3379

ーー小倉さんは、意外ですが本格的なストレートプレイ作品は初めて?

小倉 そうですねー、お芝居はいっぱいやらせてもらったんですけど。劇団の芝居とか伊東四郎一座とか、外でもコント55号だったり寺内貫太郎一家だったり、笑いが中心になったお芝居が多かったですね、今まで。今回は嬉しいです。初めてこういう名作というか大作で、すごく嬉しいですよ。また、今回は3人ということで、役も深く書かれてましてね、関係性も深くなってますし、すごくいいなぁと思って。また深めるためには、もっともっと飲みに行かないとね(笑)。

ーー朝海さんとの共演は?

小倉 素敵なんでねー(笑)、アン王女と絡むシーンも映画と比べてもっとあるし、ちょっとドキドキしてます。

ーーこのシーンが思い入れがあるんだよなっていうのは、ありますか?

吉田 映画で言えば、べスパでローマ観光をするシーンとかあるんですけど、本を読んだ中で不安なのは、2人でね、そこまでべスパが都合よく動くかな?っていう(笑)。盆があれば盆が回って背景があれば走ってることになるんですが。盆がないので若干不安ですね(笑)。朝海さん免許ないし(笑)。僕が後ろに乗らなきゃいけない場面もあるんでね。そこが課題だと。

朝海 吉田さんに怪我をさせないように頑張ります(笑)。

ーー朝海さんは、暮れの『暗くなるまで待って』で初めてのストレートプレイということでしたが、その面白さをどういう風に感じているか。

朝海 ミュージカルを続けて何本かやらせていただいてたんですけど、ミュージカルのよさとして、感情の拡大版っていうのが、音楽に乗った表現方法だったり、踊りになったりするんですが、

台詞だけで役の感情を追求していける、深く、もっともっと深く人物像を自分で体感出来るというところが、とても魅力的でしたし、楽しかったですね。だから、今回もすごく楽しみにしてます。

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『ローマの休日

●4/27〜5/9◎天王洲 銀河劇場 メインホール

●5/12〜16◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

原作◇ダルトン・トランボ

演出・脚本◇マキノノゾミ

脚本◇鈴木哲也

出演◇吉田栄作、朝海ひかる、小倉久寛

<料金>
銀河劇場/¥9000(全席指定/税込)  
梅田芸術劇場/¥9000(全席指定/税込)

<お問合せ>
銀河劇場チケットセンター/03-5769-0011  http://gingeki.jp

2/20前売開始日のみ(10:00〜13:00、以後は10:00〜18:00)

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ/06-6377-3800  http://www.umegei.com/
 2/20前売開始

 

 

  【取材・文/岩見那津子 撮影/岩村美佳】

水夏希、退団会見(1月15日)

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宝塚歌劇団雪組のトップスター水夏希が、今年の9月12日で退団することが決まった。その退団会見が1月15日11時より、大阪で行われた。

最後の公演となるのは、6月25日〜7月26日の宝塚大劇場公演と、8月13日〜9月12日の東京宝塚劇場公演で、まだ演目は未定である。
この日の出席者は宝塚歌劇団理事長の小林公一と水夏希の2名で、薔薇の花の飾られた壇上でまず小林理事長からの挨拶と水夏希からの挨拶がある。

DSCF1527小林「本日はお集まりいただきありがとうございます。すでにご存知かと思いますが、雪組トップスターの水夏希が、9月12日の東京宝塚劇場公演千秋楽をもちまして宝塚を卒業いたします。彼女は本当に数多くの組替えを経験してきておりまして、本当に苦労したとは思いますが、非常に大きく成長してくれまして、今では宝塚を代表するトップスターであり、今の宝塚を支えてくれていると思っております。また非常に真っ直ぐなスターで、多くの後輩から慕われている存在でもあります。その彼女が卒業する日まで、ますます輝きますように皆さまのご支援たまわりますよう、よろしくお願いいたします」DSCF1539

水「皆様、本日はお忙しい中、またお寒い中、お集りいただきましてありがとうございます。9月12日をもちまして宝塚歌劇団を卒業させていただくことに致しました。本日お越しの方々はもちろん、初舞台から今日まで応援し支えてくださいました皆さまのおかげで、こうして無事に卒業する報告をさせていただくことができます。本当にありがとうございました。千秋楽まで今までと同じスタンスで、今まで以上に作品に向き合い、お客様に向き合い、そして自分自身と向き合って過ごしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」





【一問一答】

DSCF1545ーー退団を決めたのはいつ頃ですか?

水「やっぱり主演になったときから、次は退団ということをすごく考えておりまして。でも『エリザベート』で主演させていただいてからは本当に舞台に夢中で、いつ辞めるかということを意識していなかったのですけれども。『ソロモンの指輪』と『マリポーサの花』という作品と出会って、宝塚の伝統とはちょっと違う作品、すごく素敵な作品でしたが、その作品をやることで1つ自分のなかで宝塚の中でやってきたものが実ったというか、そういう感覚がありましたので、具体的にあとどれくらい、あと何作というのを意識しはじめました」

ーーサヨナラ公演の演目がまだ決まってないんですが、まずこの時期で辞めようということが先にあったのですか?

水「そうですね。この時期ということでもありましたし…この時期までにやりたいことを全てやろうということで。AQUA5の活動ですとか、全国ツアーも何回も行かせていただきまして、もうあとやり残したことはないということで…この時期になりました」

ーーサヨナラ公演ではどういうものがやりたいとかありますか?DSCF1547

水「下級生の頃はわりとクールでシャープな役の印象が強いというか、自分のなかでもそういうタイプかと思っていたのですが、そこから組替えとかいろんな作品をさせていただきまして、すごく明るい作品やコメディタッチの作品も出させていただきまして、自分の壁にぶつかり芸域を広げるチャンスをいただいたと思います。最後に自分の本来の持ち味を生かせる作品にできたらいいなと思っています」

ーー退団する9月までどのように過ごしたいですか?DSCF1594

水「今までも精一杯、すべてを、命をかけてやってまいりましたので、最後の最後まで悔いなきよう、お客様と雪組の仲間たちとできる限り最高の作品を作り上げていきたいと思っています」

ーーご自身として思い出に残る作品は?

水「本当にいろいろやらせていただき、全ての作品が今の私の糧になってきたのですけれども、昨日いろいろ考えまして、やはり『ロミオとジュリエット'99』、『ベルサイユのばら』、『ソロモンの指輪』と『マリポーサの花』です。『ベルサイユのばら』は出会えたことが幸せというか、自分が宝塚に入るきっかけにもなった作品ですので、それに出演できて、しかも何役もさせていただき、そこで学んだことは本当に大きかったので。『ベルサイユのばら』なくして今の私はございません」

DSCF1555ーー退団発表といえば白い洋服が多いのですが、その服を選んだのは?

水「(笑)そうですね、細かく説明いたしますと、いつも男役らしく男役ということを作ろうと思ってスーツとかシャープなものを着るとシャープになりすぎてしまうので、どこかに甘さを加えたフリルとかが好きなので。それと宝塚の特殊素材(孔雀の羽根飾り)も大好きなので最後につけました。色は、あまのじゃくなので、男役らしい黒を着るとかっこいいんじゃないかと下級生のころから思ってましたし(笑)、
やはり男役は黒を着る機会が多いので」

ーー水さんは5という数が縁があると思うんですが、まず5組に出演されてますね。

水「私が下級生の頃は、組替えというのは特別なことで組替えしないかたも多かったのですけれど、4組を経験させていただいて、星組には特別出演させていただき、それぞれの組のやりかたとかつながりを知り、また逆に宝塚は1つだなと思いましたし、それぞれの組でいろいろなかたと出会い、いろいろなお客様と出会い、すごくすごく勉強になりました」

ーー『ベルサイユのばら』も5回出ていらっしゃいますね。DSCF1558

水「あ、そうですか(笑)。1人「ベルばら」ができますね(笑)。あとはマリー・アントワネットだけですね(笑)」

ーーそれからAQUA5も。

水「はい、AQUA5は宝塚では珍しいというか、今までもありましたが、主演が組むユニットというのはあまりなかったと思います。改めて自分と向き合うこともできましたし、宝塚を背負ってということで、宝塚の本当の良さって何だろうということを考えましたし、宝塚をもっと多くの方に知っていただきたいという思いも強くなりましたので、貴重な経験をさせていただけたと有難く思っています」

DSCF1554ーー退団について組子のかたにはいつ話しましたか。またファンのかたにメッセージを。

水「昨日、組子のみんなには挨拶したんですけど、ちょっとうすうす感じていた子もいたみたいで、ちょっと重いような空気が……。あと半年ありますから、より宝塚を愛して、今でも愛していると思いますが、より以上に愛してくれるといいなと思ってます。
ファンのかたには、本当にファンの方々なくして私がこれまで舞台に立つことはできなかったと思っております。いろいろ苦しい時期もありましたが、でも客席に足を運んでくださるお客様がいらっしゃるから私はいつも笑顔で舞台に立つことができましたし、お客様の熱い拍手をいただけるのであれば、どんな苦労も…惜しむことなく、時間を費やし、エネルギーを費やすことができましたので。本当に感謝の思いと、もう宝塚を辞めたら男役をやることはないと思いますので、最後まで男役水夏希を、舞台人水夏希を応援して頂きたいと思います」DSCF1550

ーー全てをかけてきたという男役という表現は、水さんにとってどういうものでしたか。

水「昨日も、何人かの仲間と一緒にいてそうだったんですが、プライベートで集っててもつい舞台や作品の話になるのが当たり前の日常でしたし、たとえ海外に行ってもいつも舞台のことばかり考えている状態でした。男役としては、中堅くらいまではやはり男役を確立することを意識して作ってました。AQUA5の活動がきっかけで思ったのですが、水夏希という芸名のエンターティナーとして役者として一生懸命生きること、それがイコール男役として生きることだったと思います。ですからその男役を最後まで全うしたいなと。今後もご縁がありましたら、そういうエンターティナーとしての活動とか…具体的には全然考えてませんけど(笑)、
予定は未定で、もしかしたら結婚しちゃうかもしれないし(笑)。とにかく予定は未定ですから」

ーー芸能界からの誘いがあったらどうですか?

DSCF1591水「全然わからないんですけども、でも体を動かすことは好きなので、歌ったり踊ったりしたくなるのかなと思うんですけど。やっぱり新しくというか社会に出ていくので社会のことをちゃんと学んでいきたいと思いますし。また世界を見るとまだまだ広いんだなと思うので、世界を見ていきたいという思いもあります。この退団について人と話しているなかで、やめたあとが何も考えてないから不安だというような話をしたとき、“辞めたあとのことが決まってたら人生つまらないじゃない。わからないから頑張るんだし、わからないから面白いのよ”というような言葉を言ってくれた人がいて、不安を感じるよりも目の前のことをしっかりと受け止めて、その時々に見えてくるものをちゃんと感じながら、最後まで過ごしていきたいと思ってます」

ーー理事長にうかがいたいんですが、サヨナラ公演までの間にイベントはないのですか?

小林「スケジュール的な問題がありますので、今のところは考えておりませんが。かなりタイトなスケジュールですので」

DSCF1542ーーAQUA5の1日復活とかファンの声もあると思うのですが?

小林「それも含めて、今ここでハイとは言えないので(笑)」

水「(笑)」


ーー辞めてからいちばんしたいことは?

水「そうですね…スケジュールを決めない時間を過ごしてみたいなと。今まで、旅行とかもスケジュールをかちかちに決めていて、なるべく限られた時間のなかで出来るだけいろいろな経験をしたいと思ってたのですが、決めない時間を過ごすのを楽しみしています」

DSCF1613記者からのたくさんの質問に誠心誠意、言葉を尽くしながら答える水夏希。組子たちやファンへの思いを話すときには、うっすらと涙を浮かべる場面も。将来のことに関しては、冗談めいた口調も出て記者団から笑いも起きる。この日のための黒いファッションがひときわスレンダーになった身体によく似合って、そのまま舞台に出られそうな、まさに男役水夏希らしい装いだった。

質疑応答のあとにフォトセッションが行われ、最後にまた水から挨拶があった。
「9月12日まで、雪組の仲間と宝塚の舞台を一生懸命、心をこめてつとめてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。そして、なにとぞ宝塚を、よろしくお願いいたします」
深々と頭を下げる水に、記者から大きな拍手が送られ、それに応えるように最後は明るい笑顔を見せて、雪組トップスター水夏希は会見場から去っていった。

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宝塚雪組公演

『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale 睡夢』

●2月5日〜3月8日◎宝塚大劇場

●3月26日〜4月25日◎東京宝塚劇場

【問合せ】宝塚大劇場/宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100

東京宝塚劇場/劇場 03-5251-2001

 


[いくつか言葉の表現について、お問い合わせがありましたので、録音内容を確認して修正させていただきました/1月18日19時現在]
【文責/榊原和子】

 

『ファニー・ガール』囲み取材(1月7日)

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バーブラ・ストライサンドの主演で、1960年代に舞台や映画で大ヒットしたミュージカル『ファニー・ガール』が、春野寿美礼をヒロインに迎え、1月8日に初日の幕を開けた。

この作品は、20世紀初頭に実在した伝説のコメディエンヌ、ファニー・ブライスのステージと私生活を描いたミュージカルで、自分の才能を信じて、つねにポジティブに生きた彼女の姿を、歌と踊りで賑やかにときにはしみじみと映し出す。
1964年にブロードウェイで初演、1968年には映画化され、主演のバーブラは、ファニー同様のセクセススートリーを実現することとなった。日本では1980年に退団したばかりの鳳蘭が演じて以来で、約30年ぶりの上演である。
作曲はジューリ・スタインで、映画の『紳士は金髪がお好き』や『ジプシー』などのヒットメーカーとして知られている。また作詞のボブ・メリルは『お熱いのがお好き』の舞台版『シュガー』をスタインとのコンビで生み出しただけあって、ファニーが歌う「ピープル」や「パレードに雨を降らさないで」をはじめ、優れたナンバーがたくさん出て来る。

_MG_2643ヒロインのファニーを演じる春野は、これが宝塚退団後の2作目となるが、前作の『マルグリット』の悲劇的なヒロインとはまったく違った役柄で、明るく前向きなファニー役を楽しそうに取り組んでいる。
共演者たちは、ファニーの夫で賭博師のニックには青年座の綱島郷太郎、ファニーを秘かに愛する友人の振付家エディには橋本じゅん大きな愛で娘を見守る母親役には剣幸と、歌も芝居も定評のあるキャストが揃った。演出は宝塚歌劇団の正塚晴彦が手がけ、1964年にブロードウェイで上演された当時のテイストを残した、どこか懐かしく心温まるミュージカルに仕上げてある。

この作品の公開舞台稽古の行われた7日夕方、春野寿美礼、橋本じゅん、綱島郷太郎、剣幸、正塚晴彦を囲んで会見が行われた。

_MG_2750ーーまず今の気持ちを。
春野「すごく明るく楽しいミュージカルですので、どんどん弾けていきたいと思ってます。多くの皆様に観ていただきたいです」

橋本「キャストの皆さんの素晴らしい演技を、お世辞じゃなく特等席で最初から最後まで拝見させていただいて、この気持ちをお客様と共有したいぐらいです」

綱島「ミュージカルってこんなに面白かったんだと、やってみて思っています。曲が全て素晴らしいです。悲しい曲もありますけど、楽しい曲が多いですね」

剣「優しくというより、才能を持った娘を見守る肝っ玉かあさんなので、春野さんを後ろからフォローできればいいなと。バックステージものの面白さもある作品ですね」

ーー春野さん、剣さんにフォローしてもらってますか

春野「もう、それは。化粧品から何から何まで(笑)、色々なことを相談できますし、本当に的確なアドバイスをいただいております」

ーー夫役の綱島さんとは?

春野「歳が近いのでわりとフレンドリーな感じで最初から話せてるんですが、衣装を着るとビシっと決まってらっしゃるのはさすがでした」

_MG_2625ーーお二人とも新婚ですが、この作品のような夫婦格差は?

春野「えーっ(笑)。」

綱島「イヤ、ハハハ(笑)。」

ーー外部演出はいかがですか。

正塚「外部は初めてではないけれど、こういうミュージカルでは初めてですね。現場は非常に楽しかったです。いつもは女性ばかりですから、キャストに男性が多くて心強かった(笑)」

橋本「稽古場はとても楽しかったですよ。僕のエディにとってファニーは太陽であり、ファニーがそう思うならしかたないというキャラになりきってました。本当にこの作品は春野さんのファニーの魅力に尽きます。綱島くんが間近で見て“惚れてまうやんけ”と小声で言ってるんですよ(笑)。気を抜いていると春野さんに引き込まれる…危ない舞台です!」

剣「ファニーの春野さんは、今まで培ってきたおおらかさと強さを持ってると思います。私の母親はオバさん連中と遊んでばかりで放っておくんです、自分の道を探しなさいと。でも、ファニーは本人の足で歩いて行く、その力強さとか笑顔がチャーミングです」

春野「ファニーフェイスなのに、どんなことが起きても本当に前向きに捉えて乗り越えていく女性ですね。皆さん勇気をもって歩いていってと言ってる作品です」

_MG_2645ーー春野さん退団して2作目の手応えは?

春野「この役の自由さを大切にしているので、自分の感性を生かせるようにということを大切にしています。男役だった自分とか、女性を演じているとか、そういうことは意識しないで、とにかく人とのやり取りやコミュニケーションを楽しんでます。明るく元気で楽しくユーモアのセンスのある女の子を演じようと思っています」

ーー他のかたたちもそれぞれ見どころを。

剣「エディとの場面があるんです。エディの気持ちをすべてわかったうえで歌う歌があるんですが、そこがとても好きですね」

橋本「光栄なことに、今、コミュニケーションを楽しんでると言っていただいたんですが、春野さん、剣さん、郷ちゃん、相手と自分の気持ちだけを大事にして楽しんでやれてます。ちょこちょことずっと出てるんで、エディの気持ちが変化していくのを、会話のなかで出せたらいいなと」

_MG_2656郷「僕はファニーを口説くシーンが気に入ってます。コミカルで面白いです」

ーー春野さん、この映画が好きだと言ってましたが、役作りで見ましたか?

春野「バーブラを意識しないようにと思っていますから、映画はあえて見ないで作りたいと思ってました」橋本「僕は、ハリウッドの映画版を見て、どういうふうに演じているのか確かめようと思ったら、ほとんど出ていなかったので(笑)、自分で作るしかないと」

ーー最後に 春野さん一言。

春野「『ファニー・ガール』、赤坂ACTシアター公演、梅田芸術劇場公演、スタッフもキャストも力を合わせて作っています。ぜひとも劇場まで足をお運びください」

〈近日中にレビューも掲載)

 

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ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール

●2010/1/8〜17◎赤坂ACTシアター

   2010/1/27〜30◎梅田芸術劇場メインホール

上演台本・演出◇正塚晴彦(宝塚歌劇団)

原作・脚色◇イソベル・レナート

音楽◇ジューリ・スタイン

作詞◇ボブ・メリル

出演◇春野寿美礼 剣幸 綱島郷太郎 田中利花 阿部裕 /橋本じゅん 他

<料金>ACTシアター/S席¥11500  A席¥8000

           梅田芸術劇場/S席¥11500  A席¥8000 B席¥4000

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800
 http://www.umegei.com/

                                              【取材・文/榊原和子】

 

 

 

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