えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『HEADS UP!』

月組公演『バラの国の王子』『ONE』囲み取材

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29日、月組公演『バラの国の王子』『ONE』が初日を迎えた。『バラの国の王子』はボーモン夫人作の『美女と野獣』を原作としたラブストーリーである。魔法によって野獣に変えられてしまった王子と、優しい娘・ベルとの心の触れ合いが描かれる。宝塚でどう野獣を表現するのか?という疑問が演目が発表された時点でまず浮かんだが、野獣に見えつつも美しい、凝った霧矢の野獣姿が披露された。
ショー『ONE』は色々な意味をもつ“ONE”という言葉にスポットを当てたバラエティー豊かなショー。世界にたったひとつしかない宝塚歌劇への愛もこの作品には込められている。舞台稽古の後、囲み取材の場には霧矢大夢と蒼乃夕妃が登場し、作品の魅力や見所についてを語ってくれた。

【囲み取材】

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霧矢 みなさまお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。まだまだ東京も余震が続いておりまして、みなさま心休まる日がないかと思いますけれども、私たちは宝塚から東京に元気をお届けできたらと思ってやってまいりました。どうぞ一ヶ月間よろしくお願いします。

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蒼乃
 宝塚から色々なお話は聞いていたのですが実際に東京に来て、いろいろなことを私も感じました。この宝塚という空間で、みなさんに楽しんでいただけるように1ヶ月頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

──二作品の見所をお願いします。
霧矢 『バラの国の王子』は、みなさまがご存じの大変有名な『美女と野獣』が原作となっております。最初、野獣役と伺ったときには、あのメイクを想像してしまったんですけど、宝塚ならではの麗しい野獣に(笑)変身し、その中に流れるピュアな愛をお届けできたらなと思っております。
ショーの『ONE』は様々な意味を持つONEなんですけれども、オンリーワンである宝塚のすばらしさ、そして今本当に日本中、世界中でこの言葉が語られておりますけれども、みんなで心を一つにして、劇場空間のお客様も一つになって楽しんでいただけるショーにしたいと思っています。

蒼乃 『バラの国の王子』はベルの心の成長をたくさん感じ取れる場面を先生が丁寧に書いて下さってので、私も丁寧に演じていきたいと思っております。人との触れ合い、愛とは何かとか、そういうものがすごく感じ取れる作品になっているので、その部分を今だからこそ是非、感じていただきたいなと思います。ショーは宝塚らしい場面もありますし、素直に楽しんでいただける舞台になっていると思うので、そこを楽しんでいただきたいです。

──『バラの国の王子』には色々なメッセージが込められていますね。
霧矢 野獣はベルと出会うことによって身を引く愛であったり、様々な愛し方があるということを知ります。最終的には身分や地位、もちろん見た目ではなく真実の姿を一番大切に、というのを宝塚らしく表現している作品になっているのではないかと思います。周りの動物たちの描き方なども独特で、手にパペットをもって表現しているので、その辺も見ていただけたらなと。

蒼乃 霧矢さんがおっしゃったように家族の愛もありますし、家臣からご主人様への愛もありますし、ベルと野獣の愛もありますし、色んな形の愛が表現されていると思うので、そういうところを感じていただけたら嬉しいです。

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──愛は見た目じゃないとおっしゃいましたが、見た目が今回、爪が長かったり、被り物があったりとご苦労があるのでは?

霧矢 はい。今、見た目じゃないとは言いましたが、宝塚でございますのでやはり見た目も(笑)あの、美しくさせていただきたいと思ってやっております(笑)。宝塚のトップの男役がこのような格好をするというのは本当に珍しいことだと思うのですが、その異色なところにあえて挑戦するやりがいをも感じています。

──衣裳は何キロぐらいあるんですか?
霧矢 宝塚で身体測定をいたしまして(笑)、総重量は8キロございました、頭が2キロ弱ぐらいあって、靴もすごく重いんです。一応、バッファローとサイがミックスされたようなイメージだとデザインの先生がおっしゃっていたので、のしのしと見えたら良いなと思っております(笑)。


 

月組公演

ミュージカル
『バラの国の王子』
〜ボーモン夫人作「美女と野獣」より〜
脚本・演出◇木村信司

グラン・ファンタジー
『ONE』−私が愛したものは・・・−
作・演出◇草野旦

●4/29〜5/29◎東京宝塚劇場

<問い合わせ>
東京宝塚劇場 03−5251−2001 



【取材・文/岩見那津子】

蘭寿とむトップお披露目公演『ファントム』制作発表

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新花組トップスター・蘭寿とむのお披露目公演となる『ファントム』の制作発表が、4月27日都内のホテルにて行われた。ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』を原作に、様々な形でミュージカル化されている『ファントム』。宝塚では、アーサー・コピット&モーリーイェストン版を2004年に和央ようか、花總まりにより宙組で初上演している。初演の好評を受け、2006年には花組の春野寿美礼、桜乃彩音により再演され、このたび3度目の上演を迎える。
ファントムを演じる蘭寿とむは5年前に花組から宙組に組替えになり、再び花組に戻ってきてトップに就任する形だ。無邪気な楽譜売りの少女・クリスティーヌを演じるのは、蘭乃はな。そのほかオペラ座の前支配人、ジェラルド・キャリエールを壮一帆が、クリスティーヌに恋心を抱く青年、フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵を愛音羽麗と朝夏まなとが役代わりで演じる。
この日の制作発表には、演出を担当する中村一徳や、蘭寿とむ、蘭乃はなの新トップコンビが出席し、まず蘭寿と蘭乃がパフォーマンスを披露。その後、会見が行われた。また今回の上演にあたり、作曲のモーリー・イェストン氏から新たに2つ、新曲が提供されることが発表されたが、その報酬は東日本大震災を支援する義援金として寄付する、というメッセージが届いていたので、まずそちらを紹介する。

【モーリー・イェストン氏からメッセージ】

宝塚の同士のみなさまへ

宝塚歌劇団、梅田芸術劇場での公演を通して『ファントム』が阪急電鉄グループの財産演目となっていることを、心より光栄に思っております。
きたる6月に開幕する再演のため、特別に2つの新たな歌を書かせていただくことになりました。敬意と心からの友情の証として、勇気で世界中を奮い立たせ続けている日本の国民のみなさんへ、この2つの新曲を捧げます。
新曲に対する報酬は固辞させていただき、その代わり、宝塚歌劇団が行っておられる、東日本大震災で被災された方々を支援するためのチャリティーの義援金として寄付させていただきます。
心を込めて。

モーリー・イェストン


【挨拶】
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蘭寿 花組の蘭寿とむでございます。みなさま本日はお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。ミュージカル『ファントム』、この素晴らしい作品で、スタートをきることができる喜びを今、噛みしめております。今回の再演のために新曲を書いて下さるということで、とても嬉しく、光栄に思っております。
私は、5年ぶりに花組に戻りまして、新しい相手役の蘭乃はなちゃんと一緒に、そして花組のみんなと一緒に、一丸となって良いステージを作っていきたいなという思いで燃えております。みなさま今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

蘭乃 本日はお忙しい中お越しいただきまして、本当にありがとうございます。『ファントム』という素晴らしい作品に出演できること、クリスティーヌという花總まりさん、桜乃彩音さんという素晴らしい娘役の方が演じられた役に挑戦できること、とても光栄に思っております。
またこの公演は蘭寿さんの花組に戻られてのトップお披露目公演となっておりますので、そういった意味でも素晴らしい公演にできますよう、お稽古を重ね、心を込めて、演じられるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

【質疑応答】

──トップコンビのお二人に、それぞれどのように役を演じていきたいと思っていますか?
蘭寿 ファントムというのは暗闇の中で苦悩しながら生きているときに、クリスティーヌの声に出会い一筋の光を見出して、愛をはじめて知り、生きる意味を感じます。実際に、クリスティーヌを抱きしめて包み込むことはできないんですけど、愛を知った自分が思いを込めて歌う歌で、クリスティーヌを包み込めるような、そんな暖かさのあるファントムにしたいと思っています。
ただ、その愛ゆえに狂気に走ってしまう部分なども繊細に演じていきたいと思いますし、その辺は中村先生と御相談しながら、丁寧に描いていきたいと思っております。最後の親子の愛の部分も、客席から見たときにすごく感動いたしましたので、そちらに到るまでの心の葛藤も丁寧に演じたいと思っております。

蘭乃 ファントムの本当の心の美しさを見いだして惹かれていく純粋さがあるからこそ、彼の本当の顔を見てみたいと思ってしまうのがクリスティーヌだと思います。でも未熟な部分が彼女にはあって、だから顔を見て逃げてしまうという経緯にいたるので、純粋であるという部分とまだ彼女が人間として、一人の女性として成熟していないというところを大切に演じていきたいと思います。

──新曲2曲は、どんな場面で歌われるのか、教えていただけたら。
中村 ファントムがクリスティーヌに対してまだ愛まではいかないものの、恋というか、少し今まで感じなかった思いが芽生えはじめるところがありまして、そういうイメージの場面に1曲入るのと、伯爵の歌をまた新らしいバージョンで、イェストンさんからご提供いただくこととなりました。

──実際に今、曲を歌われてみていかがでしたか?
蘭寿 本当に美しい音楽ですので挑戦だと思っております。でもそういう機会を与えていただいたことに幸せを感じながら歌っておりました。特に蘭乃はなちゃんとのデュエットなんですけど、響きはなかなか合っている、かな?なんて自分で、はい(笑)、思いながら、本当に初めて一緒に歌ったので・・・。
彼女は、宝塚の娘役らしい清楚なピュアな娘役さんだと思いますし、その辺りに凄く惹かれているので、役と重ねながら一緒に美しいハーモニーを奏でたいと思っております。

蘭乃 初演や、再演のファントムを客席で見ていたときには、まさか自分がクリスティーヌを演じることになるとは思っていなかったので、クリスティーヌのまさか自分がオペラ座で歌えるようになるなんて、という気持ちと同じだと思って歌っていました。
蘭寿さんは本当にとてもお優しい方で、二人で向き合ったときに、これは大丈夫だとすごく安心できた部分がありましたので、この気持ちを持って、蘭寿さんについていきたいと思います。

──蘭寿さんはトップとしてのお仕事が初めてですが、どんなお気持ちですか?
蘭寿 まず「花組の蘭寿とむ」と言った瞬間に、あぁこの響きが懐かしいと、思いました(笑)。宙組にいったことも本当に良い勉強になりましたし、精神的にも強くなりました。5年ぶりに花組に戻ってきて、みんなと一緒に、とにかく良い舞台を作りたいなという一心で今はおります。

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花組公演 
『ファントム』

脚本◇アーサー・コピット
作詞・作曲◇モーリー・イェストン
潤色・演出◇中村一徳

●6/24〜7/25◎宝塚大劇場
●8/12〜9/11◎東京宝塚劇場

<問い合わせ>
宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100


【取材・文/岩見那津子】

「これからも花組を・・・」真飛聖サヨナラショー/退団会見

424日に千秋楽を迎えた『愛のプレリュード/Le Paradis!!』で花組トップスターの真飛聖が宝塚を退団した。1995年星組公演『国境のない地図』で初舞台を踏んだ真飛はそのまま星組に配属され、2005年に花組に組替え。前トップスター春野寿美礼の後を継ぎ、2008年より花組のトップスターに就任し、『太王四神記』のタムドクや、『相棒』の杉下右京、『虞美人』の項羽など幅広い役を演じてきた。退団公演となった『愛のプレリュード』ではフレディー・クラークという一人の男性として生きる中に男役の集大成をみせ、ショー『Le Paradis!!』では花組の男役らしい色気や、組だけでなく客席全体をも包み込むような大きな包容力を感じさせてくれた。
同じくこの日に宝塚を退団したのは眉月凰、真野すがた、祐澄しゅん、天宮菜生、天咲千華、鳳龍アヤ、朝陽みらいの7名で通常のショーの後に退団者を中心とした真飛聖サヨナラショーが行われた。真飛のショー代表作『EXCITER!!』ではじまり、『EXCITER!!』で終わるサヨナラショーは、退団の寂しさすら吹き飛ばす笑顔に溢れた真飛らしいものとなった。サヨナラショーの内容は以下の通りである。

【真飛聖サヨナラショー】 

1.「CHANGE LIFE」(09年、10年『EXCITER!!』より)
真飛聖

2.Passionate Night B(09年、10年『EXCITER!!』より)
真飛聖、他男役

3.「インシャアッラー」(08年『愛と死のアラビア』より)
真飛聖、壮一帆、愛音羽麗

4.「僕の悪いクセ」(09年『相棒』より)
真飛聖、壮一帆

5.「フィフティ・フィフティ」(09年『フィフティ・フィフティ』より)
真野すがた、華形ひかる、桜一花

6.「MIND TRAVELLER(06年『MIND TRAVELLER』より)
真飛聖

7.「愛のはじまり」(10年『麗しのサブリナ』より)
真飛聖、蘭乃はなのデュエットダンス

8.「愛のかたち」(09年『外伝ベルサイユのばら〜アンドレ編〜』より)
真飛聖、眉月凰、祐澄しゅん、天宮菜生、天咲千華

9.「花は花」(10年『虞美人』より)
真飛聖、眉月凰、真野すがた、祐澄しゅん、天宮菜生、天咲千華、鳳龍アヤ、朝陽みらい

10.「希望の瞳」(09年『太王四神記』より)
真飛聖、花組全員

11.Life Exciter!!」(09年、10年『EXCITER!!』より)
退団者7

12.「ドリームゲート〜チェンジBOX〜」(09年、10年『EXCITER!!』より)
真飛聖、Mr.YUとして登場

13.「EXCITER!!(09年、10年『EXCITER!!』より)
チェンジBOXで変身した真飛が花組を率いて歌い踊る

なんといっても、Mr.YUの大階段からの登場と、その後の変身から幕が降りるまでの盛り上がりが真飛を中心とした花組の団結力を象徴していたように思う。終演後に行われた会見で記者から「この公演で真飛さんが一回り大きくなった印象を受けた。」という言葉が出たが、まさにその通りである。不安な状況の下、最後までトップスターとして舞台を務めきった真飛からは、組を守りたいがゆえに生まれた大きさと、たくさんの愛、そして清々しさが感じられた。以下、会見の模様を紹介する。


【真飛聖退団記者会見】

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──宝塚は真飛さんにとってどんな場所でしたか?
想像を超える幸せな空間で、幸せな時間を過ごせた場所ですね。想像していなかったです。ここまで自分が宝塚を愛せると。そして、こんなにも幸せな時間を過ごせると思っておりませんでしたので、繰り返しますが(笑)、想像を超える時間を過ごせた場所、でした。

 ──チャリティー公演ということで公演後にご挨拶をされたり、ロビーに立っていらっしゃったり…ご苦労様でした。真飛さんは初舞台も阪神大震災後の再開公演でしたがそれを経験したことや、何か今回の震災を経ての思いがあれば。
初舞台公演だということも重なって、星組の方々が一丸となっていた空気を私たちもその時に感じていました。そこで「乗り越えられないものはない」と感じましたが、今回また改めて、自分が退団とはまた関係なく、やはり乗り越えられない事を神様は人に与えない、本当にその通りなのだと思いました。
今、募金の事でご苦労様と言っていただいて、みなさまからも、「無理をしないでね。」とよく声を掛けていただきましたが、でも、こういった言い方は間違っているかもしれませんが、私にとって、あの時間はある意味本当に幸せな時間で。
本来ならば舞台からしか皆様にはご挨拶できない、感謝の気持ちを舞台からでしかお伝えできないのですが、ロビーにいて観劇されたみなさまの姿を「あ、こうやって帰って行かれるんだ。」と初めて見ることができましたし、そこでみなさまと会話できたこと、目での会話、本当にそれは義援金の協力という形ではありましたが、とても大切な、かけがえのない時間でした。

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──改めてステージを降りられたお気持ちと、これからやってみたいことがありましたら。

今このように記者会見をしておりますけれど、まだまだ男役でキザれるんじゃないかと思っておりますし(笑)、明日も公演があるならば、同じ事はできると思うんですね。今回はこうして幕を無事におろすことが目標であり、本当に今やり終えたばかりなので、「本当に終わったのかな?」と。もしかしたら夜寝るまで、そして次の日、公演がないと思うまでは実感はわかないのかもしれません。でもそれが本当は幸せなことかもしれないと思うくらい、今、満たされた時間をゆっくりと過ごしている感じです。
これからのことは、正直に申し上げまして本当に何も考えておりません。この状況で公演をさせていただけたことだけでも感謝しておりますので、今、次のことを考えることは、私にはできませんでした。
とにかく目の前にあることを全力で、100%の思いでやっていくことが私の務めだったので、明日、12時が過ぎて「あぁ、私どうしよう。」って思うのかな、と(笑)。ゆっくりと、焦らずに自分がやりたいと思うことを、少しずつ見つけていきたいと思っています。

 ──外の舞台に立つ予定も今のところはない?
そうですね、今のところ。もちろん宝塚の舞台には立てないですけど(笑)、立たせてもらえる?いや、立たせてもらえないですね(笑)、立たせてもらえませんけれど、今後、外の舞台ということで、そのことも本当に何も今は考えておりません。もう、この舞台でこんなにも素敵な時間を過ごせる事ってないんだろうな、と思いながら1ヶ月間を過ごしていたので、今は、すごく清々しくて…だからゆっくり考えたいと思っております。

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──走り続けてきた自分へ贈る言葉と、まもなく
100周年を迎える宝塚歌劇に残していく言葉があったら教えてください。
とても難しいですが、ただ、今の自分に言えることは、心に嘘をつかずに、素直な思い、素直な気持ちで諦めずにいたからこそ、この時間が持てているんだということで、「諦めなければこういう時間って、持てるんだね。」と自分に語りかけております。
100周年に向けて今はこういう状況ですが、いろいろな思いを抱えながらも宝塚を愛し、そして1ヶ月間観に来て下さったたくさんの方がいらっしゃいました。みなさまがいてくださるからこそ、宝塚歌劇団というのは成り立っているということに改めて深く気付くことが出来ました。
こういうお客様と共有できる空間というのは、宝塚以外、世界にどこにもないと思うので、みなさまにたくさんの心ある舞台、そして愛を一緒に感じられる時間を宝塚は作っていって欲しい思いますし、作っていくと信じております。

──真飛さんはこの公演で、一回り大きくなられた印象を受けたのですが、ご本人の自覚は。
いや(笑)、ございません。まだまだ未熟者ではございます、本当に。ただ地震がありまして、花組のみんなで話し合いを重ね、その中で花組がもしかしたらバラバラになってしまうのではないか、という不安をみんな感じていたと思うんです。でも行こう!と決めた、そして私について行こうとみんなが思ってくれた、その思いを私は全力で受けて止め、みんなをただひたすら引っ張ってきたので、ピーンと糸はたぶん…今も張っているかもしれないし、興奮状態だとは思うんですが、でもおかげで元気でいられました。
よく睡眠もとっておりましたし(笑)、「最後なのに私こんなに元気なの、なんでだろう?」思うぐらい元気に。やはり花組みんなの思いと、宝塚を支えて下さるすべてのみなさまの思いで、もしかしたら私がそういう風に見えたのかもしれません。

 
記者からの質問に答え、会見場を去る際に真飛は一言「これからも花組をよろしくお願いいたします。」と言葉を添え、頭を下げた。真飛が、まず第一に組のことを考え、花組を笑顔で引っ張ってきた、大きな優しさをもったトップスターであったことを、この最後の一言で改めて実感した。

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花組公演
ミュージカル・ロマン
『愛のプレリュード』作・演出/鈴木 圭

『Le Paradis!!−聖なる時間(とき)−』
作・演出/藤井大介

3/35〜4/24◎東京宝塚劇場



【取材・文/岩見那津子】【撮影/岩村美佳】 

『スミレ刑事の花咲く事件簿』舞台初日、囲みインタビュー


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5月2日に幕を開けた『スミレ刑事の花咲く事件簿』の公開舞台稽古のあとに、主役の水夏希、そして共演者の徳山秀典、中山麻聖の囲みインタビューが行なわれた。


ーー水さんは、退団後の初舞台ですが、いかがですか?


水 この舞台の前にドラマをさせていただきまして、ドラマよりはラクにできるんじゃないなとたかをくくっていたんですけど、まったくもって宝塚にいたときの引き出しが使えないというか、使えたのは挫けない根性だけでした(笑)。あとはもう演出家の先生を信じて託して、そしてやって今日の初日を迎えました。


ーー女性役で、その同じ舞台に男性もいらっしゃるというのは?


水 男性ねー(笑)。いや、でも、美しいのであまり変わらないんですよ。なんか宝塚のときの気分でやってて、いけないいけない男性だ、みたいな。あまり違和感なく。


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ーーそれではお2人に水さんの女っぷりをうかがいたいのですが。


徳山 すごく可愛らしいと言ったら失礼なんですが、最初はしっかりしてる、その芯の強さの奥に、ものすごい可愛らしさを持った人です。

水 いやー。ほんとにしっかりしてるとか頼りがいがあるとか、そういう強いイメージばっかりだったので、ちょっと嬉しい!っていう感じです(笑)。

中山 僕は、役もそうなんですが、ほんとに頼れる大人の女性という感じがすごいので、僕はそれにくっついてくっついて引っ張ってもらってます。


ーー女性としての水さんのいちばん印象に残ったシーンは?キュンときましたみたいなところを。


中山 水さんが女性姿で出て来るところがまずそうですね。あと女の子女の子してる芝居があって、そこにちょっとキュンとしました。

徳山 僕は胸をむにゅってところです(笑)。

水 ああ、あり得ない、宝塚ではあり得ないシーンです、あれこそ。外に出た証しかな、みたいな。


ーーライブで、奇しくも日本を応援するような。


水 本当に偶然なんですけど、ガイズ(GUYS☆FROM THE EARTH)が発足して、まだ半年なんですが、ガイズの思いとして、皆さんが元気になっていただけるような曲をこれからも作っていきたい。その思いで作りましたが、たまたま今の日本に送るエールとして歌わせていただいてます。


ーーその曲の配信が義援金に?


水 はい。今後もそれはすべてそうしたいなと。


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ーーこの舞台の見どころなどをぜひ。


徳山 僕らは演者なので、演じることだけがパワーになると思っているので、舞台全てに全力を出し切っていきたい。全体を見ていただきたい。


ーー徳山さんの役はミステリアスに見えたのですが、心がけていることは?


徳山 最後まで、大どんでん返しまで、どう見せていくかとか。あとは水さんとの細かい息の合い方、その駆け引きをどうやっていくかですね。

水 超キザですよね。

徳山 えっ、そんなことないぴょん。

水 (爆笑)


ーー階段とかありますが。


水 そうですね、やっぱり懐かしいなみたいな感じですが、お稽古場はもう少し小さいものでしたから、舞台に来て、ああ階段だ!と(笑)。これ、絶対につまづかずに下を見ずに降りなくてはというものなんですが、今回、カーテンコールだけはここで転んではなるまいと(笑)慎重に降りてます。でもお芝居の中では宝塚のプライドにかけて階段を見ないで降りたいなと。


ーー宝塚時代はもちろん見ないで?


水 当然です(笑)。


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ーー伊原すみれという人の魅力を皆さんに。


水 そうですね、とても真っ直ぐで芯の強い女性なんですけど、四角四面に規則を守ることだけが全てじゃないとわかっていて、人間としての包容力とか温かさで、罪は罪であるということとは別に罪人を包んであげる。最後まで、本当に罪を償って戻ってくるまでちゃんと見放さない。ただ罪で縛るだけでなく本当の温かさと大きさというものを持つ。なかなかできないことだなと、演じてて感じます。


ーーあのガシッという抱擁は、それですか? 男役がちょっと見えるような。


水 あれは昨日の稽古までは女性の包容力でやってたんですけど、あそこは、最後は男同士くらいな勢いでその強さでということで。女性の芯の強さみたいなところをちょっと狙ってます。宝塚の男役を生かした感じで、男役にならない程度に。


ーー今後どのような姿を見せていただけるのでしょうか?


水 宝塚はいつも同じメンバーですが、これからはいつもそれぞれのセクションの方が集まってきて、今回だけのカンパニーというか、今回だけのメンバーなので、その心を1つにしたものをお客様に届けるというか。今しかない、そういうかけがえのない、今の一瞬しかない時間を共有できるように、正直に真摯に生きていきたいなと思います。


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『スミレ刑事の花咲く事件簿』

原作◇石平ひかり(「スミレ刑事の花咲く事件簿」講談社刊)

脚本◇樫田正剛

演出◇星田良子

出演◇水 夏希、徳山秀典、中山麻聖、壤晴彦ほか

●2011/5/2〜7◎東京 新国立劇場 中劇場

●2011/5/12〜15◎大阪 森ノ宮ピロティホール

●2011/5/17〜18◎名古屋 中京大学文化市民会館・プルニエホール

〈料金〉全会場 S席\8,000 A席\7,000(全席指定・税込)

〈問合せ〉

東京/SUMIRE LABO 公演事務局  03-5500-2151 (24時間音声案内)

大阪/キョードーインフォメーション  06-7732-8888 (10:00-19:00)

愛知/東海テレビ放送 事業部  052-954-1161






【取材/榊原和子 撮影/冨田実布】

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