えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『大人のけんかが終わるまで』

滝沢秀明が水と戦う舞台『新春 滝沢革命』レビュー


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滝沢秀明の恒例の正月公演『新春 滝沢革命』が帝劇で上演中だ(29日まで)。

4年連続の滝沢秀明主演の新春公演で、今年は宝塚OGの紫吹淳が参加、女海賊で活躍している。
帝国劇場にとっては101年目のスタートとなる晴れやかな公演だけに、滝沢を中心にひときわ熱が入った舞台となっている。
 

物語のベースは海洋冒険物語。森の海賊と海の海賊の長い確執の歴史と、その恩讐を超えて新しい時代を作ろうとする若者の命をかけた戦いを描き、その前後と劇中に入るショー場面は華やかに、そして恒例のフライングも織り交ぜて豪華に繰り広げられる
 

主役の滝沢秀明は森の海賊の若きリーダーの役。指導力を感じさせる大きさと勇敢さで、さながらスペース・ファンタジーの主人公というところ。このシリーズならではの大量の水と戦うアクションは力強く、フライングも見せればコメディタッチの老け役で笑わせるなど、多才なエンターテイナーぶり。

滝沢の父親役には錦織一清が扮していて、さすがに大人の貫禄がある。A.B.C-Zの戸塚祥太は敵方の武将という濃い役柄に体当たりの演技。中山優馬は血の繋がっていない弟で繊細さと爽やかさを感じさせる。その母で海の女王に扮した紫吹淳は、毅然とした美しさと凛々しい殺陣で魅力を発揮。木南晴夏は森に迷いこんだ娘で可憐さと健気さがある。
それぞれのキャラクターが適材適所なうえに、
They 武道などのジャニーズの若手たちが作品世界を盛り上げている。


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紫吹淳

そして、この公演の見せ場は2009年の初演から使用している大量の水。
今回は客席前方の地下にある貯水用プールを増設、これまでの2倍の150トンの水が帝劇舞台と下を循環するシステムを新たに構築した。
そのおかげでクライマックスの殺陣シーンでは、ステージ後方の滝
から最大で毎分30トンという大量の「激流」が3度もキャストたちに襲いかかり、
その「激流」を頭から浴びながらの戦いなのだが、滝沢は「息ができなくなることもありますが、みんなで一つになってやろうという気持ちがあるので」と語っているように、キャストたちは水の勢いをものともせずに動き回る。

またショー場面では、天井から降る水のカーテンが「革命」などの文字やハート型に切り抜かれる「ウオーター・ピクチャー」もあり、その中を滝沢や中山が行ったり来たりして遊ぶ楽しい場面もあって、演劇史上最大の水を使った「滝」の世界が構築されている。

今年は滝沢にとって30歳を迎える節目の年ということで、結成10周年の「タッキー&翼」の活動でも海外公演を含めてざまざまな「革命」を行なうことを予告。「今年も帝劇で101年のスタートが切れるのが嬉しい。100年後の後輩たちのためにも良い作品にしたい」と語ったように、どの場面も出演者が全力投球な姿が印象的な公演だ。
 


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『新春 滝沢革命』

作・演出・構成◇ジャニー喜多川

主演◇滝沢秀明

出演◇中山優馬 戸塚祥太(A.B.C-Z) They 武道(岩本照 深澤辰哉 佐久間大介 渡辺翔太 宮舘涼太) 木南晴夏 紫吹 淳(特別出演) 錦織一清(特別出演)

●2012.1/1〜1/29◎帝国劇場

<料金>S席 12,000円 A席 8,000円(税込)

<問い合わせ>03-3213-7221 帝国劇場

東宝HP http://www.toho.co.jp/stage/



【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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星組新人公演『オーシャンズ11』(東京)舞台レポート

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落ち着きと勢い、その両方を感じられた新人公演だった。
ダニー・オーシャン(本役:柚希礼音)を演じた真風涼帆は下級生の頃から抜擢され続けてきた人であるが、舞台姿を見ているとその経験が今、実を結び始めているのがわかる。舞台の真ん中に立っていられるだけの自信と安定感。それがそのままダニーとしての余裕にも繋がっているように見えた。歌もしっかりと歌いこなし、銀橋でのソロも危なげない。一皮むけたスター性をダニーを演じる真風から感じることができた。
相手役となるテス(本役:夢咲ねね)役には音波みのり。音波もこれまでバウ公演のヒロインを務めてきたりと、経験を重ねてきた娘役である。夢咲演じるテスのコピーではなく、音波のテスとして存在していたのが好印象。しっとりと大人っぽく清楚な音波のテスが、真風演じるダニーの包容力やちょっと悪ぶった感じを上手く引き立てていたように思う。

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ダニーの昔なじみであるラスティー(本役:涼紫央)には芹香斗亜。金髪に甘い容姿、すらっとしたスタイルが仕立ての良さそうなスーツによく映える。「JUMP」という中盤の見せ場となる曲があるが、その中心で歌うのが芹香。歌声も聞きやすかったし、ナンバーを引っ張っていくだけの華やかさも備えていた。

以下、オーシャンズ11のメンバーをプログラム順に紹介するが、

フランク・・・十碧れいや(本役:夢乃聖夏)
ライナス・・・礼真琴(本役:真風涼帆)
ソール・・・大輝真琴(本役:未沙のえる)
バシャー・・・紫藤りゅう(本役:壱城あずさ)
リビングストン・・・麻央侑希(本役:美弥るりか)
ルーベン・・・真月咲(本役:美城れん)
イエン・・・瀬稀ゆりと(本役:鶴美舞夕)
バージル・・・漣レイラ(本役:如月蓮)
ターク・・・音咲いつき(本役:天寿光希)

と11人が揃う。

十碧はディーラーの衣装もシャープに着こなし格好良く、麻央はパソコンおたくらしい雰囲気を出したコミカルな役作り・・・とそれぞれが個性を発揮。中でも目を引いたのは大輝と礼の二人だろうか。
大輝は新人公演の長の期。ソールの演技指導のアドリブも堂々とこなして客席からの受けも良かったし、変装してからの芝居でも「さ行」を必ず「ちゃちゅちょ」と発音するという工夫し、笑いを誘った。いずれも楽しい場面となったが、きちんと役から逸れずに行われていた芝居であったし、大輝の演技が芝居全体のまとまりに大きな影響を与えていたと思う。
礼は歌、芝居、ダンスと三拍子揃った男役であることをここでまた新たに実感することができた。男役としての格好良さという点ではまだまだ物足りない部分はあるが、ヒップホップ系のダンス、そして踊りながらの歌も高いレベルでこなし安定している。ライナスとしての気弱な演技も癖がなく素直。とても器用な人なのだろう、このまま伸びていって欲しい。

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この作品の中で、一人敵役をつとめなければならないのがベネディクト(本役:紅ゆずる)なのだが、この役を演じた天寿光希の好演も特筆すべき点だ。
表面上では女性に優しいスマートな男性像を作り上げているのだけれど、その裏にはホテルのオーナーとして手段を選ばず、のし上がってきた過去がある。幼い頃の屈辱から生まれた強い虚栄心を抱きながら、愛されたいという欲求を隠し続けてきた男、という印象を天寿のベネディクトから受けた。
テスから拒絶され、ダニーたちからは報復を受け、だんだんと表の顔が崩れ落ちていくベネディクトの歪みが演技から見えるのが面白く、後半、特に天寿の表情から目が離せなかった。技術面を見ても、歌も聴かせ、台詞も明瞭、と文句がない。男役としてのキザさも天寿の個性の一つになるだろう。新人公演で主演が出来なかったのは惜しいが、天寿の存在はきっとこれからの星組にとっても大きな力になっていくはずである。

一本物の作品の新人公演はもともと2時間半ほどある芝居を1時間半強にしなくてはならないため、大幅なカットがなされたりして強引な展開に感じられることが多い。しかし今回の『オーシャンズ11』の新人公演はストーリーがテンポよく進み、それでいてイリュージョン場面など演出のポイントも押さえられていて、とてもすっきりと観劇することができた。新人公演の演出は田渕大輔。構成力の高さを感じさせた。

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中心となる役どころを演じた、真風、音波、天寿の舞台慣れした安定感、その脇を支える芝居巧者の存在、また思い切りよく個性を出す下級生の姿・・・本公演と同様、勢いある星組の舞台を味わうことができた新人公演だった。

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星組新人公演
『オーシャンズ11』
脚本・演出◇小池修一郎
新人公演担当◇田渕大輔
●1/19◎東京宝塚劇場
 


星組公演
NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
ミュージカル
『オーシャンズ11
脚本・演出◇小池修一郎
●1/2〜2/5◎東京宝塚劇場
<料金>

SS 11,000円、S 8,500円、A 5,500円、B 3,500円(税込)

<HP>

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/251/index.shtml


【文/岩見那津子 撮影/冨田実布】

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大和悠河主演の二人芝居『ガルフ』レビュー&囲みインタビュー

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青山円形劇場で1月20日からスタートした二人芝居『ガルフ』。

インターネットの巨大掲示板の募集で、湾岸でのニート生活を1年間すれば1000万円がもらえるというモニターに選ばれた2人。1人はパンツスーツの謎の女。もう1人はニート歴15年の男。湾岸にある閉ざされた空間で二人の生活は始まった。

コミュニケーション能力はあるが自分を語りたがらないキャリアウーマンの早乙女真澄、好きになるのは二次元の女の子という独りが好きな佐藤誠、2人は1年のニート生活を全うして1000万円を手にできるのか。
カラフルで明るいロフトのような部屋で、どこかいびつな2人の男女は向き合わざるを得ない。

生活スタイルも生き方も全く違う2人なのだが、同世代という1つの共通項から少しずつ会話がほぐれていく。そして互いの問題点を理解し合うのだが、そのとき…。

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パンツスーツで出来る女風の大和悠河が会話のイニシアティブを取る役割で、難しい時事用語もうまくこなしてテンポが良い。それを受けたりかわしたり、ムカついたりする敦士のリアクションも面白く、うまく波長が合う2人だ。
舞台上にあるそれぞれが持ち込んだ生活機器を使って、テーマである「時代」や「コミュニケーション」に、単純な会話だけでなく迫っていく手法が巧みで、作・演出の毛利亘宏の力を感じる。ちょっと苦めのラストを含めて、現代社会をストレートに映し出す舞台に仕上がった。
 

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その初日を前に、主演の大和悠河と敦士、脚本・演出の毛利亘宏が囲みインタビュー
に応えた。30代で同世代だという3人。衣裳の黒のミニドレスに抜群のプロポーションを包んだ大和とゆるい服装の敦士。舞台上でも異質なキャラクターそのままの2人の組み合わせがなかなか面白い。
 

【囲みインタビュー】

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━━初日を迎えられる心境は?


大和
 このお芝居は2人だけですので、ちょっとしたことで変わってくるんです。初日はどうなるんだろうという不安とちょっとした楽しみが混ざっている感じなんです。お稽古してきたことがちゃんと出せたらいいなということと、あとはお客様が入ると反応なども出てきて、私たちも違うものを感じると思うので。それを楽しむ余裕はないかもしれませんけれど、精一杯やりたいなと思っています。


敦士
 初日の幕が開きますが、お客さんが入った状況で自分がどういう心境でいられるのかなというのは楽しみですね。こんな長いセリフを喋るのも初めてですし、そういったところを見ていただけるっていうのは、僕は楽しみです。ただ不安がないっていったら嘘になっちゃうので、そこも楽しみつつ、お客さんに何かを感じ取って帰っていただけたらなって思ってます。


毛利
 演出家としてやることはやったという気持ちがありますし、ようやくこの作品を世に出せるという高揚感があります。早く2人を観ていただきたいという気持ちでいっぱいです。


━━表面的には軽やかに進むけれど内容的には重たいものを描いた中で進んでいくという感じで。作品の中身について感じたことがあれば教えてください。


敦士
 佐藤誠という人間はニート15年間やってきて、またニート募集されてこの場所にきてニート生活を送るわけですけど。まぁ、僕はニート生活をしたことがないので、僕の中にはその感覚がないんですが。でも人が持っている小さい甘えだったりが表面的に出ているのがニートかなと感じてますし、その部分は僕も自分に甘いところがあるので、そこを増幅さして佐藤誠を演じさせていただいてるんですが。ニートの佐藤の中にも色んな感情があって、怒ったり、不安だったり、楽しみだったり、色んな面を見せれたらいいなって思いますね。


━━もう少し作品の中身についてなど


敦士
 ああ、中身ですね。社会的なところもあるので、色んな事件や事故を追いながら、人は1人では生きていけないんだなってことを改めて感じたことです。僕としても大事にしていきたいし、観ていただいたお客様にも再認識していただきたいなと思いますね。


大和
 早乙女真澄という役は、いわゆる出来る女だと思うんですね。今、一生懸命働いている女性が沢山いると思うんですけれど、突っ走っている女性の中で、こういう風に自分を見つめ直している女性もいるんだなと。皆そうなんだと思うんですけど、強い女性であればあるほど、人には言えない弱さであったりコンプレックスであったり、そういうものを抱えていて。真澄はそれを自分自身で探そうとするし、そういう自分自身が嫌で変えたいと思って今回の出来事が始まったわけなんですけど。そういう女性に対して、何か勇気を与えられればいいなと今回思いました。 
 

毛利 今回の『ガルフ』というタイトルは湾岸という意味合いです。私が高校生の時に湾岸戦争がありまして、そのメディアと湾岸戦争との関わりを描こうとした作品です。湾岸戦争という意味合いから東日本大震災、この二つのメディアでの報道が、現在の日本人を形成する大きな事件なんじゃないかなと考えていまして、二つの湾岸を繋ぐおよそ20年間のお話。そのなかで日本人がどう変わって、今後どうなっていくのかということを形にしたいと。それで、ニートと実業家女性の2人の関係性のなかでどう炙りだしていくか、そういうものを作り出していこうと思っていました。今後の日本がどう進んでいくかっていうことをかたちにして皆さんに観ていただければなぁと思っています。

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━━二人芝居については?


大和
 二人芝居って根本的に相手が喋ったら次は自分なんですよね。集中力の続く限り普通の会話をずっと続けている、それだけなんだと思うんですけど、いざ芝居となるとすごく難しいなと思うことと、2人だからこそのコミュニケーションのやり方が楽しいなという、両方を感じました。


敦士
 同じです(笑)。初めてですし、最初に話をいただいたとき怖くてしょうがなかったんです。セリフもどうやって入れていいか分かんなかったし、でも稽古続けていくうちにセリフもどんどん入っていって、大和さんとのコミュニケーションもとれてきて、セリフの流れも流れてきて。二人芝居は面白いなって思います。こんな経験滅多にできないことなので、舞台上で楽しんでやっています。目を見つめ合いながら、「なんだっけ?」みたいなことが色々あって(笑)。


大和
 「次はなあに?」みたいなね(笑)


敦士
 楽しんでやらしてもらってます。


━━そんな2人を見ていて毛利さんはどうですか?


毛利
 1日10時間ぐらい稽古をしていたんですけど、ずっと2人を見続けるし、2人は2人でずっと集中力を保って10時間もやっているんで、1ヶ月くらい2人で生活したような空気感が出てきたんじゃないなかと。ストイックに稽古場は進んできましたので、いい仕上がりになっているんじゃないかなと思っています。


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━━稽古以外の場所でコミュニケーションってことはないんですか?


敦士
 それはないですね


大和
 稽古期間が短かったなかで、ずっと稽古して突っ走っていた感じですね。

敦士
 稽古場でお会いして、夜寝てまた稽古場行って、みたいな感じでしたね(笑)。


━━1日10時間もいれば一緒に暮しているような感覚にもなりますよね?


大和
 セットの中にベッドがあったから、なんか暮してるみたいな感じね(笑)。


敦士
 そうそう、そうなんです。


毛利
 でも、なんだかんだいってほぼずっと喧嘩してる芝居なんです。


敦士
 わかり合えない2人みたいな。


大和
 そう(笑)。


毛利
 そういう2人のいい感じの芝居です(笑)。



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『GULFーガルフー』

出演◇大和悠河、敦士

脚本・演出◇毛利亘宏

●1/20〜26◎青山円形劇場
〈料金〉7000円
〈問合せ〉イープラス 0570-06--9939 

公式サイト http://gulf2012.com/gulf.html


【取材・文/佐藤栄子 撮影/冨田実布(会見) 舞台写真提供/読売新聞事業部


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瀬奈じゅんインタビュー 『ビューティフル・サンデイ』で新しい顔を!


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2月23日からル テアトル銀座で上演される『ビューティフル・サンデイ』で初めての三人芝居に出演する瀬奈じゅんのインタビューを、1月7日発売の演劇ぶっく誌で掲載するとともに、この宝塚ジャーナルでもご紹介する。
 

あるマンションの一室が舞台、そこに住むファミレス店長の秋彦が目覚めると同じベッドで見知らぬ女が眠り込んでいた…。こんなシチュエーションから始まる日曜日。その女性ちひろと、秋彦、同居している浩樹の3人が次第に打ち解けていくなかで、それぞれの心の翳りや悲しみも描き出される。
 

2000年に初演され、その後、何回も再演されている傑作戯曲に挑む瀬奈じゅん。宝塚歌劇の男役から大型ミュージカルのヒロインとして女優デビューして、3年目。徐々にフィールドを広げてきた彼女が、等身大の女性役といってもいい三枝ちひろへの抱負と今の心境を語る。(本誌とは全く雰囲気の違う写真をチョイスして掲載、本誌と併せてお楽しみください)



不思議な優しさのある物語
 

ーーこの作品を初めて読んだとき、どんな印象を受けましたか?

登場人物の3人が、それぞれ何かに嘘をついているんですが、それがお互いを傷つけないための優しさに繋がっていて、いやな嘘では全然なくて。嘘がわかったときにもそれを責める人が1人もいなくて、どこか不思議な優しさのある素敵な物語だなと思いました。
 

ーー瀬奈さんの演じる女性、三枝ちひろはどんなイメージですか?

読んでいるときは、葛山さんが秋彦をやったらどうなるんだろう、桐山さんの浩樹はどんなふうだろうと、その興味と関心ばかりで読んでいて、自分がどう演じたいとか、どんなふうにしたいというイメージはまだないんです。共演のお二人とやりとりする中で、自然に生まれてくるものを大事にしたいですね。
 

ーー宝塚を退団されてからさまざまな女性を演じてきた中で、今回は一番普通の女性という気がしますが?

でもちひろは私の感覚でいうと絶対あり得ないことをしているし、私の生き方とはまるで違う女性なんですね。でも彼女自身の考え方とか生き方の中には確固たるものがあると思うので、そこを早く掴みたいです。


桐山さんがいちばん大人?
 

ーー共演のお二人の印象はいかがですか?

葛山さんは『アンナ・カレーニナ』でご一緒してるんですが、私の理想とする男性像です。誠実で、表面は穏やかなのに内には情熱的で熱い部分がある。『アンナ〜』では一緒の場面が少なかったのですが、今回はしっかり組めるので、その情熱を感じられるのが楽しみなんです。桐山さんは2回ほど取材でお会いしましたが、3人の中ではいちばん大人かもしれません。すごく返事がよくてお行儀がいいんです。でもそこからはみだす役者の部分も早く見てみたいです。
 

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ーー三人芝居は確か初めてですね?

初めてです。ストレートプレイも、こういうワンシチェーションの芝居も初めてです。そういう作品で私が何を感じてどう演じるか、まだ想像できないんですが、これまで培ってきたもの、身につけた感情や表現をフルに生かせればと思っています。
 

ーーそういえば瀬奈さんは大きな劇場で、壮大な物語を演じることが多かったですね。そういう場合、演技は違いますか?

大きい劇場では大きな演技をすればいいかというと、それはまた違うと思います。ただ昨年11月に現代劇のミュージカル、『ニューヨークに行きたい!』に出演して感じたのですが、帝劇の大きな空間でどんなに大きな背景や素敵な衣裳があっても、何を見せるかというとやはり役者の力なんだな、って。だからもっともっと実力を身につけたいと思いました。


がむしゃらな時期が大事
 

ーー『ニューヨークに行きたい!』は、大女優の浅丘ルリ子さんと母娘の役でしたね。

ルリ子さんは本当にすごい女優さんです。いろいろな話をしてくださったんですが、昔、同時に何本もの映画を撮っていらして、今どの映画なのかわからないままセリフを言っていたことがあったそうです(笑)。ほとんど寝る時間もない中で、いつセリフを覚えていたか自分でもわからないと。でもそのがむしゃらな時期を経てこられたからこそ、今のルリ子さんがいらっしゃるのではないでしょうか。
 

ーー瀬奈さんも宝塚時代は同じような状態だったのでは?

宝塚は退団という終わりのあるがむしゃらさですから。ルリ子さんは14歳から今まで、そうやって女優として終わりのない旅を続けていらっしゃる。それはすごいことですね。
 

ーーそして瀬奈さんも女優として歩き出しているわけですが、この作品でまた新しい顔に出会えるのではないかと。

自分のことって意外と自分が一番わかってなかったりするので、もしこの作品を観てくださったお客様が、新しい部分を見つけてくださったり、ちひろに私を重ねてくださったら、それも面白いなと思います。演出の板垣さんと共演のお二人にうまく引き出していただいて、そういう自分を見つけるのを私も楽しみにしています。




_MG_5346撮影/岩村美佳
せなじゅん○東京都出身。92年に宝塚歌劇団に入団。05年から09年まで月組トップスターをつとめる。退団後はミュージカル『エリザベート』のタイトルロールで女優デビュー。『アンナ・カレーニナ』のアンナ、『三銃士』ミレディと幅広い役柄で活躍し、11年11月の『ニューヨークに行きたい!』で帝劇単独主演を果たす。そのほかに『ALive 〜Handsome Woman〜』などコンサート活動も行なっている。




『ビューティフル・サンデイ』

作◇中谷まゆみ

演出◇板垣恭一  

出演◇瀬奈じゅん 葛山信吾 桐山照史(関西ジャニーズ Jr. ) 

●2/23〜3/4◎ル テアトル銀座byPARCO

〈問合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

●3/10〜11◎シアターBRAVA!

〈問い合せ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888

●3/14◎青少年文化センター アートピアホール

〈問合わせ〉キョードー東海 052-972-7466

●3/17◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

〈問合わせ〉キョードーインフォメーション 06-7732-8888

http://beautiful-sunday.jp/


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(送料・手数料無料)


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