えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『大人のけんかが終わるまで』

蒼井優、白石加代子、麻実れいが競演。『サド侯爵夫人』制作発表レポート


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世田谷パブリックシアターで3月6日から上演される『サド侯爵夫人』の制作発表会見が1月16日、芸術監督である野村萬斎と出演女優6名によって行われた。

『サド侯爵夫人』は三島由紀夫の代表的戯曲の1つであり、衝撃的な内容と美文で知られていて、1965年の初演では社会的な事件とまでなった問題作である。

主人公はこの劇には姿を現さないサド侯爵。18世紀末のパリで数々の乱行から逮捕、脱獄などによって猟奇的なスキャンダルがつきまとうこの「悪徳の怪物」に、貞淑を貫く妻のルネを中心に繰り広げられる会話劇。

ルネは体面と道徳を重んじて別れさせようとする母のモントルイユ夫人と対立しながら、夫の解放を待つ。だがフランス革命が勃発、そして彼が赦免されると決まると、ルネは不可解な行動をとる。その心情とは…。

出演者はルネに蒼井優、その母のモントルイユ夫人に白石加代子、悪徳に酔うサン・フォン伯爵夫人に麻実れい、ルネの妹のアンヌに美波、サドの幼なじみのシミアーヌ男爵夫人に神野三鈴、メイドのシャルロットに町田マリーという6人の女優陣が顔を揃える。演出は野村萬斎で、『マクベス』や『敦ー山月記・名人伝』など翻訳劇から日本文学まで幅広く手がけているだけに、今回もどんな演出を見せてくれるか注目が集まっている。


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【野村萬斎の挨拶】


野村 世田谷パブリックシアターの芸術監督になって9年目になります。狂言師が生業でございますけれども、どちらかというと私の演出作品は男性が活躍し、狂言師が出るという作品ばかりでございました。今回は私が出演しないということも含めて、女優陣だけで1つの舞台を作っていくというのが、私なりのステップアップと思っております。

どうして『サド公爵夫人』なのか、「女優さんと仕事をしてみたい、むさい男は勘弁してくれ」というわけではございませんが(笑)、女優さんたちと仕事をするうえで、また私が芸能の出身としてかんがみたときに、三島由紀夫の『サド公爵夫人』が自分のテリトリーという意識もあり、女優さんと仕事ができるという意味でもすべてが合致しました。
 

三島作品のなかでも重厚であり最高傑作であるという言われか方をしておりますが、書かれている文章は美しくもあり、三島由紀夫の1つの美的感覚というものが集約されたものでありますが、はっきりいってこれが戯曲かというと、僕は疑問を投げかけるものであります。

いわゆる日常的な言語の発し方ではなりたたず、語りというか文章を聞かせるための作品で、『平家物語』や『源氏物語』を語るというような技術でなすべきなものではないか。三島由紀夫は新劇にたずさわるアンチテーゼとしてこれを作ったというような言い方をしておりますが、フランス革命というものを下地にしたコスプレショー的なところもあるかと思います。反面この文章というのは支配力を持っていて、この文章を自分のものにすることがこの戯曲の成功の鍵だと思っています。そういう意味で今回のキャッチフレーズは「言葉による緊縛」というつもりでおります。
 

『サド侯爵夫人』のサドはSMのサドの語源でもあるわけですし、内容は昔風にいうと破廉恥なのかもしれませんが(笑)、そういうきわどい表現と美的感覚のせめぎあいを三島がやったのだと思います。しかしそれを生かすためには役者がその言葉をどれだけ活かして喋るか語るかということで、過剰に自分というサイズに引きつけて喋ってしまうと、かなり演技のサイズと世界観のギャップが起こって、3時間に及ぶ大作がかなり苦しいものになってしまうと思います。

そういう意味では、観客が、三島由紀夫という人の言葉でオーディエンスが言葉に縛られれば、本来の意図が発揮できるのではないかと。読んで面白い作品でございますので、皆さんに「小説のほうが面白かった」と言われないよう、世田谷パブリックシアターで、素晴らしい女優さんたちの肉体化された言葉となって出てきた時に楽しんでいただけるような作品にと思っております。
 

そして、世田谷パブリックシアター開場以来というすごいメンバーに集まっていただいて、ありがたいと思っています。3世代くらいの女優さんたちがいらっしゃいますけれど、白石さんと麻実さんという日本を代表する大女優の方たちの技術はサド公爵夫人にうってつけで、語る技術や臨む態度を含めて若い女優にも継承していってもらいたい。またそういう世代間の言葉のバトルが三島の戯曲を盛り上げてくれる要素なのではないかと思います。若手の女優さんたちにぜひ日本文学、三島の戯曲を語るというところに挑戦してもらいたいなと思います。芳醇な言葉の世界。緊縛されるからこそ皆さん集中し、イマジネーションを働かせ、最後に解き放たれる。そういった舞台を目指したいと思っています。


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野村萬斎、神野三鈴、麻実れい、蒼井優、白石加代子、美波、町田マリー


【出演者の抱負と野村萬斎のコメント】

町田マリー(シャルロット モントルイユ夫人家政婦)

野村 この役は年取った方がやることが多いんですが、ルネの蒼井さんと同世代の人がやるところに1つのポイントを作ってみようかと思います。

町田 このカンパニーと『サド侯爵夫人』に参加させていただけることを幸せに思います。精一杯頑張りたいと思います。


神野三鈴(シミアーヌ男爵夫人)

野村 サド侯爵アルフォンスとシミアーヌは同級生なんですね。私が一応仮想バーチャルでサド侯爵と仮定して、実は同級生の神野さんにお願いしたんです。

神野 それで決まったんですか(笑)。

野村 そんなことはないですけども(笑)。

神野 役者としても人間としても尊敬しています白石さんと麻実さん、若いけど尊敬してます優ちゃん、初めて一緒にできる感性素晴らしい美波ちゃんとマリーちゃん、このメンバーで皆さんに三島由紀夫の世界をお届けできることをすごく幸せに思っております。まだセリフに振り回されているような状態ですが、これから血の香りをさせ肉躍らせていきたいと思います。どうぞ楽しみにしていてください。


美波(アンヌ ルネの妹)

野村 ご覧の通りキラキラしていますね。キラキラが重要な役どころかと思います。

美波 三島由紀夫さんの文学が立体となりその言葉を紡いでく。多分舞台が始まった瞬間から最後まで、紡いで紡いで紡いで、最後バンって爆発させていくものがあると思って。その身と肉と血と……。血のしたたるようなお芝居になるように頑張ります。また、この素晴らしい先輩がたと演出家の野村萬斎さんと一緒に過ごせる2ヶ月を、とてもワクワク楽しみにしております。


麻実れい(サン・フォン伯爵夫人)

野村 私は個人的には『オイディプス王』でお世話になっております。何も申し上げる必要もないと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

麻実 私はたいへん若い頃に…でもないかな(笑)、ルネをさせていただいたことがあります。その時のサン・フォンは坂東玉三郎さんでございました。それから、ずっとサン・フォンというお役に憧れを抱いていて、今回その夢が叶いましたことを嬉しく思っています。下町生まれの私には、三島さんの詩のような美しい言葉というのはかけ離れてはいるんですけれど、演出の萬斎さんを中心に、この素敵な仲間たちと楽しんで苦しんで、私たちの『サド公爵夫人』を作り上げたいなと思っています。


白石加代子(モントルイユ夫人 ルネの母親)

野村 『国盗人』いう『リチャード3世』を下敷きにした私の作品でご一緒しております。たけしちゃんと僕は呼ばれていて。いつも胸をお借りしています。

白石 胸をお貸しした覚えはないんですが(笑)。いつもご指導いただいてありがとうございます。この度はこんな素敵な役をいただいて嬉しいです。読ませていただくと言葉が溢れていて、修飾する言葉がすごくて、修飾語を修飾する言葉が乗ってるみたいな文体で、役者はたいへんですよね。だけど、この華麗な言葉に負けないくらいの、美しくてときめいているような女優たちが襲いかかろうとしています。勿論私も含めてです(笑)。なんとか説得力ある芝居にできればいいなと思っています。


蒼井優(ルネ サド侯爵夫人)

野村 夏から稽古しておりますが、どう縛り上げるかが私の課題です。今日は縛りにくそうな服を着ていますが(笑)、よろしくコメントお願いします。

蒼井 私にルネというお話をくださった皆さんにとても感謝しています。ここにいらっしゃるキャストの皆さんにも、私がルネをやることを許してくださってありがとうございますと言いたいです。もともと映像からスタートしている人間なので、こういったセリフ劇というのは苦手でして、苦手だからこそ頑張ってやり遂げたいと思っています。この作品は『サド侯爵夫人』というタイトルではありますが、サド侯爵という人間が主役なのではないかと思っていますので、どうにかお客様とキャストの皆さんと一人の人物を共有できますよう頑張りたいと思います。


━━今の段階で皆さんの自分の役のイメージは?

町田 1人民衆の立場の役でして、現実を見る冷静さを持って演じられたらいいなと思っています。


美波 本を読んでいて感じているのは時代の流れだと思っています。変化していく時代でアンヌの移り変わり・対応性がこの時代の無責任さというか、分からないけれどそれに近いなと私は感じています。

 

神野 私の役は、今のところ偽善ではなくて信仰に対する渇望という挑戦がありまして、それが純粋であればあるほどサド侯爵の信仰に対する反逆というものと裏表が一対になるんじゃないかと。そこがシミアーヌがアルフォンス(サド侯爵)の無邪気な時代を語る唯一の役割りでもあるのではないかと思っています。どこまで自分が純粋になっていけるのかというところに、今は祈りを捧げています(笑)。

麻実 悪徳の女で、悪魔の化身と呼ばれてもいますけれど、それのみの一色ではなく、人間ですので様々な色合いをそこに足したいなと思っています。悪の中に、その裏にある女としての可愛らしさとか、もしかしたら優しさも入ってくるかもしれませんけれど。ごく普通の女がたまたまこういう生き方をしたというところに自分自身をもっていって、サン・フォンという役を作りあげたいなと思っています。

白石 いまのところ考えているのが、絶対的な王制みたいなもののなかで、時代が爛熟期に入って、そして退廃の極みになっていく。そういうものを知ってか知らないでか分からないけれど、謳歌してきてた女、じゃないかと思うんです。自分は何も責任をとらないで、いいところだけを享受した女。けれども、外側には決してそういうものを見せないで貞淑な女の鑑みたいな姿を見せていた女ではないかなと。自分がやるとなるとモントルイユ夫人というのを好きにならないといけないから、その辺の配分をこれから考えていって。あんまり皆さんに嫌がられるような女にはしたくないなぁー(笑)。私の感覚では麻実ちゃんがやるサン・フォンがいい女ですよね。本当は皆に好かれる役をやりたいんだけど残念です(笑)。あと、この役に関しては裏表がはっきりした女だなと思います。


蒼井 何度となく「貞淑」という言葉を口にする女で、その「貞淑」というワードに縛られ縛られ、それが一幕二幕三幕で「貞淑」という意味合いがルネのなかでは変化していくという、それが1本のストーリー展開を生んでいくとは思うんですけど。やはり理解に苦しむのはサド侯爵とルネ夫人の関係性で。なぜそこまでサドに固執というか、サドを愛しきれたのかというのは、言葉では分かっていても体感がまだできていないので。お稽古が開始になるんですけど、3月の本番までに掴めたらいいなと思っています。


野村 今聞きながらニヤニヤしている自分はサドだなぁと思ってしまいました(笑)。三島がサドなんでしょうね。ちょっとね。三島と私で縛り上げて突き放すのか、谷に落とすのか、そんな気がしました(笑)。



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世田谷パブリックシアター

『サド侯爵夫人』

作◇三島由紀夫

演出◇野村萬斎

出演◇蒼井優、美波、神野三鈴、町田マリー

麻実れい/白石加代子

●3/6〜20◎世田谷パブリックシアター

〈料金〉S席7500円 A席5000円(全席指定・税込)

〈問合せ〉世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515

http://setagaya-pt.jp/

http://setagaya-pt.jp/m/

●3/24〜25◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

〈問合せ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888

http://www.umegei.com/



取材・文/榊原和子・佐藤栄子


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『カラミティ・ジェーン』に出演!湖月わたるインタビュー

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2008年に湖月わたる主演で上演された『カラミティ・ジェーン』が4年の歳月を経て再演される。今回は再びジェーンを演じることとなった湖月に初演時の思いや、また再演にかける意気込みなど話を聞いた。この作品を通じて、女優として演じることを続けていきたいという思いがより強くなったという湖月。宝塚を退団してから丸5年。格好良さを残しながらも女優としての経験を積み重ねてきた、今の湖月だからこそ演じられるジェーンにきっと出会えるはずである。


映画版とは違う、カラミティ・ジェーン

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──湖月さんが演じられるのは、西部開拓時代の女性ガンマンであるカラミティ・ジェーンですが、一体どんな物語になるのでしょうか?
ミュージカル映画でも『カラミティ・ジェーン』があるんですが、それは西部史上でも名だたるガンマンであるジェーンと、ワイルド・ビル・ヒッコックの二人が出会って、結婚して…ハッピーエンドで終わる物語なんです。『カラミティ・ジェーン』というと、この映画のイメージがあって、初演のときも「ハッピーエンドのお話かな?」と思って見にいらっしゃる方が多かったんです。でも実はこの作品はフランスの作家の方が書かれたもので、映画とはまた違う物語になっているんですよ。
 
──カラミティ・ジェーンという一人の女性の人生にスポットライトを当てたお話になっている感じでしょうか?
そうですね。彼女がガンマンとして名を馳せ、ビルと結婚した後を重点的に描いています。結婚して、子供を産み、でも彼との間にずれが生じて離婚をし…。ですが、女手ひとつで子供を育てることはできなくて、子供に愛情は持っていながらも、里子に出すんです。いつか子供と一緒に暮らせる日を夢見て…。
 
──実際のジェーンは西部開拓時代を生きた女性ですが、彼女の人生は今を生きる女性と通じるものがあるかもしれませんね。
本当に社会進出を試みた女性の先駆者という感じです。家庭の中に収まりきれない、女だからと言って家に閉じ込められているだけが生き方じゃないと思った人なんですよね。世間からは、じゃじゃ馬と言われたりしながらも、自分らしく生きるというスタイルを貫き通した女性です。ジェーンが生きた時代では理解されにくい生き方だったかもしれませんが、今の時代だからこそ、彼女に共感できる部分がいっぱいあるんじゃないかと思っています。

 
これで終わりにしたくないと思った初演

──湖月さんは2008年にもジェーンを演じられていますが、その時はいかがでしたか?
2008年だとまだ宝塚を退団して2年目で、女ガンマン役と聞いたときは「お、きたぞ!?」と思ったんですよ(笑)。宝塚時代に『夜明けの天使たち』(97年、星組)という西部劇で主演をやらせていただいたことがあって、そのときのウェスタンスタイルというのが、自分にぐっとはまる感じがしたんです。ウェスタンハットをかぶって、コートを翻して、ウェスタンブーツを履いて、拳銃!というのが(笑)。
 
──はい(笑)、ウェスタンな衣装を着た湖月さんの格好良さ、想像できます。
でも台本を読んだら、本当に女性の一代記で「今の私にこれだけの経験をする女性を演じられるのか?」と不安にもなりました。もう思いっきり飛び込んで体当たりで演じさせていただくしかない、と。
 
──実際に演じられての思いも聞かせていただけたら。
思っていた以上にジェーンに親近感が湧いたというか、違和感なく、おばあちゃんになって死んでいくまでを生きられ、すうーっと気持ちの中に溶け込んでいくような感覚がありました。同時に、この一回で終わらせたくないというか、もう少し経験を積んだあと、また彼女の人生を生きることができたら、新たな発見があって、もっと深く彼女の思いを知ることができるんじゃないか、という気がすごくしたんです。
 

運命を感じた作品に再び

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──では初めてジェーンを演じられてから4年経って、今また同じ役を演じられるのは湖月さんにとってすごく良いタイミングなのでは?
はい。4年経ったんだなというのは、演出家の吉川さんも感じるところのようで「もっと、男だったよね」と(笑)。前回は女性の部分をいかに出すかに苦心したんですが、今回はいかに荒削りにしていくか?という作業をしていて、「あれ?なんだか私、女らしくなりましたよねぇ?(笑)」みたいな。まぁ女らしく、というか女性の気持ちを理解して、またそれを表現できるようになってきたのかな、とこの作品に改めて出会って感じましたね。

──これまでの間に得た経験が詰まった、また新しい湖月さんのジェーンに出会えそうですね。
やはり、この作品と共に女優として成長していけたら、という思いはありますね。評論家の方や俳優仲間が初演を観てくださったときに「これは大事にした方がいい」って言って頂いたんです。私自身、運命的なものを感じていた作品だったのですごく勇気をもらいましたね。

 
血が騒ぐガンアクションやショーも見所!

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──女性の内面を感じさせる演技も見所となりそうですが、ライフルなどを使った湖月さんのガンアクションも楽しみです。
やっぱり血が騒ぎますよね。
 
──血、騒ぎますか(笑)。
はい、騒ぎます(笑)。基本ライフルを持っていることが多いんですが、途中拳銃も使うんです。その拳銃が…。ウェスタンショーの場面で、くるくるっと回してすぽっと収める、というのが格好良く決まるといいなって(笑)。初演のときもなかなか苦労したので(笑)。ちょっとプレッシャーに弱いんですよー。
 
──ここを決めなきゃいけない!というところで…
そう、決めなきゃいけないっていうところで、お客様の視線が手に集中するのを感じると、急に焦っちゃうタイプなんです(笑)。今度はちょっと成功率を上げたいなと思って頑張ってます(笑)。
 
──ほかにもここが見所!というのを教えていただけたら。
二部にウェスタンショーがあるんですが、このショーがまた楽しいですよ!パパイヤ鈴木さんは実は、この二部のウェスタンショーまで出てこないんです。もうパパイヤさんはこの作品の大きな隠し玉ですね(笑)。パパイヤさんの歌に合わせてのアクションシーンあり、私も客席からライフルを持って登場したり…あと今回は、ちょっとお客様にも参加していただくような演出も考えています。パパイヤさんと私のダンス合戦もありますし、ウェスタンショーはもう、この作品の目玉です!
 

女優として演じること

──サーカス団の団長・バッファロービル役のパパイヤさんをはじめ、ビル・ヒッコック役の金児憲史さん…個性豊かな共演者の方々が揃われていますよね。
もう本当にみなさん、どの方を見ても達者だな、芸を持ってらっしゃるな!と見入ってしまいます。それぞれの分野で培ってきた力を存分に発揮して、それが混ざり合った面白さはこの作品ならではだと。台本は初演とほとんど同じなんですが、役者によって全然色が変わってきていて、その中で自然と私のジェーンも変化しています。今回は人間ドラマをもっと深めていけたらと思っているのですが、そういう意味でもすごく頼れるみなさんです。
 
──女優・湖月わたるを感じることができる、作品になりそうですね。
最初はおばあちゃんになって車椅子で…というところまでを演じると言うのが想像つかなかったんですよ。でもそこにトライすると決めて演じきったことで、自分の女優としての気持ちに一本、筋が通ったというか。この作品を通して成長していきたい、人物を理解して、深く演じていくことを続けていきたいんだ、とすごく思わせてくれた作品ですね。

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こづきわたる○埼玉県生まれ。1989年に宝塚歌劇団に入団。星組に配属され、早くから長身を生かしたダイナミックさや包容力を持った男役として注目を集める。宙組、専科への組替えを経て、03年星組トップスターに就任し、06年『愛するには短すぎる』『ネオ・ダンディズム』で宝塚を退団。07年『DAMN・YANKEES〜くたばれ!ヤンキース』にて女優デビュー。以後、『愛と青春の宝塚』(08、11年)、『COCO』(09年)、『絹の靴下』(10年)などに出演。12年3月『DANCIN’ CRAZY2』への出演も決まっている。
 
 
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『カラミティ・ジェーン』
作◇ジャン=ノエル・ファンウィック
訳◇浜文敏
脚色・演出◇吉川徹
出演◇湖月わたる 金児憲史 パパイヤ鈴木
入絵加奈子 岡田達也 山本芳樹 友石竜也 春海四方 梅津義孝 伽代子 南海まり 秋山エリサ 渡辺芳博 安達星来 後藤浩明

●2/4〜11◎ルテアトル銀座
●2/17〜19◎梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

<料金>
全席9,000円(東京大阪共通 全席指定・税込)

<お問い合わせ>
梅田芸術劇場
東京 03-3503-5030
大阪 06-6377-3888


【取材・文/岩見那津子 撮影/冨田実布】
 
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市村正親&鹿賀丈史の夫婦愛に感動『ラ・カージュ・オ・フォール』   レビュー


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ミュージカル界のスター市村正親と鹿賀丈史が、男2人の夫婦愛を演じて人気のミュージカル、『ラ・カージュ・オ・フォール』の東京公演が盛況のうちに千秋楽を迎えた。このあと大阪と名古屋での公演をが予定されている。この作品は元宝塚歌劇団トップ娘役の愛原実花にとって、退団後初ミュージカルでもある。

映画の『Mr.レディ Mr.マダム』で全世界にセンセーショナルを巻き起こし、 ロビン・ウィリアムス主演のリメイク『バードケージ』でも大ヒットを果たした映画版、それをミュージカル化したものが『ラ・カージュ・オ・フォール』。

1983年に初演され、翌年のトニー賞6部門受賞したヒットミュージカルで、その後、2004年と2008年にリバイバルされて、そのたびにトニー賞を複数部門で受賞するという快挙をあげた怪物的な人気作だ。

日本では1985年に帝国劇場で初演、 その後、キャストを入れ替えながら各地で上演され、 2008年からは鹿賀丈史と市村正親というゴールデン・コンビと新演出で大好評。 今回は観客からの熱い支持に応えて、約3年ぶりの復活になった。

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主人公はゲイクラブの経営者ジョルジュ(鹿賀丈史)と、看板スターのザザことアルバン(市村正親)のカップル。
2人は20年間同棲していて、ザザはジョルジュの息子ジャン・ミッシェルを母親として育ててきた。そのジャンが、保守派議員として知られるダンドン(今井清隆)の娘アンヌ(愛原実花)と結婚すると宣言、ダンドンとその妻(森公美子)が挨拶にくるというので大騒ぎになる。
息子の嬉しい話に同席したいザザをなんとか阻止しようとするジャン。その騒動の中で男同士の夫婦愛や息子への愛情が描き出され、2人の男の切っても切れない絆の確かさと性の垣根を超えた家族の愛などが描かれる。


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鹿賀丈史はダンディで誠実なジョルジュをソフトな雰囲気で演じ、包容力がある。市村正親は心は誰よりも女らしく母性に溢れたザザを可愛く、ときには妖艶に演じる。なかでもテーマの「私は私」を歌う一幕の終わりは観客を引きつけて離さない。息子のジャン・ミッシェルを演じる原田優一は愛されて育ったおぼっちゃまらしいワガママぶり。その恋人のアンヌを演じる愛原実花は無邪気でピュアなお嬢様で、ダンスシーンで実力を発揮。レストランのジャクリーヌの香寿たつきは大人の色気とショー場面の華やかさで大きな印象を残す。保守派らしいわからずやのダンドンを迫力で演じる今井清隆、森公美子はその妻で陽気な持ち味で人の良さを感じさせる。


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そしてこの『ラ・カージュ・オ・フォール』のいちばんの見せ場は、総勢20名の男性のカジェルとしての面白さ。物語の合間にショー場面を繰り広げ、豪華絢爛な衣装からミニスカやハイレグまで身につけて、多彩に繰り広げる歌やダンスは迫力満点。真島茂樹のダイナミックなダンス、新納慎也のソプラノ!などは感動的ですらある。

ザザの細やかで情の深い母親ぶりに笑わされ泣かされているうちに、「切なくも愛おしい、これこそが人生」という作品の奥のテーマがじわじわと心に沁みてくる。そして市村、鹿賀、原田が歌い上げる聴きごたえのあるナンバーや、カジェルたちが繰り広げる華やかで賑やかなショーを楽しむ。ミュージカルならではの魅力がたっぷり詰まった作品である。


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写真は一幕のみ



ミュージカル

『ラ・カージュ・オ・フォール ー籠の中の道化たちー』

曲・作詞◇ジェリー・ハーマン

脚本◇ハーベイ・ファイアスティン

演出◇山田和也

出演◇市村正親、鹿賀丈史、原田優一、愛原実花、香寿たつき、真島茂樹、新納慎也、今井清隆、森公美子 他

●1/7〜1/29◎日生劇場(東京)

●2/3〜2/05◎梅田芸術劇場(大阪)

●2/12〜2/13◎愛知県芸術劇場(愛知)

〈料金〉S席12600円、A席7350円、B席3150円

〈問合せ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888

キョードー東海 052-972-7466


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】


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宮本亜門の「うれしいプロジェクト」オークション。入札は2月22日まで。


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宮本亜門が東日本大震災の被災者を支援するプロジェクトの1つとして立ち上げた「うれしいプロジェクト」は、宮本
演出のミュージカル『I GOT Merman アイ・ガット・マーマン』の上演中から、シアタークリエでチャリティー・オークションを開催。1月9日の公演終了後には、宮本が共鳴する「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表の西條剛央と2人によるトークショーが開かれた。
 

その中で、震災の被災者にダイレクトに必要なものを必要なだけ送って支援することや、自立をサポートするために設立された「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動内容が改めて紹介された。
 

たとえばミシンプロジェクトは、被災地の女性たちがミシンを踏んで衣類や日用品を作ったり、送られてきた衣服の丈を縮めることなどで、自分たちの力が役に立つという喜びに繋がっていること。また学習支援プロジェクトでは、学習塾も家庭教師もない状態で遅れていく被災地の子供たちの教育に、ネット教育で補助できる方法なども紹介。
物資だけでなく生きがいと希望を持ってもらうためにはどうしたらいいのかという、支援の新しい方向がトークショーの客席を埋めた観客に向けて語られ、大きな拍手と感動を呼んだ。


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このあとロビーに展示してある出品物の前で写真撮影し、亜門が出品した自動ピアノについて
宮本「若い頃の僕がお金をはたいて買った百数十万円の自動ピアノです。博品館劇場に飾りで置いてあったもので、動きませんが、インテリアにでもしてください」と語った。
その他に藤原紀香の時計やドレス、市村正親の手描きの絵、彩吹真央のスカーフと帽子、樹里咲穂のドレス、森公美子のブランドバッグなどをはじめ沢山の出品物が展示されている。(リストはこちら
http://www.tohostage.com/merman/charity_list.html)。入札は2月22日14時まで。
 

また、その会見で宮本亜門は「うれしいプロジェクト」活動についてこう語った。
「2月4日に『アイ・ガット・マーマン』のメンバーと南三陸地方を中心に回って、何曲か歌う予定です。僕という人間をうまく使っていただいて、つねに現地に被災者の方がいるということを忘れてほしくないなと思います」
そして、3月11日の予定については、
西條「恵比寿のガーデンホールで、何かしらの形でイベントをやりたいと思っています。3.11は1つの大きな節目ではありますが、そこで終わりではないので、また次の始まりという気持ちで、1年を振り変えながら「自立支援」への決意を新たにしたいと思います」

宮本「西條さんからあるお話をいただいてはいるのですが、東京にいるのか現地にいるのかまだ決めていません。何かはしたいと思っています。僕にとっても3.11は人生で最も忘れることのない日になったので、大切にしたいと思います」と、それぞれ語った。



●出品者名(50音順) 彩吹真央、石丸幹二、市村正親、井上芳雄、浦井健治、大竹しのぶ、木村佳乃、佐藤隆太、城田優、ソニン、成宮寛貴、藤原紀香、別所哲也、松田美由紀、南果歩、森山未來、宮本亜門&『アイ・ガット・マーマン』キャスト(田中利花、諏訪マリー、中島啓江、エリアンナ、シルビア・グラブ、浦嶋りんこ、樹里咲穂、西国原礼子、Miz)。

●オークションはシアタークリエ公演『ハムレット』(2/1〜22)期間中もロビーで開催。入札期間は2月22日14時劇場到着分まで有効。

●詳細はhttp://wallpaper.fumbaro.org/ureshii

●『I GOT Merman アイ・ガット・マーマン』はシアタークリエでの公演は終了。

1月27日◎北國新聞赤羽ホール〈オリジナルキャスト〉

2月4日◎日光今市文化会館〈ファビュラスキャスト〉

http://www.tohostage.com/merman/index.html

【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布』


〈ニューキャスト フォトギャラリー〉

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                樹里咲穂、西国原礼子、Miz


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