宝塚ジャーナル

帝劇ミュージカル『ビューティフル』

朝澄けいインタビュー

元宝塚星組の朝澄けいといえば、気品のある美貌で人気の若手男役スターだったが、2002年に退団、今では女優としてシンガーとして活躍している。
その朝澄けいのライブが11月7日に行われる。演出は同じ宝塚歌劇団出身で昨年からフリーになった演出家、荻田浩一。彼のデビュー作品『夜明けの天使たち』にも出演し、その後も、彼のショーや芝居で数々の印象的な仕事を残した朝澄にとって、このライブは記念的なイベントになるはずだ。
また来年1月には、再演が決まった荻田演出の『蜘蛛女のキス』にも出演するという。今、意欲溢れる朝澄けいに話を聞いた。

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【7年目のスタート】

ーーまもなくライブがありますが、今回はチャレンジ的な意味があるとか?
これまで何回かコンサートやライブをさせていただいてましたが、選曲はわりと自分が慣れ親しんだ歌とか宝塚の曲とか、よく知ってる中から選んできたんです。でも今回は荻田先生に構成・演出していただけることもあって、自分のこれまでの流れを入れつつ、新しい方向性を考えようということで、次の段階に移行する朝澄けいを、そのまま感じていただけるものになればいいなと思っているんです。

ーー荻田さんの演出というのが嬉しいですね。彼はすごく音楽通ですが、今回はどんな曲を提案されたのですか?
海外ミュージカルや古い映画の主題歌、宝塚でよく聞く有名なミュージカルナンバーもあります。候補曲は日本の昔のものからブロードウェイ・ミュージカル、しかもジャンルも幅広く、何十曲と出してくださったので、その中から私のキーに合うものなどを相談しながら選んだんです。でもあまりの数多さに、選曲にすごく時間がかかりました(笑)。

ーー荻田さんなら構成も独自のワールドになってるのでは?
どこかドラマみたいな流れを意識して作ってくださってます。今の私の状態を描かれているというか。それにどうしても私が歌うものはバラード系が多いんですが、それがさらに幸せじゃない感じのものになってて(笑)、相変わらずの荻田先生ワールドです(笑)。

_MG_6007ーー朝澄さんは、温かくて心に沁みる、バラードに合う声を持っていますね。
今回はいろいろ挑戦しようということで、あまり出してない音色で歌う曲もあります。それから荻田先生が今回のために日本語詞をつけてくださった歌もあって、そのどれもが素敵な歌詞なので、なんて贅沢だし幸せなんだろうと思っています。それだけにちゃんと消化して歌うのが課題です。

 

ーーミュージカルやお芝居に出るのと並行して毎年、コンサートかライブを必ず行ってますね。退団したときは、こんなに歌の仕事をすると思っていなかったのでは?

そうなんです。全然歌姫とか歌手とかいうものとは縁遠い存在だったんで(笑)。役のなかで歌わせていただくことはあっても、普通に歌える程度にしか自分も周囲も思っていなかったので。それが、卒業してからこういう形で歌と関われているのは嬉しいし、本当に恵まれているなと思います。とくに今回、一つ一つの曲の奥深さをすごく感じています。たぶん、まったく聞いたことなかった曲や、初めて歌う曲が半分くらいあるせいかもしれません。その初めて聞いた曲をどう歌いこんで、その曲の世界を作るかが楽しいし難しいですね。

ーーそういう意味では、このライブで音楽との向き合いかたも違ってきているということですか?
たぶんこれまでは、どこか本名の私が楽しんで歌っていたと思うんです。でも今回は「朝澄けい」を意識しているというか、自分のなかで何か新しい一歩を踏み出したものになれたらと思っていて。今まではあまり自分にプレッシャーをかけ過ぎないようにしてたんですけど、今回はあえてプレッシャーもかけているところです(笑)。

 

_MG_6044ーー宝塚を退団して7年目ですが、今、これまでになく意欲満々になっているように見えます。
なんか開き直った感じはありますね。やっぱり自分は歌も好きだし芝居も大好きなんだなと。宝塚にいた頃も好きだったはずなのに、いろいろな意味で自分の本当の思いをちゃんとわかっていなかったと思うし、それを素直に出せないでいたような気がします。

ーーすごく期待されていたしどんどん上に昇ってる途中でしたから、退団はちょっともったいなかったなと。
今思うと、自分で自分をどこか不自由にしてる部分があったのかなと思います。周りは期待していろいろ言ってくださるのに、それに応えられない自分がイヤだったり、自分にそれほどの価値があるかどうかも疑ったりして。だから退団したあと、本当にこういう活動ができるようになるなんて考えてもいなかったですし、考えられなかった。

ーー1年後にライブから活動を再開しましたが、ここまで続いてるのは、やっぱり表現衝動があったんでしょうね。
ライブのあと芝居をさせていただいて、でもどこか「私でいいんですか?」みたいな思いはいつもあったんです。でも始まると楽しいし夢中になれる。それでも、公演が終わるとあれで本当によかったのかなと自信がなくなるし。でも昨年、荻田先生の『D〜永遠という名の神話』に出演させていただいたときに大きな変化があって、本当の自分を解放できたというか。
それまでの『アルジャーノンに花束を』とか『蜘蛛女のキス』などは、共演者のほとんどが年上のかたたちで、OG公演なども上級生ばかりということが多かったんです。それが『D』は、同世代の人たちが多いカンパニーで、宝塚で1年下の舞風りらちゃんはよく知ってる仲ですし、主役の東山義久さんも同世代で。そういう仲間と毎日稽古が終わったあと、本音で舞台のこととか仕事のこととか、思い切り話したんです。そういうなかで初めて、自分の本音とか舞台が好きな気持ちに改めて気がついて。これまで中途半端に歯止めをかけていた自分に、「好きならやろうよ、そういう自分を認めてあげようよ」みたいな気持ちになれたんです。

ーーやっと自分の本心を認めたわけですね(笑)。
今頃ですけど(笑)、これが私のペースみたいです(笑)。退団してから7年、ゆっくりでもここまで続けてこれたのは、周りのかたに本当に恵まれていたからだし、同時に自分もやっぱり好きで、続けたいという思いがあったからだなと。

ーーこんなに綺麗で歌も芝居もできるのだから、もっと自信を持っててもいいと思います(笑)。
私はへんなふうに完璧主義で、つい減点法で採点してしまうんです。役についてもすごく理想もあるだけに「あ、できてない」とマイナスしてしまう。根はすごいダラダラ人間なのに(笑)、そういうところだけ完璧主義者なんだと最近わかったんです(笑)。でも、これからは芸事ではいい形で加点法も取り入れていこうかなと。

ーーこれまでも朝澄けいという才能にオファーがあったわけですから、それも自信に思っていいのでは?
そうですね。これからはもうちょっと自分を認めてあげたいと思います(笑)。

ーーそういう点も含めて、このライブは本当に7年目の新しいスタートですね。
今年初めに事務所にも所属しましたし、いろいろな意味でスタートです。ですからきっと記念的なイベントになると思います。1日だけですが3回あるんです。その1回1回に、全然違う感動があるんじゃないかと思っています。

 

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ーーそして来年の1月は『蜘蛛女のキス』の再演で、またマルタ役で出演ですね。
私は宝塚時代から再演を経験したことがなかったんです。初めての再演ということでは緊張しているんですが、もう1度『蜘蛛女のキス』の世界に入れるのはすごく楽しみです。この作品でも千秋楽が終わってしばらくのあいだは自分のなかで、あそこはああすればよかったとか、ああいう表現もあったとか、けっこう反省していたので、そのときの思いを活かせたらいいなと思います。それに加えてキャストの一部のかたが替わるので、また1から向き合うこともできるし、すごいチャンスだなと思います。

ーーマルタ役はセリフがあまりないけどミステリアスで美しくて、朝澄さんにはまり役でしたね。
マルタは台本にしたら1Pの半分くらいしかセリフがなくて、幻想の中で通り過ぎる場面がほとんどでした。初演では、そのマルタの張りつめた心ばかり出すことに意識が行きすぎていたような気がします。今回は、その張りつめたものは結果であり、ヴァレンティンを愛していた気持ちや彼女の内部の苦悩をもう少し出したいなと思ってます。やはりあそこに至るまでにはマルタにもドロドロした感情があったはずだし。そういう内面をもうちょっと深めて、それが見えるように表現していきたいなと思っているんです。

ーー石井一孝さんも浦井健治さんも、さらに深めてきそうで楽しみですね。稽古場では遠慮せずにぶつかっていくほうですか?
稽古に入ると周りのことが眼に入らなくなるので、大丈夫なんです(笑)。遠慮なくぶつからせていただきます(笑)。

ーー芝居と歌という形で、さらに意欲的に活動していきそうですが、この先の朝澄けいの夢は?
いろいろあるし、あまりに大きな夢なので…。いつかはそれができる人間になれたらいいなと思ってますし、今はとにかく、与えられたものをできる限りの力で生きて、その結果、どこかにたどり着けたらいいなと。

ーーでは、まずはライブの朝澄けいを楽しみにしています。
新しく移行しつつある私を、観て聞いて、感じていただけたら幸せです。

 

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『朝澄けい Live』

●11/7◎GINZA TACT

構成・演出◇荻田浩一

出演◇朝澄けい

<時間>13時、16時、19時 

<料金>¥6800(ワンドリンク付)

<お問合せ>キャンディット 03-3402-8205      

         http://www.candid-net.jp/

『蜘蛛女のキス』

●2010/1/16〜18◎梅田芸術劇場 メインホール

●2010/1/24〜2/7◎東京芸術劇場 中ホール

原作◇マヌエル・プイグ

脚本◇テレンス・マクナリー

作詞・作曲◇ジョン・カンダー&フレッド・エッブ

演出・訳詞・上演台本◇荻田浩一

出演◇石井一孝 金志賢 浦井健治 初風諄 今井朋彦 朝澄けい 他

<料金>梅田芸術劇場/S席¥12000  S席¥8000 B席¥4000
    東京芸術劇場/S席¥11000  A席¥8500 Z席¥3000
<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800

 

                http://www.umegei.com/

                                【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

 

 

 

 

 

花組東京公演 初日囲み

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 花組東京公演『外伝  ベルサイユのばらーアンドレ編ー』とショー『EXCITER!!』が、10月23日東京宝塚劇場で開幕した。

『外伝  ベルサイユのばら』は、原案は池田理代子で、脚本・演出は植田紳爾。昨年、3部作で全国ツアーを回った「外伝シリーズ」のあとを受けて、今年2月に中日劇場で上演した「アンドレ編」を宝塚大劇場用にアレンジしたもの。

物語の主役はアンドレで、彼の幼ななじみであるマリーズとの淡い恋や、オスカルへの熱い思いを描き出している。外伝ということからマリー・アントワネットは登場しないが、オスカルはもちろんフェルゼン、アラン、ベルナールなどが登場し、衛兵隊仲間との場面やバスティーユ陥落への闘いなどは、出演者のエネルギーを感じさせ、このドラマの大きな見せ場となっている。

『EXCITER!!』は、藤井大介の作・演出で宝塚らしい華やかで、見どころ満載のショー。カッコいい男役の階段シーンでオープニング、トップだけでなく若手たちも銀橋に登場したり、ミュージカルコメディ仕立てのシーン、そしてフィナーレの3組のデュエットダンスに至るまで、スムーズで構成センスがよく、あっという間に時間がすぎる。壮一帆が二番手に上がったこともあり、全体に若々しく、パワーあふれる花組の勢いを感じさせる舞台だ。

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初日前に行われた舞台稽古のあと、花組トップの真飛聖が囲み会見に応じた。
まずは真飛の挨拶から始まる。

皆様、本日は通し舞台を観に来て下さり、本当にありがとうございました。今日から千秋楽まで精一杯、心ある舞台を努めていきたいと思います。千秋楽まで応援のほどよろしくお願いいたします。そして宣伝のほど(笑)、よろしくお願いいたします」

記者からの質問になる。

ーー2作品とも見どころが多いのですが、真飛さんがとくに楽しんでいらっしゃるところは?

_MG_6160「『ベルサイユのばら』も、ベルばらの世界という大芝居を楽しんでおりますが、やはり今回は1年ぶりのショーでーー「前回は『太王四神記』で1本物でしたのでーー今回は思いきり見どころ満載の『EXCITER!!』なんですが、とくに自分らしいのはミュージカルシーンで、ミスター・ユーの場面ですか!?(笑)。自分らしいと言ったらちょっとおかしいんですけど、あんな寝坊はしませんし(笑)、パンダのパジャマも着てませんから(笑)。でも自分らしさが出てるのはあの場面かなと思います」

ーー『ベルサイユのばら』で、今回アンドレに取り組んでいかがですか?

「これまで2回『ベルサイユのばら』には出演しているんですが、全部アランだったので、客観的にアランから見たアンドレというのはとても魅力的ではあったんですね。ただ、どうしてここまでそんなにも一途に、というちょっと可哀想というか切ない人物だなという捉え方をしていたんですが、今回アンドレを演じてみて、こんなにも一途にオスカルを思える、人を愛せる幸せっていうのはないと思いますし、そう考えるとアンドレの人生というのは、可哀想とかではなく、とても幸せな人生だったというのが、演じて初めてわかったので、とても嬉しい発見でした」

ーー目が見えないシーンの研究をされたとか。

「話すほどのことではないんですけど、私は目が本当に悪くて、普段はコンタクトをしてるんですけれど、はずすと本当に見えないんです。人にぶつかるくらい。舞台でそれを本当にやったしまったら事故につながるので、稽古場でコンタクトをはずして、片方ずつはずしてみたりとか、どこが見えないとか。逆に耳がよく聞こえるようになったとか、コンタクトをはずしたことでいろんなことを発見したので、かなり勉強になりました。けれども、コンタクトをはずして稽古しすぎて、今度はコンタクトをつけたときにあまりにも見えすぎて驚いたので(笑)、もうちょっと計算して稽古に取り組めばよかったなと、反省点です」

_MG_6162ーーショーで男役らしいかっこいいシーンがありますが。

「今回はお芝居も、『ベルサイユのばら』で宝塚らしい作品なんですけど、ショーもとても宝塚らしくて、男役は男役らしく、女役は女役らしく、セクシーに色っぽくそしてチャーミングにという。本当に場面によって色が変わるんですけど、とくにこれが宝塚だなと思うのは、中詰めの男役はタキシードで、私はオールバックで、ビシッと決めているところ。女役は赤いドレスで、男役と絡むシーンはとても絵面が綺麗ですし、あの中詰めは私たちも楽しんでやってます。またお客様もあの場面は好きというかたが多いです」

写真撮影のあと、真飛聖は元気よく「ありがとうございました」と記者たちに挨拶、初日の楽屋に戻って行った。

花組公演『外伝  ベルサイユのばらーアンドレ編ー』とショー『EXCITER!!』は、10月23日から11月22日まで、東京宝塚劇場にて上演中。

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

http://kageki.hankyu.co.jp/ 
                    
●公演写真
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湖月わたるインタビュー(vol.2)

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10月9日に開幕したミュージカル『ALL SHOOK UP』に出演のあとは、OGたちとのレビュー、そしてダンス公演やコール・ポーターのミュージカルなど、湖月わたるの活動には注目作品が並んでいる。そんな作品群について、そして舞台人としての方向などについて話してもらった。

 

【人間を演じること】

ーーこれまでいろいろなミュージカルに出演して、すっかりミュージカル女優としても活躍中ですが、振り返ると08年4月の『カラミティ・ジェーン』あたりから女優らしさが出てきた気がします。

『カラミティ・ジェーン』は音楽劇で、ジェーンの若い頃から年を取って死ぬまでを演じるなど、はじめての挑戦で大きなポイントになった公演でした。退団してからすごく幅広くお仕事をいただいて、いろいろなジャンルで音楽と触れ合って、そのなかで改めてミュージカルならではの魅力も発見することができたと思います。それに、退めたあとに男性の役を演じる機会があったことで、新しい自分を発見することができました。宝塚にいたときは男性を演じるという意識が強かったし、退団した直後は女性を演じるんだという意識があったんですが、両方を交互に演じるようになって、演技のうえでは人として感じることは一緒なのではないかと。たまたま性別で違うだけで、人間を演じる楽しさを感じるようになりました。

ーー男役らしさとか女性らしさとか、技術への意識から脱して、人を演じる楽しさに没頭できてるということですね。

そうですね。自分らしさというか、自分が演じるうえでどう表現したいかに没頭できる。今、2度目のサンドラを演じて、この3年間で得たものを改めて感じてます。同じ作品だからこそ少しは進歩できた部分もわかるし、女優としての自分を捉え直すいい機会になったと思います。

DSCF0262ーー客観的に見ると、湖月さんの資質は外国のミュージカルに向いていて、必要な華やかさとか明るさはクリアしているし、ゴージャス感もあるのはメリットですね。

でも退団するときには、ローラとかサンドラのような役を頂けるとは思ってなかったので、自分でもびっくりしました(笑)。私の持ち味が翻訳ミュージカルにもし合っているなら(笑)、それはそれでよかったし、自分の持ってるものを生かせる役に出会えて幸せだと思います。

 

 

【二面性を表現】

ーー大きなカンパニーの仕事と並行して、ダンス公演『GILLEージル』とか去年の20周年記念公演『ACHE エイク〜疼き〜』とか、自分のジャンルを着々と広げていて、チャレンジャーだなと。

やっぱり“進化していかないといけないんだろうな”とつねに思ってるんです。男性を演じるときも宝塚時代とは取り組み方が違うという話をしましたが、私もそうですが人間って女性的な面と男性的な面という二面性があると思っているんです。宝塚を卒業したから男役も卒業というのではなくてーー最初はそうしていかないといけないのかなと、思っていたところもあったのですがーーこの3年間でいろいろな経験させていただくうちに、自分の持ってる両面性を生かして挑戦していきたいと思うようになったんです。たぶん私にしかできない人間像があって、それは男役で培って来たものと女性を演じてきたなかで出てくるものがミックスされたもので、たとえば現実にはいないような男性であったり、『GILLE』や『ROSE ADAGIO』に繋がるものかなと。

ーー性別を超えた自由な世界?

たとえば西島さんと私のどちらが王子か王女か、観たかたが自由に考えられるような世界で、服装は男でも女性の気持ちを表現してるかもしれないし、西島さんのほうに女性を感じるかたがいてもいい。そういう微妙で深い表現ができればいいなと思っているんです。

ーー湖月さんが男性役をやると単純にかっこいいと思えるので、それは捨てないでほしいですね。今年の宝塚歌劇団のTCAスペシャルのゲストで、素に近い感じで出てきたのに男役のかっこよさがまだ残ってると、すごく評判になりましたから。

(笑)、もちろんいろいろな形で挑戦していきたいと思ってます。

 

【星組OGばかり!】

ーー『ALL SHOOK UP』のすぐあとに『レザネ・フォール』というレビューがありますね。

これは宝塚OGの私たちだからこそできる、オリジナル・ミュージカルです。昨年末の宝塚を題材とした『愛と青春の宝塚』では、戦時中の先輩方を演じました。『レザネ・フォール』は1928年のパリのレビュー小屋の話で、宝塚歌劇団の演出家の大野拓史さんが作・演出をしてくださいます。なんと出演者が鳳蘭さんを中心に星組OGばかりで、男優さんは福井貴一さんだけ、黒一点ですね(笑)。レビューのシーンもあると思いますし、私に『ACHE』を作ってくださった大野先生がまた私たちに当てて書いてくださるのがすごく楽しみで。やっぱり翻訳劇とまた違うオリジナルで、どんなふうにみんなのカラーを生かしてくださるかが楽しみでなりません。

ーーそして西島千博さんと『GILLE』に続いて来年2月に『ROSE ADAGIO』。こちらは湖月さんの得意のダンスを生かした公演で。

main_fix2年ぶりの第2弾です。演出してくださる川崎悦子先生は宝塚時代から私をよく知っててくださる先生で、すごく素敵な振付をしてくださるんですが、前回は完璧に私を男性像でイメージされて(笑)、今回もたぶん男性に近いイメージではないかと思ってます。有名な「眠れる森の美女」を題材に、現代に置き換えたものですが、曲も前回同様マリンバのSINSKEさんが書いてくださるので、ほとんどオリジナルに近いものと思っていただければ。『GILLE』もそうでしたが幻想的で耽美的な世界を作り出したいと思っています。

ーー西島さんとは素敵なダンサーですが、一緒に踊る気持ちはいかがですか?

とても想像力豊かで魅力的なかたです。クリエイティブなお仕事をされているので、凄いと思います。そんな方と踊らせていただくので、私も今以上にレッスンに励もうと思います。

【縁の深い荻田作品】

ーーそして5月に元宝塚歌劇団演出家の荻田浩一さんで『絹の靴下』。これはグレタ・ガルボの映画「ニノチカ」もあるし、ブロードウェイ・ミュージカルをフレッド・アステアで「絹の靴下」として再映画化したものもありますね。

荻田先生ですから、原作からどこまで飛躍するか楽しみです。荻田先生とは本当にご縁があって、先生の初演出した新人公演が私が主演した『カサノヴァ・夢のかたみ』で、演出家としてのデビュー作『夜明けの天使たち』が私の初主演で、初めてのショー作品『パッサージュ』にも私は出ていましたし、芸術祭作品賞を受賞した『ロマンチカ宝塚'04』のときにはトップで主演してました。そんな荻田先生が、私にこのニノチカ役が似合ってると言ってくださったので、私をよくご存知の先生がそう言ってくださるならと思って。正面からぶつかっていきたいと思ってます。

ーーダンスもたくさんありそうで楽しみです。

デュエットダンスがあるんです。これは名倉加代子さんが振付けしてくださるそうなので、すごく嬉しいです。ニノチカが初めて絹のストッキングをはいて女性として目覚めていくシーンがあって、そこをどう振付けしてくださるのかどんな踊りになるか、わくわくしています。今回初めて今村ねずみさんと踊るのも楽しみです。

ーー今村さんも男前でセクシーなダンスを踊られる人ですね。

素敵なダンスをご一緒しながら女性に目覚めたいと思います(笑)。ダンスがたくさんあるミュージカルというのがなんといっても嬉しいんです。最近のミュージカルはほとんど歌がメインで、なかなかダンスをたくさん踊らせていただくことが少ないので。これは音楽もコール・ポーターさんですから、美しいメロディがたくさんありますし、おかしな3人組も出てきますし、ハッピーなミュージカルです。それに樹里(咲穂)ちゃんとの共演はすごく久しぶりなんです。劇団で宙組で一緒だった頃以来かもしれません。それも含めて見どころ満載な作品になると思います。

ーーではまず『ALL SHOOK UP』をがんばっていただいて。

2年前より女性として進化したサンドラに会いにきてください(笑)。

 

 



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『ALL SHOOK UP』

●10/9〜17◎青山劇場

●10/23〜25◎シアターBRAVA!

● 11/7〜8◎愛知県芸術劇場 大 ホール

演出・振付◇デビッド・スワン

脚本◇ジョ−・ディピエトロ

出演◇坂本昌行   玉置成実 湖月わたる 岡田浩暉 諏訪マリー 尾藤イサオ 他

<料金>青山劇場/SS席¥12000 S席¥11000 A席¥9500 

<お問合せ>東京公演/Quarasエンタメ事務局 0570-044-099

                              東京グローブ座 03-3366-4065

      大阪公演/キョードーチケットセンター 06-7732-8888

       名古屋公演/キョードー東海 052-972-7466

       http://www.all.mu
 

 

  DSCF0332『レザネ・フォール』

●11/21〜22◎東京厚生年金会館大ホール

● 12/14〜15◎梅田芸術劇場メインホール

構成・演出◇大野拓史

出演◇鳳蘭 麻路さき 湖月わたる 彩輝なお 星奈優里 福井貴一 他

<料金>東京厚生年金会館/S席¥8500 A席¥5000 

梅田芸術劇場/S席¥8500 A席¥5000 B席¥3000 

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800

 http://www.umegei.com

 

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『ROSE ADAGIO〜ローズ・アダージオ』

●2010/2/11〜14◎天王洲 銀河劇場

●2/19〜20◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

構成・演出・振付◇川崎悦子

音楽・演奏◇SINSKE(マリンビスト)

出演◇西島千博 湖月わたる 他

<料金>銀河劇場/S席¥8800 A席¥6800 

     シアター・ドラマシティ/¥9000 

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800

 http://www.umegei.com

 

DSCF0330『SILK STOCKINGS 〜絹の靴下〜』

●2010/5月中旬◎青山劇場

●2010/6月中旬◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

作詞・作曲◇コール・ポーター

演出◇荻田浩一

出演◇湖月わたる 今村ねずみ 樹里咲穂 渡部豪太 戸井勝海 伊礼彼方 神田恭兵 他

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800

 http://www.umegei.com

 

 

                

                                【取材・文/榊原和子】

 

 

『ALL SHOOK UP』舞台稽古囲み(10月9日)

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【エルヴィスの曲と恋がいっぱいのミュージカル】

エルヴィス・プレスリーの有名なメロディがふんだんに盛り込まれたラブコメディ・ミュージカル『ALL SHOOK UP』が、9日に初日を迎えた。その初日前に行われたフォトコールと囲み取材をレポート。 

物語は、保守派の町長によって「道徳宣言」をされたアメリカの田舎町に、バイクに乗ったかっこいい青年がやってきて、彼の周りに起きる恋愛旋風とそれぞれの思いやすれ違いを、プレスリーの曲を初めとするロックミュージックにのせて展開していくもの。

主演はV6の坂本昌行、彼と関わる女性たちには玉置成実、湖月わたる、ほかに岡田浩暉、ベテランの尾藤イサオや諏訪マリーなどが出演。歌って踊って恋をするという明るく楽しいミュージカルだ。

この日のフォトコールでは、バイクでやってきたチャド(坂本)にナタリー(玉置)はじめ町の娘たちが夢中になるシーンや、ブロンドの学芸員サンドラ(湖月)にチャドが一目惚れ、だが冷たくあしらわれるシーンなどを披露した。その舞台稽古後に、ロビーで坂本昌行、玉置成実、湖月わたるが取材に応じた。

【一問一答】 (坂本昌行さんの写真は残念ながら掲載できません)  

坂本「再演ということもあって稽古場も楽しんでやれましたし、出演者みんなもすごくまとまってたし楽しんでました。今は早く幕が開かないかなという状態ですね」

ーー周りが素敵な女性たちですが。

坂本「いい匂いを嗅ぎながら幸せになってます(笑)」

ーーエルヴィスは意識してますか。

坂本「初演ではプレスリーを意識してかなり勉強しました。腰の振りかたなどもがんばってます」

DSCF0396ーー湖月さんはいかがですか?

湖月「私は初演は宝塚をやめて1年目でしたから、坂本さんに一目ぼれしていただくというのがプレッシャーでした。それにいろいろなコメントで坂本さんに“男らしい”と言っていただいて(笑)」

坂本「いや、そんなことは言ってないと…(笑)」

湖月「今回はどうですか?」

坂本「セクシーです(笑)。素敵です」

湖月「2年前よりは女性を意識しなくて役にのめり込めている自分がいます」

ーーどちらが自然ですか?

湖月「まだパッとなりやすいのは男のほうかもしれません(笑)」

ーー坂本さんをリードしたり?

湖月「それはないです(笑)」 

坂本「いや大丈夫です(笑)」

湖月「本でなぐるシーンがあって、そこだけは気合いをいれます(笑)」

坂本「よろしくお願いします(笑)」

ーー玉置さんは男に変装する役で。DSCF0393

玉置「初めての男役で、ヒゲとか描いて、めったにできない経験をしてます。坂本さんはすごくセクシーで」

坂本「ゴホ、ゴホ(笑)」

玉置「腰の動きで思わずキャーと叫ぶシーンがあるくらい本当にセクシーです」

坂本「公演をロカビリーの先駆者のかたも観にこられるという話があって、すごく緊張してます。V6のメンバーもくると思いますが、みんな一緒だと客席のほうが盛り上がるので(笑)、なるべくばらけて来てと(笑)。舞台を観ると、あとでコンサートとかで物マネするやつがいて恥ずかしいんですよ(笑)」

湖月「前回は、うちの坂本がお世話になってますって、ご挨拶されました」

坂本「井ノ原とかよくやるんです。楽屋全部まわって。なんか恥ずかしいですよね」

湖月「素敵ですよ」

ーー最後に見せ場を。

坂本「せひ観ていただきたいのは、前回とちょっと違う細かい部分を見せたいんです、手とか顔という分かりやすいところではなく、いってみれば男の哀愁とか色気とか、細かく演技の工夫してますので」

玉置「男の子に扮するので、ガラッと変われるようにがんばってます。楽しんで観てください」

湖月「全体にオンナ度をアップしたことと、成実ちゃん扮する可愛い男の子に恋した瞬間に変貌する、その姿を観ていただきたいです」

 

 

『ALL SHOOK UP』

●10/9〜17◎青山劇場

●10/23〜25◎シアターBRAVA!

●11/7〜8◎愛知県芸術劇場 大 ホール

演出・振付◇デビッド・スワン

脚本◇ジョ−・ディピエトロ

出演◇坂本昌行   玉置成実 湖月わたる 岡田浩暉 諏訪マリー 尾藤イサオ 他

<料金>青山劇場/SS席¥12000 S席¥11000 A席¥9500 

<お問合せ>東京公演/Quarasエンタメ事務局 0570-044-099

                              東京グローブ座 03-3366-4065

               大阪公演/キョードーチケットセンター 06-7732-8888

       名古屋公演/キョードー東海 052-972-7466

     http://www.all.mu

                 【取材・文/榊原和子】

 

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