えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。


ゲストに大和悠河『SWAN2017』

PARCO劇場でライブ! 大和悠河インタビュー

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大和悠河が宝塚を退団して1年半が経った。女優としてのスタートは今年2月のミュージカル『CURTAINS』で、一気に可愛い女性に変身。そこから女優として3つの作品を走り抜けた。5月の『戯伝写楽』のおせいでは狂気さえ感じさせる演技を見せ、一転して7月の『まさかのChange?!』では、男性と中身が入れ替わってしまうキャリアウーマンという役で男役時代の本領を発揮、溌剌とした動きやコメディ・センスが好評だった。
そして今年ラストの仕事はコンサート。12月5日と6日に渋谷のPARCO劇場という演劇のメッカでライブに挑む。大和悠河の新しい方向性を示唆するこの舞台について、またこれからの夢などについてじっくりと語ってもらった。

 

【ゆったりと音楽の旅をしてきました】

ーー聞くところによると夏から秋にかけてヨーロッパに行って音楽の旅をしていたそうですね?

宝塚時代から思っていたことなのですが、まとまった休みが取れたら、本格的な音楽や本場のオペラ、バレエなどに触れたいという思いがあったんです。宝塚ではレッスンも観劇もすぐ目の前の舞台に役立てるためのものでしかなかったので、一度ゆったりとした気持ちで勉強したいなと。とくにオペラは現地でちゃんと観たいなと思っていたんです。

ーーそしてまさに音楽三昧の旅だったわけですね。刺激を受けましたか?

すごく受けました。心を空っぽにして観たので、どの舞台も新鮮で「ああ、この音楽いいな」とか「この人物像は魅力的だな」とか、1つ1つに感動がありました。いくら観てもまだ足りない(笑)というくらい楽しかったです。

ーーすべて原語のままですが、わからないとかいうことは?

ほとんどイタリア語でしたが、言ってることの意味は表現で伝わってくるし感情もよくわかりました。歌の技術ももちろん素晴らしいんですけど、何よりも心がすごく伝わってきて素晴らしかったです。とくに感動したのはヴェローナの野外劇場で観た『アイーダ』で、まるで本物のようなピラミッドがある壮大な空間で、出演者もすごい人数でスケールの大きさに圧倒されました。すりばち状の劇場なので声が上のほうまで上がっていくし、本当に気持ちいい空間でした。

ーー風景と一体化してるんですね。

そうなんです。そこに、この小さな町のどこから集まってきたの?(笑)と思うくらい、たくさんのお客様が集まって来るんです。しかもお客様の質が高くて、うまい人にはリアクションが違うんです。長い伝統で町の皆さんの目と耳が肥えているんだなと感じました。

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【わくわくするPARCO劇場、そして渋谷】

ーーその感動を持ち帰って自分の舞台でも表現してみたいと思ったのが、今回の『YUGA OPERA』なんですね。

この旅で舞台というものの素晴らしさを改めて感じていたところに、このライブのお話をいただいたのですごく嬉しかったです。オペラはもともとチャレンジしてみたいものであり夢だったので、私が観て感じてきたものを、少しでも伝えて思いを分かち合えたらと思ったんです。

ーーPARCO劇場のライブは、どんな構成になるのですか?

タイトルに『YUGA OPERA』とあるように、オペラの世界を感じさせるものになっていますが、日本のアイドルの曲も歌いますし、スタンダードのポップスやジャズも入っています。メドレーを入れたら全部で20曲以上、その中でオペラのアリアを3曲歌いますし、「第九」をお客様と一緒に合唱します。

ーーオペラの曲は具体的にどんなものを歌う予定ですか?

『蝶々夫人』『ラ・ボエーム』『椿姫』という有名な3演目のアリアを、原曲原語で歌います。この3作はヒロインがみんな愛に一途でドラマティックで、そこも素敵だなと思っているんです。宝塚時代にもオペラをアレンジした作品には何回か出させていただきましたが、どの登場人物も激しくて、演じるのにパワーもいるしエネルギーも必要でした。でもそういうところも大好きなんです。これからも少しずつオペラの世界に私なりにチャレンジできたらいいなと思っています。

ーーそのために歌もレッスンされているとか?

はい。あちらでもレッスンしましたし日本でも続けています。少しずつでも夢をめざして進んでいきたいのでがんばっています。

ーーPARCO劇場という場所ですが、これまでに観にいらしたことは?

だいぶ前なんですが、三谷幸喜さんの『オケピ!』を観ました。すごく演劇好きなかたが集まる劇場だと思っています。聞くところによると、まだ西武劇場という名前の頃に大地真央さんが『ディーン』の東京初演をされたそうで、そういうご縁のある劇場というのも嬉しいです。

ーー宝塚OGさんがここでライブをするというのも、これまでにあまりないことだと思います。

そういう意味ではすごい挑戦をさせていただけるので嬉しいです。渋谷という若い人たちが溢れている街でできるのも楽しみですし、PARCO劇場が好きな演劇ファンのかたにも、ぜひ観ていただきたいと思っています。曲目もなるべくお客さまとコミニュケーションしやすいものを選んでいて、原語で歌うのはオペラだけで、あとは私の色を出せる日本語の歌詞をつけてもらってますので、構えずに聞いてほしいですね。

ーーそして17日には神戸でディナーショーですね。

神戸に行くのは久しぶりなので嬉しいです。音楽学校の時代や下級生の頃はよく買い物などに行っていたし、大好きな街なんですが、忙しくなってからは行く機会が少なくなって。ディナーショーも退団してから初めてなので2年ぶりぐらいになります。ディナーショーは客席に降りていって、お客様と直接コミニュケーションできるのがいいですね。

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【女優としてのチャレンジを恐れずに】

ーー女優としては、今年前半の舞台3作を走り抜きましたね。

すごく密度の濃い公演ばかり3作出させていただきました。そのなかで「あ、こういう大和悠河もあるんだな」という発見の日々で、すごく勉強になりました。

ーー1作ずつ簡単に振り返っていただきたいのですが、まずは『CURTAINS』。

女優になっての第一作目で、女の子の自分を楽しむという感覚でした。東山紀之さんとか鳳蘭さんに出会えたこと、共演者の皆様と知り合えたことが楽しかったです。

ーーすっかり女性に戻ってましたね。

自分では抵抗なくすぐ戻れたんですが、あまりの変身の早さにファンのかたたちは驚かれたみたいです(笑)。普通の女の子の役で出発できたのがよかったなと思ってます。

ーー次の『戯伝写楽』では荻田浩一さんならではの切り口で、大和悠河の魔性の魅力を見せましたね。

おせいという役はすっと入り込んでいけたし、表現者として自分と共通する部分があったので大好きでした。魔性と言われる部分なども台本を読んですぐにイメージが浮かんできたし、私はとってはすごくやりがいのある面白い役であり作品でした。

ーー魔性のおせいちゃんのあとには、大和悠河ならではの明るいミュージカル『まさかのChange?!』。男役時代を彷彿とさせる姿が楽しかったです。

女性の外見で中身は男性という役だったんですが、男役のニュアンスも残しながら、男役ではないカッコいい女性というところがポイントだったと思います。宝塚の男役とは違う演じかたを見せなくてはならなくて、とても勉強になりました。

ーーこの3作で全部違う色を見せられたのは、大きな土台になりましたね。

この成果をもとにこれからの作品に挑みたいと思っていたところに、来年の4月と6月に刺激的な舞台をいただきまして、どちらも大好きな先生がたとの作品作りなのですごく幸せです。

ーー4月にある『綺譚・桜姫』は荻田浩一さんで御園座ですね。IMG_0999

荻田先生には『YUGA OPERA』も演出していただくのですが、私のために『桜姫』を考えてくださったというのがすごく嬉しいです。有名な鶴屋南北の作品で坂東玉三郎さんの代表的なお役ですから、光栄だという思いと同時にどこまで私に出来るかなと。でも荻田先生を信じて無になってついていこうと思っています。

ーー恋に溺れて堕落していく姫で、だからこそ演じる人に品が必要なのですが、おせいを演じきった大和悠河だけに楽しみです。

どこか透明感のある魔性の桜姫になれればと思っています。ショーアップするとも聞いていますので、あまり重くない綺麗な舞台になるのではないかと。音楽の斉藤恒芳先生も宝塚時代から大好きで、先生の曲になると色が変わるのがわかりました。たくさん素敵な曲を書いてくださると思います。

ーーそして6月にシアタークリエで謝珠栄さんの『風を結んで』ですね。

こちらは明治維新の激動期を生きた青年たちの物語で、私は洋行帰りの女性で青年たちを組織して「パフォーマンスの一座」を作るという役です。再演ですが、私のために少し書き換えてくださる部分もあるそうです。演出と振付の謝先生は、宝塚時代にもすごくお世話になりました。とくに新人公演でも演じた『黒い瞳』は忘れられません。先日も演出された『Dianaー月の女神ー』を拝見して、すごく深い世界を作ってらして感動しました。『風を結んで』の音楽の甲斐正人先生も、いつもドラマティックな曲を作られるかたですから嬉しいです。

ーー来年も次々に楽しみな作品が続きますね。また新しい悠河さんを見せてください。

大和悠河の舞台を観に来られるかたには、元気と楽しさを持って帰っていただきたいと思っているので、まずはこの『YUGA OPERA』で、皆様に夢と感動とそして愛をお届けできたら幸せです。

 

 

 

【大和悠河出演予定】

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Live@PARCO 『〜 YUGA OPERA〜』

演出◇荻田浩一

音楽◇ 立川智也

●12/5〜6◎PARCO劇場

〈料金〉 8000円

〈問合せ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00〜19:00)  

*前売り完売/当日券少々あり

 

ディナーショー 『〜 YUGA OPERA〜』

演出◇荻田浩一

音楽◇ 立川智也

●12/17◎ホテルオークラ神戸

〈料金〉30000円

〈問合せ〉ホテルオークラ神戸 078-333-3533(10:00〜19:00)  

 

歌舞劇『綺譚・桜姫』

原作◇鶴屋南北

脚本・演出◇荻田浩一

音楽◇斉藤恒芳

主演◇大和悠河

●2011/4月2〜7日(予定)◎名古屋・御園座

〈問合せ〉御園座  052-222-8222

 


ミュージカル『風を結んで』

演出・振付◇謝珠栄

脚本◇大谷美智浩

音楽◇甲斐正人

出演◇中川晃教・藤岡正明・小西遼生・大澄賢也/大和悠河   他

●2011/6/4〜19◎シアタークリエ

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【取材・文/榊原和子 撮影/田中亜紀】 

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和物ショーとリチャード・ギアの映画の舞台化。星組東京公演初日

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11月26日、星組の東京公演が幕を開けた。

レビュー『宝塚花の踊り絵巻ー秋の踊りー』は、酒井澄夫の作・演出で、星組では2007年の『さくら』以来という久しぶりの日本物のショー。
踊りの名手である専科の松本悠里を迎えて、格調高い舞や賑やかな総踊りで見せる。星組トップスターとしてますます大きくなり、風格を備えてきた柚希礼音が、切れ味のいい殺陣を見せる場面もあり、秋の紅葉、雪景色、そして桜の春へと映し出される季節の色合いを、華やかに踊る宝塚ならではの和物ショーである。

一方のミュージカル『愛と青春の旅だち』は、リチャード・ギアの映画でおなじみのアメリカの青春映画をもとに構成したもので、脚本・演出には石田昌也があたっている。
物語は、柚希礼音が扮するザックが貧しい境遇から海軍士官養成学校を志し、厳しい訓練の中で心身ともに成長していく姿を描き出している。
なかでも一番の見せ場は、士官学校のブートキャンプの訓練や鬼教官のフォーリー軍曹の特訓ぶりで、来年春に宙組への異動が決まった二番手男役の凰稀かなめが、フォーリーに扮していつもの二枚目ぶりをかなぐり捨て、迫力の演技を見せている。
またトップ娘役の夢咲ねねは、製紙工場で働きながら、士官候補生のザックと心を通わせるポーラという娘を演じている

芝居の最後にはダンサー柚希が率いる星組ならではのダイナミックなダンスが盛り込まれたフィナーレもあり、和洋の豪華な2本立てで魅せる星組公演だ。

この日朝の舞台稽古のあと、星組トップコンビの柚希礼音と夢咲ねねが報道陣の囲み取材に姿を見せて、まず2人の挨拶から始まった。

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柚希「本日は通し舞台稽古に起こしくださいまして、まことにありがとうございました。東京には3月以来、久しぶりに来ましたので、本日から1ヶ月間、いつも以上に熱く公演をしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

夢咲「本日はお越しくださりありがとうございました。久しぶりの東京公演になります。慣れない日本舞踊も頑張っております。千秋楽までどうぞよろしくお願いいたします」

−−『宝塚花の踊り絵巻』『愛と青春の旅だち』2作品の見どころ_MG_5702は?

柚希 そうですね、日本物のショーということで、とても苦戦いたしましたがやはり「日本人で良かったな」とお客様に思っていただけるように。秋から始まって、最後、春で終わるというのがとても良いと思うので、その辺りをお楽しみいただけたらと思っています。お芝居は日本物のショーと全然違う、とても人気のあるアメリカ映画の初の舞台化なので、そのイメージを損なわないように、とても注意しながら稽古に励みました。青春物語、成長していく様を感動的に描けたらと思っています。
−−とくにお好きな場面はどこですか?

柚希 私は日本物のショーを見たときにいつも「日本人で良かったな」と思うんです。お客様も「チョンパ」の前の、暗闇にわくわくする感じとか、明かりが点いたときに、「わー!」ってなる感じとか、そういう1つ1つの、宝塚の日本物のショーの楽しさを楽しんでいただけたらと思っています。

−−お芝居では過酷な訓練シーンがありますが、音楽学校時代などを思い出されることはありましたか?

柚希 そうですね。「予科の時のこういう感じ。」って言ったらみんなに通じるんです、稽古中に。予科の(笑)。はい(笑)。

−−お芝居の中でリチャード・ギアさんを意識した場面は?

_MG_5705柚希 はい、色々と意識して勉強させていただいたんですが、最後の「愛なんていらない」って言うあたりとかは、リチャード・ギアさんを何十回も、何度も何度も見て、男の哀愁、悲しさ、孤独などを表すためにはどうしたらいいのかを勉強しました。

−−日本物のショーで男役としての見せ方を意識される部分は?

柚希 いっぱいあって、しかも「日本物はこうであって欲しい」というお客様の願望も非常に多いんだなと痛感しました。顔の作り方や、流し目。本当の日舞をきれいに踊るだけでは面白くないので、大劇場用に派手に、宝塚用になってるみたいですね。

−−今回の公演で日本物をされて改めて学んだことは?

柚希 そうですね。いやーなんでしょうか、日本物では歯を見せて笑わないので、最初、星組全体ちょっと堅かったみたいなんです。ですが心はすごく笑ってるんだなってことを知り、そのあたりは勉強になりました。

−−歌舞伎の要素を取り入れた演出も入っていますが、そこから学ばれたことは?

柚希 歌舞伎のキメを。思ってるより長く間を取っていいんだな、と。「早い!」ってすごく稽古中に言われて、難しいです。

−−久しぶりの東京公演ですし、特にアピールしたいことを最後にもう少しお願いします。

夢咲 私は『さくら』の時はまだ星組ではなかったので、本当に初_MG_5669舞台公演以来の8年ぶりの日本物の化粧で。とても難しくて、なかなか思うような色にならないんですけど、日々研究しながらできたらいいなと思います。

柚希 私も若衆に苦戦しておりますが、はんなりと、儚く、できたらなと思っております。





久しぶりの和物のショーとあって記者団からさまざまな質問が飛び、いつもより長めの会見となった。その手応えを感じたかのように、明るい笑顔を交わしながら答える柚希礼音と夢咲ねね。元気に楽屋に戻る星組トップコンビに報道陣からひときわ大きな拍手が送られた。この公演は本年最後の東京公演として12月26日まで東京宝塚劇場で上演される。

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宝塚歌劇星組公演

宝塚花の踊り絵巻ー秋の踊りー』

『愛と青春の旅だち』

●11/26〜12/26◎東京宝塚劇場

〈問合せ〉03-5251-2001



*舞台写真は後日掲載します

【構成/榊原和子 取材・文/岩見那津子】


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ジブリ初の舞台化!わらび座『おもひでぽろぽろ』制作発表

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来年4月16日から29日まで天王洲銀河劇場で上演されるミュージカル『おもひでぽろぽろ』の製作発表が18日に行われた。
『おもひでぽろぽろ』は1991年に公開されたスタジオジブリによるアニメーション映画。今回、秋田県に拠点を置く劇団わらび座によって、ジブリ作品が初めて舞台化される。
物語は1982年の夏、疲れ気味のOL・タエ子は思い切って会社から10日間の休暇をもらい、親戚の住む山形の片田舎・高瀬へと一人、旅に出る。タエ子の前に現れる小学生の時の自分、思い出。都会にはない田舎の生活に魅力を発見するタエ子であったが東京に帰る前夜、ばっちゃ(おばあちゃん)から思わぬ話を聞き、タエ子はその場から飛び出していく。「思い出の中に未来がある。」タエ子の心に小学生のタエ子の言葉が浮かび上がる・・・。
秋田に拠点を置くわらび座、物語の舞台は山形、そして東京公演に出演するのは宮城県・仙台出身の朝海ひかると杜けあきということで、東北に縁の深い公演となる。この日の製作発表にはタエ子を演じる朝海ひかるや、タエ子の母とばっちゃの二役を演じる杜けあき、トシオ役の三重野葵(わらび座)、そして演出の栗山民也、台本・作詞の齋藤雅文、音楽の甲斐正人、スタジオジブリからは制作業務部の野中晋輔が出席した。

<登壇者挨拶>

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朝海 この『おもひでぽろぽろ』は、とても大好きな作品で、まさか自分が大好きなジブリ作品に出れるなんて、本当に夢にも思わなかった出来事です。今は本当にわくわくして、そして、良い緊張感をもって、この場に立たせていただいております。タイ子という役は田舎を知らずに都会で育つわけなんですけど、10日間の休暇で自分を見直していく、自分の過去を次々と思い出しながら未来に繋がっていく、という人生の中でとっても大事な10日間というのを過ごします。そのタイ子の大事な10日間を一生懸命演じてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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私は母とそして山形にいるおばあちゃんと二役、まるで対照的な役をさせていただきます。どのくらい対照的になれるのか、今は未知の世界ではあるんですけど、その生き方、土壌の違いの空気感、時間差、いろんなものを私の身体と心を通して表現できればと思っております。私たち(朝海と)東北出身なんですが方言って東北6県でもまるで違うんですね。そういう意味では私たちには逆に山形の言葉は難しいかもしれないんですけど、その辺も深く追求しながら良い作品を作っていきたいと思います。ジブリの作品の美しい背景の雰囲気を、今度は役者が心のピュアさや空気感オーラなどで表現しなければいけないと思うと、とても重圧を感じるんですがそれを目標にがんばりたいと思います。

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三重野 僕は、本当にスタジオジブリの作品が大好きで、そのジブリの作品がミュージカルになるということで、ものすごいドキドキワクワクしています。その中でこの『おもひでぽろぽろ』の舞台である山形と同じ東北、秋田にある劇団としてわらび座でしかできない世界観っていうのが、この舞台ではできると思います。そして、そのわらび座と朝海さん、杜さんをはじめ全キャスト、全スタッフで集結して、作品を作り上げた時に全く新しい世界観のミュージカルができると思っています。それに向けて、日々挑戦していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

栗山 この『おもひでぽろぽろ』を映画で見たのはずいぶん昔のことなんですが、そのときになんていうか、妙な、不思議な浮遊感を感じました。それは気持ちの良い体験でした。その空気感を、今度は生身の肉体で舞台でどのように展開できるかが僕にとっての課題だと思います。アニメーションの良いところはごっそりいただいて、舞台でしかできないことを必死で作っていこうと思ってます。よろしくお願いします。

齋藤 大好きな作品です。激しいドラマが流れているわけではないんですが、どこが好きかと言われると、やっぱり美しいアニメーションだってことに尽きると僕は思っています。これに対抗するには、演劇らしい舞台でなければと思っています。東北の土壌から立ち上がるような新しい国産ミュージカルになるように努力したいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

甲斐 脚本の斉藤さん、演出の栗山さん、私とこの3人でこの作品を作れるというのがとても私としてはとても嬉しいことであります。3年前に『火の鳥』という作品を作りまして、私の中では新しいミュージカルの1ページを開いたかなと思っております。それを今度は『おもひでぽろぽろ』で、さらに広げていくことができるんじゃないかと期待しています。脚本家と演出家と音楽家、この3人が一緒になって一つの目標に向かって、いわば三位一体のように作品を作るってことが、ミュージカルの一番の醍醐味だと思っております。4月16日の初日まで本当にわくわくしながら時を過ごしたいと思っております。
みなさんおっしゃったように『おもひでぽろぽろ』、美しい世界であります。どちらかと言うとわらび座は力で押して、頑張って、ゴツゴツ作っていくという劇団でありますので、どちらかというと真逆な作品なのかな?って感じもちょっとするんです。ハードルも高いかな?と思っているんです。従って、そのキーは音楽のあり方かな、と責任重大だと思っております。美しい音楽が積み重なって、美しい歌声が積み重なって、やがてそれが感動に至る。そんな作品になったらいいなと思っています。
斉藤さんが書かれた台本の冒頭は「息吹」って言葉で始まるんです。一言「息吹」、これがオープニングの音になります。この「息吹」という言葉で、斉藤さんが表現されたものは、おそらく大地の叫びであったり、森の音であったり、そういうものが最初に流れていく、ということであると思うんです。それは生きることに対してのエネルギーというかそういうものが、この作品の全体を通して、音の基調としてあるんじゃないかと思っております。
その歌声があらゆるところで時々再現されていきます。そのエネルギーがタエ子さんの心の奥にひたひたと迫っていき、そしてタエ子さんがどんどん変わっていく。そういう風な音楽構成にしたいと思っております。

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野中 映画の『おもひでぽろぽろ』というのは、公開されてもう19年経つんですけど、幸いにしてこれまで非常にたくさんのお客さんに見ていただくことができました。非常にポピュラーになっている作品だと言っても良いと思うんですが、内容としてはとても野心的なものを持ってますね。
高畑勲監督というのは作品を作るときはいつも新しいものに挑戦していきます。『おもひでぽろぽろ』という作品についても、原作のマンガ自体は1960年代の思い出の部分しかなかったんです。それに大人になったタエ子というパートを完全に創作してくっつけて、それで現在のタエ子が、過去のタエ子とを行ったり来たりするというとっても複雑な構成を採用してます。
リアリズムを意識した山形弁の部分については、おそらくセルアニメーションで描かれた作品としては、現在のジブリの中で一番リアリズムを極めた作品じゃないかと思うんです。そういった意味では映画として、非常に際立った特徴を色々持っている作品ではないかと思っています。ですから、こういった作品を今回舞台にするということは、その企画自体も非常に野心的で意欲に満ちているのではないかと思います。
内容については、すべてわらび座のみなさん、スタッフキャストのみなさんにジブリとしてはお任せしております。映画は映画ですし、舞台は舞台ということで表現としては全く別のものですし、ミュージカルとして新しい『おもひでぽろぽろ』の魅力が生まれればいいなと思っております。ジブリの作品が舞台化されるというのは全く初めての経験です。ジブリとしては一観客の立場で、素晴らしい舞台ができることを心待ちにして、期待して待っていようと思います。本日はありがとうございました。

−−杜さんと朝海さんは『エリザベート』でも共演されていて、またわらび座の公演で共演されますね。お互いにどんな印象をお持ちかをお聞かせください。

朝海 杜さんは、私が音楽学校に入ったときから同じ仙台出身と言うことで本当に色々、気にかけてくださいました。私、初舞台が『ベルサイユのばら』だったんですけど、ちょうど杜さんがアンドレ役で特別出演なさっていて、お化粧を見ていただいたりした時からのご縁です。『エリザベート』でご一緒させていただけるっていう時も本当に嬉しかったんですけれども、またこうして東北のミュージカル、そして、東北のわらび座さんという劇団で私が杜さんとご一緒させていただけるっていうのは、本当に何か巡り巡って縁が、おこがましいんですけれども、繋がっているのかな?って思うような、ちょっと嬉しいんですけど、私は(笑)。そんなような風に勝手ながら思わせていただいてます。

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そんな化粧を見たなんてすっかり忘れておりました(笑)、でも宝塚ってそういうとても愛情の深い上下関係があるので、同郷ということでいつも気にしておりました。先月まで『エリザベート』で嫁姑ということで、あの、厳しくしつけてまいりましたけど(笑)、今度は、とても温かい、良い時代の、都会の家庭ですけれど素晴らしい日本の家庭の雰囲気の中で、朝海さんと『エリザベート』とは全く違う心の通い合った親子を演じられるのがとても嬉しいです。それと、わらび座さんという環境の元で、お稽古、リハーサルがあり、秋田でさせていただくんですけれども、それがとにかく楽しみで、ある意味、山ごもりして修行するぞ、みたいな心意気でいます(笑)。栗山さんに怒られたら雪のかまくらの中、二人で熱燗飲みながら、頑張っていこうね?って話を(朝海と)してるんですけど(笑)、演劇というものに、改めて向き合える期間、機会になるんだなと思って、わらび座さんに出させていただくことを、とても幸せに感じております。



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ミュージカル
『おもひでぽろぽろ』


原作◇アニメーション映画「おもひでぽろぽろ」
台本・作詞◇齋藤雅文
演出◇栗山民也
作曲◇甲斐正人
出演◇朝海ひかる 杜けあき 三重野葵 ほか

●2011/4/16〜4/29◎天王洲銀河劇場

<料金>
全席指定 8,500円(税込み)

<問い合わせ>
銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011
わらび座関東・東海事務所 048-286-8730

※東京公演のち、2011年5月8日〜2012年1月3日まで、秋田県仙北市にある「たこざわ芸術村・わらび劇場」でロングラン。その後、全国各地にて上演あり。この公演のキャストは時期と地域によって異なります。東京公演以外のお問い合わせは、わらび座公演営業部センター 0187-44-3316まで。



【取材/文 岩見那津子】

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今年もライブを開催。『朝澄けい Live vol.2 やみなべ〜 concert in MUSICASA』

朝澄画像

元宝塚歌劇団星組の男役スターで、退団後は『蜘蛛女のキス』などのミュージカル作品に出演、またシンガーとしても活動している朝澄けいが、1年ぶりのライブを開催する。
演出は宝塚時代から縁の深い荻田浩一で、昨年のライブに続いて今回も担当する。
昨年は有名ミュージカルの主題曲にチャレンジしたり、ジャズから宝塚時代の持ち歌まで幅広く聴かせてくれただけに、今回もシンガーとしての成長ぶりを見せてくれそうだ。


このライブを前に、朝澄けい本人からコメントが届いた。

 

「11月27日、代々木上原ムジカーザにて、構成・演出は荻田浩一先生、ピアノは大隅一菜さんでライブをさせていただきます。

同じメンバーでのライブ2回目ということで、今年は何が出てくるかわからない〜という意味を込めて、「やみなべ」というタイトルをつけました。

これまで挑戦したことのないジャンルの歌もいろいろ盛り込みながら、みなさまに楽し んでいただけるものをつくれるよう、ただ今奮闘中です。

会場となるムジカーザはとてもきれいなコンサートホールで、客席とステージの段差も 無いので、皆様とより近く、アットホームな雰囲気をゆったり楽しめるのではないかと、私自身とても楽しみにしています。

そんな「やみなべ」ライブ、どうぞお楽しみに、ぜひ観にいらしてください」

 

2 B5チラシ

『朝澄けい Live vol.2 やみなべ〜 concert in MUSICASA

【日時】1127日(土)
1st1330 open / 1400 start2nd1730 open / 1800 start
【会場】MUSICASA (ムジカーザ) 151-0066 東京都渋谷区西原3-33-1
【料金】 前売:¥6,000(税込)/当日:¥6,500(税込)

〈先行予約方法等、詳細〉

Liveに関するお問い合わせ】キャンディット 03-3402-8205
【チケットに関するお問い合わせ】トラックワークス 03-5786-0753(平日15001800

http://www.candid-net.jp/artist_infomation/talentDetail.php?id=9




【文/榊原和子】

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