宝塚ジャーナル

帝劇ミュージカル『ビューティフル』

『ディートリッヒ』公開舞台稽古・囲み

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『ディートリッヒ   ー生きた 愛した 永遠にー』の公開舞台稽古と、囲み取材が3月12日、青山劇場にて行われた。

世界的な女優として、また歌手として名声を誇り、祖国ドイツのナチス化に抵抗するなど反戦運動家としても活動したマレーネ・ディートリッヒ。数々の伝説に包まれた彼女の半生をオリジナル・ミュージカルにしたもの。

物語は、ディートリッヒがドイツ映画「嘆きの天使」のヒロインに抜擢されるまでや、その後のハリウッドでの映画出演、恋人となるジャン・キャバンとの出会い。
また歌手エディット・ピアフや、文豪ヘミングウェイとの親交、
そして反ナチスを掲げて歌手として戦地を慰問する姿など、マレーネ・ディートリッヒの伝説として伝わるエピソードがそのまま展開される。

ディートリッヒを演じるのは元宝塚宙組のトップスター和央ようか。ディートリッヒの親友、エディット・ピアフは宙組時代に和央の相手役だった花總まりが演じる。
宙組の一時代を築いたコンビ復活が話題を呼んでいるとともに、東京公演には、英国ロイヤル・バレエ団のゲストプリンシパル、吉田都が特別出演。
その他、共演者には鈴木綜馬、宮川浩、桜木涼介、麻尋えりか、今陽子、横内正ら実力派が揃った。

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初日前に行われた公開稽古のあと、囲み取材が和央ようか、花總まり、今陽子の三人で行われた。

ーー公演初日を迎えていかがですか?

和央 緊張してます。はい。(笑)でも、緊張しないように頑張ろうと思います。

ーー隣に花總さんが居るのは心強いですか?

和央 あまり意識はしてないですけど、でも、7年間一緒にやってきたので、心強いですね。

ーー花總さんはいかがですか?

花總 はい、そうですね。久しぶりに一緒に、一つの舞台を作れてとても嬉しいです。3年ぶりではありますが、でもコンサートとかは一緒に出させていただいてきたので、とくにすごい久しぶりって感じはあまり。

ーーお母さん役の今さんから見てお二人は?

今 あの、たかちゃん(和央)もはなちゃん(花總)も、役の上での娘はこっち(和央)が娘ですけど(笑)、楽屋裏では本当に二人とも娘で、今回孫もいますので、みんなのお母さんであり、おばあちゃんであり、優しく頑張っております(笑)。

ーー今回伝説の女優ディートリッヒを演じられるわけですが、そのことについては?

和央 もう伝説の女優さんとしか思っていなかったんですけど、とても人間味に溢れていて、平和を願っていたり、希望を持って生きていたり。ディートリッヒとして生きている時間はとても大変ですけど、幸せです。この役にとても私も共感して、強く生きようとか、勇気を貰っているので、この公演を見た方にも、私が感じた勇気を見終わった後に持って帰っていただけたら嬉しいなと思って演じてます。

ーーディートリッヒを演じるにあたって一番感銘を受けた部分は?

和央 数々の方との出会いも大切に、そして前に向ってひたすら進んで行く姿が、とても素敵だなと思います。器用ではないかもしれないけど、信念を貫いて生きている姿は、とてもハンサムウーマンだと思います。

ーー花總さんから見たディートヒッリは?

花總 今回改めて、色んな面を知ることができたので、ディートリッヒの生き方って素敵だなって、すごく憧れる生き方です。ピアフは全然違うので、その二人の女性が親交があったっていうのが、本当に面白いなぁ、と思っていて、今回皆様にもそこを見ていただきたいです。

ーー花總さんは、ディートリッヒとピアフどちらに向いていますか?

花總 えー?(笑)。

和央 (笑)。

花總 ディートリッヒは今は和央さんしか、やっぱりもう、あり得ない。すべてにおいて大きいというか、力強いというか、だから、どっちがっていうのは…(笑)。

ーーディートリッヒとピアフは友情で結ばれていますが、プライベートの二人と重なる面はありますか?

和央 そうですね。長年一緒に舞台をやってきたので、かつて相手役だったんですけど、私の意識の中では戦友みたいな感じです。まぁ、私は「メイクしなさい!」とか言いませんけど(笑)。

ーー女性役としての和央さんと共演してみていかがでしたか?

花總 本当に、違和感がなく、性別関係なしに、いつも心からのお芝居をされる方なので。今回もこういう軍服のスタイルがあったり、女性らしいスタイルがあったり、見た目は変わるけど、根本の中身は変わらないので、みなさんが思っているような違和感とかいうのは、ないです、はい(笑)。

ーー和央さんが稽古のときに女性らしくなったりとか、そういう変化は感じましたか?

花總 とくに…。

和央 …あったって言いなよ(笑)。

花總 (笑)…変わらないです、はい。

ーーファンの方は和央さんの体調が心配だと思うんですが、もう大丈夫ですか?

花總 バッチリです(笑)。

和央 (笑)バッチリです、大丈夫です。ご心配お掛けしました。

ーー体力をつけるために、みなさんで何か食べたりとか?

今 いやもうね、本当にしょっちゅう美味しいものをお稽古中も差し入れてくださるんで、私なんか今回出番少ないので、ほとんどいただいてます。すみません。(笑)みんな明るいし、とっても、元気なチームです。

ーー最後に意気込みをお願いします。

和央 本当に平和を愛して、前を向いて歩いていく彼女を見ると、男性も女性も勇気をもらえると思います。是非みなさん、見にいらしてください。

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『ディートリッヒ   ー生きた 愛した 永遠にー

●3/12〜28◎青山劇場

●4/3〜4◎梅田芸術劇場 メインホール

演出◇釜紹人

原案・訳詞・作詞竜真知子

音楽監督・作編曲◇宮崎誠

出演◇和央ようか、鈴木綜馬、花總まり、宮川浩、桜木涼介、麻尋えりか、今陽子、横内正 Special Appearance 吉田 都(東京公演のみ) 他

<料金>

青山劇場/S席¥12000 A席¥9000 B席¥6000(全席指定/税込)  
梅田芸術劇場/S席¥12000 A席¥9000 B席¥6000(全席指定/税込)

<お問合せ>

東京/サンライズプロモーション 0570-00-3337  
大阪/キョードーインフォメーション 06-7732-8888

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【取材・文/岩見那津子】

『Frank&Friends/MITSUKO〜愛は国境を越えて〜』公開稽古と囲み

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3月11日、 Bunkamuraオーチャードホールにて、
『Frank&Friends/MITSUKO〜愛は国境を越えて〜』コンサートの、初日前の囲み取材が行われた。
また、安蘭けい主演で、2011年春の上演が決まったミュージカル版『MITSUKO』の内容もその場で発表され、より注目が集まるコンサートとなった。

今回、一幕で上演されるのは、その『MITSUKO』のコンサートバージョンで、ミュージカル版の紹介的な役割も担っているが、実は過去に一度、2005年12月に、たった1日だけウィーンで上演されている。そのときは日本からは光子役で一路真輝、光子の息子のリヒャルト役で井上芳雄が参加した。

ミュージカル『MITSUKO』は、クーデンホーフ・カレルギーと明治時代に国際結婚し、オーストリア=ハンガリー帝国に渡った光子・クーデンホーフがモデルで、彼女の生涯を、リヒャルトが語り手となり伝えていくもの。

そのドラマを踏まえての芝居的な側面のあるコンサートで、初演に引き続き、構成・演出を宝塚歌劇団の小池修一郎が、音楽を『ジキル&ハイド』や『THE SCARLET PIMPERNEL』などで、有名なフランク・ワイルドホーンが手掛けている。

光子を演じるのは『AIDA』、ファーストコンサート『UNO』と、宝塚退団後、一歩一歩着実に舞台経験を重ねている安蘭けい。
光子の夫となるハインリッヒ・クーデンホーフ=カレルギーには、ウィーン版『エリザベート』のトートとして、日本でも人気の高いマテ・カマラス。
息子のリヒャルトは、井上芳雄、田代万里生、ルカス・ぺルマンが期間ごとに演じて、さらに公演日時や出番が限られるが、鹿賀丈史、マルシア、笹本玲奈などがゲストとして登場する。

二幕は『Frank Wildhorn's Song book』というタイトルで、ワイルドホーンの珠玉の名曲を歌い継ぐコンサート。ここではワイルドホーン自身がピアノ演奏を担当するなど、一幕と二幕、どちらもレベルの高いアーティストを揃えた豪華な布陣である。

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その公開舞台稽古のあとに、囲み取材が、演出の小池修一郎、音楽のフランク・ワイルドホーン、安蘭けいの三人の出席で行われた。

 

【一問一答】

ーー初日を迎えましたが、今の気持ちはいかがですか?

安蘭 本当にドキドキしています。こういう形式のコンサートが初めてなので。『MITSUKO』というミュージカルをコンサートという形にしているので、台詞がなくても、心と歌を繋げておかなくちゃいけない。結構、私自身の課題が多いのに稽古時間が少なかったので、今はすごく初日の幕が開くのにドキドキしてます。

ーー実在した人の話ですが、生き様など演じていてどう感じられましたか?

安蘭 日本女性の強さというものをとても感じました。自分の知らない海外に一人で行って、しかもそれは、愛する人がいて、その人に添い遂げるため。いろんな困難を乗り越える彼女の強さは素晴らしいと思いますし、やっぱり同じ女性として、とても憧れるし、強さを持った女性だな、と思います。

ーー憧れの女性ですか?

安蘭 憧れています。はい、今はまだ(笑)。

ーー今回の公演について、小池さんはいかがですか?

小池 いやもう、大変豪華なキャスト、そして、フランク自身がピアノを弾いてくれて、一気に、なかなかあり得ないことが起きてしまい、大変光栄に思います。とてもとても嬉しく思っております。

ーー安蘭さんの光子にどのような印象をお持ちですか?

小池 彼女が演じると、すごくね、受身の日本女性っていうよりも、ちゃんと時代の中でいろんな困難に立ち向かっていった女性という印象を強く持ちます。とても頼もしいなと思って見ています。

ーーワイルドホーンさんとタッグを組んだことについては。

小池 フランクさんは豊かで、たいへん大きな、叙情性のある、すごくドラマチックな曲を作られます。そして大らかな方で、こういうコンサートをやると、いろいろな国からいろいろな人が来て、いろんな言語が飛び交って、ガチャガチャするところがあるんですけど、慌てず、焦らず、ゆっくりと構えて、きちっと実現させてくださる。そういう意味での力強さというのをすごく感じています。本当に頼もしく思ってます。

ーーワイルドホーンさんは音楽を手掛けられていかがですか?

ワイルドホーン すごく興奮しています。この何年かの間、私の音楽を日本の観客のみなさんに届けることができていますが、このような親密な形で音楽を発表することはなかったので、これだけの、美しく、素晴らしいみなさんと舞台を共にできるのは、今までになく光栄です。みなさんが想像されるより、ずっと楽しい思いをしています!

ーー2011年春に上演する『MITSUKO』はどんな舞台になりそうですか?

小池 まだ今は筋の説明をナレーションを入れてやっていますので、それをちゃんとドラマとして見せなければいけないというところですね。光子や、息子の“EUの父”と言われてますリヒャルトは、やっぱり年配の方のほうがノスタルジーがあって、最近は忘れられ気味だったんですが、近年再評価が始まっています。グローバル化といいながら、それが上手く形になっていない今の時代に、光子やハインリッヒの精神、愛、それを受け継いだ息子の強い意志。そこに一番、私は日本人として感動したので、そこをまずお客様にも伝えていけたらと思っています。

安蘭 そうですね、先ほどと重なってしまうかもしれませんが、やはり海外に行って、日本人一人のところで、7人の子供を連れて、生きていく。生きていくために光子は、色んな知識とか、色んな術を身に付けていく。ハインリッヒさんと巡り会って愛し合った幸せな時と、亡くなった後の違い。女性として興味深いところなので、そこを見せていきたいです。

ーーワイルドホーンさんは、『MITSUKO』のどのような部分に魅力を感じますか?

ワイルドホーン 物語が持つテーマが非常に好きなんですね。私が仕事をしていく上で重要な哲学は、「愛と同様、音楽には国境がない」ということで、一人の女性が、国境、あるいは、あらゆる境界線を越えるということ、そして、その境界線を境とする二つの文化を結びつけたということは、音楽を書く上で非常に興味深い分野でした。
小池さんから、伝えるべき物語をいただくごとに、自然と音楽が溢れ出てきたという感じですね。安蘭さんの声のために音楽をあて書きするというのは、素晴らしいことです。
ドイツ語で上演されたり、日本語で上演されたりしますが、旅なんですよ。
私もその旅を辿ることで、得る事が増えてきて、わかっていく。歌ってくださる声と知り合うごとに、より刺激を受けて、新しい曲を書きたくなってくる、ということが起きます。
国自体が移民で出来上がっているアメリカから私は来ていますから、やはり日本のみなさんに曲を書くというのは、私にとっても、すごく意味があります。

ーーコンサートバージョン、そしてミュージカルと段階的に変わっていくことについては?

小池 コンサートバージョンはウィーン版、日本版と基本的には変わっていません。コンサートは、歌を、ナレーションというか、回想で綴っていくスタイルで、具体的なお芝居というのをしているわけでないので、ミュージカルにするにあたって、今後はそれをもっと立体的に、お芝居としてちゃんと見えるようにしていかないといけない。相当構成は変わると思います。

ワイルドホーン 小池さんがおっしゃったとおりです(笑)。非常に小池さんは、映画的なんです。音楽が、歌詞で歌われるようにもできているし、芝居のBGMのように使うことによって作品の世界観を表すようにもなっている。組んだ第一作目になる、『NEVER SAY GOOD BYE』(06年宙組)の時も、音楽を映像的に使ってくださっていて、それが非常に好きな手法だったんです。映像的な部分が広がるとともに、私も物語の世界の理解が深まって、またどんどん広がっていくんじゃないかと思います。小池さんとのコラボレーションは非常に興味深い、旅であり、冒険なんです。それぞれの背景などが違う二人なんですが、素晴らしい物語を伝えたいという思いが共通してあります。

ーー安蘭さんをキャスティングした理由は?

小池 宝塚を退団して、歌唱力、それと演技力、両方合わせて女性の一生を余すところなく演じる、一番適した存在じゃないかと思っております。

ーー安蘭さんは今回、光子役をやるにあたって、初演で光子を演じた一路真輝さんに相談したりはしましたか?

安蘭 具体的な相談はしてはいないんですが、歌稽古のときにお会いして、一路さんも大変だったということを教えていただいて「頑張ってね」と声をかけていただきました。

ーー先輩がやってた役というのは、やりやすい、やりにくい、どちらですか?

安蘭 やりやすいとか、やりにくいとかは別にないです。でもやっぱり一路さんがされた役だし、一路さんと比べられると私も困っちゃうんですけど(笑)、比べられないように、私なりの光子を作りたいなと思っています。

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『Frank&Friends/MITSUKO〜愛は国境を越えて〜』

構成・演出◇小池修一郎

音楽・演奏◇フランク・ワイルドホーン

出演◇安蘭けい、マテ・カマラス、井上芳雄、田代万里生、他/鹿賀丈史、マルシア、笹本玲奈

●3/11〜14◎Bunkamura オーチャードホール

●3/18〜21◎梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉

S席¥12000  A席¥9000 B席¥4000(全席指定/税込)

〈問合せ〉

東京/キョードー東京 03-3498-6666

大阪/梅田芸術劇場 06-9377-3800

http://www.umegei.com/

 【 取材・文/岩見那津子 】

 

彩吹真央 サヨナラショー

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宝塚歌劇団雪組の男役2番手として人気の彩吹真央が、『ソルフェリーノの夜明け〜アンリー・デュナンの生涯〜』『Calnevale(カルネヴァーレ)睡夢』公演の千秋楽となった3月8日に、宝塚大劇場に別れを告げた。

雪組トップスターである水夏希も、9月退団をこのほど発表したばかりだが、水に先駆けるように、彩吹は一足早くこの4月で退団していくことになった。これまでトップスター以外にはサヨナラショーが行われることは少ないだけに、今回の彩吹の退団を惜しむ声の多さがうかがえる。

本公演のあとに付け加えられるサヨナラショーは約20分弱。同時に退団する未来優希、神麗華、大月さゆの見せ場も用意されて、短い時間とは思えないほど中身の詰まった公演となった。

まず、本公演のショーが終わったあと、幕の前に出てきた組長・飛鳥裕から彩吹真央の紹介があり、「宝塚に16年間在籍し、水夏希が雪組のトップに就任してから互いに支え合い、雪組を引っ張ってきた彩吹真央の、宝塚の卒業公演でございます。水とともに築いた雪組の歴史の1ページを、どうぞご覧ください」という言葉でスタート。


ayabuki02幕が開くと、大階段のセンターにエンジ色のタキシード姿の彩吹が立っている。「足跡のない道」を柔らかな声で歌いはじめる。昨年の『RIO DE VRAVO!』のフィナーレナンバーだ。そのまま銀橋に出て移動しながら、続けて08年の傑作『カラマーゾフの兄弟』から「雪解けに咲くマリンカのように」をソロで歌う。イワンの迫力ある演技、大月さゆが扮したカテリーナへの愛が甦る。


その大月が大階段に白いドレス姿の登場、2人が主演した07年ドラマシティ公演『シルバー・ローズ・クロニクル』から「ラブソング」をデュエットダンス。リフトも美しく決まり、大きな拍手が起きる。思い出のナンバーを踊り終えた2人は笑顔でせり下がっていった。

続いて未来優希が登場して、『Joyful!!』から「Joyful!!」を音神を引き連れて歌う。03年の朝海ひかるお披露目、07年の中日劇場での水夏希プレお披露目、その年の全国ツアーと、未来が見守ってきた雪組を象徴するような曲である。
雪組生たちは娘役もパンツスタイル、みんなでパワフルにダンスとコーラスで盛り上げる。神麗華はセンターで切れのいい踊りを見せている。銀橋で楽しげに歌う未来には大きな拍手が送られる。

場面が一転すると上手から水が登場、茶にストライプのスーツといえば『マリポーサの花』のネロ。下手からはブルーのスーツの彩吹エスコバルが出て来る。懐かしい曲は、水と白羽ゆりのデュエットした「マリポーサの花」。
男役同士の振りにアレンジされたものを2人は楽しそうに踊る。やがて彩吹エスコバルが銀橋で自分のペンダントを取って水ネロに渡すと、そのまま走り去るネロ、という劇中の名場面そのままのシーンが展開される。残されたエスコバルが歌うのはもちろん「生きて何を」。歌詞がまさに今の彩吹の思いと重なるかのようで、ひときわ胸に迫る。しみじみと歌い終えた彩吹に拍手が止まらない。ayabuki06

ラストナンバーは『ソロモンの指輪』、祝祭の場面で歌われた「風の葬列」である。雪組の歌手たちとコーラスの中で、大月と神が晴れ晴れとした顔で踊り、未来が朗々と歌う。白のスパンコールに着替えた彩吹が、未来と競演するかのように歌い上げる。歌い手2人ならではの贅沢な時間が流れる。水も登場して未来と踊り、彩吹と踊る。最後は彩吹を囲んで全員の大合唱のうちに幕となった。

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幕が降りると飛鳥組長が再び退団者のプロフィールを紹介。しっかりもので可愛い大月さゆ、ダンスのうまい神麗華。未来は副組長という立場で自身の不在時をフォローしてくれただけでなく、組子にとって友達のようでもあり、母親のような存在だったことへの感謝の念を表す。

いよいよ最後の幕が上がる。男役は白エンビ、娘役は白いシンプルなドレスで並んでいる。大階段を名前を呼ばれた退団者が順番に、黒紋付きに緑の袴姿で降りてくる。


大月さゆへの花は、麻樹ゆめみと同期の沙月愛奈。
神麗華へは、愛原実花と同期の舞咲りんから。
未来優希へは、組からの花を音月桂、同期の花は水。
彩吹真央には、組からの花は水、同期の花は月組の新トップに就任したばかりの霧矢大夢が持って出てきた。爽やかに笑顔を交わす2人。スキャン0022

「皆様から愛をいただきました」と大月、「今、最高に幸せです!」と神。未来の挨拶は「ついにこの日がきてしまいました。自分で決断したことですが、こうして大階段を降りてくるとやはり寂しい気持ちですが、それを上回る充実感と清々しさがあることも事実です。17年間の宝塚生活は本当に幸せでした。大好きな雪組のみんなに見守られて卒業できる私は本当に幸せです。本当にありがとうございました」と、こみ上げるものを押さえるかのようにきりっと挨拶した。ayabuki076

彩吹の挨拶は「宝塚は私の人生そのものでした。今日、この宝塚大劇場に別れを告げますが、劇場に宿る愛に見守られ、育てられ、支えられた16年間、本当にありがとうございました。雪組のみんなに巡り会えて幸せでした。私の夢はまだまだ続きます」と、力強く前へ進む決意を口にした。

ayabuki11パレードの歌は「さよなら宝塚」、カーテンコールは4回。最後はカーテン前に出て水が4人との思い出を語る。「ゆみこさん、ありがとう!」「ゆみこさん、愛してる」などの声が飛び、立ち去り難いファンたちの思いに応えるように、彩吹はすみずみまで客席を見回している。何回かの挨拶の中で「今日の楽屋入りのときに、生まれてきて今日が一番幸せと言いましたが、さらに輪をかけて、今がいちばん幸せです」と言った彩吹。その清々しい別れの笑顔に、客席からの拍手はいつまでもいつまでも鳴り止まなかった。

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この『ソルフェリーノの夜明け』『Calnevale 睡夢』の、東京宝塚劇場での公演(3/26〜4/25)が、彩吹真央にとって本当のファイナルとなる。

【文/榊原和子 撮影/野住智恵子】

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『サイド・ショウ』制作発表とライブvol.2

【スペシャルライブ】

平成22年2月22日、トニー賞にノミネートされた傑作ミュージカル『サイド・ショウ』の制作発表が行われたが、その日の夕方から同じ草月ホールでメインキャストたちによるライブも行われた。そのライブをレポートする。

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【2人は離れない】

「早くこのミュージカルを聴きたい!観たい!」そんな思いをかき立てられるライブだった。

この素晴らしい楽曲がストーリーの流れに乗り、さらにそれぞれの役の感情がプラスされたら一体どうなるのか? この日に披露されたのは9曲だったけれど、それでも十分に作品への期待を高めてくれた。
ライブの出演者は、貴城けい、樹里咲穂、下村尊則、大澄賢也、伊礼彼方の5人(岡幸二郎は都合で欠席)。そのほかにアンサンブルのメンバーが男女合わせて6人という構成である。

会見と同じ紫のドレスで現れた貴城と樹里は、このライブ中でもつねに2人一緒、歌もソロナンバーやデュエットナンバーを素晴らしい歌唱力で聴かせる。
合間のトークでも、さすが宝塚歌劇団出身者同士だけに、絶妙なコンビぶりを発揮して、くっついた姉妹のデイジーとヴァイオレットを演じる準備はバッチリ!といった雰囲気だ。

司会はフジテレビの笠井信輔アナウンサー、貴城や樹里だけでなくメンバーをよく知っている演劇通だけに、ツボを心得たスムースな司会で進行する。

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ライブは、まず最初にボスの大澄が「Come Look at the Freaks(この奇形を見てみろ)」を、見世物小屋の怪しい雰囲気たっぷりに歌い上げてスタートした。

続いて貴城と樹里が、テリーに見出された姉妹が自分たちについて歌う美しいバラード「Like Everyone Else」

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ジェイクの岡のリズミカルなナンバーで、岡の代わりにアンサンブルが歌う「The Devil You Know」

貴城と樹里が、恋に落ちた姉妹の心の中を切なく歌う「We Share Everything」

テリーの下村は豊かな声量を生かしてデイジーへの愛をドラマティックに「Private Conversation」

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バディが結婚について姉妹と歌う弾むような楽しげな曲を、伊礼がアンサンブルとともに「One Plus One Equals Three」

ジェイクが君は愛されるべきだと語りかけるナンバーで、岡の代わりにアンサンブルが歌う「You Should Be Loved」

ソウル風な曲調で公演では姉妹とバディ、テリーが歌う曲を、下村がアンサンブルとともに「Tunnel of Love」

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そして最後に、貴城けいと樹里咲穂が「私は絶対あなたのもとを去らない」と歌うメインテーマ「I Will Never Leave You」

ノリの良い明るい曲や、しっとりと聞かせるバラード、魅力的な楽曲ばかりの中で、やはり姉妹の歌う「I Will Never Leave You」はとくに美しく、心に響いてくる。

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作曲は『ドリームガールズ』を手掛けたヘンリー・クリーガーだけあって、どれもさすがという楽曲ばかり。このほかにもゴスペルからロックまでバリエーション豊かで聴き応えのある、名曲揃いの『サイド・ショウ』。
今回のライブはそのほんの一部、それでも音楽とテーマの素晴らしさはダイレクトに伝わってきて、この優れたミュージカル『サイド・ショウ』に対する興味と期待が一気に高まった。

 

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『サイド・ショウ』

脚本・作詞◇ビル・ラッセル

作曲◇ヘンリ−・クリーガー

演出◇板垣恭一

出演◇貴城けい 樹里咲穂 下村尊則 大澄賢也 伊礼彼方 岡幸二郎 他

●4/7〜4/18◎東京芸術劇場 中ホール

〈料金〉

【平日】S席¥10,000、A席¥8,000

【土日】S席¥11,500、A席¥9,500(全席指定・税込)

〈問合せ〉オフィス・ミヤモト 03-3312-3526(平日11時〜18時)


【取材・文/岩見那津子】
 
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