宝塚ジャーナル

えんぶ最新号

2枚目のアルバムと9月のサントリーホール 春野寿美礼インタビュー

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【ショパンとサンドの愛の旅を】

宝塚を卒業して3年、歌い手として、ミュージカル女優として活躍する春野寿美礼が、7月28日に2枚目のアルバムをリリースした。

昨年発売された1stアルバム「男と女  Un homme et une femme」では、タイトル曲の「男と女」や『エリザベート』の「最後のダンス」といったおなじみの楽曲から、主演したばかりのミュージカル『マルグリット』のナンバーまで男声と女声を歌い分け、セルジュ・ゲンズブールの「Je T'aime Moi…non plus」では1人で男声と女声のデュエットを聞かせるなど、歌手としての実力を堪能させてくれた。

今回の2ndアルバム「Chopin et Sandー男と女ー」は、タイトルにあるように、フレデリック・ショパンと彼を愛した フランスの女流作家ジョルジュ・サンドの、有名な恋のドラマからインスパイアされた物語。今年で生誕200周年を迎えたショパンの名曲を3曲、そしてシューマンとマーラーが各1曲というセレクトになっている。

そのアルバムの話と9月にあるコンサートについて、春野寿美礼に話を聞いた。

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【2人の辿った愛の道】

ーータイトルが「ショパンとサンド」で、1stアルバムに続いて春野さんのテーマである「男と女」に光を当てたものになってますね。

前回とのいちばん大きな違いは、女性と男性というふうには歌い分けていないんです。ショパンとサンドという男と女の恋の心情を歌ったものになっています。

ーー音楽監督が羽毛田丈史さん、作詞が菅野こうめいさんというメンバーも1stと一緒で。

そうなんです。9月のコンサートでもお世話になるかたたちなんですが、2ndを作るにあたっていろいろなアイデアを出してくださって、その中でショパンの生誕200年に合わせて、私の「男と女」というコンセプトを組み込みながら選曲してくださいました。

ーーいろいろなドラマが5曲の中で展開されていますが、5つの曲を全部聞き終えると1つの宇宙がある気がします。

そうですね。ちょうど1つ1つのが短編小説になっているというか、オムニバスであると同時に1編の愛の物語になっていると思います。

ーーそれぞれの曲について、歌い方など具体的なイメージの指示などあったのですか?

具体的なイメージの指示はなくて、逆に私の感じたイメージを大事に歌おうと思って自分なりに解釈して歌っています。こうめいさんの詩にいつも感じることは、ロマンティックで繊細で、同時にダイナミックでもあってすごく素敵だなと思っています。

 

【熱い空気の中での「バルセロナ」】

ーーまず「メモワール」ですが、原曲はショパンの「幻想即興曲」で、高音がすごく繊細で、女性的な声という気がしたのですが。

声の出し方はそんなに意識してなくて、羽毛田さんがキー合わせで、どの“調”が私の声が一番よく響くか,そのことを大切に考えてくださってるので、自分の出しやすい声で歌っているだけなんです。「メモワール」は一応パリのショパンとサンドで、そこで過ごした日々のことを思って歌ってます。そこからショパンの故郷のポーランドに行って「 さよならのエチュード」、「情熱のバルセロナ」は2人の情熱の日々で、マヨルカを舞台にしたのが「夢から醒めて」、そして「FINALE」は愛への感謝の気持ちを歌っています。

ーーまさに2人の愛の旅路をそのままたどったものなんですね。それぞれの楽曲への取り組みはたいへんでしたか?

「バルセロナ」が最初の吹き込みだったんですが、私がスタジオに入った時、バンドネオンの小松亮太さんはすでに録り終えてて、小松さんの奥様がバイオリンとマンドリンを演奏されていたんですが、スタジオの中がものすごく白熱した状態になっていたんです。なんの気なしに入って行ったものですから、その空気の中で「私、このあと歌うのよね」と(笑)。でもあれこれ考えているより、とにかくぶつかっていくしかないなという気持ちで歌ったんです。

ーーすごく迫力あるし激しくて素敵な歌唱になっています。原曲は「夜想曲第20番」で、映画の『戦場のピアニスト』などで有名な曲ですが、全然違う色合いで歌われていました。

小松亮太さんってバンドネオンでは世界でも一流のかたで、アルゼンチンタンゴについては譲れないというポリシーを持っていらっしゃるかただから、最初から私の経験とかでは太刀打ちできないので、感じた感覚を素直にぶつけるしかなくて、マイクの前で「とにかくこの情熱を歌おう!」みたいな感じで(笑)、気合いだけは入ってます。

ーーそれと対照的にしみじみと柔らかなバラードになっているのが「さよならのエチュード」で「別れの曲」が原曲ですね。

これはクラシックギターと私の歌だけで、間奏にピアノが入ってるんですが、クラシックギター1本だけのとぎすまされた音と空間の中で、一体化した感じで歌えました。歌詞もすごく素朴なんです。「追憶のバルセロナ」とまるで反対のシンプルなものを目指して、ギターの音色に心情をのせていく。そういう感じでした。

 

【ただ合わせればいいんだよ】

ーー同じくすごくポピュラーな、シューマンの「トロイメライ」をアレンジした「夢から醒めて」。これは松谷卓さんのピアノと共演していますが、眠れない夜に幻想のなかで安らぐみたいな、癒しの感覚があります。

自分でも思ったより出来上がりがいいので嬉しいんです。この曲をアレンジしてくださったのはピアニストの松谷卓さんで、テレビ番組のテーマ「劇的ビフォアーアフター」で有名な方ですが、このアレンジを初めて聞いたときも「あの音色だ」って思ったくらい独自のスタイルを持ってる方です。
松谷さんは「トロイメライ」が大好きでいろいろなかたとコラポをしてらっしゃるんですが、歌とのコラボは初めてだそうで、お互いに最初はちょっと意識しすぎてしまってうまくいかなかったんです。そんなとき、羽毛田さんが「ただ合わせればいいんだよ」とポンと言ってくださって、その一言で救われたというか、「なんだ合わせればいいのか」とラクになれました。

ーー松谷さんはまだ30歳とすごく若いのに有名なアーティストですね。

若いのに感じが柔らかくて、こちらの今回のコンセプトを理解してくださって近づいてくださって。やはり一流の方ならではのすごさを思い知らされました。



【マーラーの心地よさの秘密】

ーーそして最後の「FINALE」はマーラーの「アダージェット」からですが、交響曲ならではの壮大なスケールで、まさに曲の包容力に包まれる感じです。

最初、このメロディで私は何を表現できるんだろうと思ったんです。だいたいマーラーは楽曲自体がすごく長いので羽毛田さんがどこを今回選ぶのか、そして作詞のこうめいさんはどんな歌詞を付けられてくるのだろうかと思っていました。

ーーこの楽曲も映画の『ヴェニスに死す』などでおなじみですし、マーラーはドラマティックなイメージが強いのですが、意外とヒーリング系に仕上がってますね。

そこが実はマーラーのすごさで、演奏はオーケストラなんですがメロディは意外とシンプルで、そのメロディと伴奏のバランスに、マーラーならではの、他の作曲家にないような微妙な“調”があるのを感じました。「このメロディで来たらこうなるはずなのに、なんでそうなるの?」と思うような音になる。そこがマーラーの天才である理由らしくて、羽毛田さんに言わせると「絶対にあり得ない“調”なんだけど、それを聞くと人が落ち着く」ものだそうです。

ーー音符的には不自然でも人間の生理としては心地よいみたいなことですか?

そうそう。不協和音だったりするんだけどそこにたどり着くと自然の流れに感じるというような。自分の歌の音符だけのときは不思議な音階だなと思いましたし、これをどう表現したらいいのかと思っていたんですけど、レコーディングでオケと合わせたとき「ああ、こうなるんだ」と。本当にその場で乗れてうまく歌えてしまったのでびっくりしたくらいです

ーーマーラーの交響曲ならではの魔力ですね。でもそういうチャレンジができる春野さんの声も表現力もすごいですね。

いえ、まわりの方たちの力です。アレンジした羽毛田さんにはきっと最初から私の声も含めてこうなるというのがわかっていたのだと思います。私自身も出来上がりを実際に聞いたときは、こういうふうになるんだという感動がありました。

 

【サントリーホールに挑戦】

ーークラシックをいろいろな表現で歌ったという点では、このアルバムは大きな成果になりましたね。

クラシックをこんなに違う形で表現していいのか、またちゃんと完成度を出せるかなど、心配な部分もあったんですけど、関わってくださったアーティストのかたたちと、「男と女」というコンセプトのおかげで、ちょっと新しい感覚でクラシックを聞いていただけるものになったかなと思ってます。

ーーそのテーマの「男と女」ですが、春野さん自身の中でこのコンセプトに何か変化がありましたか?

私自身は女性としてずっと生きてきましたし、これからも女性として成長していきたいと思っているんです。その成長の過程で、自分が宝塚の男役出身ということで、そういう歌い方や表現も出来るので、うまく取り込みりながら女性としての自分の表現をさらに成長させていければいいなと思ってます、でも、これまで身につけたものも私の一部ですけど、大事なのは「今」であり、またさらに変化していく自分なので、それを自分でも楽しみにしているんです。

ーー「男と女」のさまざまな面を、いろいろな形で追求していただきたいです。そして9月にはサントリーホールでコンサートがありますが。

クラシックのコンサートホールとして有名なところですから、ちょっと緊張します。歌う曲はクラシックとはいってもポップス寄りになっている部分もあるので、いつもそこで聞いていらっしゃるクラシックファンの方達に、どう受け入れられていただけるか。でもショパンとかマーラーをそのままを歌うことは私の歌にはならないと思うので、なんとかアルバムに入ってるような表現で歌ってみたいと思っています。

ーーあくまで「春野寿美礼のクラシック」ということですね。

プロデューサーが羽毛田さんですから、新鮮な感覚でクラシックファンの方も納得できるような、これも面白いなと思ってもらえるようなコンサートにしてくださると思いますので、それを信じて。いろいろなかたに「春野寿美礼の世界」を知っていただくつもりでチャレンジします。

ーー退団してから3年、歌の世界への興味は尽きないようですね?

そうですね。まだまだ踏み出したばかりですが、「春野の歌」というのはなんとなく見えてきました。新しい分野に初挑戦したアルバムで自分でも初めて気づいた声というのもありますし、さらにジャンルや表現が広げていければいいなと思います。このコンサートも、自分の可能性を探るためにも、たくさんの方に春野寿美礼という存在を知っていただくにもいいチャンスだと思いますし、1人でも多くのお客様を魅了できればと思っています。

 

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春野寿美礼2ndアルバム 「Chopin et Sandー男と女ー」

7/28エピック・レコードよりリリース ESCL-6495/¥2520(税込)

1. メモワール-Memoirs of Paris-(ショパン「幻想即興曲」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
2. さよならのエチュード(ショパン「別れの曲」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
3. 追憶のバルセロナ(ショパン「夜想曲第20番」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:小松亮太
4. 夢から醒めて(シューマン「トロイメライ」) 作詞:菅野こうめい/編曲:松谷卓
5. FINALE(マーラー「アダージェット」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
6. 交響曲 第5番嬰ハ短調 より 第4楽章「アダージェット」
7. トロイメライ
8. 夜想曲 第20番嬰ハ短調「遺作」
9. 練習曲 第3番ホ長調op.10-3「別れの曲」
10. 幻想即興曲 嬰ハ短調op.66
(1〜5 /歌・春野寿美礼  6〜10/インストゥルメンタル)

 

コンサート『春野寿美礼meets image オーケストラ』

音楽監督◇羽毛田丈史
出演◇春野寿美礼、オーケストラ image 、羽毛田丈史
ゲスト小松亮太(20日、23日)、松谷卓(21日)

●9/20〜21◎東京 サントリーホール大ホール
●9/23◎大阪 梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉
東京/S席¥11000 A席¥10000
大阪/¥11000 A席¥6000

〈問合せ〉
東京/キョードー東京  03-3498-9999
大阪/梅田芸術劇場  06-6377-3800

 

【取材・文/榊原和子】

雪組東京公演が開幕。水夏希が最後の初日会見。

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雪組東京公演が8月13日に初日を迎えた。

この公演は2007年からトップスターとして、さまざまな作品で主演をつとめ雪組を率いてきた人気スター、水夏希のサヨナラ公演になる。またその相手役として昨年6月トップ娘役に就任した愛原実花も、同じくこの公演で退団することになった。

公演はミュージカル『ロジェ』と、ショー『ロック・オン!』の2本立て。正塚晴彦作・演出の『ロジェ』は、フランスとブエノスアイレスを舞台に、第二次世界大戦直後に見知らぬ侵入者に家族を殺された男が、復讐に命を燃やす物語。また三木章雄演出のショー『ロック・オン!』は、「揺さぶり続ける」と「追いかける」という2つの意味をかけたタイトル通り、幕開きから息もつかせぬ迫力のステージとなっている。

『ロジェ』も『ロック・オン!』も、男役の美学を追究してきた水夏希ならではの魅力をフル展開して見せる作品で、芝居ではスーツや革ジャンなどでダンディにシャープに決め、ショーはロッカー姿からエレガントでミステリアスな月の王、黒エンビでの端正なロックまで、多彩なイメージで観客を惹きつける。ショーの中の「Show Time」は、ブルースとラテンの2バージョンがあって観るまでわからないサプライズ場面になっていたり、客席降りや拍手での観客参加シーンもあるなど、これまでさまざまな形で観客とコミニュケートしてきた水率いる雪組らしい趣向がいっぱいだ。

初日の午前中からいつにも増して気合いの入った通し稽古が行なわれ、そのあとロビーに水夏希が登場、取材陣の質問にこたえた。
まずは水夏希から挨拶がある。

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「本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございました。1カ月は、あっという間でしょうが、だからこそ、楽しんで、地に足をつけてがんばってまいりたいと思います。千秋楽まで、まだまだ新しいことに挑戦して、新しい、見たこともない雪組をご覧いただきたいと思いますので、よろしくお願いします」

続いて一問一答が行なわれる。

ーー宝塚大劇場サヨナラをされて、改めて東京公演に挑む意気込みを。

最後のお稽古でも楽屋出でも、皆さんにたくさんの拍手やいろんなことをおっしゃっていただいたり、いろいろ実感することはあるんですけれども、でも舞台を作る過程というのは変わらず、大劇場から東京に向けて、お芝居もショーもブラッシュアップできるように稽古してまいりましたので。いつもと同じように、最大限、精いっぱい、その日の、今まで生きてきた最高の舞台を毎日更新していきたいと思います。

ーー寂しさとか切なさとか、そういうのはないですか?_MG_5311

そうですねー? あ、でもお稽古場最後はやけに泣きました。自分でもなんでこんなに泣いているのか、寂しいのか、なぜ涙が出るのかわからなかったんですけど、でも、やっぱり寂しい思いがあったんだなという自分に気づいたり。あとはお芝居の最後に、未沙のえるさんのバシュレっていう役が「闘いは終わったんだ。これからは生きていく。それだけだ」ってセリフがあって、それをいつも着替えてしまって聞けていないのですが、お稽古場でそれを聞いたときに「あー、そうだ。闘いが終わることに、安心、そこに安堵する涙かもしれない」というふうに、ちょっと思いました。

ーー2作とも当て書きと言われてますが、1カ月演じてロジェの変化や、ショーでの改めての発見や見どころなどは?

そうですねー、お芝居のほうは、24年間復讐を誓って、それだけに生きてきた男という感覚が、最初のころはすごくつかみにくくて。前回の正塚晴彦先生の『マリポーサの花』のような、使命感に燃えている人物のほうがだんぜんやりやすかったんですが、毎日お芝居していくうちに、舞台上で、緒月遠麻演じるシュミットに出会ったときに、うわっと鳥肌が立つ感じとか、いろんな、お芝居の中の台本に書かれていないことが、どんどん湧いて、増えてくることが沢山ありまして、そういう意味ではやはり千秋楽に向けて、悲しみとか、いろんな苦しみ、後悔とか、やるせない思いとか、いろんな感情が含まれるようになりました。東京に向けては、さらにその、悲しみ、苦しみ、逃れられない現実とか、そういうちょっと負の部分を、“頑張って普通にしようとこらえているが、しかし、こらえきれない、表に表情に出てしまっている”、そこまで感情表現できたらいなと思ってます。
ショーに関しては、最初は与えられたことを精一杯やるので夢中だったんですけど、だんだん中日から楽にかけて、本当にその場の空気とか、その日のお客様とのキャッチボールですとか、客席のほうも日々、拍手や歓声も熱くなってきましたので、それにやはり力をいただきまして。東京でも舞台上でいかに自由になるかってことを、千秋楽まで楽しみにしていきたいと思います。

ーー娘役トップの愛原さんと、退団についてなにか話したりはあるんですか?

「退団だといって甘やかさないよ」みたいな言葉を、百万回ぐらいかけてました(笑)。まだまだ、いろんなことを日々ダメ出しをして、ここはこうだからこうしようとか話をして、変わらないですね。いや、やめるからといって「もういいよ、楽しくやろう」というわけにはいかない(笑)。そういう気持ちで取り組んでいます。

ーー先月、お父様の訃報がありましたが、その時近くにいていかがでした?

あの、私たちはまったくわからなかったぐらい、真摯に舞台に向き合ってました。本当に、あとから聞いて、偉かったなと思いました。

_MG_5276ーーこれでもかというくらい男役らしい場面が多いのですが、水さん自身がやってらして「男役だな」と実感するところや見どころを。

えー、これぞ男役? …黒燕尾姿ですかねやっぱり。でもそれに限らず、どこもかしこも男役として歩いている自分に、はたと気づくことがあり…もう二度と、二度とやらないのかと思うと、寂しいのかとやっぱり自分に問いかけてみるのですが、いや、いいんです。今だからこそやめるのが。惜しまれるときがちょうどいいのではないでしょうか。

ーー9月12日のことはまだ考えられませんか?

千秋楽のことですか? いえ、いつも考えています。考えてますいつも。宝塚での千秋楽は、思いのほか冷静に迎えることができまして。千秋楽の前の日の前楽にもサヨナラショーはあるんですけど、そのときに公演があって、みんな「今日はサヨナラショーだ!」って気合が入ってて、力が入っていて、よくなかったなと自分的に反省してましたので、千秋楽こそは落ち着いて、冷静に迎えようと思ってました。思いのほか冷静に迎えることができましたので、やはり感極まってしまうと、いつもと違うことになってしまったり、やはり「やりきった感」に欠けてしまうのではないかと思いますので、いつも通り冷静に。
なんか大劇場の千秋楽を終えて思ったことは、最後の日がどうだったかという…なんていうか、“死に様”ではなくて、“生き様”、生き方が大切なんだということをすごく感じましたので。千秋楽の日はどうであれ、それまで悔いのないように、1日1日を大事に生きていきたいなと思っています。

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最後に「1カ月間よろしくお願いいたします」と会見を終え、最後の初日を迎えるために楽屋に戻っていく水夏希の背中に、報道陣から熱い拍手が送られた。
いつも通り、笑いを交えた明るさと前向きな姿勢の水だったが、やはりサヨナラ公演という特別な時の中にいる人ならではの、どこか触れ難いようなオーラも漂わせていて、語る言葉も1つ1つが重みと実感を伴って聞くものの心に突き刺さってくる。最後には報道陣もしんと静まり返ってその言葉に聞き入った水
の会見だった。

 

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雪組東京宝塚劇場公演

『ロジェ』

『ロック・オン!』

8/13〜9/12◎東京宝塚劇場

〈問合せ〉 東京宝塚劇場 03・5251・200


【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

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ヘミングウェイの名作画再び! 宙組公演『誰がために鐘は鳴る』製作発表

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10日、宙組公演『誰がために鐘は鳴る』の製作発表が行われた。原作はアーネスト・ヘミングウェイによる長編小説で、1943年にはゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマンの主演によって映画化。また宝塚では1978年に星組、鳳蘭と遥くららのトップコンビが上演して好評を博した。今回の再演は柴田侑宏が脚本・演出をつとめた初演を元に、木村信司が現代に合わせた新演出を加えていく形となる。

制作発表は、寺田瀧雄作曲による「幸せの鐘の鳴る日」を大空祐飛が歌うパフォーマンスから始まり、2曲目は大空と相手役の野々すみ花のデュエットで長谷川雅大作曲の「胸の高鳴り」が披露された。

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白いシャツに皮のジャケット、ブーツといういでたちの大空は格好よく、野々は髪型はショートカットでパンツスタイルで登場。映画や初演のイメージに近づけている。
物語は、国際義勇兵に志願し内乱中のスペインに赴くアメリカの大学講師、ロバート・ジョーダン(大空祐飛)。任務のために訪れた山中のゲリラの拠点で戦争で傷ついた娘マリア(野々すみ花)に出会う。極限での4日間の中で生まれる恋。トップコンビとしても、また新たな魅力を発掘していく作品となりそうだ。

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【挨拶】

木村信司 今回、アーネスト・ヘミングウェイの傑作を、柴田先生の脚本で演出することができて、とても嬉しく思っております。ご存じの通り、主人公のロバート・ジョーダンは最後、ゲリラを逃がして、とりわけ、愛したマリアを逃がして死んでしまうのですが、それは悲劇でも悲恋でもなく、その先が重要で、死んでしまっても思いが繋がっていく、生きてきた証になっていく。そういう人間の絆が、この作品の一番の特質ではないかと、今、演出家として思っております。
最初に曲を聴いていただきましたが、1曲目は初演でも演奏されました曲で、2曲目の方は新曲になります。また演出の美術的なことに関しては、初演から変えていこうと思っています。もっとスペインを感じられるような演出ができたらいいなと思っています。力を尽くして頑張りたいと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いします。

大空祐飛 鳳蘭さんと遥くららさんの初演を私もビデオで拝見いたしまして、本当に素晴らしい作品だと思いました。この素晴らしい作品、素晴らしい役に挑ませていただけるという幸せと共に、緊張で実際に私の胸も高鳴っております(笑)。私が感じたこの感動をより一人でも多くのお客様にお伝えできるように、柴田先生の脚本と木村先生の新しい演出で、また私たちなりに、新しい役作りをしていきたいと思いますが、どう役を作るかは今はあまり考えておりません。
素直に台本に入り込めるような、そんな素晴らしさをもった作品だと思いますので、ゲリラとして山にこもる4日間をどれだけ充実して生きられるか。そういうところに重点を置いて、私なりの役作りをしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

野々すみ花 初めてこの作品を見たとき、マリアという人物は純粋s_RIMG1820で汚れのない、清い心の持ち主だと感じました。その女性に私自身もとても魅力を感じ、憧れた女性だったので、今回、このような役に挑戦させていただけることを本当に心から幸せに思っております。
私自身としましては、みなさま今ご覧の通り、白いブラウスにパンツスタイルで、そして短く刈上げられたこの髪の毛初めて鏡で自分の姿を見たときに少し恥ずかしくなってしまいましたが、それは今まで娘役として綺麗なお衣装であったり、髪の毛であったり、色々な外見で取り繕っていた部分が多かったからだと痛感いたしました。今回は飾る部分が外見ではなにもないので、飾らない心で、穏やかな心で、ロバートを愛し続けたいと思います。よろしくお願いいたします。

【質疑応答】

ーートップお披露目公演の「カサブランカ」に続き、今回も大変有名な映画の舞台版で、しかも宝塚の名作の再演となりますが、その辺の意気込みをお願いします。

大空 私はビデオで初演を見た時に、最初にマリアが飛び出てくるシーンでもうなぜか号泣してしまったんですね(笑)。作品の中に、ものすごく純粋なものが流れているなと思って。当時の宝塚で、娘役さんがあの姿で出てくるのは衝撃的だったと思いますね。でも、その新しさというものは、きっと今でも感じられるのではないかと思っています。
あと映画を見たときは、最後ロバートが立ち向かうシーンで号泣してしまったんですが、とにかく人間の心の中みたいなものが全て勝負になってくる作品だと思いました。
あまりプレッシャーや、前作のことを考えずに、まずは真っ直ぐに役と作品と向き合って、真っ白な状態から挑みたいと今は本当にそんな気持ちしかないんですけれどs_RIMG1814

野々 私も、大空さんが今おっしゃった通りのことを思いまして、本当にみなさまによく知られている作品で、プレッシャーはありますけれども、それ以上にこの作品に挑戦させていただけることを、幸せに感じて無心に取り組みたいと思っております。

ーー木村先生にお伺いします。スペイン内戦の話ですし、戦闘場面も多くなると思うのですが、そこから宝塚の華やかさや、ミュージカル部分をどのように出そうと思っていらっしゃいますか?またフィナーレの有無は?

木村 フィナーレはあります(笑)! フィナーレはきちんとつけようと思っております。是非華やかにしようと。それから、先ほどスペインを感じられる舞台にしたいと言いましたが、岩場が舞台になってくるんですが、日本人の感覚ですと、岩はグレーじゃないですか。でも、スペインはやはり乾いているイメージがありますので、暖かい白であるとか、グリーンそういう岩の色が展開される中で、演出していけたらいいかなと思っています。それと今、主演二人の真っ直ぐに、真っ白にという話を聞いていて余計に思ったんですが、そういう演技が、できるだけストレートな形で伝わるような舞台にしていけたらいいなと思います。
衣装に関しては、きちんとある種のリアリティを追求してく。リアリティを追求していけばいくほど、かえってファンタジーが生まれてくるんじゃないか、スペインにみなさんをお連れすることができるんじゃないか、ということを、今考えてます。

ーー木村先生から見た大空さんと、野々さん、お二人の魅力やお二人に対する期待をお聞かせください。

木村 祐飛の中にはある種の憂いがあると思うんですが、それが戦s_RIMG1808場に来たロバート・ジョーダンとして考えると、色気として舞台に現れてくれるんじゃないかなと。祐飛の憂いのある色気で全体まで覆っていけると良いかなと思っています。
野々に関しては、今、真っ直ぐにということがありましたけれど、台詞を一つ一つ負っていくと、マリアという役から性格のパワフルさを感じるんです。先に先に、前へと生きていくパワフルさを感じるので、そういうところを演じてもらえたらいいかなと思ってます。

ーー先ほど「胸の高鳴り」という新曲を披露されましたが、どのくらい新曲が増えるんでしょうか?

木村 昔の名曲は数多く使っていきたいと思っています。その上で、台詞から感情が高まってそれが歌になる、これがミュージカルなんだと僕はつくづく思いますので、そういう形で台詞から歌に繋がっていくことが増えるのではないかと思っています。

ーー全体としてはどのように演出されるのですが?

木村 80人生徒がいますので、ゲリラとして芝居に絡んでいくというだけではなくて、これは元の構成からあったんですけど、素の芝居をしていた後で幻想の方にぐっと入っていく。明るい場面もありますし、楽しい昔の回想もありますから、そういうところで大きく舞台を使って生徒を動かして行けたらいいかなと思っています。s_RIMG1769

ーーちょうどコンビを組まれて1年になりますが、実際舞台に立って、演技をされて、改めて発見したお互いの素敵なところを教えてください。

大空 じゃあ、野々さんからどうぞ(笑)。

野々 はい。去年の8月の博多座公演のお披露目から1年が経ちましたが、本当に私にとっては、濃く、充実した1年でした。公演を毎日務める中で大空さんから色んなことを教えていただき、勉強させていただきました。大空さんは常に全力で舞台に賭けられていて、その思いは私自身、お隣に立たせていただいて、本当に強く感じまして、さらに宙組全体を大きな心で見渡していらっしゃる、大空さんの広い心に私は本当に毎日助けて、支えていただいております。感謝しております。

大空 本当に初めて一緒に仕事をした時は全て新鮮ですし、ただただ毎日楽しく一緒にやっていたという感じでした。1年間じっくり一緒に仕事をしてみて、さらに彼女の魅力であったりだとか、私のまだ知らない部分っていうのもたくさん見せてくれましたし、常に舞台の上で刺激をくれる、お互いを高めあえるパートナーだと、再認識しております。
私が男役として、宝塚でやってきたこと、自分のやりたい演技の方向性、表現の方向性というものを感じ取って一緒にやってくれる相手と言うのは今、野々しかいないと思うので、そういう最高のパートナーに出会えたことをとても嬉しく思っていますけれど、まだまだ、ここからお互い高めあって、もっともっと素晴らしいものをお見せできるように、二人で頑張っていきたいと思っております。
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ミュージカル
『誰ために鐘は鳴る』
原作◇アーネスト・ヘミングウェイ
脚色◇柴田侑宏
演出◇木村信司
出演◇大空祐飛、野々すみ花、蘭寿とむ、他宙組

●11/12〜12/13◎宝塚大劇場
●2011/1/1〜1/30◎東京宝塚劇場
問合せ 
宝塚大劇場/宝塚歌劇インフォメーションセンター  0570-00-5100
東京宝塚劇場/劇場 03-5251-2001 


【取材・文/岩見那津子】 

水夏希が宝塚大劇場に別れを。サヨナラ会見より

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7月26日に宝塚大劇場に別れを告げた雪組トップスター、水夏希のサヨナラ会見の模様を報告する。

この日、『ロジェ』と『ロック・オン!』の公演と約30分の『水夏希サヨナラショー』を終えた水夏希は、大階段を降りたときの黒燕尾姿で爽やかに記者団の前に姿を現した。

まず水のほうから挨拶がある。
水「皆様、本日はお忙しい中、またお暑いなか足をお運びいただきましてありがとうございます。
今回のサヨナラ公演、初日が開く前は、本当に自分の体力、精神力が持つのだろうかと、こんなに不安な初日を迎えたことはなかったのですけれども、日を追うごとに皆様の熱い拍手と熱気に支えていただきまして、そして出演者の、何も語らないんですけど、みんなが周りから温かい目ですごく応援してくれているのを感じて、全ての皆様の思いを支えに、今日無事に千秋楽を迎えることができましたことを本当に感謝しております。
先ほどの公演中もいろいろありましたけど、広い広い大劇場が今日は何やら狭く感じました。いろんなことがありました宝塚生活でしたけれども、異色に思えることも珍しいことも大変なこともわがままを言わせていただき、やりたいことを全てやらせていただきました。本当に、1ミリたりとも悔いはございません。また9月12日の千秋楽までよろしくお願い致します」

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ーーさっきいろいろあったというのは?

水 ちょっと考えごとしてましたら、フットライトという足元のライトで足をすべらせまして(笑)、おっと!みたいなこととか。あとライトをいつもより全部つけてくださいましたので、明るくてわけがわからなくなり右も左もわからず(笑)、まったく違う振りになってしまったりですね(笑)。昨日、前楽があるのでみんなすごく気合いが入って、若干早口になったりしてるので、平常心でやらなくてはという、そう思う気持ちがすでに平常心ではなかったんですが(笑)。今日は意外と、そういうことは何も考えずに力を抜いてスタートできたはずなのに、どこかで何か萎縮していたのかなと…小さいなと思いながらも、まあそれもいいかなと思う大きさも備わったかなと(笑)。

ーーサヨナラショーのプログラムは自分で選ばれたのですか?コンセプトは?

水 コンセプト!? コンセプトは、やはり思い出に残る作品で、いろいろな組も回りましたけれども、最後は雪組公演、雪組主演として卒業いたしますので、雪組の主演となってからの作品を中心に、あと『ロミオとジュリエット‘99』は思い出の作品ですし、そこから皆さんにたくさんの力を与えていただくきっかけになった作品ですので。

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ーー他の退団者を考えた演出もいくつかあったようですが、それは三木先生と?

水 そうです。本当に三木先生にはサヨナラショーもそうですが、今回のショーですごく話を聞いていただきまして、本当にやりたいことを全部詰め込んでやらせていただきました。

ーー黒燕尾で大階段を降りましたね。サヨナラショーもモノクロでしたが。

水 サヨナラショーのモノクロは偶然で、衣装が並んでるのを見て、自分でもびっくりしました。いつのまにか自宅のクローゼットも若干、モノクロ系になっているので、自分の男役としてのいちばん落ち着く色がそのへんなのかなと思っているんですけど。最後の大階段は、黒燕尾で降りたかたを初めて見たときに、最後はタカラジェンヌとしてというよりも、男役水夏希として、黒燕尾で降りたいという夢を抱いておりました。ので、最後の最後にまた1つ夢が叶いました。

ーーそのスターは?

水 それがちゃんと覚えてなくて、すみません(笑)。

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ーーぐっときたところは?

水 この一週間くらい前から、それまでは毎日わりとお芝居の最後ですとか、ショーの黒燕尾がぐっときてる場面だったんですけど…、この一週間、最後の最後をやはり感極まって台なしにしたくなかったので、わりと冷静に過ごしておりましたので。今日、公演の中で、そうですね、一番ぐっときたのは、やはり黒燕尾の最後ですね。あと最初のプロローグのあとの、ストップしたところもぐっときました。昔、『ショー・ストッパー』というショーに出演したことがありまして。ショーが止まってしまうほど拍手を浴びる人のことだと、演出の先生がおっしゃっていたことが忘れられなくて。ショー・ストッパーになれました、皆さんのおかげで。じんとしました。

ーー宝塚大劇場は自分の家のようだと言っていたその思いを。

水 下級生の頃はほんとに広くて広くて、怖くて。その劇場に慣れ親しむために、ほんとに少しでも長い時間劇場にいようと、花道でウォーミングアップしたり、舞台の真ん中に立ってみたり、また2階の客席のてっぺんから舞台を観たらどういうふうに見えるのだろうとか、色んな角度から舞台を眺めてきましたけれど…。ほんとうに今は、皆様の温かいお気持ちもあり、どこにいても自分が気を使うことなく過ごす事ができる、その当たり前の場所になって、毎日当たり前に過ごす空間になってきました。

ーーその頃から客席参加型を目指していたのでしょうか?

水 そうですね…でも具体的に言葉にしてイメージいたわけではないのですけれど、やはり1階のいちばん端とか2階の一番後ろとか、そこに座ってくださるお客様がどんな角度から舞台を観てくださっているのかは興味があったし、意識しながらきました。

ーー雪組のチームワーク作りの秘訣と。

水 秘訣なんてないんですけど…もし今の雪組が、私が主演になってから、また一段と力強く1つにまとまったと言っていただけるのであれば、1人ひとり学年関係なく、対人間として、舞台を作る一員として、向き合ってきたことではないかなと思います。主演が1人が輝くのではなく、1人ひとりが輝くからなおかつ主演が輝く。また周りの皆さんが輝いて主演が沈むようであればそれは私の責任で、なおかつそれに負けない輝きを見せないといけないという、自分に対するプレッシャーでもありましたので、皆が頑張ってくれることが自分が頑張るエネルギーの源だったことかなと思います。

ーー最後のダメ出しを。

水 最後のダメ出しですか(笑)。昨日も「ちょっちょっと」と帰り際に下級生つかまえて鏡前で、「ここの踊りはねー」とかやってたんですが。まだ最後じゃないので、まだまだ東京公演でも公演中も千秋楽もきっと言ってると思いますので(笑)。まあ…組子の皆さんだけでなく宝塚を卒業するものとして、宝塚を本当に好きでいてほしいなと。「今夢中になっていることは何ですか」という質問に対して「宝塚です」と答えられる生徒であってほしいなと思います。

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このあと手形が公開され、7月30日の花組公演初日より「プチミュージアム」で飾られることが、劇団側より説明される。その撮影中の談話は以下の通り。

ーー来年の9月12日は何をしてますか?

水 えー来年? 9月12日のことも想像できないのに(笑)。

ーー13日以降は何をしたいですか。

水 予定を決めない生活をしたいです。

ーーブルーのペンライトの眺めは?

水 ああー、すごく綺麗でした。青い草原みたいな。

ーー今日、涙はなかったですね。

水 ちょっとぐっときたときはありました。

ーーカーテンコールとかですね。泣くまいと?

水 はい、泣くまいと心に決めていました。なぜなら本当に今回の公演がすごくハードで、体力的にもぎりぎりの、かなりしんどいお芝居、ショーなので、本当に自信がなくて毎日不安で。今日、一段落してしまうと本当に1カ月東京公演ができるのか、ちょっとすごく心配なんですよね。なので宝塚大劇場はホームグラウンドなんですが、宝塚の生徒としては9月12日をやはり最後の日と決めて。

ーーその日は?

水 いやー、感無量というか。何を思うか想像もつかないんですけど、その日までちょっとだけ我慢しようと心に決めていました。

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最後に記者団に、「本当にありがとうございました」と挨拶して、大きな拍手で会見場を後にして行った水夏希。終始笑顔で気丈さを感じさせる答えが多かったが、それだけにその心の中がかえって伝わってくるような会見だった。

東京公演は8月13日が初日、9月12日が千秋楽となる。

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【取材・文/榊原和子】

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