宝塚ジャーナル

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瀬奈じゅんラストディ VOL.2

 

【挨拶】

いよいよ最後のときが迫る。越乃リュウ組長が幕前で、各退団者の経歴と、別れのメッセージを伝えていく。
やがて幕があがる。退団者たちが、最後の大階段を降りて、それぞれ万感の思いを込めて、さよならの挨拶をする。

麗百愛「5年間あっという間で、毎日楽しくて、毎日充実していて、幸せいっぱいでした。たくさんの方と出会い、たくさんの事を経験させていただいた宝塚に感謝の気持ちでいっぱいです。今まで私を支え、応援してくださった皆様に、心より感謝の気持ちを込めて、本当にありがとうございました」

羽桜しずく「憧れていた宝塚、その宝塚の舞台に、今こうして立っていることがまるで夢のようです。もし私が宝塚に出会っていなかったら、こんなに素晴らしい仲間に、大切な同期に、温かいファンの皆様に出会っていなかったら、こんなに幸せな思いは抱かなかったと思います。羽桜しずくを愛してくださいました全ての皆様に、心からの感謝の気持ちを込めて、本当にありがとうございました」

麻月れんか「月組の麻月れんかです、こう名乗ることも今日が最後となりました。今伝えたいのはただ感謝の気持ち、ただそれだけです。この瞬間を迎え、私はやっと自分自身を誇りに思うことができました。不器用でしたが、なによりも舞台に立つ事を大切にしてきた自分自身を誇りに思います。出会い、応援してくださった全ての皆様に、本当にありがとうございました」

城咲あい「この10年間、ひたすら前だけを見て歩んでまいりました。その道のりは決して平坦な道ばかりではありませんでした。目をそらしそうになったこともありました。でも私のそばにはいつもたくさんの方がいてくださいました。手を差し伸べてくれた人、苦しいときともに乗り越えてくれた人、一緒に来てくれた人、皆様がいてくださらなかったら、今、私はこんなにも幸せな気持ちで卒業していくことはできなかったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。今日ここまで闘い抜いてきたことは私の誇りであり、大好きな皆様に出会えたことが私の一生の宝物です。今日まで城咲あいを導いて育ててくださった全てに皆様に、感謝の気持ちを込めて、10年間本当にありがとうございました」

音姫すなお「宝塚の世界に憧れて、この世界に飛び込み、夢中になって走ってまいりました。舞台人としてだけでなく、1人の人間として、たくさんのことを経験し、感じ、学ぶ事ができました。悲しいこともつらい事も、全てが贅沢で幸せでした。最高の仲間と、今まで支えてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいでございます。今まで出会った全てに皆様に、心から、ありがとうございました」

遼河はるひ「今日、宝塚を卒業するというゴールを迎え、今までの道のりを振り返り、今、感謝すべきことは、1人では決してここまで来る事ができなかったということです。どんなときも近くに優しく手を差し伸べてくれる仲間がいました。客席からもたくさんの愛で応援してくださるファンの皆様が、私を応援し続けてくださいました。14年間、多くの方々に支えられて、今、幸せすぎるほどのこの時、この瞬間は、私のなかで忘れる事のない大切な心の中の宝物になりました。この幸せと希望を胸に、新たなスタート台に立ちたいと思います。最後に、皆様14年間、本当にありがとうございました」

そして、越乃リュウ組長の合図で「セーの、あさこさーん」、「はい」と瀬奈じゅんが降りて来る。宝塚大劇場と同じ黒エンビ、宝塚の男役の正装である。
同期からの花は、昼に自身の公演の終えたばかりの貴城けいが駆けつけて、白い薔薇の花束を渡す。なにやら耳元にささやくと瀬奈に笑顔が浮かぶ。組からの花は後継の霧矢大夢から渡される。

瀬奈じゅん「今、月組のひとりひとりが持てる力を出し切って、千秋楽の公演を終えられましたことをたいへん嬉しく思っています。宝塚歌劇団月組、瀬奈じゅんとして、皆様に別れを告げるこの瞬間が、こんなにも愛しく、清々しく、充実した思いに溢れていることに、最高の幸せを感じています。瀬奈じゅんとして生きたこの宝塚の舞台は、そのために命をかけられるくらいのところであり、仲間との汗と涙の戦場であり、同じくらい感動を得られる場所でした。お客様やファンの皆様は眼差しと拍手で私を支え続けてくださいました。願い、努力し続ければ、なりたい姿になれると、新たな自分になれると、教えてくれました。さまざまな役、場面をいただき演じてまいりましたが、宝塚歌劇団の男役こそ、私がもっとも演じたい役でもありました。自分を信じ、ここまで駆け抜けることが出来ましたのも、こうして今まで出会った全ての皆様がいてくださったからです。新しい場所で新たな自分と出会えますように、この瞬間を勇気に変えて、愛する宝塚を退団します。心からの深い深い愛を込めて、18年間、本当にありがとうございました」

最後の曲は「すみれの花咲く頃」で、出演者は銀橋をパレード。カーテンコールでは遼河はるひのジャンプもあったり、「霧矢大夢率いる月組をよろしく」という言葉もあったり、一本締めという瀬奈じゅんの提案で盛り上がるなど、涙は少なく明るいさよならの光景である。果てしなく続くかと思われるカーテンコールも7回、最後には上手から瀬奈じゅんが1人で登場してファンとの別れを惜しんだ。

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瀬奈じゅんラストディ VOL.1

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【月組公演 千秋楽】

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12月27日、月組トップスター瀬奈じゅんがとうとう宝塚を飛び立っていった。
ショーの中で歌われた「エル・ビエント」のように、風となって見送る者の心を熱く揺らしていった。

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宝塚最後となった公演は、正塚晴彦作・演出のミュージカル・ロマン『ラストプレイ〜祈りのように〜』と、三木章雄演出のショー『Heat on Beat!』。
芝居では、天才ピアニストのアリステアに扮して、ピアノが弾けなくなった青年のナイーブな心理やそこから立ち上がる成長を、繊細な芝居心で演じ、一方のショーでは、ダンサーとしての持てる力をさまざまな振付けで発揮してみせた。とくに瀬奈のディナー・ショーでの思い出の曲「エル・ビエント」や、次々に装飾を剥ぎ取っていった果ての裸足のソロダンス、また、宝塚のスタンダードである黒エンビ姿での大階段ダンスと、瀬奈へのオマージュがたっぷりと込められた2作品だった。

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千秋楽には、この公演のあとに、瀬奈じゅんと退団者たちの思い出の曲やシーンで構成された『瀬奈じゅん サヨナラショー』(構成/三木章雄)が上演された。

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【サヨナラショー・ルポ】

まず赤い衣装で瀬奈じゅんが銀橋に登場して「すべての愛を」(コンサート『SENA!』より)を歌う。一気に客席が盛り上がる。続いて『REVUE OF DREAMS』から同名の主題歌を月組のたくさんのメンバーたちとともに歌い踊る。瀬奈のお披露目公演のショーだった。DSCF1438
それが終わると彩乃かなみの声で額田王女の歌が響く。当たり役大海人皇子になりきったかのように瀬奈が歌う『あかねさす紫の花』の「紫に匂う花」。そのままオウスの心で歌う「MAHOROBA』の『我が心のまほろば」も切ない。背後では音姫すなお、城咲あい、麗百愛が優雅に踊る。
場面ががらりと変わって、まず羽桜しずくが銀橋に登場。博多座でヒロインをつとめた『ME AND MY GIRL』から「あごで受け止めて」を可憐に力強く歌う。そのあとをタイトル曲を明るく歌いながら音姫すなおと麻月れんかが銀橋を渡って行く。3人に客席から温かな拍手を送られる。
再び瀬奈じゅんの場面になる。今度は『Apasionado!』から瀬奈と霧矢の人気場面「Il Bacio」。セリが上がると白いラテン姿の2人で情熱的で息の合ったダンスを見せる。そのまま銀橋にやってきた瀬奈の曲は、花組時代の『VIVA!』から「Loaded」、伝説のラテンラバーになりきって客を挑発し湧かせる。バックで月組メンバーも踊り、賑やかに盛り上がる。

DSCF1439そのあとは遼河はるひの出番で、静かに歌い上げる「GLITTER」はディナーショーの曲。客席がしみじみしたところに本舞台奥のほうに瀬奈が登場、イントロから胸が迫るようなメロディは「黒い鷲」。この名曲は『SAUDADE』のなかで、歌手瀬奈じゅんを改めて認識させてくれた曲だった。詩的でシュールな歌詞が愁いを含んだ瀬奈の声で、ひときわ胸に突き刺さってくる。その周囲では月組の精鋭メンバーがドラティックに踊っている。
いったん幕が閉まると、銀橋で城咲あいが元気よく「新しい日々」を歌う。ヒロインで当たり役だった『オクラホマ!』の主題歌だ。続いて登場した霧矢大夢が黒エンビ姿で端正に聞かせるのは『A-"R"ex』の主題歌、「昨日まで僕の背中には翼があった」。DSCF1445

そして、白い三つ揃いのスーツで登場した瀬奈が、『グレート・ギャツビー』から「朝日の昇る前に」を歌い上げる。あのギャッビーが甦るひとときに客席は静まり返る。だがギャッビーから一転して、陽気なビルに変身した瀬奈がリードして始まる曲は『ME AND MY GIRL』から「ランベス・ウォーク」。なんと瀬奈まで客席降りして全員で歌い踊る賑やかさ。
そして、みんなに見守られて歌う最後の曲は「奇跡」。月組に組替えの直前に、月組生と繰り広げた思い出のコンサート『SENA!』で歌った忘れられない曲である。
「どんなにせつなくても、必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは、あなた独人じゃない」という、このリフレインは、この日限りで別れを告げる「宝塚の男役・瀬奈じゅん」への励ましであり、同時に瀬奈の男役を愛した人たちへの、励ましの言葉そのものにも聞こえてきた。そんな温かな空間のなかで、瀬奈じゅんサヨナラショーは幕を閉じた。

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写真提供:宝塚歌劇団
 

『暗くなるまで待って』

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オードリー・ヘプバーンの名演技で知られる映画の舞台化である。心理サスペンスの面白さを生かした室内劇の構造で、ヒロインが盲目というハンディを超えて悪漢たちと立ち向かうプロセスが魅力の人気戯曲で、ここ10年の間にも、三田佳子、安寿ミラ、彩輝なおといった女優たちによって上演されている。
今回の主役は朝海ひかる。このあと『ローマの休日』も控えている朝海にとっては、オードリー・ヘプバーンのイメージを意識せざる得ない舞台だったと思うが、中性的で硬質なオードリーのイメージを裏切らずに、独自のヒロインを作り上げてみせた。

場面はヒロインの留守宅に悪漢たちが集まるところから始まる。
事故で失明したスージーと結婚したサム(山口馬木也)はカメラマンで、空港で1人の女性から麻薬を隠した人形をそれと知らずに預けられる。だが、いつのまにかその人形は見当たらなくなってしまう。
サムが人形を隠したと疑う3人の男たちは、彼の留守に家にやってきて、スージーが盲目であることを利用して罠をしかけ、なんとか人形のありかを聞き出そうとする。
サムの友人のふりをするマイク(葛山信吾)、刑事と偽るクローカー(窪塚俊介)、サムを妻の浮気相手と言いがかりをつける男とその父になりすますロート(加藤雅也)。だが盲人ならではの聴覚と鋭い勘でそのことに気づいたスージーは、近所の少女グローリア(伊藤有沙)に助けを求め、サムが戻ってくるまで3人と闘う意志を固める。

タイトルにあるように、「暗くなればフィフティフィフティで闘えるはず」と思いつくスージーの頭脳戦略とその闘いぶりが、まず大きな見どころだ。同時に、それまで事故で光を失ったことに苛立ちを覚え、盲目である自分に反発さえ抱いていたスージーが、悪漢たちと闘い抜いたことで、自身の現実を受け入れて成長していく姿も描き出されている。
その内面のドラマには、並行して近所の少女グローリアとの関係の変化も描かれていて、2人がこの危機をともに闘うなかで、互いを必要とし存在価値を認め合う姿はまさに感動的で、この作品が持つ奥深さを感じさせてくれる。

_MG_0829スージーの朝海ひかるは、女優としてミュージカルには数多く出演してきたが、今回はストレートプレイに初挑戦。盲目であるいたいけさと悪漢たちに闘いを仕掛ける芯の強さを矛盾なく見せる。転倒する場面が何度もあったり、アクションがあったりと、普通のストレートプレイよりもハードな動きが多い舞台だが、身体感覚に優れているだけに、それらの見せ場をリアルに見せられるのは朝海の強みだろう。

スージーの夫サムには山口馬木也。愛情深く妻を見守り、なんとか自立をさせようとする優しさを全身で感じさせる。
悪漢のなかでも人間としてスージーと向き合い、彼女を傷つけまいとするマイクは葛山信吾。悪である自分への葛藤や苦悩が見える役作りだ。
テンションの高さとキレやすさでチンピラ風な悪を見せるクローカーの窪塚俊介は、個性の強さでいいスパイス役。
もっとも手強い悪漢のロート役には加藤雅也。人を殺すことを愉しむ人間の不気味さと怖さを前面に押し出して、 パラノイア的な恐さで迫ってくる。このロートとスージーの闘いが後半のクライマックスで、上背のある加藤が華奢な朝海に迫る構図だけで、手に汗を握らせる見どころになっている。


日常感いっぱいの普通の家にあるさまざまな家具や小物、たとえば照明や窓のブラインド、洗濯機や冷蔵庫、電話や花瓶などが大きな意味を持ってくる面白さ。また、そこで繰り広げられる恐怖に満ちた死闘。ワンシチュエーションの舞台劇ということを生かした優れた戯曲であることを、改めて感じさせてくれる舞台だ。そして、すさまじい闘いを終えたスージーと、その彼女を「スージーは1人で歩けるのよ」と誇り高く自慢する少女グローリア、その2人の姿にひときわ胸が熱くなる作品である。

 

 

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『暗くなるまで待って』

作◇フレデリック・ノット

演出◇板垣恭一

音楽◇NAOTO

出演◇朝海ひかる、葛山信吾、窪塚俊介、山口馬木也、加藤雅也 他

●09/12/20〜29◎東京グローブ座

●10/1/9◎名鉄ホール

●10/1/11◎イズミティ 大ホール

〈料金〉

東京グローブ座 S席¥8500/A席¥6300(全席指定/税込)

名鉄ホール ¥8500(全席指定/税込)

イズミティ A席¥6500/B席¥6000(前売券 全席指定/税込)、A席¥7000/B席¥6500(当日券 全席指定/税込)

〈問合せ〉
東京グローブ座/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜19:00)   

名鉄ホール/中京テレビ・事業部 052-971-2500(月〜金 9:30〜17:30)

イズミティ/(財)仙台市市民文化事業団 総務課企画調整係  022-727-1875(平日9:30〜17:00)

               
【文/榊原和子】

安蘭けいファーストコンサート『UNO』

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安蘭けいが宝塚を退団して初めてのコンサート『UNO』が、12月16日、東京国際フォーラムCホールで幕を開けた。
退団後は女優として、The Musical 『AIDA アイーダ』を成功させた安蘭だが、このコンサートではこれまでの彼女の軌跡を感じさせるとともに、これからの方向性も探る試みが盛り込まれ、シンガーとしての安蘭けいをアピールする内容となった。
その観劇レビューの前に、安蘭からこのコンサートへの抱負をもらったので、まずそちらを紹介しよう。

002「初のソロコンサートで宝塚時代には叶わなかったことを、退団して一年経たないうちにできることを大変嬉しく思います。
宝塚時代から応援してくださっているファンの方には特に喜んでいただけるショーになっていると思います。男役の”安蘭けい”を懐かしんだり、新しい”安蘭けい”を発見して頂いたりして、今の”安蘭けい”を一緒に感じて頂ければと思います。  安蘭けい」








構成は二部仕立て。8つの場面があり、第1部が「プロローグ」「私の好きな歌」「タイムレス・ヒロインズ」「ア・ラ・スパニッシュ」、第2部が「宝塚の歌」「スタンドアップ」「『RENT』へのオマージュ」「フィナーレ」。曲目は宝塚時代のものから、シャンソン、ラテン、ミュージカル・ナンバー、このコンサートのタイトル曲まで幅広く、聴きごたえのある構成だ。

Overtureからまず心が躍る。007
「ひとかけらの勇気」から「花吹雪恋吹雪」、そこから「エル・アルコン-鷹-」に続き、また「ひとかけらの勇気」に戻るという「宝塚の安蘭けい」が詰まったOverture。安蘭自身はまだ登場していないにも関わらず、オーケストラの演奏だけでも期待は高まる。存分に期待が高まったところで、安蘭が登場。1曲目の「The Rose」をしっとりと、しかし力強く歌い上げる。懐かしいバウの『ICARUS』以来の彼女のテーマだ。



アンコールを含めて全28曲。コーラスの女性3人やダンサーの男性6人の曲も何曲かあるものの、衣装替えの時以外は、ほぼ安蘭は出ずっぱり。

008宝塚退団後、初のコンサートということもあるが、やはり一番印象に残ったのは「最後のダンス」(エリザベート)だろう。この一曲を聞いただけでも、安蘭けいのトートが目の前に浮かび上がってくる。絶対の自信を持っていそうで圧倒的かつ高圧的でもある存在感たっぷりの、だがその裏に繊細さや強い孤独を感じさせるトート。歌声だけでも惹きつけられ、想像が広がった。
全編を通して、衣装と歌が一番調和がとれていたのも、この『最後のダンス』だった(ポニーテールに、黒いパンツ、変わり燕尾のような独特なデザインの黒いコート)。安蘭の歌声やパフォーマンスは十分楽しめただけに、曲の持つ雰囲気に衣装やヘアメイクが、やや合っていないように感じられる場面があったのがもったいない。もちろん今は、そういう部分も含めてチャレンジの時期なのだろうし、意欲は高く評価したいと思う。005







白のスーツに白のソフト帽、男役姿の安蘭が見られたと思ったら、次の場面ではミニスカートやドレスを着て再び登場する。その振り幅の広さも見どころの一つ。
歌声も男役的な低音から、女らしい高音を聴かせるところまで、音域が広い。ラテンは宝塚時代からの得意ジャンルだったし、シャンソンは芝居心のある安蘭らしく表情たっぷりに歌ってみせる。その表情もキュートだったり、男前だったりと、相変わらず表現が豊かだ。選曲にしろ衣装にしろ、男役から女優へという変化の過程にある安蘭けいの、“今”だからこその魅力が随所で光っている。

009シングルCDとして発売された「DREAMER」を、優しく歌いながら客席降りをする場面や、観客スタンディングの場面があるのは、コンサートならでは。「とうこ先生」の指導のもと、観客も出演者と同じ振りを踊るという場面もあって、このあたりでは、安蘭のトークも同時に楽しめてしまう。歌声で酔わせ、トークでは素の気さくな持ち味で盛り上げる。そんなところも安蘭けいならではの魅力だろう。


最後はやはりこの曲、「ひとかけらの勇気」。公演中はちょうどクリスマスシーズンとあって、クリスマスカラーのドレスに身を包んだ安蘭けいが歌い上げる様子は、生きるエネルギーを伝えてくる。
宝塚時代の思い出や懐かしさに浸りつつ、これからの彼女の夢に、ともに思いを重ねたひととき。「歌で心を届けていきたい」という安蘭の気持ちが、ダイレクトに伝わるファーストコンサートだった。



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安蘭けいファーストコンサート『UNO』
『UNO』 

●12/16〜20◎東京国際フォーラムC 

●12/23〜25◎梅田芸術劇場メインホール
演出◇三木章雄(宝塚歌劇団)

出演◇ 安蘭けい 

<料金>
国際フォーラムC S席11000/A席7000(全席指定/税込)

梅田芸術劇場メインホール S席10000/A席7000/B席4000/(全席指定/税込)

<チケットに関するお問い合わせ>

梅田芸術劇場 06-6377-3800

                    http://www.umegei.com

 

【文/岩見那津子 構成/榊原和子 撮影/岩村美佳】


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