宝塚ジャーナル

えんぶ4月号

『カーテンズ 』制作発表(9月24日)

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【東山紀之がミュージカルおたくの探偵に】

ブロードウェイ・ミュージカル『カーテンズ』日本版の制作発表が、24日昼、日比谷のホテルで開催された。

『シカゴ』『キャバレー』などでおなじみのブロードウェイを代表する作曲家ジョン・カンダーと、彼と名コンビを組んでいた作詞家、故フレッド・エッブによる2人の最後の共同作品がこの『カーテンズ』。2007年のトニー賞では8部門にノミネートされ、主演男優のデビッド・ハイド・スピアーズが最優秀主演男優賞を受賞している?。

物語の背景はボストンのコロニアル劇場、そこで起きた主演女優殺人事件の捜査と舞台のリハーサルが同時進行するという、ミュージカルファンにはたまらないシチュエーションで、ラブロマンスありサスペンスありのライブ感覚いっぱいの作品だ。
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この舞台の日本版で主演するのは東山紀之、殺人事件の担当になるが、実はミュージカルおたくで、リハーサルにも興味津々、やたら口を出すという三枚目のチョーフィ警部補に扮する。

若手女優でチョーフィと恋仲になるニキ・ハリスには、今年7月に宝塚を退団してばかりの元宙組トップスター大和悠河が扮して、この舞台で女優としてのデビューを飾る。

ほかのキャストも鳳蘭、マルシア、鈴木綜馬、大澄賢也、岡千絵、芋洗坂係長とミュージカル界の実力派や個性派役者が揃った。

この日の制作発表には、それぞれ役の扮装で現れ、警部補の東山紀之はモシャモシャ頭に眼鏡という冴えない探偵姿で現れた(東山紀之さんの写真は残念ながら掲載できません)。

またアメリカから駆けつけた演出・振付のビル・バーンズも制作発表の席に加わって、和やかな雰囲気のうちに会見が始まった。

 

【挨拶とコメント】

東山「今回はミュージカルの経験豊富な共演者にかたに囲まれて頼もしいんですが、僕もエネルギー出さないと負けてしまいそうです(笑)。皆さんに愛と勇気をいただいて、がんばっていきたいですね。ブロードウェイ版は観ていて、印象はアメリカが誇るミュージカルならではの底力を感じる作品です。
三枚目役でのミュージカルは初めてですが、とても完成された台本なので脱線しすぎないでやりたいですね。今回は警部補で踊れないという設定なので、そんなにハアハアしなくてすみそうですが(笑)、踊れない役ではあっても、踊らないとは違うので、ダンスの見せ場はもちろんあります。
大和さんと一緒のナンバーもあります。大和さんにとっては初めての男性共演者ということで、“初めての男”としての責任は重いですよね(笑)。あちらで観た『カーテンズ』は、とにかくクオリティも高くて、出演者も音楽も素晴らしいし、ハッピーな感じも素敵で、今の世の中にはこういうミュージカルが必要なんじゃないかと思っています。観にきた方はきっと楽しくハッピーになれると思いますので、お楽しみに」
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大和「今年7月に宝塚歌劇団を退団して、これが女優デビューになります。『カーテンズ』という作品は、サスペンスあり、ロマンスあり、コメディありのとても楽しいミュージカルで、そういう作品で女優としてのスタートを切れること、そして東山さんはじめベテランのかたがたと共演させていただけることを、心から嬉しく思っています。
女優としてのスタートということでは、これまでは男性を演じておりましたから、女優を演じる自分は想像がつかないのですが、自分らしく素直に演じたいと思います。最終的には、男役も女役も演じることでは一緒だと思うのですが、14年間やってきたことで身に付いた男性のしぐさを、いま修正中です。東山さんをダンスでリードしないように気をつけます(笑)。
東山さんは前から舞台を拝見していて、優しそうで素敵なかただなと思っていたんですが、実際にお会いしてみると、それ以上に紳士的で優しいかたなので、共演できるのが本当に幸せです」

マルシア「死んだ主演女優の代役をすることになるジョージアです。彼女は一度女優をやめて作詞家になって、また8年ぶりに舞台に戻るんですが、その間の女として、また仕事をする人としての変化を感じさせられたらいいなと思っています。元の旦那さまとの場面もあるのでそこはしっとりと演じたいですね」

大澄「劇中劇ではロビン・フッドも演じるボビーの役です。今回は踊って振付けをするというぴったりの役柄をいただいて嬉しく思ってます。振付のときは全体を俯瞰して見ることを意識していますが、役者のときはキャラクタ−に集中することを心がけています」

鈴木「作曲家のアーロンです。音楽家の役は一度やってみたいと思っていたので光栄です。作曲するかたって、たとえば飛行機に乗っていても言葉とか音とが降ってきて、気がついたら空港に着いていたというような、そういう熱い人かなと思ってます。劇中で東山さんに“曲が先なのか言葉が先なのか”みたいな質問をされて、それを訥々と説明するんですが、そこでうまく容疑者からはずしていただければいいなと(笑)」

岡「プロデューサーである母カルメンになかなか認めてもらえない女優のバンビです。私の母も舞踊家なので、この『カーテンズ』を初めて観たとき、バンビに感情移入しながら観てました。ただ私はバンビのようにキャピキャピしてなくて年齢より年上に見られるので、溌剌としたバンビを目指してがんばりたいと思います」

芋洗坂「強欲なプロデューサーのシドニー役です。プロデュサーといえば知り合いに1人、妙にテンション高くて怪しい笑顔で、“今度さー、バリ島に一緒に別荘買わない?”とかささやくかたがいるんですが、そのかたをモデルにしたいなと(笑)。本人には言えませんが(笑)」

鳳「ブロードウェイを目指すプロデューサーのカルメンです。ブロードウェイは宝塚のトップスターだった頃、出てみないかという話があったのですが、この外人顔は日本にいるからこそ目立つので(笑)、あちらでは埋もれてしまうのでイヤですと断りました。日本でも最近はブロードウェイに負けない素敵な若いスターが出てきているので、とても頼もしいなと思います」

ビル・バーンズ「コンニチワ(笑)。ブロードウェイのエネルギーを日本の皆さんにお届けしたいと思っていますが、この作品の舞台となるボストンの地域的な冗談とか言い回しをどう日本版では伝えようかと考えているところです。
ダンスの多いミュージカルで、社交ダンスもタップもありますから、それを楽しんでいただきたいし、最近オーディションをしたのですが、とてもいいアンサンブルのかたも揃ったと思います。とても素晴らしいスタッフとキャストに恵まれて、がんばって素敵なミュージカルを日本の観客の皆様に届けたいですね」

【おまけ/共通質問】

記者の1人から「超オタクな警部補にちなんで皆さんのオタクなものがあれば」という質問があり、その答えは以下の通り。

東山「マイケル・ジャクソンオタクです、大和さんの退団公演を一番前で拝見させていただいたんですが、一番前というのはマイケルのショー以来で、なんか感動しました(笑)」

_MG_1987大和「私はぬいぐるみが好きで、とくに外国のカワイイぬいぐるみを見るとすぐ買ってしまいます。綺麗な色のものが好きでピンクとかブルーとか、それにちょっと顔がぶちゃいくなものが(笑)カワイイなと思います」

マルシア「私はお掃除好きですから、まさにオタクですね(笑)。掃除は美容にも効果があります。疲れるくらいお掃除するのが私のエクササイズです」

大澄「いま圧力鍋にはまっていて、作ってるのはカレー、シチュー……カレー、シチュー(笑)を作ってます」

鈴木「そのカレーをぜひ食べさせてください(笑)。僕は冷蔵庫につけるマグネットを集めていて、世界中のをたくさん持ってます」

岡「私はダンスオタクですね。小さい頃から遊びに行くよりMTVを見てる子で、いろんな振りを一日中真似てました」

芋洗坂「水ですね。いろいろな水を取り寄せて、いかにこの体をこのままで内蔵や血をサラサラにするかで(笑)。最近いい水がありますよ」

鳳「私はゴルフです。今日もこの会見が夜なら絶対に出かけてました(笑)」

ビル「私は旅行と食べ物が楽しみです。大好きなのはアイスクリームです(笑)」

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ブロードウェイミュージカル『カーテンズ 』

2010/2/6〜24◎東京国際フォーラムホールC

2010/2/27〜3/1◎梅田芸術劇場メインホール

2010/3/7◎愛知芸術劇場大ホール

 

演出・振付◇ビル・バーンズ

出演◇東山紀之、大和悠河、鳳蘭、マルシア、鈴木綜馬、大澄賢也、岡千絵、芋洗坂係長 他

<料金>

全公演共通  SS席¥12000/S席¥11000/A席9500(全席指定/税込)

<チケットに関するお問い合わせ>

東京公演/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

大坂公演/キョードーチケットセンター 06-7732-8888

愛知/キョードー東海 052-972-7466

                     【取材・文/榊原和子 写真/岩村美佳】

 

雪組『ロシアン・ブルー』『RIO DE BRAVO!!』初日囲み会見(9月18日)

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 雪組東京公演『ロシアン・ブルー 魔女への鉄槌』『RIO DE BRAVO!!』が、9月18日に東京宝塚劇場で開幕した。

『ロシアン・ブルー』(作・演出/大野拓史)は、1937年のソヴィエト(現ロシア)を背景に、魔法使いの末裔たちが繰り広げる政治と恋のスクリューボール・コメディ。『RIO DE BRAVO!!』(作・演出/齊藤吉正)は、サンバのリズムにのせてカラフルにアップテンポに展開するラテン・ショー。

どちらも秋の気配の東京に、夏の暑さが戻ってきたような活気あふれる舞台だ。
また、この公演から就任した雪組トップ娘役の愛原実花にとっては、この日が故郷である東京での初日となる。

 

初日午前中に行われた舞台稽古のあと、トップコンビが囲み会見に応じた。

_MG_1767まずは水夏希の挨拶から始まる。

水「皆様、本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。新しい相手役を迎え、雪組としても私としてもセカンドステージのつもりで、心も新たにがんばっていきたいと思いますので、どうぞ1か月間よろしくお願いします」

愛原「千秋楽まで精いっぱいがんばってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします」

ーー新しくコンビを組まれて、実際の舞台での、お互いについて新しい発見は?

水「発見ですか(笑)。(愛原は)けっこう慌ててハクハクしてしまうタイプなんですけど、その割リにはちょっとした、たとえばマイクがはずれてしまったリ、ベルトが取れちゃったり、カツラが絡まってしまったり、そういうハプニングに対して、アドリブがなかなかきくなあということがありました」

_MG_1755愛原「ハプニングがあると動揺してしまうんですけど、水さんがしっかり支えてくださるので、なんとか立っていられます」

ーーお芝居とかダンスとか息の合い方は?


水「そうですね、何も言わなくても、今回のお芝居なんかはすごく間が大事だと思うんですけど、言わなくてもこっちの呼吸を汲んでやってくれるところがあるので、毎日新鮮な感覚でやれる部分もあります。でもまだまだ経験が浅いぶん、ちょっと頭で考えてしまったお芝居になってしまうところもあるので、せっかくこういうお芝居、きっちりかっちりではない遊びのある作品なので、自由にいろんなことを感じながらやっていったらいいと思います」


ーースクリューボール・コメディの難しさと楽しさを。ショーのほうは新しい試みもありますが?

_MG_17871水「コメディということでは、雪組は『君を愛してる』も『ZORRO』もコメディチックで、コメディ続きかなと思いつつ、根本的にはちゃんとした作品でしたから、最初からコメディと銘打ってあるものは初めてです。本当に呼吸が大事で、大野先生ともお稽古場で、全員の、出演者の間が合ったときはすごくおもしろいけれど、ちょっとでもズレるとやっぱり違和感が出てしまうので、ものすごく難しいなと。でも舞台に乗って、お客さまの拍手とか笑い声をいただきまして、“あ、今日の間はいけてたのかな”とか毎日こちらものせていただいて、大劇場では公演していました。こちらでもみなさんからいただく空気感を大事にがんばります。ショーのほうは見どころはたくさんありますけど、新しい試みで客席でポンポンを振っていただきます。今まであるようでなかったあり得ない(笑)ーー千秋楽のペンライトとかはありますけどーー体験だと思うんですけど、大劇場では初日から皆さん盛大に振っていただきまして。舞台と客席が一緒に楽しめるというのは本当にこのことなんだなと毎日実感しましたし、東京のお客様にも実感していただくことができればと思ってます」

写真撮影のあと、水夏希と愛原実花は記者たちに笑顔で一礼、拍手に送られ初日の楽屋に戻って行った。

 

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雪組公演『ロシアン・ブルー 魔女への鉄槌』『RIO DE BRAVO!!』は、9月18日から10月18日まで、東京宝塚劇場にて上演中。

 

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

 

          【取材・文/榊原和子 写真/岩村美佳】

『グッバイ、チャーリー』舞台稽古囲み(9月11日)

_MG_0287【新たなミュージカル・バージョンで】

ブロードウェイの名作コメディで、日本では越路吹雪をはじめとする数々のスターたちが演じてきた『グッバイ、チャーリー』が、今日12日、初日を迎える。その舞台稽古が行われた昨日夕方、主演の紫吹淳と貴水博之の囲み会見が行われた。

物語は、シナリオライターでプレイボーイのチャーリーの葬式から始まる。人妻との火遊びで彼女の夫に撃たれて死んだチャーリー。だが死んだはずの彼が、なんと女の姿でこの世に戻ってくる。驚いたのは親友のジョージで、女になったチャーリーを放っておけずに面倒を見ることに。そんなジョージに、女としてのチャーリーはしだいに惹かれていく…。


ちょっとファンタスティックな設定で、おかしく切なく、だがそのなかで人生を考えさせる、大人のロマンチック・コメディだ。
今回はミュージカル版としての上演だが、その作曲を担当したのが浅倉大介。浅倉といえば貴水とのユニットaccessで数々のヒットを飛ばし、音楽プロデューサーとしても活躍している。そんな朝倉ならではの音楽の力が加わり、より感動的でノリのいいグッバイ、チャーリー』に仕上がっている。

最後の舞台稽古を前に、主演の紫吹淳と貴水博之は、すっかり劇中人物になりきったようなカッコよさで報道陣の前に現れた。

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【一問一答】

ーー初日を前に今の気持ちは?

紫吹「男を演じるのは本当に久しぶりなんですが、やっぱりまだ覚えてる!みたいな感じですね。今回は前回のストレートプレイをミュージカルに変えたということで、演出の樫田正剛さんが、ジョージとの友情関係を大事に書き換えてくださっているので、よりよい作品になっていると思います」

ーー浅倉大介さんの音楽はどんな感じですか?

貴水「僕はもともと一緒にやってましたから安心してます。ミュージカルということでは彼なりに考えて作ってるし、サウンド自体は派手なサウンドで迫力のあるシーンがたくさんありますから、楽しみにしていてください」

紫吹「すごく音楽に助けられてます。前回描き足りなかったチャーリ−の心情が、浅倉さんの音楽で伝えられるんです。前向きに生きてるようで、実は切なさとかマイナスな気持ちとかがあって、そこがうまく表現されているので、私自身とても繋げていきやすいです。切ない綺麗な曲もあれば、ポップで明るい曲もあるし、場面に応じてさまざまな色を出してくれているので、私としても幅が広がったというか、チャーリー像がより理解しやすくなりました」

ーー貴水さんは、紫吹さんとの共演も作品も初めてだということですが。

貴水「宝塚出身のかたとの舞台はたくさん出ていて、男役のかたとも何人か共演させていただいてるんですが、紫吹さんがこの格好で出てきたとき、男の自分でも嫉妬してしまうくらいカッコいいなと(笑)。まずびっくりして、でもいっしょに稽古してたら、女になってからラストシーンに向けては本当に可愛らしいし。その変わっていくさまは見ててゾクゾクします。なかなかこういう人はいないので、そのへんも観にきてくださるかたには楽しみなところではと思います。ひさびさなんですよね?こういう格好は」

_MG_0332紫吹「踊ったりするなかではあったんですが、お芝居で男としてセリフをいうのは久しぶりです」

貴水「男物のパンツ姿も見せてるし(笑)」

紫吹「(笑)。チャーリーだとイメージ的にトランクスではなくてビキニっぽいのを履いてそうなんですが、すごいダサいトランクスを履いてて、チャーリーそれか?みたいな(笑)。そこも見せ場ですね(笑)」

貴水「その姿も美しい(笑)」

ーー貴水さんはコメディは初めてということですが。

貴水「なんかすごい汗をかいてやってます。それ以上に、チャーリーが死んだり生き返ったりするので、普通では起こりえない感情表現をするのでパワーがいるし。でもやってても楽しいんで、思い切っていきたいと」

紫吹「私も前回はストレートプレイだったせいか、あまり汗をかかなかったんですが、今回は滝のような汗かいてます」

ーー紫吹さん、相手役としての貴水さんは?

紫吹「なんでチャーリーを好きにならないの?可哀想じゃない(笑)。でもやっぱり無理ですよね(笑)。貴水さんは私の経験ほどは舞台をやってないのにすごく器用にこなされてて、それがすごいなと」

貴水「イヤイヤ、付いていってるだけです」

ーー浅倉大介さんとaccess以外での作業はいかがですか?
 
貴水「今回この話が決まったとき、accessではかなりハイトーンだったので、もしかして大ちゃん、メチャ低いキーを書いてくるかもしれないなと思って(笑)、それも面白いかなと思ってたんですが。でもハイトーンのもあるし、ミュージカルならではのキーもあるし。そういった点では大ちゃんの新しい面が出ていると思います」

_MG_0301ーー紫吹さんにとって、この作品は思い出深いのでは?

紫吹「そうですね。まだ宝塚をやめて2作目で、あの頃は女をどう演じるかが分からなかったので、まさにチャーリーで(笑)。でも今回お稽古に入ったとき、低い声とかがんばらないと出なくなってる自分にびっくりしました。やはり今は“女性のほうが普通”みたいに逆転してることが驚きです。宝塚を退団してもう5年ですからね。でもその前の男役は18年でしたけど(笑)」

ーーさすがにこういう格好が似合いますね。

紫吹「へんなおばさんに見えないか心配です(笑)」

貴水「いや本当にカッコいいなと思いましたよ」

ーー貴水さんにとってのチャーリーは浅倉さんかなと。愛せそうですか?

貴水「大ちゃんが女性になったら? うーん(笑)、やっぱり劇中のセリフじゃないけど“僕にとって大ちゃんは親友だ”ということで(笑)」

ーー紫吹さんの場合は?

紫吹「とくに誰というのではなく想像してみたんですけど、やっぱり無理でしょうね(笑)。友達としての関係性が強ければ強いほど無理じゃないかと」

ーー最後に、紫吹さんの宝塚時代のファンも含めて、皆さんが心待ちにされてる作品だと思うのですが。

紫吹「そうですね。再演希望がいちばん多かった作品です。でもどうせ再演という形をとるならミュージカル化されればいいなと思っていたので、より喜んでいただける形になっていると思います。基本的なストーリーは同じで、そのなかでジョージとの関係がより深くなってて、より切なくなってます。樫田さんが“笑って笑って笑って笑って、泣いてもらおう”とおっしゃって。笑うと筋肉がほぐれるので泣きやすくなるそうです。それから、前回は2、3日の話でしたが今回は1か月ちょっとの話になってて、そういうことも含めて樫田さんが書き換えてくださった部分が、すごく効果的です」

貴水「詞とかも素晴らしいし」

紫吹「日本人ならではのわかりやすさが入って、より面白くなってますのでぜひ観にいらしてください」

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グッバイ、チャーリー

●9/12〜20◎東京芸術劇場中ホール

   9/26◎大阪厚生年金会館芸術ホール

作◇ジョージ・アクセルロット

作詞・上演台本・演出◇樫田正剛

音楽◇浅倉大介

振付◇川崎悦子

出演◇紫吹淳 貴水博之 本田有花 小林十市 坂本法子 斉藤レイ 水谷あつし 他

<料金>東京芸術劇場/一階席¥1O000 二階席¥9000 

             大阪厚生年金会館/S席¥1O000  A席¥9000 

<お問合せ>東京公演/キョードー東京03-3498-9999

                 http://ticket.kyodotokyo.com

                 大坂公演/キョードーチケットセンター 06-7732-888(前売開始9/12)

                  http://kyodo-osaka.co.jp

                               【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

『シェルブールの雨傘』制作発表(9月9日)VOL.2

_MG_0108【一問一答】

ーー井上さんと白羽さん、先ほど歌われた感想とお互いの舞台について。

井上「聞いていただいた通り、ものすごく恋愛が盛り上がっているときの歌なので、いきなりこのまま出て歌えというのは、まるで拷問のような辛さがありましたが(笑)、2人で励まし合って、ここはシェルブールだと言い聞かせながら歌いました(笑)。できれば会場の明かりを落としてもらいたかったけど、撮影のかたがフラッシュ禁止と聞いて、それも出来ないなと(笑)。歌ってみて感じたのは、やはり名曲が持つ力は強いですね。役者はその気になりやすいので、もうここはシェルブールだなと思えました(笑)。白羽さんの印象は、とにかくお綺麗で、カトリーヌ・ドヌーブにも負けないくらいで。でも、どんな楚々とした女性かと思っていたらよく喋るかたでした(笑)。でもそこもまた素敵な二面性ですね」

_MG_0054白羽「この曲は宝塚時代の課題曲だったので、もともと歌ってはいたのですが、やはり難しくて。緊張もしましたが改めて素敵な曲だなと思いました。井上さんは客席からは何度も拝見させていただいてましたが、この間お稽古場で、初めて発声の練習をさせていただいたときに、あまりの声の心地よさに、ずっと聞いてたいなと思ったくらいです。すごく包容力のある声の持ち主だなと。
それに気さくにいろいろ教えてくださって、今日ももっと緊張するかなと思っていたんですが、すごく励ましてくださったおかげです。ありがとうございます」

ーー謝先生、作品の新しいコンセプトを。

謝「この作品に改めて思ったことは、女性は現実的で、男性はすごくロマンを持っているなと。シェルブールという町で若い2人が恋に落ちる、でも人生は巡り巡ってみんな変わっていく。その変わっていく中にさまざまな人生ドラマがあるということを、いろいろな形で見せたいなと思ってます」


ーーぞれぞれどんなふうに自分の役を見せたいかを。

井上「それが今話せればどんなにいいかと思うんですが(笑)。印象としては全て音楽で進行してるというのではオペラと同じなんですが、オペラはセリフ的なレチタティーボと歌い上げるアリアがあるんですが、これは、そういう変化がないままどんどん曲が変わっていく。それにフランス語なので、歌ってるような話しているような感じが心地いいんですが、それを日本語でしかもお芝居としてやるには、どういう方法論があるのかなと。これまで自分がやってきたものが生かせるかもしれないし、この作品独自の方法論が必要なのかもしれない。そこを考えながらという感じですね」 

_MG_0106白羽「まだお稽古が始まっていないので、今は映画を観たりしていろいろ研究しているのですが、なによりもドヌーブさんの美しさが際立ってますので、ビジュアルは大事にしたいと思っています。それからジュヌヴィエーヴは16歳なのですが、私も宝塚を卒業して初めての舞台で、男性のかたと組ませていただくことも初めて、そういう新鮮な気持ちが役につながればと。またフランスの音楽は、曲想が深いだけでなく甘く切ない感じがあるので、そういうところも歌のなかで出せればいいなと思ってます」

出雲「私の役はギイとマドレーヌしかほとんど絡んでないんです。そのなかでフランスの日常の家庭的な雰囲気が出せたらいいなと。それから歌ってますというのではなくて、井上さんの言われたように、セリフに自然にメロディがついている感じなので、セリフのように歌えたらと思ってます。そして伯母さんとはいっても、キーが低いわけではなく高い声のきれいな歌なので、そういう雰囲気を出したいです」

岸田「映画のカサールも宝石商らしい上品な雰囲気があって、ヒゲを生やしてますが、気品のあるヒゲをつけたいなと。僕の宝石商は、あまり映画とズレないでやればいいかなと思っています」

_MG_0131香寿「私は何も考えてないのですが(笑)、いつも台本をいただいて、そのファーストインプレッションを大事にしていくので白紙の状態です。まず映画のイメージをなるべく崩さないようにということ、白羽さんのお母さんとして舞台の上でちゃんと成立するようにしたい。何度か母親役をしてますが、フランスのお母さんのお洒落だったり現実的で強かったりというところを、自分なりに工夫していきたいなと思ってます」

ーー謝先生がこのカップルに期待するものは?

謝「井上くんとはこれが初めてですが舞台は何度か観ていて、白羽さんは宝塚で何度も仕事してます。この作品はずっと歌いながら表現していかなくてはいけないのですが、白羽さんは演技力がある人だし、井上さんもミュージカル以外のお芝居にも出ている人なので、歌唱力と演技力で安心な2人です。ビジュアルもハンサムボーイと美女なので心配ないですし。この『シェルブール』に出たことで、またさらに素敵な2人になっていくと思ってます」

ーー演出上でフランスの雨をどう表現されるのか? また2人にはフランス人という役作りは?

謝「雨のことに関しては特別兵器をご用意してますので、お楽しみに(笑)」


井上「僕はミュージカルでいろんな国の人になっててというか、いろんな国の人しかやってないんですけど(笑)、フランス人は初めてなんです。フランスの話でも僕はスウェーデン人だったし(笑)、初めてフランス人がきたぞという気持ちもありますが、どこの国でも人間は一緒だという気持ちもあって。ただ、フランス人だからこその愛情表現というのもあると思うんです。たぶん日本人とは違うし、たとえばイタリア人の愛情表現とも違う、そこが研究のしどころかなと(笑)」

_MG_0160白羽「私は宝塚の現役時代、フランス人が多かったのでフランスは大好きです。フランス人というとどこかストレートではない感じもあるんですが、このジュヌヴィエーヴという役でいえば、フランス人というところに捉われすぎていると違うかなと。16歳の彼女が持つストレートさを重視したほうがいいのかなと思ったり。バランスを考えていきたいと思ってます」

ーー白羽さんが退団後の第一作にこれを選ばれたのはなぜ? それから相手が男性ということで違いは?

白羽「まだ在団中にこのお話はいただいていたのですが、まず日生劇場には2度程出させていただいたことがあって、まさか卒業後すぐに出していただけるとは思っていなかったので、とても嬉しかったのと、作品の名前を両親に伝えたとき、母がとくに喜んだのですが、絶対に出てほしいといわれました(笑)。そして井上さんとご一緒できることでもぜひと思いました。男性のかたとの共演は初めてで、今はだんだん慣れてきましたが、ポスター撮りのとき、思わず「付けまつげは付けられますか?」と聞いてしまって(笑)。しかもメイクさんに「井上さんが付けられないので、私もやめます」と言ったり、合わせるところがちょっと違ってたみたいです(笑)。宝塚の世界が大好きでしたけど、卒業した今は新しい世界でまた頑張りたいし、その気持ちでいっぱいなんですが、私自身が気がつくよりも、井上さんが気になるところがこれから出てくるのではないかと思っていますし、そのつど意識して直していきたいと思います」



ーー最後にそれぞれ作品への意気込みを。

出雲「宝塚を退団してちょうど1年経って、自分を見つめ直すのにはいい充電期間でしたが、その1年間で、やはり私は舞台に立ちたいと心から思うようになりました。今回その機会をいただいて本当に嬉しく、頑張りたいと思っています」

岸田「全編音楽のミュージカルに初めて出ることで、また違った発見があると思うので、新鮮な気持ちで取り組みたいと思います」

香寿「私は今年、いろいろな舞台、そして役に取り組ませていただいて、またこの作品で今年の最後までいろいろなことを学べるのが幸せだなと。この舞台をいいものにして締めくくりたいです」

白羽「5月に退団して3カ月経つのですが、最初の頃はのんびりしてる自分が嬉しかったんですけど、10日目くらいから動きたくてしかたない自分がいて、早くお稽古したいなと思っていました。初めてのことばかりですが、先輩のかたたちに助けていただきながら、謝先生と井上さんに付いていきたいと思っています」

井上「この作品がどうして愛されるのか、その秘密を稽古しながら探りたいし、できれば、切なくて胸がきゅんとなるあの感じを舞台で再現して、それプラスやはり舞台だからこそというところも出せればいいなと思ってます。頑張ります」

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『シュルブールの雨傘』

●2009/12/528◎日生劇場

   2010/1/1417◎シアターBRAVA!

脚本・作詞◇ジャック・ドゥミ

音楽◇ミシェル・ルグラン

演出・振付◇謝珠栄

翻訳・訳詞◇竜真知子

出演◇井上芳雄 白羽ゆり ANZA 出雲綾 岸田敏志 香寿たつき

<料金>日生劇場/S席¥11000(平日夜は¥9500A席¥5500 

              シアターBRAVA!S席¥11000  A席¥8500 

<お問合せ>東京公演/東宝テレザーブ 03-3201-7777(前売開始9/19)

                   http://www.toho.co.jp/stage/

                   大阪公演/キョードーチケットセンター 06-7732-888(前売開始9/12)

                   http://kyodo-osaka.co.jp

                                       【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】

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