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『ファニー・ガール』囲み取材(1月7日)

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バーブラ・ストライサンドの主演で、1960年代に舞台や映画で大ヒットしたミュージカル『ファニー・ガール』が、春野寿美礼をヒロインに迎え、1月8日に初日の幕を開けた。

この作品は、20世紀初頭に実在した伝説のコメディエンヌ、ファニー・ブライスのステージと私生活を描いたミュージカルで、自分の才能を信じて、つねにポジティブに生きた彼女の姿を、歌と踊りで賑やかにときにはしみじみと映し出す。
1964年にブロードウェイで初演、1968年には映画化され、主演のバーブラは、ファニー同様のセクセススートリーを実現することとなった。日本では1980年に退団したばかりの鳳蘭が演じて以来で、約30年ぶりの上演である。
作曲はジューリ・スタインで、映画の『紳士は金髪がお好き』や『ジプシー』などのヒットメーカーとして知られている。また作詞のボブ・メリルは『お熱いのがお好き』の舞台版『シュガー』をスタインとのコンビで生み出しただけあって、ファニーが歌う「ピープル」や「パレードに雨を降らさないで」をはじめ、優れたナンバーがたくさん出て来る。

_MG_2643ヒロインのファニーを演じる春野は、これが宝塚退団後の2作目となるが、前作の『マルグリット』の悲劇的なヒロインとはまったく違った役柄で、明るく前向きなファニー役を楽しそうに取り組んでいる。
共演者たちは、ファニーの夫で賭博師のニックには青年座の綱島郷太郎、ファニーを秘かに愛する友人の振付家エディには橋本じゅん大きな愛で娘を見守る母親役には剣幸と、歌も芝居も定評のあるキャストが揃った。演出は宝塚歌劇団の正塚晴彦が手がけ、1964年にブロードウェイで上演された当時のテイストを残した、どこか懐かしく心温まるミュージカルに仕上げてある。

この作品の公開舞台稽古の行われた7日夕方、春野寿美礼、橋本じゅん、綱島郷太郎、剣幸、正塚晴彦を囲んで会見が行われた。

_MG_2750ーーまず今の気持ちを。
春野「すごく明るく楽しいミュージカルですので、どんどん弾けていきたいと思ってます。多くの皆様に観ていただきたいです」

橋本「キャストの皆さんの素晴らしい演技を、お世辞じゃなく特等席で最初から最後まで拝見させていただいて、この気持ちをお客様と共有したいぐらいです」

綱島「ミュージカルってこんなに面白かったんだと、やってみて思っています。曲が全て素晴らしいです。悲しい曲もありますけど、楽しい曲が多いですね」

剣「優しくというより、才能を持った娘を見守る肝っ玉かあさんなので、春野さんを後ろからフォローできればいいなと。バックステージものの面白さもある作品ですね」

ーー春野さん、剣さんにフォローしてもらってますか

春野「もう、それは。化粧品から何から何まで(笑)、色々なことを相談できますし、本当に的確なアドバイスをいただいております」

ーー夫役の綱島さんとは?

春野「歳が近いのでわりとフレンドリーな感じで最初から話せてるんですが、衣装を着るとビシっと決まってらっしゃるのはさすがでした」

_MG_2625ーーお二人とも新婚ですが、この作品のような夫婦格差は?

春野「えーっ(笑)。」

綱島「イヤ、ハハハ(笑)。」

ーー外部演出はいかがですか。

正塚「外部は初めてではないけれど、こういうミュージカルでは初めてですね。現場は非常に楽しかったです。いつもは女性ばかりですから、キャストに男性が多くて心強かった(笑)」

橋本「稽古場はとても楽しかったですよ。僕のエディにとってファニーは太陽であり、ファニーがそう思うならしかたないというキャラになりきってました。本当にこの作品は春野さんのファニーの魅力に尽きます。綱島くんが間近で見て“惚れてまうやんけ”と小声で言ってるんですよ(笑)。気を抜いていると春野さんに引き込まれる…危ない舞台です!」

剣「ファニーの春野さんは、今まで培ってきたおおらかさと強さを持ってると思います。私の母親はオバさん連中と遊んでばかりで放っておくんです、自分の道を探しなさいと。でも、ファニーは本人の足で歩いて行く、その力強さとか笑顔がチャーミングです」

春野「ファニーフェイスなのに、どんなことが起きても本当に前向きに捉えて乗り越えていく女性ですね。皆さん勇気をもって歩いていってと言ってる作品です」

_MG_2645ーー春野さん退団して2作目の手応えは?

春野「この役の自由さを大切にしているので、自分の感性を生かせるようにということを大切にしています。男役だった自分とか、女性を演じているとか、そういうことは意識しないで、とにかく人とのやり取りやコミュニケーションを楽しんでます。明るく元気で楽しくユーモアのセンスのある女の子を演じようと思っています」

ーー他のかたたちもそれぞれ見どころを。

剣「エディとの場面があるんです。エディの気持ちをすべてわかったうえで歌う歌があるんですが、そこがとても好きですね」

橋本「光栄なことに、今、コミュニケーションを楽しんでると言っていただいたんですが、春野さん、剣さん、郷ちゃん、相手と自分の気持ちだけを大事にして楽しんでやれてます。ちょこちょことずっと出てるんで、エディの気持ちが変化していくのを、会話のなかで出せたらいいなと」

_MG_2656郷「僕はファニーを口説くシーンが気に入ってます。コミカルで面白いです」

ーー春野さん、この映画が好きだと言ってましたが、役作りで見ましたか?

春野「バーブラを意識しないようにと思っていますから、映画はあえて見ないで作りたいと思ってました」橋本「僕は、ハリウッドの映画版を見て、どういうふうに演じているのか確かめようと思ったら、ほとんど出ていなかったので(笑)、自分で作るしかないと」

ーー最後に 春野さん一言。

春野「『ファニー・ガール』、赤坂ACTシアター公演、梅田芸術劇場公演、スタッフもキャストも力を合わせて作っています。ぜひとも劇場まで足をお運びください」

〈近日中にレビューも掲載)

 

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ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール

●2010/1/8〜17◎赤坂ACTシアター

   2010/1/27〜30◎梅田芸術劇場メインホール

上演台本・演出◇正塚晴彦(宝塚歌劇団)

原作・脚色◇イソベル・レナート

音楽◇ジューリ・スタイン

作詞◇ボブ・メリル

出演◇春野寿美礼 剣幸 綱島郷太郎 田中利花 阿部裕 /橋本じゅん 他

<料金>ACTシアター/S席¥11500  A席¥8000

           梅田芸術劇場/S席¥11500  A席¥8000 B席¥4000

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800
 http://www.umegei.com/

                                              【取材・文/榊原和子】

 

 

 

宙組東京公演初日 囲みインタビュー(1月3日)

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新生宙組のトップコンビ、大空祐飛と野々すみ花のお披露目となる『カサブランカ』が1月3日に東京宝塚劇場で開幕した。
ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンが主演して世界的に大ヒットした1942年の名作映画をベースに、宝塚ならでは大きな舞台の機構を生かした、ダイナミックなミュージカル作品に仕上がっている。
脚本と演出は小池修一郎、いまや大作ミュージカルを手がけたら現在の日本の演出家のなかではNO.1と言われる、その才能を十二分に発揮して、ナチスドイツの足音迫るパリやマルセイユ、追われた者たちが流れ着く土地カサブランカなどを群衆シーンで盛り上げて、映画版とはまた違う、人間ドラマも盛り込んだ厚みのあるラブロマンスに作り上げた。
この日、朝早くからの舞台稽古では、本公演と同様に出演者たちの熱の入ったドラマが繰り広げられた。主役コンビの大空のリックと野々が演じるイルザは、映画のイメージを損なわずに甘く切なく愛の苦悩を描き出し、革命家ラズロの蘭寿とむや警察署長のルノーの北翔海莉も、役柄にあった巧みな演技でドラマを盛り上げる。コーラスや群舞などに発揮される宙組ならではのアンサンブルナンバーは迫力満点で、テンポのいい展開に加えて、映像や音楽のスタッフワークの力量もあって、映画の面白さや叙情を残したみごとな舞台作品に仕上がった。_MG_2131

【大空祐飛 挨拶と一問一答】

この通し舞台稽古のあと、大空祐飛が報道陣に新年の挨拶。そのあと記者たちの質問に答えた。
大空「皆さま、新年明けましておめでとうございます。新生宙組として初の東京公演となります。今年はお正月から東京で、この『カサブランカ』で幕を開けますが、どうぞ千秋楽までよろしくお願いします」

ーータカラヅカの男役として『カサブランカ』でのやりがいを。

そうですね、宝塚の主演としては少し珍しいキャラクターかもしれませんが、私が追究しているということでは、限りなくリアルな男性の感情みたいなものを表現しつつ、そのなかに宝塚の様式みたいなものや美しさみたいなものの両方を、兼ね備えたものとして表現できければと思っています。

ーー宙組トップを大劇場公演で経験しての組の印象と、トップスターとしての抱負を。

宙組は、自分でいうのもなんなんですけど、非常に大きな可能性をもった組だと、自分の組ながら思います。歴史が浅いぶん、まだまだ組のカラーみたいなものが固まりきっていないところもあり、それが5組の中でいちばん大きな可能性につながっているのではないかと思うとともに、全員の舞台にかける情熱みたいなものが、非常に熱い温度で流れていると思うので、これからが楽しみというか、大きな組にしていきたい。私もその力になりたいし、自分の組でもありますので、とにかく、宇宙規模で、名前の通り大きな組にしたいと思っています。

ーーこれから初日ですが、新年の抱負を。

新年から舞台に立てるということは、舞台人としてとても幸せなことだと思いますし、この作品に関していえば、昨年から2年に渡ってやることになりますので、昨年、宙組とともに作ってきたなかで体に馴染んだ部分と、でも年が明けて東京に出てきて、新たな気持ちでやりたい部分と両方あって、さらにスケールアップしたものをお見せできればと思います。_MG_2088

ーー『カサブランカ』の宝塚版ならではの見どころを。

原作は映画なので、スクリーンいっぱいのアップがあったり、その表情であったり、そういうものがとても美しく映像になっていたんですが、こちらでは舞台ですので、アンサンブルのナンバーの迫力であったりとか音楽で表現する部分が、より分かりやすくなっています。また時代背景も分かりやすいなかでのラブロマンスであったり、人間ドラマが描かれているので、映画をご覧になったことがあるかたも、初めて『カサブランカ』という作品に接するかたでも、楽しんでいただけるミュージカルになっていると思います。

写真撮影のあと、大空祐飛はにっこりと記者たちに笑顔を向けて一礼、初めての東京での会見を終了、大きな拍手に送られ楽屋に戻って行った。

 

宙組東京宝塚劇場公演『カサブランカ』1月1日〜2月7日

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

 

 【取材・文/榊原和子 写真/岩村美佳】



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宝塚大劇場 2010年 鏡開き(1月1日)

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新年1月1日に、宝塚大劇場で、
午前11時30分より恒例の鏡開きのイベントが開催された。

出席者は宝塚歌劇団雪組のトップ男役水夏希と、トップ娘役愛原実花、男役スターの彩吹真央の3人。

地元の酒造から提供された樽の清酒「白雪」の鏡開きを行い、乾杯して、約1500人の参加観客の前でそれぞれ今年の抱負を述べた。

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宝塚大劇場のロビーの階段を上手から降りて来た3人は、まず新年の挨拶する。

まずは愛原実花から。

愛原実花「皆様、新年明けましておめでとうございます。2010年、私自身にとりましても大きな挑戦、新たな課題に取り組む場にしたいと思います。お客様に楽しんで頂けます舞台を、責任をもって努めてまいりたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします」

DSCF1381彩吹真央「皆様、新年明けましておめでとうございます。私にとりまして昨年はたくさんの役に巡り会うことができて、とても充実した1年となりました。私たち雪組は、この宝塚大劇場で2月5日から3月8日まで『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale 睡夢』を上演いたします。東京は3月26日から4月25日まで上演しますので、ぜひお越しください。
私事ではございますが、この作品で宝塚歌劇団を卒業させていただくことになりました。皆様、本当に長い間ありがとうございました(大きな拍手)。最後の4月25日のその日まで、大好きな宝塚で、大好きな男役、彩吹真央として真っ直ぐに進んでまいりたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします」

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水夏希「皆様、新年明けましておめでとうございます。昨年95周年は、宝塚歌劇にとりましても節目の年でございました。2010年という、今年からの5年間は宝塚歌劇100周年を迎えるのに最も重要な時間ではないかと思っております。そして100周年を華やかに迎えるためには、なによりも劇場に足を運んでくださるお客様の愛が必要でございます。皆さまの愛に応えられますように、今年も舞台に励んでまいりたいと思います。そして劇場で、皆様と一緒に同じ空間を楽しみながら舞台を努めてまいりたいと思いますので、今年も1年どうぞよろしくお願いいたします」



その後、息を揃えて「ヨイショ」とみごとに鏡を開いた3人は、「乾杯」と声を揃え、枡に入れられた樽酒を口に運び、にっこり。鏡開きのイベントはつつがなく終わった。

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イベント後了後、取材記者への写真撮影が行われた。

「お酒のしぶきがかかりませんでしたか?」という質問には、

水・彩吹「大丈夫です(笑)」

水「ちゃんとシミュレーションをしておきましたので(笑)」

彩吹「完璧です」

と顔を見合わせる2人。

「改めて今年の抱負を、個人的にでも」と聞かれると

水「昨年相手役が変わり、今年は周りの人がいなくなってしまうので(彩吹のほうを見ながら)、また新しい時代を迎えるのだなという思いなのですが…。組の能力がもっとアップするようにしたいと思っております」

彩吹「宝塚の男役生活も、あと4ヶ月弱ですが、今までと変わりなく宝塚生活を楽しみたいと思いますし、これまでご一緒させていただいた水さんに、送っていただく幸せををかみしめながら(笑)、残りの4ヶ月を精一杯楽しく過ごしたいと思っています」

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雪組公演

『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale 睡夢』

●2月5日〜3月8日◎宝塚大劇場

●3月26日〜4月25日◎東京宝塚劇場

【問合せ】宝塚大劇場/宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100

東京宝塚劇場/劇場 03-5251-2001

 


【取材・文/榊原和子】

瀬奈じゅんラストディ VOL.3

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【サヨナラ会見 一問一答】

退団の会見は、18時半から始まった。黒エンビで表れた瀬奈じゅんは、その清々しく明るい表情をしている。まず最初に瀬奈の挨拶から始まった。

瀬奈「皆様、お集まりいただき、ありがとうございます。ただいま無事に大階段を降りて、卒業してまいりました。今、とても幸せな気持ちでいっぱいです。皆様にはたくさんお世話になりました。本当にありがとうございました。これからも私らしく進んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします」

ーー今改めて思う宝塚は、瀬奈さんにとってどんなところでしたか?

瀬奈「どんな場所…私にとって、本当に全てでした。私の青春の全て、そして全てをかけても惜しくないと思える、そんな場所でした」S004

ーー最後の挨拶が素晴らしかったのですが、どのような気持ちで考えたのでしょうか。

瀬奈「私はやはり、本当にお客さまやファンの方に育てていただいたという思いを強く持っておりますので、それを伝えたかったのと、あとは、自分を信じてここまで歩いてきたということ、宝塚は、お嬢さん芸といわれがちなところがありますけれど、それでも、みんな命をかけて闘って、舞台をつとめているんだということを、どうしても伝えたかったという思いがありました」

ーー男役がいちばんやりたかった役ということでしたが、男役について。

瀬奈「私はとにかく男役が大好きで、自分が男役として生きることが、私の全てでしたから。いろんな役を演じていても、やはり男役だから演じられること、男役だからこそできる踊り、男役だからこそ歌える歌、というものを追究していきたいという思いがありました。そのことを、ぜひともお客様に伝えたかったので」

ーーこの挨拶の言葉は、いつごろ考えたのでしょうか?

S001瀬奈「考えたのは、東京公演始まってから、しばらく経ってから考えました。というのは最後の公演を肌で感じたいと。お客さまの感じていらっしゃることを肌で感じてみないと、自分の言葉って見つからないかなと思ったので。案外ぎりぎりでした(笑)。最後にとにかく伝えたい思いを伝えようと、考えました」

ーー宝塚大劇場では赤い薔薇でしたが、東京では白い薔薇にした理由を。

瀬奈「私の中では男役といえば赤い薔薇というイメージなんですが、やはり最後は、白い花のほうがいいのかなと思いましたので」

ーー挨拶の中に「新しい世界」でという言葉がありましたが、それはどのようなものを考えていますか?

瀬奈「それは私にもわからないです。ですから新しい世界がどういうものか、私自身も楽しみにしている状態です」

ーー女優さんとか、具体的に考えていることは?

瀬奈「具体的には何も決まっていないんですけど、とにかく今まで培ってきたもの、そしてファンの皆様が応援してくださる限り、ファンの方々が喜んでくださるような活動ができればとは思っています」

−−霧矢さん率いる新生月組に贈る言葉を。

瀬奈「なんの心配もしておりませんので、とにかく楽しませてくださいという思いでおります。そして私もとても楽しみにしておりますし、下級生がどんどん成長してくれることが私の願いでもあります」

S003ーー新しい世界に宝塚から1つだけ持っていくとしたら?

瀬奈「愛を(笑)」

ーー一本締めはいつやろうと決めたのでしょうか?

瀬奈「私は本当に宝塚が大好きで、どうしたら宝塚への思いが、自分が男役として生きることに諦めがつくのだろうと(笑)。よし、じゃあ一本締めをやって、それで私の宝塚人生、男役人生を終わりにしようと(笑)。それは東京に来てからですね、考えました」

ーー諦めはつきましたか?

瀬奈「はい! はい」

ーー最後に出て来られて、最後に入っていったときの気持ちは?

瀬奈「月組の仲間がもう舞台袖にいてくれて、みんなが笑顔で迎えてくれたので、清々しい気持ちでした」

ーー結婚のご予定は?

瀬奈「あるように思いますでしょうか? 愚問ですね(大爆笑)。びっくりします(笑)。でも、私にそういう質問をしてくださることが嬉しいです(笑)。ありがとうございます。でも、残念ながらありません」

ーーご希望は?

瀬奈「そうですね、まったくありません(笑)」

ーー愚問でした(笑)。

瀬奈「これからの人生、そう思える出来事があればいいな、と願っております」

 

記者も巻き込んでの笑いの中で、歌劇団の進行係が「では質問はこれで」とカット。

瀬奈「えー、この質問で終わりなんですか?」

再び大爆笑のなかで会見は終わった。

最後のステージを終えて、リラックスした表情の瀬奈じゅんは、記者たちの遠慮のない質問にも気持ちいいほど率直に答えてくれて、和やかに会見は終了。ひときわ大きな拍手の中を、パレードの準備に楽屋へと戻っていった。

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【パレード】

朝方の強い風は昼過ぎには収まり、年の暮れとは思えないほど穏やかな空気の中で、退団者のパレードは行われた。道からはみ出さんばかりのファンたちは、ボアのついた白いキルティングなどを着ている。整然と並び、応援する退団者が出てくるたびに、きちんと位置移動する行儀のよさは宝塚のファンならでは。公式発表では8000人だが、一般ギャラリーも含めるとそれ以上はいるような見送りの人数だ。
パレードは予定とほぼ同じ時刻、19時20分頃から始まった。

まずは娘役の麗百愛から順番に出てくる。麗百愛はキュートな笑顔でダンスが抜群だった。羽桜しずくは清楚な美しさの宝塚らしい娘役だった。男役の麻月れんかは、芝居好きないい若手男役だった。城咲あいは、スタイルのよさが舞台で際立つ実力派娘役だった。音姫すなおはいつまでも初々しい女役だった。まだまだ活躍が見たかった二枚目も立役もできる遼河はるひ。だがどの顔も吹っ切れたようないい笑顔だ。

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いよいよ瀬奈じゅんが楽屋口から出て来る。まずはホテル・ペニンシュラ方向にたくさん待っているファンと別れの挨拶をして、そして向きを変えて、道の両側にあふれんばかりに並んでいるファン、1人1人に別れを告げるように、ゆっくり両側をながめながら歩いて来る。
最後の衣装は黒紋付に緑の袴。花束は持っていない。舞台メイクなしの素顔が幼くさえ見えるほど若々しくキラキラと輝いている。S012

記者席の前で、しばらく写真撮影タイム、カメラマンから「瀬奈さん、両手上げてくれますか」「Vサインお願いします」などの注文には片手だけ上げて「両手?はしたないから」と答えるところなど、男役としての美学を最後まで忘れない瀬奈じゅんならでは。

そしてファンたちからの最後のエールが送られる。
「瀬奈さん、最高の男役を、ありがとうございました。あさこさんの大きな愛、受け止めました。あさこさん、愛してまーす」
瀬奈はにっこりと微笑んで「私も愛してまーす」と答える。そして両側からのファンの声のなかを、帝国ホテル側に止められた車に乗り込むために歩いて行く。やがて車のそばまでたどり着くと、その手前で振り返り、両手で大きな投げキスをファンに送った。ひときわ高く沸き上がる大きな歓声と拍手。
その声に送られながら、男役瀬奈じゅんは、爽やかに鮮やかに、ファンの前から去っていった。

 

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【文/榊原和子】

 

 

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