えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

ミュージカル『ゴースト』浦井健治 咲妃みゆ  秋元才加

能をアレンジした『土御門大路』に出演。大和悠河インタビュー


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演劇ぶっく恒例の「えんぶチャート」で俳優チャート上位にランキングされた大和悠河。
昨年は鶴屋南北の名作『桜姫東文章』をオペラ的に解釈した歌舞劇(オペラ)『綺譚 桜姫』、明治維新の新しい女性像を演じたミュージカル『風を結んで』に出演、他にもショー仕立てのステージや、宝塚レビューのスタンダードを観せるOG公演など、幅広いエンターテインメント性を持った女優としてフィールドを広げた。
今年もすでに初の2人芝居『GULF』を1月に、3月はミュージカル『MY ONE AND ONLY』、5月は能の『鉄輪』を元にした『土御門大路』に出演とフルに活動している。
そんな大和悠河に本誌4月号(発売中)でインタビュー。その記事を別バージョンの写真とともにご紹介する。



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想像できないような自分を見たい
 

ーー俳優チャート24位、読者からの支持を受けて2年連続ランクインしました。
 

幸せなことに、昨年もバリエーションの違う舞台に沢山出させていただきました。そして、どれも楽しんでやれた作品ばかりでした。それを観た方たちにこうして評価していただけたことは、とても嬉しいです。
 

ーー出演作が幅広くて、古典のアレンジから和物ミュージカル、ショーもありますね。
 

自分自身でもなるべく新鮮な自分を観たいし、簡単に想像できないような作品に出合いたいなと思っています。自分がこれをどういう感じでやるんだろう?と思うと、楽しみでドキドキします(笑)。
 

ーー今年1月に初の2人芝居『GULF』に主演しましたが、あれも始まるまで想像できないような作品でしたね。
 

演じていて本当に面白かったです。初めてのストレートプレイでしたが、作・演出の毛利亘宏さんは同世代で、しかも震災に関わりのある話だったことで、演じる世界がとても身近でした。膨大な台詞で、たいへんでしたが、円形劇場という空間で全部見られることで、かえってラクな気持ちになれました。1つの方向からだと見え方を意識したりするんですが、全方向からだと自然なままでいられるというのは発見でした。



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ーー今はミュージカルの『MY ONE AND ONLY』の稽古中だそうですね?
 
 

3月に公演があります。坂本昌行さん扮するビリーの友人で、頭の回転が速くてボーイッシュな女性なんです。整備士なのでツナギも着ます(笑)。かなりのコメディタッチで、あの笑いをうまく日本の方に伝えたいですね。曲がガーシュインのものですから、どれも素敵でなんです。そのガーシュインを2月の『YUGA OPERA CAHIER』で歌うので、毎日聞きまくっています。
 

ーーそういうば定期的に『YUGA OPERA CAHIER』というサロンコンサートをされているんですね。
 
 

最初はクラシックを聞いていただくために始めたのですが、今は枠を広げて、そのとき歌いたいジャンルを歌っています。そこで歌うための勉強で得るものも多くて、私にとっては大事な活動の1つになってます。
 

ーーそれと同じような発想から歌舞劇(オペラ)『綺譚 桜姫』ができたわけですね。

 
玉三郎さんもされた桜姫は、私にとって憧れの姫でしたし、実際やりがいのある役でした。大家の姫君から女郎に身を落としても品格とか凛とした心を失わない。そういう1人の女性の生き方をしっかりと演じることができて幸せでした。
 
 

ーーその和物の流れで、この5月に主演するのが『土御門大路』。

 
今回は能の『鉄輪』が元になっていて、『綺譚 桜姫』と同じように古典を悠河流に読み解いて、新しい表現で見せていくものです。愛や嫉妬が究極までいって鬼になるという、ドロドロの情念の世界で(笑)、夜中に頭に蝋燭をつけて呪いをかけに行くという、恐ろしい姿もありそうです(笑)。でもそのドロドロを昇華して、私ならではの美の世界にできればいいなと思っているんです。
 

ーーこういう古典をモチーフにしたものは大和悠河ならではの世界ですね。

 
オペラと歌舞伎狂言をミックスしたのが『桜姫』で、今回は能をミュージカル化することになります。ご一緒する方が歌舞伎界、宝塚出身の私というミックスで能の世界がどう変化するか楽しみです。能というだけで構えてしまうような方もいらっしゃいますが、新しい世界観で楽しんでいただければと思っていますし、古典の中にある、時代を越えて通じるドラマとか人間とか愛を、私らしい表現で届けられたらいいなと思っています。


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『土御門大路 ー陰陽師・安倍晴明と貴船の女ー 能 鉄輪より』

作・演出◇岡本さとる

出演◇市川月乃助(段治郎改め)、大和悠河、塩谷瞬、黒田アーサー、愛原実花、遼河はるひ、水町レイコ/舘形比呂一 ほか

5/9〜5/11◎渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール、

〈料金〉S席8500円/A席4500円 

〈問合せ〉アーティストジャパン 03-6820-3500

5/19◎中日劇場 
〈料金〉S席8500円/A席6500円/B席3000円 
〈問合せ〉中日劇場チケットセンター 052-320-1888
 アーティストジャパン 03-6820-3500
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大和悠河インタビュー 演劇ぶっく4月号販売中

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『7DOORS〜青ひげ公の城〜』囲み取材

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元宝塚歌劇団雪組トップスターの水夏希、そしてLUNA SEA、X JAPANのメンバーでありソロアーティストとしても活躍するSUGIZOの共演が話題の舞台『7DOORS〜青ひげ公の城〜』が3月16日、東京グローブ座で初日を迎えた。
ハンガリー生まれの作曲家バルトークのオペラ『青ひげ公の城』を原作としたミステリアスな空気を感じさせる舞台で、演出は鈴木勝秀が担当。初日前には囲み取材と公開舞台稽古が行われた。
ところどころで打ち解けた空気を感じることのできた、水夏希とSUGIZOの囲み取材の様子をお届けする。

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──初日を迎える心境はいかがですか?
 ロングヘアーが初お披露目なんですけれども、その他諸々ドレスですとか、お芝居の感じとか、全部宝塚退団してから初めてのことが多いので、そういう意味で色々緊張しています。でも、出演者のみなさんを信頼して稽古してきたので、のびのびと。

──素敵なドレスですね。

 ありがとうございます(笑)…あはは!ドレスがね、ドレスが。

──普段からスカートをはいてみたりしましたか?
 それがですね、全然はいてなくて。お稽古場ではもちろんはいていたんですけど、プライベートでもはいてみようかなぁ?と思ったんですが、はいてる自分が嫌で、結局はいていないです。でも、宝塚の娘役の方をすごくずっと見てきたので仕草が意外と自然に出来ているのではないかな?と。見ていただいて確認していただきたいな、と思いますが。

──周りの方はスカート姿の反応とかありました?
 いや。若干マネージャー陣が笑っていましたけれども(笑)。大丈夫ですよ?意外と普通でね。

SUGIZO みんなね、恐れ多くて…

 そんな(笑)!

SUGIZO 触れられないんですよ、このね、オーラにやられちゃってね(笑)。

──SUGIZOさんは初日を迎えられる心境、いかがですか?
SUGIZO 音楽を担当しているのではらはらなんです。ぎりぎりでなんとか間に合って仕上がってる感じなので。芝居の方はですね、もう無我夢中で、水さんたちの様な百戦錬磨の方々が周りにたくさんいらっしゃいますので、その中で僕が何ができるか。逆に僕だったら何が出来るかを意識してやっています。上手くいけばいいんですけどね。

──俳優としてこのような舞台に挑むのは初めてですよね?
SUGIZO 昔、映画やドラマは何度か演技はやらせていただいたことがあります。でも舞台は怖いですよね。全然緊張感が違います。映画やドラマは僕らにとってはレコーディングに近くて。その瞬間瞬間を切り取って、クオリティ高いものを録っていくんですが、舞台は僕らにとってはコンサートなので、一瞬一瞬が全て。その世界に自分が今身を投じてるってことが、自分で驚きですね。

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──実際に稽古をしてみていかがでした?稽古場の様子とか。
SUGIZO ピースフルでしたよね?良い感じじゃないですかね?あの、スズカツさんの哲学や理念が凝縮されてるお話だと思うので、スズカツさんが凄いですね。

 そうですねー。

──SUGIZOさんは前々からバルトークの作品がお好きだということですが。
SUGIZO そうですね、子供の頃からものすごいバルトーク好きなので、恐れ多いという気持ちの方が先に立ってるんですけどね。

 でも、本当にね、出会いとしては運命的ですよね。

SUGIZO そうですね。だから僕はこのお話をいただいた時「バルトークじゃん!やりたい、やりたい!」っていう感じだったんですよ。

 音楽を先に作ってらっしゃったので、お稽古は途中からの参加でらしたんですけど、最初からもう一歩立たれた時から青ひげです!みたいな。

SUGIZO 本当ですか?

 はいー。青ひげ公の空気をまとってらっしゃるなぁという感じでした。

──役作りで工夫されたところはありますか?
SUGIZO ドラキュラをすごくイメージしました。だからドラキュラ映画を結構観ましたね。あと個人的にはゲイリー・オールドマンがとても好きなので、指先のニュアンスとかね、一瞬の表情とかが凄いなと思う役者さんを見てみたり。もちろん足下にも及ばないんですけど、自分なりに色々研究はしてきました。

──作曲されるにあたってバルトークを意識しましたか?
SUGIZO 実は死ぬほど意識しました。バルトークの生い立ちから全部勉強しちゃったぐらい。で、結果的にバルトークの曲をちょっと使ってます。バルトークの曲というか、彼らが収集したハンガリーの民謡をバルトークがアレンジした楽曲を僕がアレンジして…それを水さんと伊藤ヨタロウさんが歌いますが、かなり良いと思います。

──実際歌ってみていかがですか?
 一回聞いただけで耳に残るような曲で、すごく暖かみがあって歌いやすいです。他の音楽もすごく、なんていうんでしょうね、象徴的な音楽が多いんです。メロディアスじゃないからこそ、伝わってくるものがたくさんあるなと思います。それを色々感じていただきたいなと。

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──この作品、7DOORSということで、キリストの7つの大罪をモチーフにされているということですが、現実的にこれって罪だなと思うことがありましたら。
SUGIZO 俺、罪だらけの人生送ってますからね(笑)。

 あはは(笑)。

SUGIZO 水さんはね、その辺無縁でしょう?

 そんなことないですよ!私も7つの大罪…扉を開ける度、あぁ、うん、うん、ってもう、心あたりが全部あってね。

SUGIZO 強いて言えばどれですかね?

 私、傲慢。

SUGIZO 俺も傲慢ですね。

 傲慢の場面でドキっとすることがたくさんあります。

SUGIZO ねぇ。あのね、戒められる内容なんです。

 そう!ほんとそうですよねぇ。

SUGIZO 演じる方もおそらく観に来て下さる方も、反省をしながら、自分をもう一度見つめ直すような、そんな感じの舞台ですよね。

 そうですね。時代の流れで楽しくて明るいものが、やっぱり嬉しいなって思いますけど、なんかこう、たまに、ね。今回のような作品で自分と向き合っていただけたら、また新しく自分のことを認めることをできるだろうし。

SUGIZO 見た人が新しい一歩を踏み出せるようなね。

 ただあんまり考えないでいただきたいんですよ。見てるときは。見えるものと聞こえるものと、劇場空間を肌で感じていただいて、終わったあとに色々討論していただけたらな、と。

──そういったところが見所になるんでしょうか?
SUGIZO 見所は水夏希さんじゃないですかねぇ。

 あははは(笑)。

SUGIZO 独壇場ですよ。

 いやいやいやいやいや。みなさん個性的でいらっしゃるので、他のキャストのみなさんも。本当に個性的ですよね!

SUGIZO すごいね。人間の縮図みたいな。

 いや、本当に。凝縮された劇場空間になるんじゃないかと。

SUGIZO たぶんこんなに濃い舞台ってなかなかないんじゃないかな。

 劇場に一歩足を踏み入れた途端に、あ、ここは青ひげ公の城だってことが、なんの理由もなくわかってもらえるんじゃないかな?って感じですね。

SUGIZO まぁ、我が家なんですけど(笑)。

──最後にいらっしゃるお客様にメッセージをお願いします。
 さっきもお話しましたが、自分と向き合ったりとか、人生と向き合ったり、ちょっと怖いような感じもしますけど、恐れずに、劇場空間を感じることを楽しんでいただけたらなと思います。

SUGIZO そうですね。先ほど水さんもおっしゃいましたけど、あんまり考えすぎずに、ただインスピレーションのままに感じてもらえれば。雰囲気もすごく美しいし、この世界観に浸っている実感や、感触を味わってもらえれば嬉しいですね。見終わったあとに、あれ?自分が何か変わってる?自分が何か持ち帰ってきた?っていう、そういうキッカケになれれば嬉しいです。でも基本的にはただインスピレーションのままに見てもらえたらと思います。


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『7DOORS〜青ひげ公の城〜』

構成・演出◇鈴木勝秀
音楽◇SUGIZO
出演◇水夏希 中山祐一朗 石橋祐 菅原永二 Spi オレノグラフィティ 伊藤ヨタロウ 陰山泰 SUGIZO

●3/16〜4/1◎東京グローブ座
●4/4・5◎森ノ宮ピロティホール

<料金>
東京グローブ座 S席¥9,500 A席¥8,000(全席指定・税込) 
森ノ宮ピロティホール ¥9,500 (全席指定・税込)

<問い合わせ>
東京 Quarasエンタメ事務局 03-3779-2681(平日10:00〜18:00)
森ノ宮 キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00) 




【取材・文/岩見那津子 撮影/岩田えり】 

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『7DOORS〜青ひげ公の城〜』舞台レポート

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廃墟のような、しんと静まりかえった城の中に響くバイオリンの音色、天井からしたたり落ちる水滴がはねる音…ミステリアスで観る者の感覚を刺激する舞台だった。
まず宝塚退団後、初めて水夏希が女性役としてスカート姿…主にウェディングドレス姿を披露する、というところに注目が集まっているかと思うが、水は凛々しくて綺麗。ただスカート姿がどうこうではなく、水自身の女性的な芯の強さや正しさが今回演じるユディットという役において十分に生かされていたことがポイントだろう。

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ユディットは羊飼いの娘。羊の世話をしているところを青ひげ公(SUGIZO)に見初められ、不穏な空気の漂う青ひげ公の城を訪れることとなる。そこで彼女は青ひげ公の執事(中山祐一朗)と共に7つの扉を開けていく。
キリスト教の7つの大罪になぞらえて、扉を開けるごとに、暴食(オレノグラフィティ)、肉欲(Spi)、強欲(陰山泰)、怠惰(石橋祐)、憤怒(菅原永二)、嫉妬(伊藤ヨタロウ)、傲慢(中山祐一朗)と、それぞれの罪を象徴する人々が現れ、その罪深さや罪を犯した背景を知るたび、自分自身にもどこか思い当たる節があるように感じられてくる。
彼らが犯した罪はそれぞれの思いが過剰に表に現れた結果かもしれないが、誰もが胸の奥に抱えている感情であることは間違いない。7つの扉の奥を覗いていくユディットと共に観客も自分自身を見つめ直すことになるかもしれない。

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SUGIZOの音楽は神秘的。この音楽と、そしてSUGIZOの存在そのものが、舞台の世界観を大きく決定付けていた。舞台美術の美しく寂れた感じもひんやりとしていて良い。『青ひげ公の城』というバルトークのオペラを下敷きに、演出の鈴木勝秀の考えや美意識を体感していくようである。
また水の色っぽいダンスシーンがあったり、歌う場面があったりと、ミュージカルではないのだけれど、魅せる場面もあり楽しめる。

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水とSUGIZO、それぞれの目の中に、お互いの姿が映っているポスターがとても印象的だったのだが、そのポスターの意味がわかるようなラストシーン。自分の中の感受性を最大限に膨らませて、舞台から受けた刺激をもとに、色々と考えを巡らせたくなるような作品だった。



 


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 『7DOORS〜青ひげ公の城〜』

構成・演出◇鈴木勝秀
音楽◇SUGIZO
出演◇水夏希 中山祐一朗 石橋祐 菅原永二 Spi オレノグラフィティ 伊藤ヨタロウ 陰山泰 SUGIZO

●3/16〜4/1◎東京グローブ座
●4/4・5◎森ノ宮ピロティホール

<料金>
東京グローブ座 S席¥9,500 A席¥8,000(全席指定・税込) 
森ノ宮ピロティホール ¥9,500 (全席指定・税込)

<問い合わせ>
東京 Quarasエンタメ事務局 03-3779-2681(平日10:00〜18:00)
森ノ宮 キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00〜19:00) 



【文/岩見那津子 撮影/岩田えり】 


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草刈民代・紫吹淳・友近のミュージカル『9時から5時まで』 レビュー&インタビュー


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草刈民代・紫吹淳・友近の出演するミュージカル『9時から5時まで』が3月9日に東京・銀河劇場で開幕した(18日まで)。その後、4月30日まで全国11カ所で公演する。


1980年に公開された米国映画の舞台版で、カントリー・ウエスタンの大御所ドリー・パートンが作詞・作曲した美しく楽しいメロディーでミュージカル化されたのが2009年。その年のトニー賞に主演女優賞、助演女優賞、振付賞、作曲賞という4部門がノミネートされた。

日本ではこれが初上演で、映画でジェーン・フォンダが演じたジュディー役には紫吹淳、リリー・トムリンが演じたバイオレット役を草刈民代、ドリー・パートンが演じたドラリー役を友近が演じる。またセクハラをするハート社長には石井一孝が扮している。
大企業のオフィスを舞台に、上司のパワハラ・セクハラに耐えかねたOLたちが、奇想天外な方法でボスに復讐しようとするミュージカルコメディだ。


物語はセクハラ・パワハラ上司(石井)に苦しめられる3人の女性社員、子持ち未亡人バイオレット(草刈)、離婚によって不慣れな会社勤めに飛び込んだジュディー(紫吹)、セクシー秘書(友近)が一致団結し、パワー全開で上司ハートに挑むプロセスを、ブラックな笑いとともに描いている。
 

ミュージカル初出演の元バレエダンサーで女優の草刈民代は歌にもチャレンジ、数々のミュージカルで魅力を発揮している紫吹淳はちょっと天然な可愛い女性ぶりがチャーミング、昨年『アニー』に出演を果たしたお笑いの友近はパワフルと、それぞれ魅力的。そんな3人と対抗する石井一孝が大きな存在感で口ひげがよく似合う。悩みはシリアスだが、彼女たちが明るくエネルギッシュにコミカルに行動し、現状を打ち破るために突き進む姿には拍手を送りたくなる。ブラックでドキッとさせる場面もあるが、最後は笑顔で帰れる楽しい作品だ。


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3月8日、初日を控えて公開稽古が行なわれ、草刈民代、紫吹淳、友近、石井一孝が記者のインタビューに応えた。
 

【挨拶と一問一答】


━━初日にむけて意気込みは?

石井 言葉にできないくらいヤル気満々なんですけどね。というセリフがあるんですけど。美しい3人にいいように料理されたいなと。普段は豪快な性格なんですけど、一緒にいると小さい気持ちで頑張りたいと思います。元気いっぱい。

紫吹 私はボケている感じのキャラなんですけど、なんで笑うんですか(笑)。ちょっと素に近いんですけど、しっかりしている草刈さんがグイグイ引っ張ってくださるので、今回はゆったりと良い意味で活かせられたらなと思っています。

草刈 とてもエネルギッシュで楽しいミュージカルだと思うので、私も今まで稽古した分を力いっぱい演じて満喫したいと思います。

友近 すごく楽しいドタバタミュージカルで、他では見ない皆さんの顔を見られるんじゃないかと思います。


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━━草刈さんは初ミュージカルですが。

草刈 踊りもありますし、音楽もベースになっていますから、お芝居だけど演じやすいというか自分の今までやってきたことが活かされている気がします。


━━セクハラ・パワハラ上司をやっつけるという話ですが、女性の3人はどういう気持ちで?

紫吹 どういう気持ち?

草刈 初めのうちは抑圧されているんですけど、それが何かのきっかけでどんどんほどけて、酔っ払って解放されるシーンから一気に拍車がかかってやっつけるという感じなので、そこはもう楽しんでやっていますね。

紫吹 私はなんでも人よりすべてが遅いキャラなので、セクハラの部分に関しても遅いみたいなところがあるんです。ジュディーという役なんですけど、ジュディーがバイオレットさんみたいに育てられていくっていう。いじめがあったからこそ……。

草刈 どんどん精神的に自立していくみたいなね。


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━━石井さん、女性3人をいじめるのは?

石井 いじめるのが前半と、逆にいじめられる後半なんですけど。普段そこまで横柄でいじめたりとかいじめられたりって無いです。3人がとても面白いんですよ。面白くて可愛らしい人達にいじめたれたりしてね、なんかこうときめくものがあるんですよね(笑)。自分の中の変態性が出てきちゃってるというか。なんか嬉しいような錯覚してきちゃって(笑)。それじゃいけないなと戒めようかなというところですけど。人間には誰かをいじめたいとかって無いわけじゃないので、それを具現化する人はあまりいないけど、芝居を通してそれを出来てて、人間性の解放みたいな感じになります。なんといっていいのか、楽しいんですよね(笑)。


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━━女性3人は逆に後半いじめるということなんですが、ここ気持ちいいというシーンはありますか?

紫吹 私はセクハラ社長にSMシーンチックな…鞭とかは使わないんですけど、ヒールで踏んづけたりするところがあってそこは気持ちいいかな、なんて(笑)。後は踊りのなかで男性の大事な部分を蹴飛ばすというフリがあるので、本当に蹴飛ばさないように。

石井 とんでもないよねー。

紫吹 もしぶつかっちゃったらごめんなさいって言ってるんですけど。

石井 そのシーン止まると思いますよ。

紫吹 止めないためにも。そこは見せ場的なところでもあるので、大切なシーンで私のなかでは一番ビシビシやっているSMチックなシーンです。

草刈 私は踊りを見せるところと、芝居で病院でドタバタしたコミカルなシーンもございますし。(紫吹が耳打ち)そうですね、白雪姫の格好をしているところもあります。今回は幅広く色々なことをさせていただいてます。

紫吹 みんな豹変するんですよ。ね。

石井 面白いよね。

紫吹 友近さんもだし。


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━━友近さんはどう豹変するんですか?

友近 すごく可愛らしい役なんですよ。地でいってるところもありますし。やっててストレス発散になりますし。 普段の役柄っておばちゃんとかオッサンが多いなか、

石井 オッサンていうのあるよね。

友近 自分で作ったキャラなんですけどね。だから可愛らしい役するってすごく楽しくて。普段こういう風に振舞ったら可愛いのかとか、演じながら勉強になるっていうのはあります。


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━━上司をこうしてやりたいと妄想するシーンがありますね、最近プライベートで妄想をしたことは?

紫吹 妄想は結婚ですか。はははは。ほっといてください。

石井 はははは。

紫吹 いや、笑うところじゃないです(笑)。結婚は一度はしてみたいと思いますけれど、結婚して例えば草刈さんにバレンタインにはあげましたかとか、つっこんで聞いてみたら、夫婦になるとそうでもないんだなとか。そんな夫婦生活を妄想したりしましたけど(笑)。

草刈 私は妄想はあまりないですね。現実的で妄想しないタイプかもしれないですね。

友近 妄想というよりも、夢と妄想がごっちゃになっているというか。昨日の夢はこのミュージカルの宣伝を色んな関係者の人にしてねって吉本のマネージャーに言って、結局マネージャーがなんにもしてなくて「どないなってんねん!」って怒ってる夢みました。普段思ってることが多分夢になるので。夢のなかではイライラしたくないのに夢までイライラしてるとか。このミュージカルはストレス発散になるかなっていうのはあるんですけど。

石井 僕は友近さんのやるドラリーさんのことが好きなので結婚したらどうなるかとかそういうことは考えますね。実際妄想して嫌われる役なんです。


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━━今回のミュージカルのみどころを最後に。

石井 抱腹絶倒ですね。面白いし、曲がドリー・バートンてカントリーの大御所の人なんですよ。ホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の作曲家が書き下ろした曲なんです。曲も素晴らしいし。なんとっても3人が面白い。俳優として面白いのか、素として面白いのか分かんないくらい面白くて、みどころです。楽しみにしていてください。

紫吹 今のこの時代に日本という国で少しでも皆さんに笑いをお届けできたらなと思います。

草刈 作品自体に前向きのパワーがあると思うので、楽曲も力強いですし、私たちもそれに乗って稽古しながら更にパワーアップしていくので、皆さんにはそういうエネルギーをエンジョイしていただきたいなと思います。

友近 海外のコメディってこういう感じなんだなとか、やりながら日本との笑いの違いが発見できますし、草刈さんがこんなにコメディにバッチリ合う方なんだなと今回の稽古中から笑ってしまったり。その辺りがすごくみどころだと思います。


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ザ・ミュージカル 

『9時から5時まで』
作詞・作曲◇ドリー・バートン

脚本◇パトリシア・レズニック

翻訳・訳詞◇青井陽治

振付◇上島雪夫

演出◇西川信廣
出演◇草刈民代、紫吹淳、友近、石井一孝、安崎求、花山佳子、石井一彰 ほか
●3/9〜18◎天王洲 銀河劇場

●4/3〜30◎金沢、大阪、高知、名古屋、福井、長崎、熊本、徳島、松山、岡山、広島

〈料金〉銀河劇場 9800円(全席指定・税込)
〈問合せ〉コマ・スタジアム 03−3202−5400 

コマ・チケットセンター 03−3207−5588 (平日10時〜17時)

銀河劇場チケットセンター  03−5769−0011 (平日10時〜18時) 
公式HP http://www.tohostage.com/9to5/index.html


【取材・文/佐藤栄子 撮影/冨田実布】

真風涼帆インタビューが演劇ぶっく4月号に掲載。

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