宝塚ジャーナル

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音月桂のお披露目公演。雪組『ロミオとジュリエット』

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宝塚歌劇団雪組の新トップとなった音月桂のお披露目作品であるミュージカル『ロミオとジュリエット』の製作発表が9月12日、東京・丸の内の東京會舘で行われた。

この作品は、世界的な名作シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をフランスのジェラール・プレスギュルヴィックがミュージカル化して大ヒット。宝塚バージョンは小池修一郎がアレンジして、今年の夏に星組が梅田芸術劇場と博多座で上演し、高い評価を得たもの。その星組公演に続いて雪組が大劇場バージョンとして上演する。

この日の会見には、雪組のトップの座を水夏希から13日に引き継いだばかりの音月桂がロミオ役の扮装で登場、オーディションで選ばれダブルキャストで出演するジュリエット役の舞羽美海と夢華あみを相手に「エメ(Aimer)愛」など3曲を披露した。

その後、この公演の協賛で、2007年から音月桂がイメージキャラクターをつとめているVJAグループ会長や理事長の小林公一からの挨拶に続き、演出家の小池修一郎、出席者の挨拶から始まった。

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【挨拶】

小池修一郎
「まだ残暑の厳しい中、お集まりいただいてありがとうございます。この『ロミオとジュリエット』は今年の7月に大阪の梅田芸術劇場、そして、8月に博多座で星組によって上演してまいりました。

日本で初めてこのミュージカルをやるということに関しては、星組の選抜メンバーでございましたけれど、どんなものかと、ずいぶん期待と不安が入り乱れておりましたけれど、結果としては大変お客様の暖かいご支援をいただいたというように思っております。
この物語は、誰もが知っているだろうし、宝塚でも何度も何度も上演されてまいりました。
しかし、このフランスの『ロミオとジュリエット』、ジェラール・プレスギュルヴィックさんが2001年にパリで初演されたもので、ロック調の音楽ということや、少しだけ解釈を変えて、たとえばティボルトという敵役がちょっと恋敵のような、ジュリエットに横恋慕してるような、そういう設定になっていたりとか、若者たちの群像というのをより全面に出した作りになっていると思います。
必ず引き合いに出されます『ウエストサイド物語』という傑作と比べて、『ウエストサイド物語』が1956年ですか、アメリカの世相といいますか、移民同士対立というのを舞台にした社会派のミュージカルだったのに対して、このジェラール・プレスギュルヴィックさんの『ロミオとジュリエット』はむしろシェイクスピアの原点に近いと言いますか、古典的というか、とてもシンプルに純愛というものを描こうとしています。従いまして、いろんな周りの背景だとか、情景が大変斬新に設定されているわけではございません 。
その辺が、今、21世紀の私たちがやるにあたってちょっと心配に思いながら手を付けたんですけど、結果としては、時代が不明瞭な様子を呈していることもあるのでしょうか、あまり余計なものがなく、単に愛のみ恋愛のみに生きる若い恋人たちという設定が、多くのお客様にとってある意味新鮮に映ったように私は感じ、やっぱり『ロミオとジュリエット』という物語は不滅の名作というか、人間が何百年経っても憧れる、そこに思いを寄せる愛というものに対して、非常にストレートに描いて、作品そのものが永遠の命を得ていると。そういう意味でシェイクスピアというのはすごい人だと改めDSCF5163て思いました。
シェイクスピアを多少現代的なアレンジを加えていますけれど、基本的には純愛というものを追い求めるミュージカルというのをモットーに、そこに徹底したところが、宝塚歌劇との接点だったのではないかと思っています。

今回雪組でやるにあたっては、前回の星組と違いまして組の全員が出ますのでフィナーレがあり、そこで宝塚ならではの踊りや、歌というのがまた加わると思うんですけど、基本的にはフランスで作られた作品を大劇場の時に、少し短縮してフィナーレを付けなければいけないと思っておりますが、より大劇場バージョンとして増幅した形でみなさんにお楽しみいただけるかと思います。
そして昨日、雪組で他のメンバー80人のオーディションをいたしました。どの人も、大変前向きで熱心に挑戦してくれて、新生雪組というものが、新たな熱い息吹というものがほとばしっているのを感じました。
一昨日水夏希さんがやめたばかりで、翌日にオーディションですから、ちょっとみんな疲れたり、気持ちの上でも引きずっているものがあるかな?と思ったんですが、全く感じさせないで、新たなものに挑戦する大変な意気込みというのを感じました。
これは96年に、一路真輝さんが『エリザベート』をやったときのオーディションにも負けないぐらい大変な熱気がございましたので、また雪組の『ロミオとジュリエット』が宝塚の新しい1ページを開くことを私自身も期待して、そしてそれを目指して頑張りたいと思います。よろしくお願いします」

音月桂
「ロミオを演じさせていただきます。音月桂でございます。今回こs_RIMG2571のお話をいただきまして、素直にとぉーーーーっても(笑)嬉しかったです! 世界各地で舞台化されたり、映画で上演されたり、もうこのお話を知らない人はいないんじゃないかな?って思うぐらいの名作、『ロミオとジュリエット』。その中でも、ロミオを演じさせていただけるというのは、心が躍るとか、胸が躍るほど嬉しいというのは、このことを言うんじゃないかなと思いました。
小池先生とは2007年に雪組で『エリザベート』を上演いたしました。そのときにご一緒して以来です。そのときは、私はルキーニという、ロミオとは全く違う個性の強い役をやらせていただきました。その時とはまた自分がどのくらい成長できているのか、お稽古するときに、小池先生の求めるロミオ像、思い描かれているロミオに早く近づいて、演じていけるように頑張りたいなと思っております。
新生雪組がこんなに素晴らしい作品で、スタートできますのを本当に幸せに思っております。
私は2007年よりVJAグループのイメージキャラクターをつとめさせていただいております。三井住友VISAカード様をはじめとするVJAグループ様にご協賛いただきますことを、本当に心より感謝しております。みなさまの期待に添えるよう、いえ、それを良い意味で裏切れるように、雪組一丸となって、心も新たにフレッシュな、素晴らしい公演をみなさまにお届けできますように、雪組一丸となりまして頑張って参りますので、是非是非どうぞよろしくお願いいたします」

舞羽美海s_RIMG2656
「ジュリエットを演じさせていただきます舞羽美海でございます。この『ロミオとジュリエット』という素晴らしい作品の中でジュリエット役をさせていただけると聞いたときは、本当に音月さんと同じで嬉しいという思いと共に、驚きや不安な気持ちでいっぱいだったんですけれど、初日に向けて精一杯努力をしてお稽古に励みたいと思います。
小池先生の作品には初めて出演させていただきますので、本当に幸せに思っておりますし、小池先生や、他の先生方、音月さんに一生懸命付いていき、精一杯頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします」
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夢華あみ

「ジュリエット役をさせていただきます夢華あみでございます。初めてこのお話をお聞きした時は、ただただ驚きで信じられませんでした。今も緊張と不安でいっぱいなのですが、上級生の方々や、先生方のご指導に沿って精一杯頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」


【一問一答】

ーー40名程が出演された星組公演から、今回は倍の80名が出演されるわけですが、一番苦労したところは?

小池 基本的にはグループのキャピュレットとモンタギューの人数というのは劇場も舞台も広がりますので、もっと数を増やし、よりパワフルに盛り上げて参りたいなと思っております。
あと大劇場でやることをある程度視野に入れた美術とかも作っておりますので、その中で展開できるかと思っております。

ーー音月さんが小池先生の求められるロミオ像に近づきたいとおっしゃっていましたが、音月さんが思われているロミオ像、舞羽さん、夢華さんが思われているジュリエット像をお聞かせください。

音月 私がロミオというものを初めて知ったのが映画で、レオナルド・ディカプリオさんの映画で見たんですけど、とにかく中にすごく熱い情熱を持って、キラキラと輝くようなイメージを受けました。私も今回舞台をさせていただくにあたり、今すごくとても嬉しい気持ちがあるんですけれど、それとリンクするようにロミオがジュリエットに出会った時に、ときめく気持ちとか、そういうものを大切に演じていきたいなと思っております。

舞羽 ジュリエットという役は本当に純粋で、その中でも、ロミオを愛し抜いて死んでいくという最後の結末もありますので、芯の強さを持ったジュリエットを演じさせていただきたいと思います。

夢華 ジュリエットという役は、お話自体は悲劇ではありますけれども、幸せに満ちあふれた、愛にあふれた役だと思いますので、それを少しでもお客様に伝えられればと思っております。

ーージュリエットをWキャストで上演する理由を小林理事長に、またお二人を選ばれた決め手を小池先生に解説をお願いします。s_RIMG2668

小林 宝塚は基本的には5組にトップの男役がいて、トップの娘役がいるというのが、基本的なパターンだとは思うんですが、宝塚の長い歴史を見ますと、その中では、5組揃って…当時4組ですけど、トップ娘役がいないというときも結構あったと思うんです。
そういう中で、今回『ロミオとジュリエット』という作品を雪組の音月桂のトップお披露目公演でやろうとしたときに、いろんな可能性を試していきたい。一人の娘役に固定するのではなくて、いろんな中からそういうことで、雪組のこれからの魅力を、湧き上がらせたいということを考えまして、Wキャストでオーディションを、小池先生共々オーディションをして、この二人に決めさせていただいておりますので、そういう意味では様々な可能性がこれから出てくるだろうと思っております。

小池 そうですね、今回も何人か絞られたジュリエット候補の人たちのオーディションをいたしました。それぞれに甲乙つけがたしというところがありましてWキャストになっております。音月桂と組むと言うことも一つなんですが、同時にこういう作品ですから、配役上とかスターシステムの選抜には、偏りがあるんじゃないかとかいろんな意見が常に出ます。それに対してみんな耐えて、スターとして役者として成長していくというのが、宝塚という場だと思いますので。
せっかくこのように、音月桂に対して新人娘役たちが場を持てると言うのは、私は大変有意義なことだと思いますし、また、宝塚歌劇にとっても、いろんな人たちが切磋琢磨してどんどん、力を磨いていくというのは、とても意味のあることだと思いますので、そういう意味では、オーディションで役を一人に絞ってしまうというより、二人の可能性にそれぞれ賭けたというところでございます。
舞羽は既に音月と組んだ経験もありますし、新人公演の主役もやっています。そういう意味では実績を持っていて、これからもその上に立ってやっていくだろうというところですし、夢華は、宝塚音楽学校というところで卒業成績が一番だったこととかもありますし、そして豊かな歌唱力を持っているということもあり、大変短い学校での実績というのに対しては、この間、新人公演の主役をやったのを私は東京で拝見しましたが、愛原実花さんの退団のちょっと難しい役だったので、研1の子が新人公演で初めて主役をやるのにどうであろうと思う部分もあったんですが、それなりに務めていたのかなと。そういう役を割りと落ち着いてやってると、逆に「研1らしくない!」「初々しくない!」とかいう意見もなくはないと思うんですが、ジュリエットという役をやるときには、またそれなりに向っていくのではないかなと思っております。
という訳で未知数に賭けているわけですけれども、これはたぶん、『ロミオとジュリエット』という作品でなければ、そういう形にならなかったと思うので、今回の音月桂主演の『ロミオとジュリエット』に、二つのタイプの違うジュリエットが、今日は衣装も違うのですけど、みなさんのそれぞれに思われるであろうジュリエット像に、新しい可能性というものを一つ開いて、次の公演に向って繋げていければいいのではないかなと思います。s_DSCF5172
一つ例を挙げますと、宝塚に初風諄さんという大プリマドンナがいらっしゃいました。『ベルサイユのばら』のマリー・アントワネットで、最後退団なさいました。研1の時に男役だったんですが、ヒロインに抜擢されて女役に転向なさって、研1で主役をなさったんだけれども、その後は毎公演必ず主役じゃないんです。研4ぐらいで『オクラホマ』のローリーとかなさって、だんだん主演娘役になっていったと。ですから、夢華にしても舞羽にしても、ある意味どうなるかわからないので、そういう意味では、ドラマシティでは、音月桂の相手役は愛加あゆが務めますから、いろいろな子たちが主役をやって、どこに繋がっていくか、これがまた次の宝塚に結びついていくかなと思います。
それから私が思い出した例としては、大地真央さんがジェームス・ディーンの『ディーン』というのをやった時に、仁科有理さん、春風ひとみさん、こだま愛さんという3人が相手役をやったんですが、出演していない研1だった黒木瞳さんが相手役になられた。また大地さんと黒木さんが退団されたあとに、先輩であったこだま愛さんがトップ娘役になって、『ミー&マイガール』とか大変活躍されました。
ですから一つの機会が与えられたことを、一つの自分の糧として、それから研鑽を積んで勉強をしていくことで、また次の機会に二人それぞれの花を咲かせてくれるといいのではないかと私は思っております。
ご質問の興味に全て答えられたかはわかりませんけれど、今回どうするかということに関しては、それぞれに機会があり、他の娘役さんにもまた機会があって、音月桂の仕事というなかで誰がパートナーシップを組んでくるかというのは、その作品のニーズなどを通して固まっていくんじゃないかなと思います。それは決して悪いことではないと思うので。
80年代ぐらいまでは、みんなスターさんたちに相手役二人ぐらいいたんですよ。今回のように新しいトップ男役に、新しい相手役を選ぶ時に私たちの方で、ある意味お客さんを含めて皆さんで見守るというパターンがあまりないので、大変驚かれる方がいるのも仕方ない事かなと思いますが。
だからジュリエットの二人は、お客様の目も含めて、みなさまがより興味を持って見てくださるということを、充分感じているでしょうし、それを受けて頑張りましょう(笑)。
音月さんが一番大変ですよ(笑)。二人の相手役を引き上げていくというのはものすごいエネルギーがいることだと思うんだけれど、その辺は男役の度量を試されるところなので、いろいろな先輩にうかがったりしながら、娘役を育てるというか、一緒に上ってくってことを、是非是非学ぶというか。ハードかもしれないけど、結果は絶対良いものになると信じています。

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【追記】
また音月桂は、この宝塚宝塚大劇場お披露目公演の前に、プレお披露目公演として『はじめて愛した』を大阪と東京で上演する。殺し屋という裏の世界に生きる男の役で、ロミオとは違った一面を見せてくれそうだ。


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宝塚歌劇雪組公演

ミュージカル『ロミオとジュリエット』

原作◇W・シェイクスピア

作詞・作曲・演出◇ジェラール・プレスギュルヴィック

潤色・演出◇小池修一郎

出演◇音月桂、舞羽美海、夢華あみ 他宝塚歌劇団雪組/専科・一樹千尋

●2011/1/1〜31◎宝塚宝塚大劇場

〈料金〉SS席¥11000、S席¥8000、A席¥5500 B席¥3500

〈問い合わせ〉 0570-00-5100 宝塚歌劇インフォメーションセンター

●2011/2/17〜3/20◎東京宝塚劇場

〈料金〉SS席¥11000、S席¥8500、A席¥5500 B席¥3500

〈問い合わせ〉 03-5251-2001 東京宝塚劇場

 


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雪組特別公演 『はじめて愛した』

作・演出◇正塚晴彦

出演◇音月桂、愛加あゆ 他宝塚歌劇団雪組

●10/13〜25◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

〈料金〉A席¥7000 B席¥5000

〈問い合わせ〉 06-6377-3888 梅田芸術劇場

●10/31〜11/7◎日本青年館大ホール

〈料金〉A席¥7000 B席¥5000

〈問い合わせ〉 03-5251-2071 東京宝塚劇場


【取材/岩見那津子 取材・文/榊原和子】



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富士のさまざまな表情を描く 轟悠「心の旅」個展開催

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絵画の世界にもその才能を発揮している宝塚歌劇団専科の轟悠が、第5回目の個展「心の旅」を開催中である。

これまでにもたびたび個展を開いてきた轟だが、今回は「和の世界」にも表現が広がり、「富士山」をテーマに描いた新作や、ヨーロッパの風景を描いた旧作など、28点を展示している。東京での開催場所、飯田橋のホテルグランドパレスで、9月5日に初日を迎えた轟を囲んで、囲み会見が行なわれた。

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【挨拶と一問一答】 

「日曜日なのに朝からお集まりいただきありがとうございます。今回第5回を迎えることができまして、新旧を含めまして28点、展示しております。私も懐かしく眺めつつ、配色や配置を考えました。新しいものは富士山で、このあたりに並んでいます。生徒から富士山を描いてと言われたことがきっかけで描いてみました」

ーー和の風景への興味と描きたかった部分は?

「一回目で奈良の大仏を描いているんですが、たいへん難しくて、もともと静物画や風景画が好きなのでそちらばかり描いていたんです。今回の富士山に関しましては、日本が世界に誇れる富士山ということで、山というものは色々な表情を持つのでとても難しいとも聞いておりましたが、私なりにアレンジしながら。眺めているとやっぱり富士山は綺麗だなと思いながら描きました。難しいですね(笑)。日本には他にも美しい風景、心休まる風景がありますので、機会があったら色々描いていきたいです」

ーーまだまだ描くものは広がりそうですね。

「そうですね。下手の横好きの段階ですが、舞台とともに腕を上げていけたらいいなと思います」

DSCF4838ーー生徒さんに勧められてというのをもう少し詳しく。

「生徒で富士山に登ろうというグループがありまして。私も誘われたんですけど私はちょっとというので(笑)。五合目で待ってるからというような話はしてて、なかなか彼女たちとスケジュールが合わなくて、ずっと持ち越しなんですけど(笑)。まだ彼女たちは諦めていないようで、じゃ私は頂上まで行けないけれど、美しい風景を描くということで(笑)」

ーーこれは実際に富士をご覧になって描くのですか?

「富士山ってなかなか姿を現さないんですよ。ですから新幹線、飛行機、車等々で富士が見えるとすぐ写真を撮って、という感じです」

ーーいろいろな富士の顔がありますが、轟さんが一番思い入れのあるものは?

「そうですね、あのいちばん端にある『天声を〜』という雲海の富士は、一日で描いてしまったんです。あと、この『音』という逆さ富士。逆さ富士が見える時って風がなく無音なんです。でもどこからか鐘の音が聞こえてきそうな感じです。ここに鳥が飛んでて、ゴミではありませんので(笑)。それからあちらの赤富士も、描いてるうちにイメージが強くなってきてバックの色が変わってきて、黒と、あと紫も入ってるんですが。描いてるうちの変化が楽しかった作品の1つですね。あとはこの個展が9月ということで秋を意識して麦の穂のとか、です」

ーー今回改めて感じた轟さんのなかで絵を描くことの意味は?

「最初の1回2回は、小さい頃に絵を習っていたことを思い出しながら、また油絵を触るにあたって勉強しながらとりかかって、やっぱり絵を描くことは楽しいなと感じていました。それが見てくださる皆さんなどの反響を感じはじめて、趣味だけでは失礼かなという気持ちになってきました。せっかくやりかけたことですから、自分が宝塚という舞台の仕事を持ちながら、絵画のほうでまた違った発見というか、自分で気づかない変化が出ればいいなと思いながら。変わってないのか変わってるのかよくわかりませんが(笑)。今回、日本の風景でがらっと変わったところはあると思います」

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東京の開催はすでに終了しているが、本拠地宝塚では9月10日と11日に開催する。この個展のあとは主演作品『オネーギン』の稽古に入るという轟だが、10月13日には、これまでの出演作の主題歌や宝塚の名曲を41曲も網羅した「25周年記念ベストアルバム」が発売されるなど、多方面で精力的に活躍する秋となった。

 

 

第5回轟悠個展「心の旅」

9/1011◎宝塚ホテル(東館2F・菊の間)

轟悠トークショー

1014時〜◎宝塚ホテル(新6F・宝寿の間)

 

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周年記念ベストアルバム

TODOROKI Yu Song Collection

10/13リリース tcac-413-414 ¥5000

 

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雪組特別公演

『オネーギン』

10/1521◎日本青年館大ホール

S¥7500 A¥5000

〈問合せ〉03-5251-2071歌劇事業部

10/2811/7◎宝塚バウホール

¥6000

〈問合せ〉0570-00-5100 宝塚インフォメーションセンター


【取材・文/榊原和子】 

旧音楽学校でOGがイベント 『萬あきらトーク&ライブ』

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かつて宝塚ファミリーランドの一角にあった「宝塚音楽学校」、蔦で覆われたクラシカルな学び舎は、1998年の12月まで使われていたが、劇場隣に新校舎が建って生徒がいなくなったあとは、市の新たな文化拠点として再活用され、宝塚文化創造館としてさまざまな形で使われている。
その宝塚文化創造館で、初の歌劇団OGのイベントが行なわれる。10月9日に開催される『萬あきらトーク&ライブ』である。
旧音楽学校が宝塚の文化的財産として生きるための催しを、宝塚市とOGとで作り上げていく、その第一歩となるための公演である。

イベントの内容はタイトル通り、宝塚音楽学校旧校舎での思い出や現役時代の舞台のトーク、そしてライブは『カサブランカ』をはじめ数々のステージで聞かせた歌声を披露する。もちろん有名なジャズの「As Time Goes By」などもプログラムに入っている。

このイベントに向けて萬あきらがコメントを寄せてくれた。

「宝塚市の、いえ日本の財産である大切な宝塚歌劇。宝塚市にお住まいの方々でそんな風に思って下さっている方は意外に少ないような気もするのですが…。
でも私はそう信じてステージに立って来ました。人生の大切な時を舞台人として男役として勉強させて頂き、どんな道でも追及すればするほど楽しく苦しく面白いことを知りました。
そしてステージを観ることによって癒されたり、辛い人生を乗り越えて下さったファンの方々のお話を聞かせて頂き、何て素敵な仕事に出合えたんだろうと感謝しておりました。
そんな宝塚の最初の道場、想い出深い宝塚音楽学校旧校舎で退団後にトーク&ライブをさせて頂けるのは最高に幸せです!
芸術の秋に、散歩がてらにでも宝塚の文化を楽しんで頂けたら嬉しいです。
心よりお待ちしています。   萬あきら」

なお9月4,5日にも、萬あきらは池田市の逸翁美術館で、『逸翁コンサート〜帰ってきたタカラジェンヌ〜小林公平メモリアルコンサート』を開催する。

退団後も宝塚関連の施設を使ってそれぞれのキャリアを披露し、かつ深めていく。OGたちによるこういう文化活動は、これからますます盛んになりそうだ。

 

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『萬あきらトーク&ライブ』

出演◇萬あきら、佐伯準一(ピアノ)

●10/9(開演14:30〜16:00)◎宝塚文化創造館1階講堂ホール

〈料金〉2000円(全席自由席)

〈問合せ〉080-6209-2554(宝塚文化を紹介する会・杉本)

〈販売所〉0797-85-8844 宝塚市文化振興財団/ソリオホール/ベガホール

 

『逸翁コンサート〜帰ってきたタカラジェンヌ〜小林公平メモリアルコンサート』

出演◇萬あきら

●9/4〜5◎逸翁美術館

〈料金〉3500円(全席指定席)

〈問合せ〉逸翁美術館 072-751-3865(10:00〜17:00)

 

【取材・文/榊原和子 協力/ウィズたからづか】

2枚目のアルバムと9月のサントリーホール 春野寿美礼インタビュー

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【ショパンとサンドの愛の旅を】

宝塚を卒業して3年、歌い手として、ミュージカル女優として活躍する春野寿美礼が、7月28日に2枚目のアルバムをリリースした。

昨年発売された1stアルバム「男と女  Un homme et une femme」では、タイトル曲の「男と女」や『エリザベート』の「最後のダンス」といったおなじみの楽曲から、主演したばかりのミュージカル『マルグリット』のナンバーまで男声と女声を歌い分け、セルジュ・ゲンズブールの「Je T'aime Moi…non plus」では1人で男声と女声のデュエットを聞かせるなど、歌手としての実力を堪能させてくれた。

今回の2ndアルバム「Chopin et Sandー男と女ー」は、タイトルにあるように、フレデリック・ショパンと彼を愛した フランスの女流作家ジョルジュ・サンドの、有名な恋のドラマからインスパイアされた物語。今年で生誕200周年を迎えたショパンの名曲を3曲、そしてシューマンとマーラーが各1曲というセレクトになっている。

そのアルバムの話と9月にあるコンサートについて、春野寿美礼に話を聞いた。

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【2人の辿った愛の道】

ーータイトルが「ショパンとサンド」で、1stアルバムに続いて春野さんのテーマである「男と女」に光を当てたものになってますね。

前回とのいちばん大きな違いは、女性と男性というふうには歌い分けていないんです。ショパンとサンドという男と女の恋の心情を歌ったものになっています。

ーー音楽監督が羽毛田丈史さん、作詞が菅野こうめいさんというメンバーも1stと一緒で。

そうなんです。9月のコンサートでもお世話になるかたたちなんですが、2ndを作るにあたっていろいろなアイデアを出してくださって、その中でショパンの生誕200年に合わせて、私の「男と女」というコンセプトを組み込みながら選曲してくださいました。

ーーいろいろなドラマが5曲の中で展開されていますが、5つの曲を全部聞き終えると1つの宇宙がある気がします。

そうですね。ちょうど1つ1つのが短編小説になっているというか、オムニバスであると同時に1編の愛の物語になっていると思います。

ーーそれぞれの曲について、歌い方など具体的なイメージの指示などあったのですか?

具体的なイメージの指示はなくて、逆に私の感じたイメージを大事に歌おうと思って自分なりに解釈して歌っています。こうめいさんの詩にいつも感じることは、ロマンティックで繊細で、同時にダイナミックでもあってすごく素敵だなと思っています。

 

【熱い空気の中での「バルセロナ」】

ーーまず「メモワール」ですが、原曲はショパンの「幻想即興曲」で、高音がすごく繊細で、女性的な声という気がしたのですが。

声の出し方はそんなに意識してなくて、羽毛田さんがキー合わせで、どの“調”が私の声が一番よく響くか,そのことを大切に考えてくださってるので、自分の出しやすい声で歌っているだけなんです。「メモワール」は一応パリのショパンとサンドで、そこで過ごした日々のことを思って歌ってます。そこからショパンの故郷のポーランドに行って「 さよならのエチュード」、「情熱のバルセロナ」は2人の情熱の日々で、マヨルカを舞台にしたのが「夢から醒めて」、そして「FINALE」は愛への感謝の気持ちを歌っています。

ーーまさに2人の愛の旅路をそのままたどったものなんですね。それぞれの楽曲への取り組みはたいへんでしたか?

「バルセロナ」が最初の吹き込みだったんですが、私がスタジオに入った時、バンドネオンの小松亮太さんはすでに録り終えてて、小松さんの奥様がバイオリンとマンドリンを演奏されていたんですが、スタジオの中がものすごく白熱した状態になっていたんです。なんの気なしに入って行ったものですから、その空気の中で「私、このあと歌うのよね」と(笑)。でもあれこれ考えているより、とにかくぶつかっていくしかないなという気持ちで歌ったんです。

ーーすごく迫力あるし激しくて素敵な歌唱になっています。原曲は「夜想曲第20番」で、映画の『戦場のピアニスト』などで有名な曲ですが、全然違う色合いで歌われていました。

小松亮太さんってバンドネオンでは世界でも一流のかたで、アルゼンチンタンゴについては譲れないというポリシーを持っていらっしゃるかただから、最初から私の経験とかでは太刀打ちできないので、感じた感覚を素直にぶつけるしかなくて、マイクの前で「とにかくこの情熱を歌おう!」みたいな感じで(笑)、気合いだけは入ってます。

ーーそれと対照的にしみじみと柔らかなバラードになっているのが「さよならのエチュード」で「別れの曲」が原曲ですね。

これはクラシックギターと私の歌だけで、間奏にピアノが入ってるんですが、クラシックギター1本だけのとぎすまされた音と空間の中で、一体化した感じで歌えました。歌詞もすごく素朴なんです。「追憶のバルセロナ」とまるで反対のシンプルなものを目指して、ギターの音色に心情をのせていく。そういう感じでした。

 

【ただ合わせればいいんだよ】

ーー同じくすごくポピュラーな、シューマンの「トロイメライ」をアレンジした「夢から醒めて」。これは松谷卓さんのピアノと共演していますが、眠れない夜に幻想のなかで安らぐみたいな、癒しの感覚があります。

自分でも思ったより出来上がりがいいので嬉しいんです。この曲をアレンジしてくださったのはピアニストの松谷卓さんで、テレビ番組のテーマ「劇的ビフォアーアフター」で有名な方ですが、このアレンジを初めて聞いたときも「あの音色だ」って思ったくらい独自のスタイルを持ってる方です。
松谷さんは「トロイメライ」が大好きでいろいろなかたとコラポをしてらっしゃるんですが、歌とのコラボは初めてだそうで、お互いに最初はちょっと意識しすぎてしまってうまくいかなかったんです。そんなとき、羽毛田さんが「ただ合わせればいいんだよ」とポンと言ってくださって、その一言で救われたというか、「なんだ合わせればいいのか」とラクになれました。

ーー松谷さんはまだ30歳とすごく若いのに有名なアーティストですね。

若いのに感じが柔らかくて、こちらの今回のコンセプトを理解してくださって近づいてくださって。やはり一流の方ならではのすごさを思い知らされました。



【マーラーの心地よさの秘密】

ーーそして最後の「FINALE」はマーラーの「アダージェット」からですが、交響曲ならではの壮大なスケールで、まさに曲の包容力に包まれる感じです。

最初、このメロディで私は何を表現できるんだろうと思ったんです。だいたいマーラーは楽曲自体がすごく長いので羽毛田さんがどこを今回選ぶのか、そして作詞のこうめいさんはどんな歌詞を付けられてくるのだろうかと思っていました。

ーーこの楽曲も映画の『ヴェニスに死す』などでおなじみですし、マーラーはドラマティックなイメージが強いのですが、意外とヒーリング系に仕上がってますね。

そこが実はマーラーのすごさで、演奏はオーケストラなんですがメロディは意外とシンプルで、そのメロディと伴奏のバランスに、マーラーならではの、他の作曲家にないような微妙な“調”があるのを感じました。「このメロディで来たらこうなるはずなのに、なんでそうなるの?」と思うような音になる。そこがマーラーの天才である理由らしくて、羽毛田さんに言わせると「絶対にあり得ない“調”なんだけど、それを聞くと人が落ち着く」ものだそうです。

ーー音符的には不自然でも人間の生理としては心地よいみたいなことですか?

そうそう。不協和音だったりするんだけどそこにたどり着くと自然の流れに感じるというような。自分の歌の音符だけのときは不思議な音階だなと思いましたし、これをどう表現したらいいのかと思っていたんですけど、レコーディングでオケと合わせたとき「ああ、こうなるんだ」と。本当にその場で乗れてうまく歌えてしまったのでびっくりしたくらいです

ーーマーラーの交響曲ならではの魔力ですね。でもそういうチャレンジができる春野さんの声も表現力もすごいですね。

いえ、まわりの方たちの力です。アレンジした羽毛田さんにはきっと最初から私の声も含めてこうなるというのがわかっていたのだと思います。私自身も出来上がりを実際に聞いたときは、こういうふうになるんだという感動がありました。

 

【サントリーホールに挑戦】

ーークラシックをいろいろな表現で歌ったという点では、このアルバムは大きな成果になりましたね。

クラシックをこんなに違う形で表現していいのか、またちゃんと完成度を出せるかなど、心配な部分もあったんですけど、関わってくださったアーティストのかたたちと、「男と女」というコンセプトのおかげで、ちょっと新しい感覚でクラシックを聞いていただけるものになったかなと思ってます。

ーーそのテーマの「男と女」ですが、春野さん自身の中でこのコンセプトに何か変化がありましたか?

私自身は女性としてずっと生きてきましたし、これからも女性として成長していきたいと思っているんです。その成長の過程で、自分が宝塚の男役出身ということで、そういう歌い方や表現も出来るので、うまく取り込みりながら女性としての自分の表現をさらに成長させていければいいなと思ってます、でも、これまで身につけたものも私の一部ですけど、大事なのは「今」であり、またさらに変化していく自分なので、それを自分でも楽しみにしているんです。

ーー「男と女」のさまざまな面を、いろいろな形で追求していただきたいです。そして9月にはサントリーホールでコンサートがありますが。

クラシックのコンサートホールとして有名なところですから、ちょっと緊張します。歌う曲はクラシックとはいってもポップス寄りになっている部分もあるので、いつもそこで聞いていらっしゃるクラシックファンの方達に、どう受け入れられていただけるか。でもショパンとかマーラーをそのままを歌うことは私の歌にはならないと思うので、なんとかアルバムに入ってるような表現で歌ってみたいと思っています。

ーーあくまで「春野寿美礼のクラシック」ということですね。

プロデューサーが羽毛田さんですから、新鮮な感覚でクラシックファンの方も納得できるような、これも面白いなと思ってもらえるようなコンサートにしてくださると思いますので、それを信じて。いろいろなかたに「春野寿美礼の世界」を知っていただくつもりでチャレンジします。

ーー退団してから3年、歌の世界への興味は尽きないようですね?

そうですね。まだまだ踏み出したばかりですが、「春野の歌」というのはなんとなく見えてきました。新しい分野に初挑戦したアルバムで自分でも初めて気づいた声というのもありますし、さらにジャンルや表現が広げていければいいなと思います。このコンサートも、自分の可能性を探るためにも、たくさんの方に春野寿美礼という存在を知っていただくにもいいチャンスだと思いますし、1人でも多くのお客様を魅了できればと思っています。

 

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春野寿美礼2ndアルバム 「Chopin et Sandー男と女ー」

7/28エピック・レコードよりリリース ESCL-6495/¥2520(税込)

1. メモワール-Memoirs of Paris-(ショパン「幻想即興曲」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
2. さよならのエチュード(ショパン「別れの曲」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
3. 追憶のバルセロナ(ショパン「夜想曲第20番」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:小松亮太
4. 夢から醒めて(シューマン「トロイメライ」) 作詞:菅野こうめい/編曲:松谷卓
5. FINALE(マーラー「アダージェット」より) 作詞:菅野こうめい/編曲:羽毛田丈史
6. 交響曲 第5番嬰ハ短調 より 第4楽章「アダージェット」
7. トロイメライ
8. 夜想曲 第20番嬰ハ短調「遺作」
9. 練習曲 第3番ホ長調op.10-3「別れの曲」
10. 幻想即興曲 嬰ハ短調op.66
(1〜5 /歌・春野寿美礼  6〜10/インストゥルメンタル)

 

コンサート『春野寿美礼meets image オーケストラ』

音楽監督◇羽毛田丈史
出演◇春野寿美礼、オーケストラ image 、羽毛田丈史
ゲスト小松亮太(20日、23日)、松谷卓(21日)

●9/20〜21◎東京 サントリーホール大ホール
●9/23◎大阪 梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉
東京/S席¥11000 A席¥10000
大阪/¥11000 A席¥6000

〈問合せ〉
東京/キョードー東京  03-3498-9999
大阪/梅田芸術劇場  06-6377-3800

 

【取材・文/榊原和子】

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