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坂本昌行×多部未華子ら豪華キャストによるミュージカル『TOP HAT』メインビジュアル完成!

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11月に東急シアターオーブにて、12月には梅田芸術劇場メインホールで上演されるミュージカル『TOP HAT』のメインビジュアルが完成した。
 
ミュージカル『TOP HAT』は、ハリウッド・ミュージカル映画を代表するフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースが主演し、1936年に日本でも公開された映画「トップ・ハット」をもとに、映画の魅力はそのままに、ダンスや音楽、躍動感あふれる舞台版として2011年に英国で初演された。

今回の日本版の主演には、V6のメンバーで舞台やミュージカルを中心に活躍、確かな歌唱力とダンスパフォーマンスで観客を魅了する坂本昌行。その相手役となるヒロインは、ドラマ・映画・舞台と多方面で透明感のある存在感を放ち、昨年は声優にも初挑戦するなど活躍の場を広げている多部未華子が演じ、本作でダンス初披露となる。さらに屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之をはじめとする実力派キャストが顔を並べている。

【ストーリー】
ブロードウェイで活躍する大人気のミュージカル・スター、ジェリー・トラヴァース(坂本昌行)は、英国人プロデューサーのホレス(益岡徹)に招かれて、ロンドンの舞台に立つことに。ホテルに到着し、部屋でひとりタップダンスに興じていると、階下の部屋に泊まる美しいモデル、デイル・トレモント(多部未華子)が苦情を言いに上がってくる。そんな彼女に一目惚れし、得意の歌とダンスで恋心を伝えるジェリー。やがて心を通わせていくふたりだったが、ひょんな行き違いから、デイルはジェリーのことを友人マッジ(朝海ひかる)の夫(=ホレス)と勘違いしてしまう。恋に落ちた相手が、実は友人の夫だったと思い込んだデイルは、ジェリーへのあてつけに、以前から熱烈なアプローチを受けていた衣裳デザイナーのアルベルト(屋良朝幸)と結婚してしまう!慌ててデイルの後を追い、美しい水の都、イタリアはヴェニスへと向かうジェリー。高級リゾート地・リド島に舞台を移し、繰り広げられるジェリーとデイルの恋の行方は、ホレスの浮気心や執事ベイツ(浅野和之)の素人探偵行動も相まって、更なる大騒動へ。果たして、二人の恋は…?

〈公演情報〉
ミュージカル『TOP HAT』
Music&Lyrics by Irving Berlin
Based on RKO's Motion Picture
Adapted for the Stage by Matthew White&Howard Jacques
作詞・作曲◇アーヴィング・バーリン
原作◇映画「トップ・ハット」(RKO 製作)
演出・脚色◇マシュー・ホワイト
出演◇坂本昌行 多部未華子 屋良朝幸 朝海ひかる 益岡徹  浅野和之
三井聡 加賀谷一肇 加賀谷真聡 工藤広夢 斎藤准一郎  高瀬育海 堀江慎也 萬谷法英 武藤寛  吉井一肇
岡本華奈  小島亜莉沙 彩月つくし 笘篠ひとみ 花岡麻里名 松田未莉亜 吉田理恵 脇坂美帆

●11/5〜25◎東急シアターオーブ
〈料金〉S席13,000円 A席9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999
●12/1〜 5◎梅田芸術劇場 メインホール
〈料金〉S席13,000円 A席9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800
〈公式サイト〉www.tophat-musical.jp




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5人の役者の演技力を堪能できる贅沢な時間『大人のけんかが終わるまで』

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破局寸前の不倫カップルと、偶然居合わせることになった男の妻の友人夫妻と、そのまだらボケの母親が繰り広げる一夜の顛末を描いた『大人のけんかが終わるまで』が、シアター1010のプレビュー公演と愛知、静岡、岩手公演を終え、いよいよ7月14日より、日比谷のシアタークリエで開幕する(29日まで。のち大阪、広島、福岡、愛媛、兵庫公演もあり)。

『大人のけんかが終わるまで』は、『アート』『大人は、かく戦えり』などの、シニカルな大人の会話劇を描きトニー賞、ローレンス・オリヴィエ賞などに輝く、フランスの劇作家ヤスミナ・レザの最新コメディ。鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、藤井隆、麻実れいの豪華キャスト陣に、『炎 アンサンディ』等で文化庁芸術祭賞大賞や読売演劇大賞最優秀演出家賞など数々の受賞歴を誇る上村聡史の演出、演出家・俳優とマルチに活躍する劇作家岩松了の上演台本と、最強の布陣での日本初上演となった。

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【STORY】
不倫関係にあるアンドレア(鈴木京香)とボリス(北村有起哉)は、ある夜、レストランの駐車場で車を停めたまま揉めていた。ボリスが妻のお気に入りだというレストランで久々のディナーを摂ろうとしたことに、アンドレアが「デリカシーがない」と不満を爆発させたのだ。二人の言い合いは収拾がつかず、レストランには入らないまま車を発進させようとしたその時、駐車場にふらふらと歩み出て来た老女イヴォンヌ(麻実れい)に接触してしまう。あわや交通事故か!?と肝を冷やした二人だったが、幸いイヴォンヌは驚いて倒れただけで怪我はなく、心底安堵したのも束の間、イヴォンヌの息子のエリック(藤井隆)の事実婚の妻フランソワーズ(板谷由夏)が、偶然にもボリスの妻パトリシアの長年の親友だったことから、互いの間には口に出せない思いを察した大人同士のヒリヒリとした空気が漂う。だが、人の好いエリックは、イヴォンヌの誕生祝いの為にやってきていたレストランに「折角だから一杯」と、ボリスとアンドレアを誘ってしまう。
微妙な空気の中、上辺は平静を装い祝いの乾杯をしあう5人。だが次第にイヴォンヌの認知症、世話をするフランソワーズのストレス、そんな苦労に無頓着なエリックのマザコンぶり。更に、事業拡張の失敗から経済的に追い詰められているボリス、シングルマザーとしてのこれからとボリスの煮え切らない態度に情緒不安定になっていくアンドレアと、それぞれが抱えている問題が次々に明るみに出ていき……。

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この作品の原題『Bella figura(ベラ フィギュラ)』は、「表向きは良い顔をする」という意味のイタリア語の表現だそうだが、邦題を『大人のけんかが終わるまで』としたことが、実に巧みに作品のすべてを表している。開幕からスムーズに紹介されていく登場人物たち5人の関係性と、それぞれの想いが複雑に絡み合い、時には言い過ぎるほどハッキリと口に出し、また時には顔では笑って態度で嫌悪感をにじませる等、大人ならではのバトルがどこに向かうのか。まさに大人のけんかが終わったあとに何が見つかり、何がわかるのか?から目を離すことができない。
それぞれの言い分がぶつかり合う中には、相当に辛辣な口論も繰り広げられるのだが、そこに思わず爆笑させられてしまう場面や、ハッと胸を突かれるような驚きの場面、更に哀しみのこもった台詞など、作劇の中に喜怒哀楽がバランスよく組み込まれていて、戯曲の完成度の高さはさすがの一言。レストランの駐車場、室内、化粧室と回り舞台を効果的に使った転換もスムーズで、演出の上村聡史、上演台本の岩松了をはじめとした優れたスタッフワークが光っている。特に全国を回る公演であるため、多分に抽象的でありつつ細部を本格的に創り込んでいる長田佳代子の装置が、作品の実存感を高めているのも印象的だ。

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そして何よりも、この作品に集結したキャスト5人が、それぞれに絶妙な味わいと力量を発揮して、作品の演劇的興奮を高めている様が素晴らしい。

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アンドレアの鈴木京香は、精神安定剤が手放せなくなっているほどギリギリの心理状態にある女性像を的確に表して尚、美しさと気品を失わないのが魅力。それによって事態を相当にややこしくさせている、言ってしまえばかなりの確率で周りを引っかき回しているアンドレアが、微塵も嫌な女に見えないばかりか、孤独なんだろうな、本当はやっぱりまだボリスのことが好きなんだろうな、と彼女の心情にシンパシーを感じさせて見事だ。アンドレアに好感が持てるかどうかで、作品全体の印象も相当に異なるだろうことを思うと、鈴木の好演は非常に大きなものがある。

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ボリスの北村有起哉は、膨大な台詞が飛び交う作品世界の中では、比較的聞き役に回ることが多い役どころを、味わい深い存在感と懐の深い演技力で支えている。アンドレアの罵声を黙って聞いている姿にもボリスの中で感情が蠢ているのが手に取るように伝わるから、遂にキレて大声を出した時にも全く唐突感がない。劇中ボリスが置かれている状況の厳しさが次第に明らかになっていく哀切にも深い痛みがあり、彼の未来がどうなるのかひとつをとっても、作品の展開に釘付けにさせられる力を発揮していた。

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そのボリスの劇中には登場しない妻パトリシアの親友という、ドラマを動かす役どころ、フランソワーズを演じるのは板谷由夏。親友の夫の不倫現場に偶然立ち会う形になってしまった女性の正義感を毅然と表わした冒頭から、やがて自らの抱えるストレスや不満が爆発する感情の振幅をストレートに描いていて見応えがある。彼女の存在と芝居が作品の後味を好転させたのは間違いなく、まだ舞台2作目ながらこの豪華メンバーの中に入って互角に渡り合っての熱演は特筆もの。

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そんなフランソワーズの事実婚の夫で、いささかマザコン気味のエリックの藤井隆の嫌味のなさが、辛辣な台詞が飛び交う作品に柔らかさと可笑しみを増幅させて、効果は絶大だ。特にボリスへの職業的な忠告が親身にはなっているもののあくまでも他人事で、適度な距離感がありつつもちゃんと好い人に見えるという立ち位置は、誰にでもできる技ではない。気づかずに周りをイラつかせ、当の本人は全く違うところでイラついている藤井エリックの面白さと愛嬌が、作品の豊かさを深めている。

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そして、いずれ劣らぬ役者陣の中で、ひと際その存在が輝いているのがイヴォンヌの麻実れい。何度も同じ質問を繰り返し、答えを備忘録に書き留めるものの、すぐに記憶から抜け落ちてしまう。そんなイヴォンヌの、確かに認知症が入っていると思わせる言動の中に、恐ろしいほど的確に真実を見極める鋭い一言が織り込まれていて、その認知の揺れ具合がただただ絶妙。悠揚迫らぬ持ち味もこの役柄に生きていて、言動に大笑いさせられ、またホロリとさせられる。高い評価を得続けている演技派としてだけでなく、役者としてスターとしての大きさすべてを活かした好演で、この作品の根幹を支えている。

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そんな役者5人の丁々発止のやりとりが、演劇を観る喜びを最大限に引き出した好舞台で、シアタークリエの濃密な空間には、さらに映える仕上がりであることは想像に難くなく、芝居好きには必見の舞台となっている。

プレビュー公演初日には、キャスト5人からのコメントも届いた。

【出演者コメント】

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鈴木京香/アンドレア役

いよいよ始まるなという気持ちですが、やはり舞台に立ってみると稽古場の時よりも楽しさが増えてきた感じがします。この客席でお客様が観てくださると思うと、緊張もしますけど、なにより楽しみですね。演出の上村さんのもとで、5人のキャラクターを皆でつくってきたので、私もアンドレアを生き生きとした女性として演じたいですし、どのキャラクターにもイヤな人がいないといいますか、どこか共感してもらえるところがあると思います。すてきなお芝居になっていますので、お客様にはぜひ楽しみに来ていただきたいと思います。

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北村有起哉/ボリス・アメット役

いざ舞台に立って稽古をしていると、そんなに僕自身出ずっぱりではなく、セリフをまくし立てるわけでもないのに、思った以上に疲弊する舞台だなと感じました。ただ、今回ほど不安な部分がない舞台も初めてで、どんなことが起こっても動揺しないで、リラックスして初日に臨めるかなと思います。大人のコメディーと銘打っていますが、それだけではなくて、もっとたくさんいろいろなお土産が出来る、いろいろな想いを残して、余韻に浸れる舞台だと思うので、お客様にはその部分も含めて十分味わってもらいたいです。

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板谷由夏/フランソワーズ・イルト役

今まで稽古場でお稽古をしていましたが、いざ舞台に立つと、空気感といいますか、自分の中の何かが変わるのを感じ、一生懸命に稽古したことや、稽古の時以上のものを出せるように、頑張るしかないと思っています。舞台の上ではずっとケンカをしているので、私は俯瞰で見ることが出来ないのですが、お客様がこの舞台で何を受け取ってくださるのか、私自身すごく興味があるので、観ていただいた方に、ぜひ何か感じとっていただければと思います。

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藤井隆/エリック・ブルム役

舞台稽古では、衣裳をつけさせていただいて、美術セットの中に入らせていただいて、照明の中に立たせていただいて、緊張感がいまMAXの状態です。もう初日を迎えるので、なんとかこの場に慣れるように、努めます! 今は客席に誰もいない状態でお稽古をしてますが、お客様に入っていただいたら、力をいただけるんじゃないかと思っておりますので、どうぞ劇場でお待ちしています。

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麻実れい/イヴォンヌ・ブルム役

初夏にふさわしい、ちょっと大人の辛口コメディーですので、楽しんで演じたいと思います。こういうちょっと辛口の楽しい作品には、私たち自身もそうですが、お客さま方にとってもなかなか出会えないと思うんですね。ですから、日本では女性中心の客層になることが多いですけれども、ぜひこの舞台はご夫妻でいらっしゃると、とても面白いと思います。お二人でいらして、観劇なさって、その後、お二人の時間を過ごす。それには最高の、すてきな幸せな時間をお届けできる作品だと思います。

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〈公演情報〉
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『大人のけんかが終わるまで』
作◇ヤスミナ・レザ
翻訳◇岩切正一郎
上演台本◇岩松了
演出◇上村聡史
出演◇鈴木京香 北村有起哉 板谷由夏 藤井隆 麻実れい
●7/14〜29◎シアタークリエ
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30〜17:30)
●8/1◎大阪・岸和田市立浪切ホール
●8/3◎広島・上野学園ホール
●8/5◎福岡・博多座
●8/8◎愛媛・松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール
●8/10〜12◎兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈公式サイト〉http://www.tohostage.com/otona/




【取材・文・撮影/橘涼香】


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華やかな顔ぶれで日亜外交樹立120周年記念特別企画『Todos del Tango Verano 2018』上演!  

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ブエノスアイレスで生まれ、欧州に渡り花の都パリで爛熟したタンゴ。世界の裏側から日本にタンゴが伝来して100年余り、今では世界の中でも屈指のタンゴを愛する国と知られている。
そして今年は、日本とアルゼンチンが国交を樹立して120年の記念の年。昨年はそのプレ企画として、日本人に愛されたアルゼンチンタンゴの名曲を、アルゼンチンの著作権協会の後援も受けて開催。演奏、歌、ダンスで、タンゴが生まれてから現在までの歴史を振り返るという内容で大きな反響を呼んだ。
今年はメモリアルイヤーの本番として、8月24日・25日に日本青年館で開催。アルゼンチンタンゴのフルオルケスタの演奏の機会がほとんどない中での今公演は、たいへん貴重なステージだ。曲目もコンチネンタルタンゴの名曲も加えての「タンゴ二都物語」となる。
出演者は、宝塚OGを中心に俳優から本場のダンサーまで華やかな顔ぶれ。演奏は平田耕治とグランタンゴオルケスタバンドネオンのフェデリコ・ペレイロが特別来日して参加する。 

〈主な曲目予定〉
ラ・クンパルシータ
マス・ケ・グランデ・ヌンカ
華やかな40年代
エバリストカリエーゴに捧ぐ
ロカ
失われし小鳥たち
ジョソイ・マリーア
ホテル・ビクトリア
ウノ(ただひとつの)
愛せしが故に
夜のタンゴ
ばらのタンゴ
真珠とりのタンゴ
ほか

〈公演情報〉
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日亜外交樹立120周年記念特別企画
『Todos del Tango Verano 2018』 
 
音楽監督◇平田耕治
ダンス監修◇クリスティアン&ナオ
出演◇初風諄 安奈淳 剣幸
日向薫 姿月あさと 彩輝なお(8/25) 星奈優里 水夏希 舞風りら
中原丈雄 石井一孝
峰丘奈知 成瀬こうき 愛耀子 真波そら 天緒圭花 美翔かずき 鳳真由 水沙るる 苫篠ひとみ 富樫世羅 マキタマシロ Erinne(藤木えり)
森田晋平  
ダンサー◇クリスティアン・ロペス ギジェルモ・ボイド ダニエル・ボウアン エスキエル・ゴメス ほか
演奏◇平田耕治とグランタンゴオルケスタ
ゲスト◇フェデリコ・ペレイロ(バンドネオン)  
●8/24・25◎日本青年館ホール
〈料金〉S席11,000円 A席8,500円 B席7,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日11:00〜17:00)

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松平健&一路真輝らで東京公演が賑やかに開幕! ミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』

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ミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』の2018年版が、この夏も全国で上演される。その東京公演が、7月3日に東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕した。(7月8日まで、そののち8月8日まで、岩手、青森、愛知、石川、兵庫、香川、愛媛、広島、福岡で公演を行う)
 
シェイクスピアの名作『じゃじゃ馬ならし』を劇中劇として実際に演じながら、その楽屋裏で巻き起こる騒動を並行して見せていくかたちの「バックステージ・ミュージカル」。1948年にブロードウェイで初演、翌1949年にトニー賞を受賞。日本では東宝ミュージカルとして、1966年、宝田明&江利チエミで初演、以来、さまざまなスターたちによって上演されてきた。また一路真輝は、2002年と2003年にリリー役を演じていて、昨年は14年ぶりの出演となった。

シェイクスピア喜劇を下敷きにしたストーリー展開の面白さに加えて、「ソウ・イン・ラブ」や「またショウがはじまる」などコール・ポーターの名曲の数々、あるいは「トゥー・ダーン・ホット」をはじめとする見どころいっぱいのダンスナンバー、まさに歌・ダンス・芝居の三拍子が揃ったスタンダードミュージカルの傑作だ。

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【あらすじ】
1948年の初夏、新しいショーの開幕準備のため、俳優や裏方たちがボルチモアの劇場へ到着した、このショーはシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をミュージカル仕立てにした新作で、ニューヨークで1ヵ月間稽古を積み、仕上げのトライ・アウト(試演)を行うために、ボルチモアにやってきたのだ。
一座を率いるのは、主演俳優にして脚本家・演出家、さらにはプロデューサーもかねるフレッド・グラハム(松平健)、その八面六臂の活躍ぶりはスーパーマン級。主演女優のリリー・ヴァネッシ(一路真輝)は、フレッドと別れて1年の元妻。二人はすぐケンカ腰になるが、まだ甘い思い出が残っている。
フレッドはこのショーに、新人女優のロイス・レイン(水夏希)を抜擢、彼女のことは気になる存在…。そのロイスはビル・カルハウン(大山真志)と良い仲だが、この二枚目俳優は困ったことにギャンブル愛好家。稽古を抜け出してホーガン親分の賭場に直行、散々むしり取られ、1万ドルの借用書にサインをしてしまう。おまけに自分の名前ではなく、フレッドの名前を書いたものだから…!
早くも開演30前。支度中のフレッドに珍客登場。ホーガン親分の手下のギャング(太川陽介、杉山英司)が、フレッドのサインのある借用書の取り立てに来たのだ。フレッドは悪い冗談だと思い、お二人に丁重にお引き取りいただく。一方、フレッドから初日祝いの花束が届き、大喜びのリリー。ところがそれは間違いでロイスに宛てたものだった。気づいたフレッドは大慌て! だがリリーは間違いとは知らず、上機嫌で舞台に向かった…。
いよいよ初日の開幕、賑やかに序曲は流れ、旅役者の一座がお客様に愛嬌を振りまく中、舞台はイタリア。デュボアの街へ。劇中劇が始まる…。
舞台は順調、だが舞台裏でアクシデントが! 例の花束がロイス宛てだとリリーにバレてしまったのだ。リリーは激怒、舞台を降りるとフレッドに宣言し、ホワイトハウスにいる「今カレ」のハウエル将軍(川麻世)に電話をかけて、今すぐに迎えに来てくれと頼み込む始末。
全財産をこの公演につぎ込んでいるフレッドにとって、公演中止は身の破滅。人生最大のピンチに、なぜかギャングがまた現れる。ひらめいたフレッドはギャングに「リリーが降りると公演中止になり、借金も返せない」と諭し、自分の味方につけることに成功する。
舞台裏の大騒ぎと同時に舞台は進行、1幕ラストの場面へとなだれ込む。いがみ合うのは役のペトルーキオとキャタリーナ?それともフレッドとリリー? 舞台と楽屋はどちらも険悪な雰囲気。一触即発の大緊張状態で物語は進んで行く!

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今回のカンパニーは、昨年の夏、ミュージカル・演劇文化の普及を目指した「ハロー・ミュージカル!プロジェクト」として全国ツアーを展開、その好評を受けて、ほぼ同じメンバーでの再演となった。
よりパワーアップしたと出演者たちが語るように、息の合った舞台が繰り広げられている。松平健のフレッドと一路真輝のリリーの火花散る元夫婦の痴話(?)ゲンカや、劇中劇でのドタバタは、磨きがかかって絶妙のコンビぶり。水夏希のモテモテ新人女優はさらにチャーミングに、その恋人でギャンブル中毒の俳優に扮する大山真志とは新鮮な組み合わせで、大型コンビの魅力を発揮。ギャング役で劇中劇でも大活躍の太川陽介・杉山英司(スギちゃん)の2人は、出番のたびに抱腹絶倒させてくれる。リリーの付き人ハッティーはちあきしんでラテンで明るいノリ。満を持しての登場となるハウエル将軍の川麻世は、スマートかつ貫禄もあってさすがの存在感。そして「トゥー・ダーン・ホット」に代表されるダンサーたちのパワフルなダンスも見逃せない。
そんなカンパニーのメインキャストたちが、神奈川(川崎)での初日を終えて、いよいよ東京公演開幕という7月3日、囲み会見に登場した。

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ちあきしん、 大山真志、水夏希、杉山英司(スギちゃん)
川麻世、一路真輝、松平健、太川陽介 

【コメント】

松平健/フレッド役(劇中劇ペトルーチオ役)
去年に引き続いての再演ですが、より練り上げて素晴らしいものができました。この『キス・ミー・ケイト』というミュージカルはとても楽しい、笑いあり、踊りあり、歌ありで、色々ふんだんな内容になってます。バックステージと舞台表と行ったり来たりで、我々はたいへん忙しいのですが、観ているお客様もそのへんがたいへんかもしれません(笑)。お話は、最終的には「じゃじゃ馬ならし」の内容なので、慣らそうとしているのか、慣らされているのか(笑)、とにかく面白いお話です。前回やったことで、出演の皆さんと仲良くなって、そういった意味でもやりやすくなり、内容もより深くなって素晴らしいものができてます。名曲もいっぱいですし、ダンスも見どころです。とにかく分かりやすくなってます。ぜひ沢山の皆さんに観ていただきたいと思っています。

一路真輝/リリー役(劇中劇カタリーナ役)
リリー役ですが、劇中劇のシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」の中ではカタリーナ、愛称がケイトです。そこからこの『キス・ミー・ケイト』という題名が付いたのですが。私一人でも3つの役名を持っていますので、お客様はちょっとややこしいかなと思いますが、そこを分かりやすくお伝えできるように、今回、去年よりさらに練り直して、みんなで一丸となって、この『キス・ミー・ケイト』というミュージカルを、お届けできるようがんばっております。このカンパニーは、年齢もそこそこ高いので(笑)とても安定感があって、伸び伸びとさせていただいて、それを全部皆さんが受け止めてくれて、この座組は最高です。東京が終わりましたあと、今回も多くの土地にお邪魔させていただくことになっています。劇中にも「旅から旅を行く」という歌詞が出てくるのですが、その歌詞のままこの一座が全国を回らせていただきますので、各地の皆さまも楽しみに待っていただけたらと思っております。よろしくお願いします。

水、大山
 
水夏希/ロイス役(劇中劇ビアンカ役)
私は相手役が変わりましたので、(大山真志を見ながら)この100cmの胸板に(笑)、体当りしてぶつかって弾けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

大山真志/ビル役(劇中劇ルーセンショー役)
今回、僕は初参加させていただいてますが、前回、皆さんが作り上げたものに新しい風を吹き込めたらと思っています。この作品を観ていただいたお客さんは、きっと気持ちがほっこりすると思います。沢山の方たちに観ていただけたらと思っています。

一路、川
 
川崎麻世/ハウエル将軍役
昨年もすごく評判が良かった『キス・ミー・ケイト』ですが、今年はさらにパワーアップして全国の皆さまへお届けしたいと思います。なんといっても全国ツアーの醍醐味は、色々な土地のグルメを楽しめることです(笑)。そちらも楽しみに、全国をまわりたいと思います。ぜひ皆さん、いらしてください。

ちあきしん/リリーの付き人ハッティー役
ハッティー役と歌唱指導もさせていただいています。2年目ということで皆さんの歌が格段に進歩されていて、嬉しい限りです。コール・ポーター作曲の名曲たちをふんだんにお届けできると思います。昨年、ミュージカル初出演だったスギちゃん(杉山英司)も、音程正解率が格段にアップしているので、(杉山「はい!」)そのへんも楽しみに!ハッティー役のほうでは愛するリリーの付き人ですから、オフでもしっかり付いて(笑)楽しみたいと思っています。

松平、杉山、太川

杉山英司(スギちゃん)/ギャング
歌のほうが音程正解率が6割を越えて、やったな、越えたなと(笑)。すでに川崎での公演を終わったのですが、それを観てくれたお客さんに「ものすごく上手くなったね」と。ま、そのお客さんは私の熱烈なファンなんですが(笑)。実際、けっこう変わったと思いますし、セリフも前は忘れずに言わなきゃというのがあったんですが、今は気持ちが出ているので、ぐんと上がってると思います。前回は初ミュージカルでしたから、初々しさが残ってしまったけれど、今回は、終わった後に「え!あの人スギちゃんだったの!?」って思われるくらいに溶け込みたいなと。いや、もう溶け込んでると思います(笑)。

太川陽介/ギャング
僕はスギちゃんの世話役というか(笑)。この暑い夏、スギちゃんの歌と芝居を見れば、背中が凍りつくと思うので(笑)、ぜひ納涼にいらしてください。いや本当は、昨年に比べれば舞台での芝居というものがわかってきたので、そばで安心してます(笑)。

〈公演情報〉
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ミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』
脚本:ベラ&サミュエル・スプワック
訳詞:なかにし礼
翻訳:丹野郁弓
演出・振付:上島雪夫
出演:松平健、一路真輝、水夏希、大山真志、川崎麻世、ちあきしん、太川陽介、杉山英司(スギちゃん)ほか
●6/30・7/1◎カルッツかわさき ホール
●7/3〜8◎東京芸術劇場 プレイハウス 
〈料金〉 S席7,000円 A席4,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30〜17:30)
岩手、青森、愛知、石川、兵庫、香川、愛媛、広島、福岡公演あり





【取材・文/榊原和子 写真提供/TOHOマーケティング】



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