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ピアフの人生を朗読とシャンソンで演じる『パンク・シャンソン〜エディット・ピアフの生涯〜』 水夏希インタビュー

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水夏希が、ドラマティカルシリーズリーディングvol.1と銘打ち、新しい企画を立ち上げた。
これまで『サンタ・エビータ〜タンゴの調べに蘇る魂』(2015年)のエヴァ・ペロン、『サラ・ベルナール〜命が命を生む時〜』(2016年)のサラ・ベルナールと、伝説的な女性の一生にチャレンジしてきた彼女が、今回の企画で取り上げるのは、世界中で愛されているシャンソン歌手、エディット・ピアフ。朗読と彼女の名曲の数々で波乱に富んだその人生を歌い上げる。
よみうり大手町ホールで、5月2日に幕を開けるこの公演を前に意欲に燃える水夏希に、本作の内容や最近の活動についても話してもらった。 

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表現が千差万別で可能性が無限にある
 
──これまでエヴァ・ペロンやサラ・ベルナールなど、ドラマティックな女性を演じてきましたが、今度はピアフということで、女性の一生を演じるのは、水さんのライフワークになりつつありますね。
そうなればいいですね。どの女性の人生もドラマティックで、自分の人生では体験できないようなことを、演劇で追体験していけるという意味では、毎回得るものが大きいので。これからも色々な女性と出会いたいです。
──ピアフといえばシャンソンですが、先日、越路吹雪 三十七回忌特別追悼公演『越路吹雪に捧ぐ』に参加されたばかりで、シャンソンを歌う機会が続きます。
巡り合わせというか、たまたまなんです。ただ、毎年やらせていただいていたコンサートの代わりにこのリーディングシリーズが始まり、まずは歌うこととじっくり向き合おうと思っていたところなので、良いタイミングで続いた感じです。
──『越路吹雪に捧ぐ』では3曲歌って、ピアフの「水に流して」も見事に歌いこなしていました。なかなか難しい曲だったのでは?
楽曲的には、シャンソンはそれほど難しくはないんです。音域も広くないし、リズムとか音程もそんなに複雑ではない。ですから曲としては簡単なのですが、簡単だからこそ、その表現が千差万別で、いかようにも歌えるし、可能性が無限大にあるんです。たとえば「水に流して」の中に「もういいの」というフレーズがありますが、その人にとって何が「もうよくて」、どういうふうに「もういいのか」、その言葉をどう捉えるか、そして自分はどう表現するかは、人によって違ってくる。覚えて歌うこと自体は難しいことではないのですが、それを自分の歌として聞かせるというのがものすごく難しい。
──確かに1曲1曲、ドラマを演じるのがシャンソンだと言われますね。
ドラマがないと歌い流す感じになってしまうんです。とくにこの作品はピアフの人生を追いながら曲が入ってきて、しかもピアフの曲は出会った男性によって生まれるので、その時のドラマとともに曲を歌うことになります。そんなふうにピアフの人生を綴りながら歌っていく形なので、よりドラマチックに1曲1曲を歌うことが必要ですし、そのことで作品自体も盛り上がると思います。
──歌う曲は何曲くらいですか?
全体では7曲です。鼻歌やワンフレーズだけ歌うものもあります。
──その中で好きな曲は?
「群衆」ですね。リズミカルだしドラマティックで、情景が目に浮かびます。ドラマがあると言われるシャンソンの中でも代表のような曲だと思います。ほかの曲も有名なものばかりですが、どれも歌うのは大変で、「愛の讃歌」なども音程はそれほど難しくないんですが、そのシンプルな曲をどれだけ色彩豊かに、丁寧に、繊細な表現で歌えるかで。私はなんて恐ろしいことにチャレンジしようとしているのかと(笑)。
──歌をもっと詰めていきたいという話が出ましたが、3月のミュージカル『アルジャーノンに花束を』は、難易度の高い曲ばかりでしたね。
あの作品の音楽は本当に難しかったです。作曲された斉藤恒芳さんならではの、良い意味で凝った楽曲が多かったので。例えば3度で降りる音程だと思っていたら4度で降りるとか。そういう単純ではないメロディがたくさんありました。
──その難曲をクリアしてのピアフですから、さらに高みを目指すチャンスですね。
エベレストです。そびえ立つ遥かなる山みたいな(笑)。でもそういう、「登るのが絶対無理!」みたいなチャレンジをしなくてはいけない時期は、やっぱり必要ですし、このタイミングでピアフがきたというのは、今、この山に登りなさいということで。
──とにかく登り続けなさいと。
果てしないですが(笑)。シャンソンも知れば知るほど深くて、この深い底はどこにたどり着くのか、誰か教えてくださいというような世界ですが、今できる精一杯をやるしかないので。

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相手役とその日のセッションで作っていく


──今回の演出は鈴木勝秀さんすが、とても演劇的な演出家ですね。
スズカツ(鈴木勝秀)さんとは、『7DOORS〜青ひげ公の城〜』(12年)でご一緒させていただいて以来になります。いつかまたご一緒にと思っていましたが、念願叶って今回実現しました。いろいろ話し合って、それこそセッションをしながら作っていくことが出来る方なんです。
──スズカツさんは音楽マニアでもありますね。
そうなんです! 音楽が好きでいらっしゃるから「朗読も音楽だと思ってるんです」とおっしゃって、「セリフも音楽です」と。セリフという音楽が流れている中に、歌がドーンと立ち上がるようにしたいそうです。
──共演の方は日替わりで、それぞれ実力派や若手演技派の方ばかりですね。『サンタ・エビータ』もそうでしたが、朗読劇も相手役と息を合わせて芝居することが大事なのでしょうね。
ただ、スズカツさんは何度も何度も稽古をする方ではないんです。とくにリーディングは2回ほど合わせたら本番になります。だからこそ、その日のキャストの皆さんのセリフをよく聞いて、その場の空気を共有しながら会話することが必要で。その日その日のセッションが生まれてくるところに面白さがあるし、スズカツさんはそれをものすごく信じていらっしゃるんです。
──セッションするためには、台本を体に入れておかないといけないのでしょうね?
それがスズカツさんは、「自分でもそんなに稽古しないでください」とおっしゃるんです(笑)。そうは言っても、ピアフの人生を演じるわけですから、ちゃんと作り上げていかないとできないのですが。大事なのはその場で相手役の方と会話することで、基本的に「見る」とか「聞く」というのは、視界に入っているだけではなく「しっかり見る」ことであり、聞こえているではなく「ちゃんと聞く」ことなので、まずは相手役さんがおっしゃっていることを、よく聞くことが一番必要だと思います。
──台本を読みつつ、その場で感情を表現するわけですから、なかなか難しい作業ですね。
でも、動きがないことでセリフに集中できるというのはあります。動きで助けられることも沢山ありますが、たとえば立った瞬間にさっきまで覚えていたセリフが言えなくなるとか、そういうこともありますから。それに、お客様も目に入る情報が少ないぶん、想像力で補ったり、自分の中で世界観をふくらませていただける部分もあって、そういう意味では、本当にお客様との共同作業だなと思います。

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夢みたいな愛を最後まで求め続けたピアフ

──ピアフという人そのものについては、どんな印象が?
本当に歌と愛に生きた人だと思います。次々に男性を変えていった女性が、時代や国を超えて何故これだけ愛されるのかというと、彼女の歌の素晴らしさはもちろん、根本に愛を求めていたということが共感を呼ぶのではないかと。自分も惜しみなく愛を与えるし、相手にもそれを要求していく。そういう生き方は簡単にはできないですよね。
──台本にも「結婚ぐらいでは彼女の愛は満足しなかった」という台詞が出てきますね。
たぶん彼女にとって結婚は本当はどうでもよくて、自分のことを自分が要求する形で愛してくれる人を求めていたのではないかと。彼女は出生を祝福されなかった人で、愛を知らないまま人生がスタートしてしまった。知らないから、「そんな夢みたいなこと」と言われるような愛を、真摯に純粋に求め続けて、でも最後まで「夢」だったから得られなかったのかなと。彼女が求める愛の正解は、どこにもなかったのかもしれないという気がします。
──愛に苦しんだピアフですが、歌だけはいつも身近にありましたね。
そうですね。お酒と薬と病に侵されても歌い続けられたのは、彼女に与えられた才能だと思います。歌をやめることも選べたけれど、選ばない、そんなことは選べやしない。彼女には当たり前のことだったんだろうなと思います。
──表現をすることを知ってしまった人は、やめることができなくなる。そこは水さんも同じでは?
興味が尽きないんですよね。シャンソンでもダンスでも、もっとこんな表現ができるのかなとか、こんなこともできる、あんなこともしたい、あんな世界を見てみたいとか。私はどちらかと言えば飽きっぽいんですけど(笑)、こんなにも続けられる仕事があったのだと。いつのまにか続けていたし、たぶんやめる選択肢もゼロではなかったと思いますが、他の仕事だったらこんなに続けられたかどうか。
──興味が尽きないというのは幸せですね。また新しい課題が生まれるわけですから。
少し前までは、たとえば観劇するのも仕事のためという部分が大きかったんです。でも今は知りたいんですよね。私以外の人がどんな発声をするのか、どんな動きをするのか、総じて、どんな表現をするのか知りたいんです。
──演じることも、どんどん面白くなっているのでは?
今は、自分の感情を解放するのが課題で。宝塚では自分の感情に蓋をして生きることが当たり前で、それで別に苦しくもなかったし、そうすることが大事だったと思っています。でも今は、色々なワークショップなどを経験する中で、自分の感情にちゃんとフォーカスすること、自分は今どう思っているのか、どんな感情なのか、そこの制約を解除していくことが、これからお芝居を続けていくためにすごく必要だなと。それがないと自分の感情を使えないんです。とくに今回はそれができないとピアフを演じられないと思うので。
──また新しい水夏希が見られそうですね。最後に改めて意気込みを。
私というよりピアフの人生を見てほしいです。今回はとくにそう思います。もちろん私が演じるので自分以外の何者でもないのですけど、でも私の体を使って、声を使って、ピアフをお届けしたいなと。お客様が、ピアフの人生を一緒に体感できるような時間になればいいなと思うんです。客観的に「そういう人だったんだ」というのではなく、ともに生きていただいて、ともに感情を揺さぶられるような時間になればいいなと思います。
 
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みずなつき○93年宝塚歌劇団入団。07年『エリザベート』のトート役で雪組トップスターに就任、10年に宝塚を退団。最近の舞台は、リーディングドラマ『サンタ・エビータ〜タンゴの調べに蘇る魂』、音楽朗読劇『幸せは蒼穹の果てに』、DANCE OPERA『マスカレード2015 〜 FINAL』、30-DLUX『新版 義経千本桜』、『Honganji』、ENTERTAINMENT ORIGINAL MUSICAL SHOW『RHYTHM RHYTHM RHYTHM』、DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS『FLAMENCO CAFE DEL GATO』、ブロードウェイミュージカル 『CHICAGO 宝塚歌劇OGバージョン』、プレミア音楽朗読劇『VOICARION〜女王がいた客室〜』、『サラ・ベルナール』〜命が命を生む時〜、『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』、ミュージカル『アルジャーノンに花束を』、越路吹雪三十七回忌特別追悼公演『越路吹雪に捧ぐ』など。7月にはミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』への出演が控えている。
 
〈公演情報〉
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ドラマティカルシリーズ リーディングvol.1
『パンク・シャンソン〜エディット・ピアフの生涯〜』
構成・演出◇鈴木勝秀
アコーディオン◇アラン・パットン
出演◇水夏希/福井貴一・山路和弘・石橋祐
日替わりゲスト◇辻本祐樹・牧田哲也・渡辺大輔(五十音順)
※5/6  14時回は出演者4名での特別バージョンとなります。
●5/2〜6◎よみうり大手町ホール
〈料金〉8,900円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日 11:00〜17:00/土日祝休)

 



【取材/榊原和子 文・撮影/竹下力】





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ポップに賑やかに弾ける朝夏まなと&実咲凜音コンビの集大成 宝塚宙組公演『王妃の館』『VIVA! FESTA!』

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トップスター朝夏まなとと共に、宙組の中心を成してきたトップ娘役実咲凜音の退団公演となる宝塚宙組公演ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』が、日比谷の東京宝塚劇場で上演中だ(30日まで)。

ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』は、「鉄道員」「壬生義士伝」など数々の傑作小説を世に送り出した作家浅田次郎のベストセラー「王妃の館」を原作に、宝塚歌劇ならではの演出を加えて作り上げられたミュージカルで、脚本・演出を担当する田渕大輔の大劇場デビュー作品。太陽王ルイ14世が残した「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ(王妃の館)」を舞台に、曰く付きのツアーに参加した個性豊かな登場人物たちが織りなす人間模様をコミカルに描きながら、それぞれが新しい明日への一歩を踏み出す姿が綴られていく。

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【STORY】

パリ、シャルル・ド・ゴール空港の到着ロビー。ここには今日も花の都パリを目指し、世界中から多くの旅行者たちが訪れている。そんな観光客の中に、日本からのツアーの一行がいた。かつて17世紀フランスに君臨した太陽王ルイ14世の居城であり、現在は一見客お断りの高級ホテルとして旅行者たちの垂涎の的になっている「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」に宿泊できるという、パックツアーには有り得ない夢の企画に大金を投じた彼らは、いずれも一筋縄ではいかない個性的な面々ばかり。中でも、恋愛小説の鬼才と謳われる著名な小説家、北白川右京(朝夏まなと)は、団体行動を嫌って度々行方をくらまし、このツアーを企画した弱小旅行会社の社長兼添乗員の桜井玲子(実咲凜音)を手こずらせていた。
だが、玲子の悩みは、右京の単独行動よりも、更に大きなところにあった。と言うのも、玲子の経営する旅行会社は倒産寸前の状態にあり、その危機を乗り越える為に彼女は、このツアーに大きなブラフを仕掛けていたのだ。それは、右京たちが参加している「光ツアー」のメンバーだけでなく、旅行者の社員である戸川光男(桜木みなと)がアテンドし、時を同じくしてこのパリに到着した格安料金の「影ツアー」の一行と双方に、「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」の同じ客室を使用させ、ダブルの利益を得ようという奇策だった。
実は超高級ホテルである「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」も、現在深刻な経営難に陥っていて、これはホテル側と玲子が、互いの起死回生の為にタッグを組んだ計画的なダブルブッキングだったのだが、そう簡単にことが進むはずはない。客室に落ち着いた途端、小説を書きたいからディナークルーズには参加しない、と言い張る右京と玲子が押し問答をしている最中、同じ部屋を使う影ツアーの宿泊客が現れ、すんでのところで鉢合わせになったが為に、右京はこのからくりを悟ってしまう。
すべては終わったと観念した玲子は、右京に心から侘びてツアーの中止を申し出るが、以外にも右京はこの計画に加担する代わりにツアーを続行することを希望した。傍目にはセレブな人気作家を気取っている右京だったが、その実、現在小説家として大きなスランプに陥っている彼は、「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」への滞在をきっかけに、ルイ14世を主人公にした恋愛小説を書きあげることで、なんとか苦境を脱しようとしていたのだ。しかも、そんな右京の前には、客室の肖像画からルイ14世(真風涼帆)その人の亡霊が現れ、右京はルイの言葉から、太陽王にも秘めたる恋があったことを知ってしまう。これ以上の創作のヒントはない!利害の一致した右京と玲子は、ツアーの完遂を試みるが、「光ツアー」と「影ツアー」それぞれの旅行者たちは、2人が想像もしていなかった事情を様々に抱えていて……

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作品に接してまず、感じたのはパリの街、そしてルイ王朝華やかなりし頃のロココ文化と宝塚の親和性の驚異的な高さだった。舞台はパリだが、登場人物はほとんど日本人ばかりという設定の中に、いきなり17世紀ロココの世界が展開されて、ここまで違和感がない舞台を創れるのは、宝塚を置いて他にはないだろう。これはまず第一には、「王妃の館」という小説を宝塚で上演しようという企画自体の発想の勝利だし、更にその原作世界の中から「宝塚化」に向けた美しいアレンジを巧みに施した脚本・演出の田渕大輔の見事な手腕の賜物だった。
例えば原作世界では桜井玲子(この役名も原作とは異なる)と戸川光男は元夫婦だし、光ツアーの観光客でトランスジェンダーのクレヨン(本名:黒岩源太郎・蒼羽りく)が失恋した相手は、パリの現地ガイド・ピエール(和希そら)なのだが、それら宝塚にとってはやや複雑すぎる人間関係を綺麗にカットして、本来は群像劇である作中から、右京と玲子を主人公としてピックアップし、作中に実際に起こる出来事に話を集中させることに成功している。
更に何よりも大きかったのは、原作では右京が描く小説世界、謂わば「劇中劇」ならぬ「小説中小説」としてのみ描かれていたルイ14世を、右京たち登場人物の目に映る亡霊として登場させ、作品世界の現実の中に引っ張り込んだことだ。これにより、ルイが300年もの間失った恋の相手を探し続けている、という実に宝塚らしい美しい展開が加味され、前述したロココ世界との見事な親和性と相まって、宝塚でしか描けない「王妃の館」が出来上がったことは賞賛に値する。ここ最近の宝塚作品としては、1、2を争うほど多くの役どころを登場させ、しかもそれぞれのドラマがある設定をきちんとさばき、誰もが成長し、新しい明日に向かっていく結末へと導いた田渕の手腕には、注目すべきものがあった。盆や、セリ、銀橋、花道など、宝塚大劇場ならではの舞台機構も巧みに使いこなしていて、これが大劇場デビューとは末頼もしい人材が現れたものである。新しい才能の将来に期待したい。

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そんな作品で主人公北白川右京を演じた朝夏まなとは、物語の大きなベクトルをルイの恋物語が担い、更に起承転結の「転」の部分を、莫大な負債を抱えてパリで心中する為にツアーに参加した下田夫妻(寿つかさ、美風舞良)が握っているという、主人公としてはかなり難しい展開の中で尚、揺るぎない主役として劇中のセンターに位置し得たことに感嘆する。特に、冒頭から中盤まで、変わり者の人気小説家という設定を、長い手足を駆使した朝夏ならではのアクションでエキセントリックに現しているからこそ、流行作家であることにしがみつこうとするあまりにルイを傷付けたことを悔い、下田夫妻を救う為に奔走するうちに、ただ小説を書くことを愛していた自分の純な部分を取り戻し、更に成長していく。そんな右京の変化が美しく伝わる表現が胸に染みる。特にルイを騙すつもりはなかった、という告白が決して言い訳ではないことが伝わる、真摯な演技が、宝塚の北白川右京像を見事に具現していた。

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一方、桜井玲子の実咲凜音は、自分の会社とキャリアを守ろうとがむしゃらに突き進む女性が、ふと立ち止まった、その瞬間の、諦めだけではない、どこかで肩の荷が下ろせた安堵をきちんと見せていて好感が持てる。『エリザベート』のタイトルロールを務め上げたトップ娘役の退団作品と考えると、いささか軽い役にも思えるが、『王家に捧ぐ歌』のアイーダの後に『メランコリック・ジゴロ』のフェリシアを演じた時同様、パワー全開の一直線ではないからこその、柔らかな魅力がある。何より、どこかさばさばとした現代感覚や潔さといった、実咲凜音という娘役が宝塚に登場した時の、新鮮な個性が思い出される役柄だったことは、結果として彼女の退団公演を思い出深いものにもしていた。最後に朝夏の右京と、日本に帰ってからまた新しい関係がはじまる、という展開も宝塚版だけの工夫で、朝夏&実咲の集大成に相応しい余韻ある終わり方が素晴らしい。

そして、この作品を宝塚ならではのものにし得た、ルイ14世に扮した真風涼帆は、彼女独特の大きな芸風が「太陽王」に打ってつけ。コスチュームもよく似合い、堂々とした立ち居振る舞いで作品世界の空気を一気に変えてしまうのには舌を巻く。朝夏が次公演での退団をすでに発表していて、今後ますます注目が集まること必至の男役だが、悠揚迫らぬスター性は頼もしい限りだ。そのルイが300年思い続けている月の女神ディアナの伶美うららも、少ない出番で絶大なインパクトを残すことに成功していて、ドレス姿も美しく、やはり「美は正義なり」の宝塚を体現する娘役だと感じる。東京公演の演出変更で、2人の息子プティ・ルイ(遥羽らら)も加わって、3人が絵姿になる終幕も当を得ていて、より完成された大団円になった。ルイの侍従ムノンの松風輝も滋味深い良い芝居をしているだけに、ショーを休演しているのが気がかりだが、1日も早い全快を祈っている。
 
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更に、とにかく登場人物が多いので、宙組メンバーの多くが働き場を得ていることが嬉しい中で、大団円のすべてを握る金沢貫一の愛月ひかるの、思い切りの良い演技は喝采もの。宝塚の二枚目男役としては、かなり酷な「秘密」を抱えている役柄だが、彼女の芝居のおおらかさがその「秘密」をも笑い飛ばせる効果になっている。相手役のミチルの星風まどかも、ショートパンツから伸びる足も健康的で、良く柄に合った。戸川光男の桜木みなとは、小心者の添乗員の告白に影ツアー全員が加担してやる展開に、納得できる好青年ぶりで役を支えたし、そこに思惑を秘めていることをきちんと表した丹野夫妻の凜城きらと彩花まりも達者。専科から出演の元定時制高校教師・岩波の一樹千尋の、重石としての役割はやはり貴重だし、その妻正枝の花音舞が、違和感なく一樹に添っていてこれは嬉しい驚き。物語の重要な山場を作る下田夫妻の寿と美風が、組長、副組長ならではの深い芝居を見せたのに、全く引けを取らない右京の編集者早見リツ子の、純矢ちとせの上手さも際立つ。彼女に恋をするピエールの和希そらの、パリジャンぶりも実に決まっていた。
そして、特筆すべきはクレヨンの蒼羽りく。本来女性が男性を演じる「男役」が当たり前に「男性」として存在する宝塚の中で、その男役が男性でありながら、性自任は女性のトランスジェンダーを演じるというハードルは恐ろしく高い。実際、これまで特に現代劇で、こうした役柄が宝塚作品に登場することは極めて稀だったと思うが、そのハードルを軽々と、むしろ楽しそうに乗り越えていて驚かされた。これは蒼羽自身が男役として、1つの完成された形を手の内に入れているからこそできた離れ業だろう。宙組の貴重な戦力として、今後も大切にして欲しい人材だ。そんなクレヨンに愛される警官、近藤誠の澄輝さやとも、如何にも堅物な真面目人間が、クレヨンに感化されていく流れを、台詞がないところでもよく表現している。原作の書かれた年代がかなり前なので、LGBTに対する侮蔑的な言葉がどうしても出てくるのだが、過度のひっかかりを与えなかったのはたいしたもの。硬質な美しいマスクも役柄をよく助けていて、良い組み合わせの2人だった。

何よりも、誰かの為に笑う、そして自分の為に笑うことの尊さが、ポップなコメディからしみじみと立ち上る終幕が美しく、宝塚版ならではの『王妃の館』が完成していることを喜びたい。

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そんな作品の後に控えたのが、スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』で中村暁の作。人々が非日常の空間に集う FESTA(祭り)をテーマに、リオのカーニバル、中欧・北欧に伝わるヴァルプルギスの夜、スペインの牛追い祭り、日本のYOSAKOIソーラン祭りなど、世界各地の FESTAを描いた各場面が、宙組のパワー漲るメンバーによって繰り広げられていく。

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所謂お国めぐり形式で、レビューとしては王道中の王道の作りだが、「祭り」に特化したことによって、各場面場面の色合いが明確に分かれつつ、どの場面も盛り上がりと勢いがあるのが嬉しい。中でも、朝夏の闘牛士と蒼羽の牛が繰り広げるダンサー同士ならではの高度なダンスは見ものだし、真風と実咲が組んだことで新鮮さが出たストーリー性のあるシーンも面白く、愛月を中心とした若手男役たちの場面の颯爽とした雰囲気も良い。何よりも「YOSAKOIソーラン」の「ソーラン」と宙組をかけて「ソーラン、宙組!」と盛り上げた中詰めは、長く語り草ともなろう宙組でしかできない名場面となった。

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一転、澄輝と桜木の歌からはじまるフィナーレは、退団する実咲と男役たちの場面あり、伶美中心のロケットあり、と宙組のスターたちを立てつつ、朝夏まなとの頭文字「M」の隊形に揃った男役たちからはじまる大階段の黒燕尾のダンス、そしてトップコンビの名残のデュエットダンスと、盛りだくさん。朝夏&実咲コンビのフィナーレを飾る花束のように、宙組の総力を挙げた見応えあるレビューとなっている。

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また、初日を前に、囲み取材も行われ、宙組トップコンビ朝夏まなとと実咲凜音が、公演への抱負を語った。

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その中で、芝居について、個性豊かなキャラクターが暴れ回る作品の中から、心温まるラストに至る流れで明日への活力を得て頂けたら嬉しいと朝夏が語ると、コメディならではの難しさがあるので、新鮮さを大切にしたいと実咲が語るなど、それぞれ作品への思いの深さを感じさせる一コマも。

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一方ショーについては、それぞれにお気に入りのシーンがありつつ、「でもやっぱりソーラン宙組!が好きです!」と一致した答えに至って、コンピのあうんの呼吸は健在。

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更に、次公演での退団を発表した朝夏に心境を尋ねる質問もあった中で「今はとりあえず実咲を無事に送り出すことが私の使命だと思いますので、 しっかりとサポートしたいです」と朝夏がキッパリと答えたのがなんとも印象的。退団時期が重ならなかったからこそ、コンビとして互いを尊重しようとする姿勢がにじみでる、朝夏&実咲コンビの美しきラストランに思いを馳せる時間となっていた。

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尚、囲み取材の詳細は、5月9日発売の「えんぶ6月号」に舞台写真の別カットと共に掲載致します。どうぞお楽しみに!

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〈公演情報〉
宝塚歌劇宙組公演
ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』
原作◇浅田次郎 「王妃の館」(集英社文庫刊)
脚本・演出◇田渕大輔
スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』
作・演出◇中村暁
出演◇朝夏まなと、実咲凜音 ほか宙組
●2017/3/31日〜4/30日◎東京宝塚劇場 
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001

※Chateau  の「a」には「^」がつきます。





【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】





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中谷美紀×井上芳雄『黒蜥蜴』に成河、相楽樹、朝海ひかるも出演。全キャスト発表!

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三島由紀夫の最高傑作戯曲の1つと言われる『黒蜥蜴』が、2018年1月より日生劇場にて上演されることが決定。このたび全キャストが発表になった。

この作品は、美貌の女盗賊〈黒蜥蜴〉と名探偵〈明智小五郎〉が繰り広げる耽美と闇の世界。怪奇小説を世に送り出した江戸川乱歩の傑作を、三島由紀夫が戯曲化した究極のエンターテインメントである。
主演の黒蜥蜴役には中谷美紀、黒蜥蜴の好敵手であり運命の恋人、探偵・明智小五郎役に井上芳雄、それに加えて、雨宮潤一役に成河、岩瀬早苗役を演じる相楽樹、岩瀬家の家政婦ひなを朝海ひかる、岩瀬庄兵衛をたかお鷹が演じることが発表になった。

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成河、相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹

演出は、日本でも『テレーズ・ラカン』や『ナイン』、『ETERNAL CHIKAMATSU』など、数多くの作品を手掛けている英国人演出家・デヴィッド・ルヴォ―が担う。ルヴォ―は、1988年の初来日以来、日本で演出をし続けたいと願い、日本に魅了されている理由を、三島由紀夫作品と歌舞伎に出会ったことだと言っている。三島戯曲を演出することは、彼が演出家であり続けるアイデンティティの一部と言っても過言ではない。日本に魅了され続けてきた英国演劇人が、敬愛してやまない芸術家・三島由紀夫の戯曲を、長年夢に描いてきた演出プランでいよいよ実現することになる!

《ストーリー》
世界的宝石商、岩瀬庄兵衛は、愛娘・早苗の誘拐と岩瀬家の秘宝「エジプトの星」強奪を予告する女盗賊・黒蜥蜴に怯え、探偵・明智小五郎に警護を依頼した。岩瀬父娘は大阪のホテルに姿を隠したが、隣室には岩瀬の店の顧客、緑川夫人が泊っていた。実は彼女こそ黒蜥蜴だったのだ。黒蜥蜴は部下の雨宮を使って、早苗をまんまと誘拐したものの、明智は機敏な処置で、早苗を奪い返したのだった。
それから半月後、厳重な警備が敷かれた岩瀬邸から、早苗が忽然と姿を消した。黒蜥蜴が家政婦ひなの手引きで、再び早苗を誘拐したのだ。明智が駆けつけた時、早苗と引換えに、「エジプトの星」を持参せよ、という紙が残っているきりだった。指示通り、岩瀬は「エジプトの星」を黒蜥蜴に渡したが、早苗は戻らなかった。黒蜥蜴は早苗の美しさに魅せられていた。一方、そんな黒蜥蜴にひそかに恋焦がれている雨宮は、黒蜥蜴が明智を恋していることに気づき、嫉妬を感じるのだった。
その頃、明智は、一度は黒蜥蜴の手にかかって殺されたと見せかけ、部下の一人に変装して本拠地に忍び込んでいた。彼もまた、純粋な美に生きる黒蜥蜴に恋していた。黒蜥蜴を捕える自信はあったが、世間の秩序の彼方に己れの倫理と美意識を築きあげている彼女を、一番深く理解し愛しているが故に葛藤する明智。
本拠地には人間剥製の美術館があった。早苗もその一つに加えられようとしていた。雨宮はそんな早苗を助けることによって黒蜥蜴の関心を自分に向けようとしたが、捕えられてしまう。早苗の隣の檻の中で、雨宮は早苗が実は、替玉だったと知った。
一方、黒蜥蜴は明智の変装を見破ったが、その時、警官隊がなだれ込んで来た。逃れぬと悟った黒蜥蜴は毒を仰ぎ、明智の腕の中で息を引きとった。好敵手と、そして不思議な美しさで人を惹きつけた運命の恋人を失い、明智は黙然と突っ立っているばかりだった…。
 
【配役】
黒蜥蜴 ・・・中谷美紀
明智小五郎・・・井上芳雄
岩瀬早苗・・・相楽樹
家政婦ひな・・・朝海ひかる
岩瀬庄兵衛・・・たかお鷹
雨宮潤一 ・・・成河


すでに発表されていた演出家ルヴォーと黒蜥蜴役の中谷美紀、明智小五郎役の井上芳雄、今回発表になった雨宮潤一役の成河、及び岩瀬早苗役を演じる相楽樹のコメントは以下の通り。

【デヴィッド・ルヴォー(演出家)コメント】
中谷美紀さんについて
黒蜥蜴役は、まず目を見張るような絶世の美女でなければなりません。同時にある種の緊張感を持ち、何かに駆り立てられている女性で、謎めいており、この人のことを知りたいと、周囲に思わせる磁力の持ち主。中谷美紀さんは、そのすべての要素にかなうだけでなく、繊細な部分も併せ持っていて、申し分ありません。
井上芳雄さんについて
明智は、完全にアウトサイダーであり、ハンフリー・ボガードのようなハードボイルドですが、まっとうなモラルも併せ持っています。『ルドルフ・ザ・ラストキス』でご一緒した井上芳雄さんは、他者からの共感を呼ぶことができる才能に恵まれた俳優で、クールで知性的な点でも、明智にふさわしいでしょう。もう王子様役は十分でしょうから(笑)、新たなハードボイルド役に期待しています。

【中谷美紀コメント】
出演にあたって
今回、江戸川乱歩が創作し、三島由紀夫が書かれた物語をデヴィッド・ルヴォーさんが演出されるということで、三島さんが巧みに描かれた文章を表現することは容易なことではないですし、とても大きな劇場で演じるということに恐れを抱き、逡巡もしたのですが、やはり心が動いてしまい、出演させていただくことを決めました。
ルヴォーさんとスタッフの方々が温かく支えてくださるということと、また、井上芳雄さんという素晴らしい明智小五郎さんにもめぐり会えるようですので、自らの身を委ねてみたいと思います。
『黒蜥蜴』という作品の魅力
耽美的でありながら、毒も含んでいて、きちんとエンターテイメントになっている、とても分かりやすい物語であるということが、この作品の魅力なのではないでしょうか。
演出 デヴィッド・ルヴォー氏について
「言葉の魔術師」という感じで、人を抵抗なく説得する天才なのではないかと思っています。人の不安材料を取り除いたり、ご自分の世に引き込む力がある方だと思うので、ぜひ私も魔法にかけて頂きたいと思っています。
井上芳雄さんの印象
私自身は本作が舞台4作目と経験がありませんが、井上さんはミュージカルスターであることはもちろん、ストレートプレイでも実のあるお芝居をなさる方ですので、いろいろ教えて頂き、助けて頂けることを期待しています。

【井上芳雄コメント】
出演にあたって
この作品をやりたいと感じた一番の理由はルヴォーさんの演出だということです。過去に『ルドルフ 〜ザ・ラスト・キス〜(2012年 帝国劇場)』での経験が素晴らしかったので、いつかまたご一緒したいという気持ちがあり、ルヴォーさんが来日するたびに顔を見せに行き、「いつかまた一緒にやりたい」と言い続けてきました。今回のタイミングでお話を頂き、是が非でもやりたいとお返事しました。
『黒蜥蜴』という作品の魅力
お恥ずかしながら三島さんの作品はそこまで多く読んだことは無いのですが、もともと『黒蜥蜴』はすごく好きで、話自体に興味がありました。『黒蜥蜴』というキャラクターに魅力がありますし、作品で描かれている時代の日本は今の日本に無いものが沢山あるので、不思議な話ではありますが、ずっとすごく好きな作品でしたね。ルヴォーさんとやりたいというのは第一ではありましたが、題材が『黒蜥蜴』だったということも二重のラッキーでした。
演出 デヴィッド・ルヴォー氏について
今までいろんな演出家の方とご一緒させて頂いていますが、ルヴォーさんの演出は魔法にかけられているような、演出を受けて本番中も知らないうちに彼の意図する作品の世界に連れていかれているという経験だったので、「もう一度あの中に行きたい」と思っていました。数年が経ち、お互いに日々少しずつ変化していると思うので、今の彼が何を考えて、何を表現しようとするのかを知りたいですし、一緒に良い作品を作れたらこんな幸せなことはないと思います。
中谷美紀さんの印象 
以前、ドラマで一度ワンシーンだけご一緒して、その時は一瞬お会いしただけだったのですが、その一瞬だけでも「ご一緒できて良かった」と思える方でした。女優さんとして素晴らしいのはもちろんなのですが、その現場で中谷さんは主演だったのにもかかわらず、現場の誰よりも気を遣っていて、「こんなことってあるのかな」と信じられない程、素敵な印象しかありません。今回、舞台で「黒蜥蜴」と「明智」としてご一緒できることを本当に光栄に思います。

【成河コメント】
雨宮という役はどちらかというと若いフレッシュな俳優が適任であろうと思っていたので、お話を頂いた時は正直少し尻込みをしました。ですが、直接演出家とお話する機会を頂き、彼の演出プランやこの作品に向けた意気込みを聞くにつけ、何よりもまず「デヴィット・ルヴォーの黒蜥蜴」というものを立ち上げる事に興味を覚えました。その一助たるべく頑張ろうと思います。

【相楽樹コメント】
黒蜥蜴は舞台でも拝見したことがあったのですが、彼女の中に居る怪物のような一面をいかに見せていくか、きっと私にとって課題になっていくだろうと思っていたので、早苗役が決まったと知って純粋に嬉しかったのと同時に不安もありました。ですが、ルヴォーさんの演出でどんなところへ連れて行ってもらえるのか、最初には想像もしなかった早苗に出会えるのではないかとワクワク感もあり、今は楽しみな気持ちの方が強いです。



〈公演情報〉
原作◇江戸川乱歩
脚本◇三島由紀夫
演出◇デヴィッド・ルヴォー
出演◇中谷美紀、井上芳雄 他
中谷美紀 井上芳雄/相楽樹 朝海ひかる たかお鷹/成河 
一倉千夏 内堀律子 岡本温子 加藤貴彦 ケイン鈴木 鈴木陽丈 滝沢花野 長尾哲平 萩原悠 藤田玲 松澤匠 真瀬はるか 三永武明 宮菜穂子 安福毅 山田由梨 吉田悟郎(50音順)
●東京公演 2018/1/9〜28◎日生劇場
●大阪公演 2018/2/1〜5◎梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉東京公演 S席 12,500円 A席 9,000円(全席指定・税込)
    大阪公演 S席 12,500円 A席 9,000円 B席 5,000円(全席指定・税込)
一般発売 2017年9月30日(土)〜
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039[東京] 06-6377-3800[大阪]10:00〜18:00)
http://www.umegei.com/schedule/634/





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ミュージカル『アニー』が新しく生まれ変わって開幕! マルシア&彩乃かなみ インタビュー

アニー本データ

演出もキャストも一新されたミュージカル『アニー』が、4月22日から新国立劇場 中劇場でいよいよ開幕する!
人気ミュージカル『アニー』も今回で32年目、演出を16年間担当してきたジョエル・ビショッフに代わり、日本のミュージカル界で次々にヒット作を手がけている山田和也が演出を手がける。それとともにオーディションで選ばれた2人のアニーはもちろん、大人キャストも全員新しくなり、フレッシュな新生『アニー』の誕生となる。

【ものがたり】
舞台は1933年のニューヨーク。世界大恐慌直後の街は、仕事も住む家もない人であふれていました。誰もが希望を失っているなか、11歳の女の子アニーだけは元気いっぱい。11年前、孤児院の前に置き去りにされたというのに、いつか両親が迎えに来ると信じて、逆境にひるむことなく前向きに生きています。
そんなある日、大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースに気に入られたアニーは、クリスマスの2週間をウォーバックスのもとで過ごすことに。明るいアニーに孤独な心をなぐさめられたウォーバックスは、アニーを養女にしたいと思うようになります。しかしアニーは、本当の両親と暮らすという夢をあきらめきれません。その強い気持ちに打たれたウォーバックスは、懸賞金をかけて彼女の両親を捜すことにします。
ところが、それを知った孤児院の院長ミス・ハニガンと弟ルースター、その恋人のリリーは、懸賞金目当てに悪だくみを始めて……。アニーの夢はかなうのでしょうか?
 
この舞台で、孤児院院長のミス・ハニガン役を演じるのはミュージカル界きっての実力派マルシア、そして秘書グレース役は元宝塚月組トップ娘役で舞台を中心に活躍する彩乃やかなみが扮する。まさに適役であり、ともに圧倒的な歌唱力を持つ2人の参加で、ひときわパワーアップしたミュージカル『アニー』。2人に初参加の抱負を聞いた「えんぶ4月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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必死になればなるほど面白いミス・ハニガン

──この作品についてはどんな形でご存じでしたか?
マルシア 映画版を観ているので物語はよく知っています。でも舞台はまだ拝見したことがないんです。今回、出演できるのでとても楽しみです。
彩乃 私は昨年、宝塚で同じ組にいた遼河(はるひ)さんが、ハニガン役で出演したので、初めて拝見して感動しました。テレビなどでオーディション風景は見ていて、泣きながら「トゥモロー」を歌っている子供たちの姿が印象的でした。
──お2人の役ですが、マルシアさんは孤児院長のミス・ハニガンですね。
マルシア 怖い女性みたいに言われますけど、ハニガンなりにがむしゃらに生きてきただけなんです。1930年代のアメリカは荒廃した時代だったので、みんなが必死で生きている中で、ハニガンも強くなってしまったのかなと。でも男性には愛想がよかったり(笑)、そういうギャップも面白いですね。
彩乃 チャーミングな部分がありますよね。子供たちにからかわれたり、厳しいけれど、ただ怖いだけではないという気がします。
マルシア 映画版を観たとき、ハニガンがおかしくてずっと笑ってました(笑)。必死になればなるほどどこか抜けている部分もあるのかなと。グレースとの掛け合いも、そういう感じで面白くなればいいですね。
彩乃 そうですね。
──グレースはどう演じたいですか?
彩乃 ウォーバックスさんの秘書でアニーを支える女性ですが、キャラクターとしてはあまり強い個性ではないので、周りの個性的な皆さんの中で、どう存在感を出していくかが大事かなと。アニーを見つけ出す先見の明や直感力に優れた、知的な女性を素敵に演じたいと思います。

良い時代に生きていることをアニーで確認してほしい

──ダブルキャストのアニーと共演することはいかがですか?
マルシア 私は『レ・ミゼラブル』でトリプルキャストを演じましたが、相手がダブルというのは初めてです。でも今回のアニーたちは、背の高さとか見た目が違っていて、それぞれ魅力があるので楽しみです。
彩乃 私もダブルの方とお芝居するのは初めてです。製作発表のときなど、2人とも話すことがしっかりしていて、それだけ『アニー』に出演するという夢を持って、ここまで頑張ってきたのだなと感動しました。私のほうが貰えるものがありそうです。
──歌声には定評のあるお2人ですが、ミュージカルの魅力、『アニー』の魅力を語っていただきたいのですが。
マルシア 私はほとんどミュージカルしかやっていないので、音楽があって当たり前と思っていますし、劇中の音楽は心を語る時間だと思っているんです。この『アニー』は楽曲もとても素晴らしくて、だから31年間も愛されてきたわけだし、その魅力をきちんと伝えて、ミュージカルを好きな人にとっても、たまらない『アニー』を作りたいですね。
彩乃 これだけ長く続いている理由の1つに、お子さんが主役で、親子で観られるミュージカルだということもあると思います。一生懸命生きているアニーや孤児たちの姿に、大人も力をもらえるんです。
マルシア 本当にそう! お子さんも大人も、どれだけ今平和で良い時代に生きているかを、アニーで確認してほしいです。アニーは必死で親を探します。その姿に自分の今の幸福を感じていただければ。そういう意味でも、これはとても優れたミュージカルだと思います。

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マルシア、彩乃かなみ

まるしあ○ブラジルサンパウロ出身。日系3世として生まれる。1989年「ふりむけばヨコハマ」で歌手デビュー。女優・タレントとしてミュージカル、ドラマ、バラエティなど幅広く活躍中。01年、ミュージカル『ジキル&ハイド』で01年度第56回文化庁芸術祭演劇部門新人賞、05年度第31回菊田一夫演劇賞を受賞。最近の出演舞台は『青い種子は太陽のなかにある』『マハゴニー市の興亡』など。

あやのかなみ○群馬県出身。97年宝塚歌劇団に入団、05年に月組のトップ娘役に就任、08年退団。以後は、女優として幅広く舞台で活躍中。最近の主な作品は、ミュージカル『何処へ行く』『セレブレーション100! 宝塚』『マホロバ』『SUPER GIFT』『クリエンターレ!』『夜の姉妹』ロシア文化フェスティバル2016『バレエ ガラ 夢 コンサート 2016』『オフェリアと影の一座』など。

〈公演情報〉
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丸美屋食品ミュージカル『アニー』
脚本◇トーマス・ミーハン 
作曲◇チャールズ・ストラウス 
作詞◇マーティン・チャーニン 
演出◇山田和也 
出演◇野村里桜/会百花(ダブルキャスト)  藤本隆宏  マルシア 彩乃かなみ  青柳塁斗 山本紗也加  ほか 
●4/22〜5/8◎新国立劇場 中劇場
8/10〜15◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
8/19・20◎仙台・東京エレクトロンホール宮城
8/25〜27◎愛知・愛知県芸術劇場大ホール
9/3◎上田・サントミューゼ大ホール 
〈お問い合わせ〉東京公演/キョードー東京 0570-550-799 
http://www.ntv.co.jp/annie/



【取材・文/吉田ユキ 撮影/岩田えり】




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