宝塚ジャーナル

BOLERO 2016

新生月組始動!宝塚月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』制作発表会見レポート

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新トップスター珠城りょうを中心とする宝塚月組で、、ザ・ミュージカル『グランドホテル』と、モン・パリ誕生90周年レビューロマン『カルーセル輪舞曲』が上演されることになった(2017年1月1日〜30日宝塚大劇場、2月21日〜3月26日東京宝塚劇場での上演)。

ザ・ミュージカル『グランドホテル』は、1928年のベルリンを舞台に、高級ホテルを訪れた人々が1日半のうちに繰り広げる様々な人生模様を描いたミュージカル。原典の映画は群像劇を総称する「グランドホテル形式」という言葉を産んだ作品としても知られ、1989年トミー・チューンの演出・振付により、ブロードウェイで上演されたミュージカル版はトニー賞5部門を受賞。宝塚歌劇では、同氏を演出・振付に迎えて、1993年に涼風真世、麻乃佳世を中心とする月組での初演が、大きな喝采を集めた。今回はそれ以来となる待望の再演となり、トミー・チューンを特別監修に、岡田敬二、生田大和が演出を担当。新トップスター珠城りょうが実は破産状態にあるものの、貴族のプライドを失わないフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵、トップ娘役の愛希れいかがロシア出身の世界的なバレリーナ、エリザヴェッタ・グルーシンスカヤに扮し、更に、初演で涼風が演じた不治の病に侵された会計士オットー・クリンゲラインを美弥るりかが演じるなど、新たな『グランドホテル』の誕生が期待される。

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 また、日本初のレビュー『モン・パリ』誕生90周年を記念した、稲葉太地作による優美で華やかなレビュー『カルーセル輪舞曲』も同時に上演。日本からパリを目指した『モン・パリ』とは逆に、パリを出発して宝塚を目指すお国巡り形式になるというレビューとあって、宝塚ならではの豪華な二本立てに、大きな注目が集まること必定だ。

そんな作品の制作発表会見が、9月8日都内で行われ、宝塚歌劇団理事長小川友次、演出家の岡田敬二、生田大和、稲葉太地、出演者を代表して珠城りょう、愛希れいか、美弥るりか、そして、オリジナル演出・振付、特別監修のトミー・チューンが登壇。作品への抱負を語った。

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 まず、会見は出演者によるパフォーマンスからスタート。『カルーセル輪舞曲』から、愛希れいかが、「モン・パリ〜我がパリ〜」を歌うと、珠城りょうが同作品の主題歌を初披露。レビューの華やかな世界の一端が舞台に立ち現れた。

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続いて、音楽が鋭く変わり、『グランドホテル』のテーマが流れる。本編でもドラマの語り手役となるオッテルンシュラーグ役の夏美ようのアナウンスで、珠城のガイゲルン男爵、愛希のグルーシンスカヤ、美弥のクリンゲラインが紹介され、舞台は『グランドホテル』の世界へ。ホテルの部屋でアクシデントのように出会ったガイゲルン男爵と、グルーシンスカヤが、嘘から始まった恋に落ちていくシーンが演じられる。たばこをくゆらせる珠城の大人の魅力が光り、愛希と繰り広げる雰囲気に満ちたデュエットが美しい。

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一転、株で大儲けをしたクリンゲラインとガイゲルン男爵が、祝杯をあげて踊り明かすシーンとなり、軽快な音楽に乗せて歌い踊る珠城と美弥の明るさが弾ける。最後はこのパフォーマンスだけの趣向として、愛希も加わり、主演コンビの役柄が変更されることによって、宝塚初演版にはなかったシーンや楽曲も登場するという、新たな『グランドホテル』への期待が更に高まった。

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そんな華やかなパフォーマンスに続いて、会見の出席者全員が登壇。それぞれの挨拶から記者会見となった。

【出席者挨拶】

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小川友次 本日はお集り頂きありがとうございます。更にニューヨークから、レジェンドと申し上げて良いトミー・チューン氏が起こしくださいました。心より御礼申し上げます。おかげ様で宝塚は102周年を迎え、昨年の101周年は100周年にも増して、新記録を達成する多くのお客様に来て頂きました。102周年の今年も宝塚大劇場は100%近い大入り、また東京宝塚劇場は龍真咲退団公演の月組公演が終わったばかりですが、本当に多くのお客様に愛されて101%を越えるお客様をお迎えすることができました。深く御礼申し上げます。来年103周年の正月公演を珠城りょうという若いトップスターを中心にやると決まりました時に、何をやろうか?となった時に、やはりこの素晴らしい『グランドホテル』をもう1度やりたい、という気持ちが強くありました。そこにこうしてトミー・チューン氏が起こしくださり、許可も得て、違うバージョンで新しいリボーンとなります。お楽しみにして頂けたらと思います。私自身が今よく海外バージョンのCDを聞くのですが、最後の大好きなフィナーレナンバーが、来年元旦から聞けるのかと思うと、今からワクワクしております。またショーでございますが、1927年の『モン・パリ』から90年が経ちます。岸田辰彌先生が小林一三の命を受けて1年間欧米で勉強されて、持ち帰られたのが『モン・パリ』でございます。宝塚の原型であります、ラインダンスや、何より英語では「レビュー・カンパニー」でありますから、その勉強をされた岸田先生の作品から90年の今、今度はパリから宝塚に帰ってくるレビューを創るということで、これも本当に楽しみでございます。この2作品で、来年の正月に新月組のお披露目、ここにいる3人を得たからこそ、この公演ができると信じ、期待しておりますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

トミー・チューン この度、こうしてまた宝塚と仕事ができるとは思ってもいませんでした。正に夢のようです。本日はお越し頂きまして本当にありがとうございます。

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岡田敬二
 何よりも23年ぶりにブロードウエィからトミー・チューンさんをお招きして『グランドホテル』が再演できるということを、日本側のスタッフの1人として大変光栄に誇りに思っております。23年前と言いますと、トミーさんも50代半ばで、『ウィル・ロジャース・フォーリーズ』でトニー賞を受賞された頃です。私共がこの『グランドホテル』を上演するに当たりまして、1年2ヶ月の打ち合わせ期間と、3ヶ月の稽古をやりました。『ブロードウェイ・ボーイズ』という作品と、『グランドホテル』での公演でしたが、トミーさんたちのブロードウェイのスタッフと、私共宝塚のスタッフが四つに組んでミュージカルを創った、宝塚歌劇団と致しましても大きな冒険であり、思いとなった作品でございます。今回夢が叶って、もう1度トミー・チューンさんとお仕事ができるというのをとても嬉しく思います。更に、宝塚103年目の冒頭に、珠城君を中心とする月組の新しいメンバーで、生田大和先生、ショーの稲葉太地先生、今や宝塚歌劇団を代表する期待の若手演出家である二人の演出を、私自身も大変楽しみに致しております。

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生田大和 今回『グランドホテル』という作品に演出として声をかけて頂けました。エンターテイメント作品としても極上のものでありながら、芸術的なスピリットを併せ持った美しい作品に携われることに感激しております。トミー・チューンさんの名に恥じぬようなものにできるように、頑張って参りたいと思います。23年前の初演当時、私は中学1年生で、ミュージカルに目覚めたのが中学2年生の時だったものですから、惜しいことに1年の違いで観ることができなかったのです。つまり私は何も知らない新参者なのですが、改めて資料などひも解いて行きますと、そのスピリット、哲学的な部分、美しい演出、それらすべてに天才のなせる技ではないかと感じて感動致しました。それを今度は演出という立場で実際に稽古場で形にしていかなければならないという立場で、大きなプレッシャーと共に喜びを感じております。1989年のブロードウェイの上演までに、様々な困難があったことも資料から読み解けるので、単に形を整えるのではなく、そのスピリットを探求していけるよう、良き演出家であると同時に、良き研究者としても、1928年にグランドホテルで生きる人々と共に私自身も生きて参りたいと思います。

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稲葉太地
 『モン・パリ』誕生90周年の記念レビューを、ということで大変重く責任を感じております。岸田先生が作られたレビューから、こちらにおられる岡田先生もそうですが、たくさんの先輩方の仕事、作品作りに敬意を表して、もう1度勉強し直して、私なりにこの新しいレビューを創って行きたいと思っております。更にそれ以上に大きな使命として、こちらにおります珠城が、この公演から新しい月組のトップスターとなります。珠城、愛希、美弥を中心と致します、新しい月組の魅力を1番活かすことが、わたしに与えられた1番の使命ではないかと思っておりますので、この新生月組が繰り広げる、1番素晴らしいレビューを目指して皆と一緒に作品を創りたいと思っております。また、私事ですが『グランドホテル』はとても大好きな作品で、「前もの『グランドホテル』です。トミー・チューンさんもいらっしゃいます」と伺った時に「そっちの助手でいいです」と言ったほどでした(笑)。23年前『グランドホテル』と『ブロードウェイ・ボーイズ』私は劇場で拝見しておりました。7月の暑い東京公演だったと記憶しております。その時にエンターテイメントというものの素晴らしさをとても感じておりました。その、後ものを務めさせて頂く、宝塚の定番である二本立ての興行の後ものを務めさせて頂くことを大変光栄に思っております。

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珠城りょう
 私事ではございますが、月組の主演男役として皆様の前でご挨拶させて頂くのは本日が初めてでございます。『グランドホテル』、そして『カルーセル輪舞曲』どちらも本当に大きなもので、お話を伺った時には驚きましたし、自分自身務まるのかどうかという不安も正直ありました。ですが、『グランドホテル』という作品の様々な資料を拝見させて頂いたり、実際に譜面を頂いて、この制作発表に向けてのお稽古を進めていくうちに、この作品に携わらせて頂けることがどんなに幸せか、という想いの方が強くなってくる毎日でした。この楽曲を歌えること、この作品ができることがどれだけ役者として幸せなのだろうかという想いが、自分の中に溢れてきました。それと同時にショーの方でも、『モン・パリ』の90周年という記念すべき年に、新たに私たちの為にオリジナルでショーを作って頂ける、それも本当に光栄なことだと思っております。非常に個人的なことになってしまうのですが、私は宝塚初観劇が岡田先生の作品で、それを観て宝塚受験を決めました。それ以降入団してからは岡田先生とのご縁はなかったのですが、このように新生月組、私のお披露目という時に先生とご一緒にお仕事をさせて頂けるということに、深いご縁を感じております。また生田先生や、稲葉先生には新人公演時代からたくさんお世話になりまして、ここに至るまでの色々な引き出しを作って頂きました。今ここでお2人の先生と関わらせて頂けること、そしてトミー・チューン氏をお迎えして新たな『グランドホテル』を作っていけること、すべての奇跡に今心から感謝致したいと思います。まだまだ舞台人としても、男役としても未熟ですし、まだ磨いていかないといけないところはたくさんあるのですが、今の自分にできる精一杯の努力をして、今の私たちにしかできない二つの作品に仕上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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愛希れいか
 パフォーマンスの方で初めにショーの方の歌を少し歌わせて頂いたのですけれども、稲葉先生からも少しだけ構成をお聞きしてとてもワクワクしております。お正月の、1年の幕開けに、そして新しい月組のスタートにとても相応しい作品になるのではないかと楽しみに致しております。そしてお芝居の方『グランドホテル』ではエリザヴェッタ・グルーシンスカヤ役をさせて頂きます。本当に多くのブロードウェイミュージカル作品の中でも、特に大切にされてきた作品の1つではないかと思っております。こうしてトミー・チューン氏をお迎えして、再演させて頂けますこと、とても幸せで、光栄です。お役につきましては、バレリーナなのですが、生きることに希望を失い、踊ることに情熱を失った彼女が、男爵に出会い、愛すること愛されることの喜びと、踊りへの情熱を取り戻していくことを、私なりに大切にしっかりと演じて参りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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美弥るりか 個人的な話になってしまうのですが、私自身、初演でこの役を演じられた涼風真世さんに憧れて、宝塚への受験を決めました。更に生まれて初めて劇場に観に行ったのもこの作品で、私にとって『グランドホテル』と『ブロードウェイ・ボーイズ』は、これなしには宝塚を語れないくらい熱いものがありますので、今、この作品を月組で再演することができ、しかもオットー・クリンゲラインという役に自分が出会えたことに心から感謝しております。まだまだ自分が本当にオットーを演じるのだということが夢のようなのですが、子供の頃にはわからなかった色々なものがギュっと詰まった素晴らしい作品ですので、自分なりにこの役をもっともっと深めて、魂を込めて大切に、この役に出会えた奇跡に感謝して演じたいと思います。そしてショーの方は、私は今日パフォーマンスの方には出演していないのですが、すでに主題歌が頭の中をぐるぐる回っておりまして、きっと皆様にもすごく楽しんで頂ける素敵な主題歌だなと思いました。稲葉先生のショーには1度『GOLDEN JAZZ』に出させて頂いておりまして、先生のショーの魅力というのは団体で作る魅力だけではなく、先生から観た個人個人の生徒が、どんな場面に出て、どんなパフォーマンスをすればその人自身が1番輝いて見えるか、素敵に見えるか、という先生のこだわりが細かいところまでギュッと詰まっているところが、素敵だなといつも拝見していましたので、私自身もどのような場面に出るのか、新しい自分に出会えるのかを楽しみにしております。そしてこの作品で、珠城りょうちゃんと愛希れいかちゃんの新しいお披露目、ここからが月組の新しいスタートとなりますので、私も微力ではありますが力になれるよう精一杯頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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【質疑応答】

──今回『グランドホテル』は新しく演出が変わるということですが、今お聞かせ頂ける範囲でどのようになるのか教えてください。また岡田先生と生田先生の役割り分担はどのように?
岡田 私はもう70代で後進を育てるという立場ですので、先ほどご紹介しましたように生田さん、稲葉さんというのは、歌劇団の新しい力ですから、『グランドホテル』の演出をやりたいという手は、歌劇団の中でずいぶん上がったですが、成長株である生田先生にお願いしました。私は全体を見ますけれども、ディテールに関しては生田さんが頑張ってやってくれるだろうと思います。23年前を含めた全体には責任を持ちますが、細かいことは生田さんがやってくれると期待しています。ですので、最初のご質問に関しましても、生田さんがお答え致します(笑)。
生田 分担という形ですが、稽古場の実働部隊として骨組みを作っていくのが自分の役割りだと心得ております。稽古場で実際に人を配置し、動かし、ステージングを振付の御織ゆみ乃さんと一緒に、創り上げていく形になります。その上で岡田先生にご覧頂き、更にはトミー・チューン氏に監修して頂く。演出が変わるということですが、もちろん今回は新生月組のお披露目でございますから、男爵が芯となる、主人公ですが、元々『グランドホテル』は「グランドホテル形式」という言葉を生み出したほどの群像劇ですから、その中で誰を軸にしていくかで見え方が変わると思います。23年前の初演でもオットー・クリンゲラインという人間にフォーカス、焦点をあてまして、元々2時間10分の作品を抜粋して創り上げたのが、宝塚版の成立過程であるのかなと思うのですが、今回は男爵と彼を愛するグルーシンスカヤ2人に焦点を当てるということになりますので、2時間10分の原典からどう抜粋して見直すか?が軸になると思います。その上で演出をその為に変えるということはなく、あくまでもトミー・チューン氏が作られた世界観というものを大切に、なぞるのではなく、スピリットを掘り下げていければと思っております。

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──トミー・チューンさんは宝塚OGによる『CHICAGO』ニューヨーク公演もご覧になったそうですが、宝塚がブロードウェイミュージカルを演じる意義をどう感じられていますか?
トミー ニューヨーク公演の『CHICAGO』は大変素晴らしいもので、Aプラスでしたが、あの作品にはショッキングな台詞も含まれていて私が宝塚と関わらせて頂いてから23年が過ぎていることもあって、宝塚は今このように変わっているのか?と驚いたところもありました。ですが、あの『CHICAGO』はやはり特別なもので、宝塚は今でもオリジナルで、スペシャルな団体だと思っております。
──演出の先生方、今の月組の魅力をどう捉えて、作品に反映しようと思われていますか?
生田 今の月組のそれぞれの魅力は、大変芝居巧者の方が揃っている組だという印象がございます。それは他の組を決して貶めるものではないのですが、特に月組さんの脇を固めてくださる上級生、また下から押し上げてくる下級生の勢いにはなかなか素晴らしいものがあると思います。それはやはり霧矢大夢さんトップの時代、龍真咲さんトップの時代、それぞれで育ってきたものがありますので、それを引き受けて珠城さんが立つことになります。私は珠城さんとの関わりで言いますと『スカーレット・ピンパーネル』という作品の新人公演の演出を私が担当させて頂きました。(珠城に)あれは、たぶん初主演でしたね。

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珠城 はい、そうです。
生田 その時に大変感じましたのが、彼女自身が持っている何かを演じる以前に、エネルギーが身体の中に満ちている。珠城りょうという形を作っているものの中にあるエネルギー、その熱さ、もしくは熱、光の強さに驚いたのをよく覚えています。実際、稽古場、舞台稽古を経て、大劇場の本番の舞台のセンターに立っている姿が立派だった。もちろん男役として恵まれた体格を持っていることもありますが、それに負けない努力を積み重ねてきた人だと思いますので、そして「新生」ですから、1番若い組になりますので、そういった若々しさが魅力になると思います。それを男爵という役を演じるに当たって、男爵の優雅さと、生きる為に払わなくてはならない代償、そういったものの中で、彼女が元々持っている明るさというのが、役作りの上で大きな救いになるのではないかと想像しております。
稲葉 私は今年の東京のお正月公演だったのですが、月組公演のショーの『GOLDEN JAZZ』という作品を担当させて頂きまして、その時にすごく感じたのは、上級生から下級生までが表現者としてとても一流だということでした。1列目、2列目にいる人たちが本当に表現をするので、下級生がその背中を見て育つと、技術がまだまだ足りない学年の子たちでも、ものすごいエネルギーを発揮してくるんですね。これはやっぱり前に立っている人たちが、大きな表現をしないとそこにいることが許されないというくらいだからだと思います。ここにいる面々、美弥は星組からの組替えですが、もう来て何年ですか?
美弥 4年半です。

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稲葉
 4年半、そういう風に見てきて、もちろん珠城も愛希もずっと上級生の背中を追い続けて今、このポジションにいる訳で、そういう意味では表現者として一流の人たちが集まった組としてイメージしております。珠城も新しくトップスターになりました。で、この公演から組長も新しくなりまして、本当に5組の中で1番若い組になりますが、受け継いでいく精神みたいなものは変わらないと思いますので、素晴らしいパフォーマンスを芝居でもショーでも発揮してくれるでしょう。そこが1番の魅力だと思っております。
岡田 私たちの演出部には、生田先生、稲葉先生だけでなく、植田景子先生、上田久美子先生、原田諒先生など、大変優秀な若手の先生方がいらっしゃいます。私はもう歌劇団に53年おりまして、植田紳爾さん、酒井澄夫さん、もうその次は私なので、私は力の限りレビューの灯をともして頑張りたいと思いますが、その中で宝塚が小林一三先生の精神を守って、世界で唯一の歌劇団の精神を守っていってくれるような人たちを、影ながら助けていく形になるのかな?と思っています。今『エリザベート』をやっている小池修一郎先生は、私の助手を14年間やってくれた人ですし、生田先生、稲葉先生は、その小池先生の助手を務めておりました。そういう意味では、私は彼らのサポートをしながら、トミー・チューンさんの精神を守って、『グランドホテル』を一生懸命作っていきたいです。

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──では、最後に珠城さん、どんな月組を作っていきたいか、またどんなトップスターになっていきたいですか?
珠城 私自身、皆様の前でご挨拶をさせて頂くのも本日が初めてということもありまして、これからどんな風になっていくんだろうかは、自分でも期待と不安が半々な気持ちです。舞台では磨いていかないといけないところ、もっと研究して男役らしくなっていきたいところはありますが、つい先日ご卒業された龍さんがいらした時の、下級生に至るまでエネルギー溢れる、1人1人が舞台に賭ける熱い思いのある月組の、その先頭を走っていく上で、自分が1番舞台に対してひたむきに、明るく務めていけたらいいなと思っております。トップとして、ということはまだお稽古もスタートしておりませんし、舞台にも立たせて頂いておりませんので、まだ実感がないところもあるのですが、こうあらねばならぬと思うのではなくて、まだまだ自分も成長段階ですから、月組の皆様と一緒に1歩1歩進んでいければいいなと思っております。ただ、その真ん中にいるだけということで、皆様の思いを受けて、力強く一緒に歩んでいけたらと思っています。

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〈公演情報〉
宝塚歌劇月組公演
ザ・ミュージカル『グランドホテル』
脚本◇ルーサー・ディヴィス
作曲・作詞◇ロバート・ライト、ジョージ・フォレスト
追加作曲◇モーリー・イェストン
オリジナル演出・振付・特別監修◇トミー・チューン
演出◇岡田敬二
演出◇生田大和
翻訳◇小田島雄志
訳詞◇岩谷時子
モンパリ誕生90周年 レヴュー・ロマン『カルーセル輪舞曲』
作・演出◇稲葉太地
出演◇珠城りょう、愛希れいか ほか月組
●2017/1/1〜1/30日◎宝塚大劇場
〈料金〉SS席12,000円 S席8,300円  A席5,500円 B席3,500円 
〈問い合わせ〉宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100
●2017/2/21日〜3/26日◎東京宝塚劇場 
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001




【取材・文・撮影/橘涼香】



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ロケバラエティ番組『宝塚ドリームツアーズ』がコンサート開催!

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フジテレビは、CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメにて絶賛放送中の宝塚歌劇団OG出演ロケバラエティ番組『宝塚ドリームツアーズ』の視聴者感謝イベントとして、11月28日に一夜限りのスペシャルコンサートを実施することになった。なお、このイベントは、共催のJ:COM加入者を対象として観覧募集が行われる。

『宝塚ドリームツアーズ』は、元花組トップスター蘭寿とむがMCに初挑戦し、フジテレビきっての宝塚通、笠井信輔アナウンサーがサポートを務め、ゲストに宝塚OGを迎え、宝塚歌劇の新たな魅力に迫るロケバラエティ番組。今年の6月からレギュラー番組化され、瀬奈じゅん、真飛聖、壮一帆、大空祐飛などの宝塚歌劇元トップスターたちが出演してきた。

今回、番組の視聴者感謝イベントとして「宝塚ドリームツアーズ スペシャルコンサート」を一夜限りで開催する事が決定。花・月・雪・星・宙組を代表するOG10名が集結し、「もう一度聞きたい、もう一度見たい宝塚ドリームソング」をテーマに、宝塚歌劇を彩った名曲たちを歌い上げる。また、現役時代には見ることの出来なかった奇跡のコラボレーションやカバーも実現する。

このコンサートの模様は、来年3月にCS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメにて『宝塚ドリームツアーズ特別篇』として放送される予定。
 
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【コメント】
 
MC:蘭寿とむ(元花組トップスター)
──『宝塚ドリームツアーズ スペシャルコンサート』開催へのいきごみは?
番組のスペシャルコンサートが開催されるなんて、とてもうれしいです!笠井アナウンサーと一緒に、楽しんでMCを務められたらなと思っています。出演もさせていただくので、楽しんでもらえるように頑張ります!!
──超豪華OG10名が一夜限りで集まりますが、いかがでしょうか?
こんなに豪華な方々が集まってくださるなんて、私も驚いています!まさに“ドリーム”ですね!!今までにない企画にワクワクしています!
──ファンに向けて一言お願いします。
どんな面白いお話が飛び出すのか、どんな懐かしい歌が聞けるのか、私も楽しみでならないです!番組を楽しみにしてくださっている皆さんも一夜限りの特別感を楽しんでいただけたらと思います!

MC:笠井信輔(フジテレビアナウンサー)
──『宝塚ドリームツアーズ スペシャルコンサート』開催へのいきごみは?
大学時代の彼女に誘われて“からの”ヅカファン歴30年!ついに自分がMCのイベントが実現します。宝塚OGコンサートは山ほどありますが、ヅカファンだからこそわかる“こんなコンサートが見たかった!”というステージを目指します!!お楽しみに!!
──超豪華OG10名が一夜限りで集まりますが、宝塚ファンとしていかがでしょうか?
みなさん、だいたい新人公演のあたりから交流している“旧友”ばかりです。ゆえに、笠井式MCは突っ込みますよ。豪華メンバーを褒め称えるだけではつまらない。時にジェントルに、時に吉本チックに、OGたちの素顔が見える爆笑トークを繰り広げます!!

構成・監修:荻田浩一(作・演出家)
──超豪華OG10名が一夜限りで集まりますが、監修・構成のお立場として、コンサート開催へのいきごみを一言。
一夜限りの催しに、個性的で華やかな顔ぶれが揃いました。慌ただしくも賑やかな、笑いの絶えない時間になるのではと思います。懐かしい思い出と現在の充実とがまろやかに溶け合い、輝き続けるスター陣のエネルギーに満ちたコンサートにしたいと思います。
──番組ファン向けて一言。
さり気ない普段着のトークと、あでやかに奏でられる珠玉の名曲を交互に、ふんだんに味わっていただけます。懐かしい組み合わせに記憶を重ねて、進化する魅力に現在を感じて、ファンの皆様には時を忘れて楽しんでいただきたいと思います。


〈公演情報〉      
J:COM × フジテレビTWO  present
『宝塚ドリームツアーズ スペシャルコンサート』
出演◇MC 蘭寿とむ(元花組トップスター)、笠井信輔(フジテレビアナウンサー)
ゲスト【元花組】愛華みれ、春野寿美礼、大鳥れい【元月組】瀬奈じゅん【元雪組】白羽ゆり【元星組】渚 あき、遠野あすか【元宙組】樹里咲穂、貴城けい
構成・監修◇荻田浩一
●11/28◎品川ステラボール
    



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鮮やかな個性を際立たせ龍真咲宝塚に別れ ラストデーレポート

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2016年9月4日、宝塚100周年の祝祭を牽引した最後のトップスター龍真咲が、5名の同時退団者と共に宝塚に別れを告げた。

2001年『ベルサイユのばら2001〜フェルゼンとマリーアントワネット編』で初舞台を踏んだ後、月組に配属された龍は、その月組一筋の宝塚人生の中で際立つ個性派男役へと進化。生え抜きのトップスターとして4年あまり月組を率いて来た。しかもこの間に宝塚が100周年を迎え、月組が記念公演を担当したこともあって、各組トップスターゲスト出演による祝祭にあふれた興行や、宝塚全員が揃った大運動会など記憶に深く残る催しで、数々の雄姿を見せ続けてきた。特に、「男役」というものの神秘性が、ゆるやかにナチュラル志向に流れていく傾向がある宝塚にあって、突出した色濃さを持ち、どこかやんちゃで天真爛漫な横顔も覗く龍の個性は、強い輪郭を残し、フレンチミュージカルの本邦初演を担った『1789〜バスティーユの恋人たち』で、スターシステムを敷く宝塚で群像劇を上演するという、果敢な挑戦を成功させるほどの力を持ったものとなっていった。だからこそ龍のそんな個性が多面的に活かされた『DRAGON NIGHT!!』と『Voice』2つのコンサートが、取り分け魅力的だったのは得難い個性派トップとして当然のことだったのだろう。

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そんな龍のサヨナラショーは、『1789〜バスティーユの恋人たち』の「パレ・ロワイヤル」の、印象的な影ソロからスタート。龍の同期で専科の沙央くらま、月組一同が真っ赤な衣装で賑やかに踊る中、『DRAGON NIGHT!!』で、この衣装が着こなせるのは宝塚広しと言えども龍1人だろう…と、感嘆させられた白地の総スパンコールに真っ赤な薔薇柄が描かれたスーツ姿の龍が颯爽と登場。冒頭から熱いテンションと楽曲で場を盛り上げる。そのまま1人銀橋に残った龍が、同作品から「二度と消せない」を、独特のどこかねっとりとした節回しで切々と、更に『風と共に去りぬ』から「真紅に燃えて」を歌い継ぐ。己の信じる道に猪突猛進、火の玉のようにつき進む生命力にあふれたスカーレット役が、龍によく合っていたことが改めて思い出された。

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 いったん龍が引っ込むと、本舞台では『DRAGON NIGHT!!』の「ベルサイユのばら組曲」がトップ娘役の愛希れいかを中心に娘役たちで踊られる。愛希の凜とした自立した娘役像は、ある意味で龍の残したものでもありその凜とした踊りぶりが目に残る。。続いて大階段に男役たちが黒燕尾姿で登場。龍の光物で彩られた燕尾姿が美しい。退団公演本編では、シンプルな黒燕尾服姿を美しく披露してれた龍だが、こうして装飾のある黒燕尾姿を見ると、龍真咲というスターにはより相応しいのでは?という想いも去来した。

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そんな龍が力強い歌声で場を締めた後には、この日共に退団する萌花ゆりあ、有瀬そう、真愛涼歌、翔我つばき、夢羽美友により『TAKARAZUKA花詩集100!!』の主題歌が歌われる。この歌と共に、あの輝きに満ちた100周年の祝祭は、龍が率いた月組の記憶となって残るのだと思えば、殊更に感慨深い。
続いて白の衣装に着替えた龍が大階段に登場し、『GOLDEN JAZZ』から「God Song」を豊かな歌声で響かせる。歌はやがて珠城りょうに引き継がれ、龍と全員のダンスが舞台上に弾ける。今この時、このメンバーで創れる最後の舞台。龍の月組の思いが炸裂して、舞台は大きなヒートアップを見せた。
そのまま龍が1人舞台に残り、『DRAGON NIGHT!!』で披露されたミュージカル『モーツァルト!』のナンバー「僕こそミュージック」を歌い出すと、客席のすべてで灯された黄色の三日月をかたどった美しいライトが場内を包み込む。このままの僕を愛して欲しい、と訴える曲の真意が、まるで個性を際立たせた龍本人の心の声のように、しみじみと届いた。

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そして最後に用意されたのは、サヨナラショー冒頭と同じ『1789〜バスティーユの恋人たち』から「声なき言葉」。龍の月組での本邦初演後、作品は東宝版として新たに上演されたが、この「声なき言葉」は歌われなかった為、日本における『1789』の歴史の中では、文字通り龍の月組だけが歌い踊ったナンバー。サヨナラショーのクライマックスとして、これほど相応しい曲もなかっただろう。龍の歌声に舞台の全員のそれが重なり、高まる音楽の中下手花道を1人去る龍は、気迫のガッツポーズ。すべてをやりきった者だけが持つ、清々しさを残して龍時代のラストを飾るステージに幕が下ろされた。

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余韻の冷めやらぬ舞台からは引き続いて、やはりこの日限りで月組組長から専科へと異動する飛鳥裕により、退団者の履歴が語られ、やがて準備の整った舞台に、緑の袴姿で1人ずつ退団者が最後の大階段を降りてくる。そして、ラストに登場した龍もまた、緑の袴姿。組からと同期生から送られた白い胡蝶蘭の大きなブーケを手に「命をかけて走り続け、いまここにたどり着きました」にはじまる、一言一言を丁寧に噛みしめるような挨拶に劇場中が耳を傾けた。宝塚が龍にとって、夢を作り続ける意欲を与えてくれる場所だったこと。その夢が現実と重なったいま、宝塚を卒業するが、またその夢を育てる意欲がわいてきた時、皆様とお会いしたい、という趣旨の言葉が、龍の目指す明日を映す思いがして、深く印象に残った。
最後に用意されたのは、龍本人が大好きだと言う「タカラジェンヌに栄光あれ」。夢を売るフェアリーを讃えるこの歌が、これほどトップスターの退団に似つかわしいとはちょっと想像できなかった。最後の最後まで、新鮮な驚きを伝えてくれるスターだった。
名残尽きぬ客席からは、アンコールがとめ どなく続き、その度に涙の客席を笑いに包もうとする龍のサービス精神に、脱帽させられる。おそらくそう心に決めていたのだろう。龍本人に涙はない、爽やかなカーテンコールが繰り返された。

【退団記者会見】

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その後、劇場ロビーで龍真咲退団記者会見が行われた。 

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まず龍から「月組の龍真咲です。皆様本日はお忙しい中お越しくださいまして、誠にありがとうございました。そして温かく見守ってくださり、本当にそのお心を嬉しく思っております。あふれる思いばかりで、上手く言葉にすることがまだまだ難しいのですが、これから少しずつその想いをしっかりと皆様にお返ししていきたいと思います。何はともあれ、こうして無事に千秋楽を迎えることができましたこと、そして宝塚生活にピリオドを打つことができましたことに安堵しております。本当にありがとうございました」との、思いのこもった挨拶があり、続いて記者の質問に答えた。

──サヨナラショーの最後にガッツポーズをされたようにお見受けしましたが、あの時の心境を教えてください。
そうですね、もうこれで全てをやり尽くしたという思いでしょうか。
──改めて感じる宝塚歌劇の男役の魅力とは?
私自身の思いから言いますと、やはり(男性を)演じることが最大の魅力だと思います。男の方を目の前にして、お伝えするのはとも思いますが(笑)、やはり現実的ではない、理想の男性像を追い求め続けることが、芸名の私にしても、そして男役という意味においても極め続けるというところで共通点がありましたので、そこはやりがいのあるところでした。

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──そうした男役を極められて、後輩に残したものは?
私がこれを残しましたと言うのは、ちょっとおこがましくて言えないのですが、これを渡してきたということではなくて、私が残した足跡を月組生がどれだけ拾っていってくれるか?に期待しています。と言いますのも、私自身が、近年で言いましたら彩輝(なお)さんであったり、瀬奈(じゅん)さん、霧矢(大夢)さんの残して行かれたものを、足跡をしっかりとたどって拾ってきたつもりだったので、そういうものが、隠れている秘密のプレゼントということでしょうか。やはり、自分で経験してみないとわからないこともありますし、想像の中だけで理解するのは難しいことが多いので、その時々に色々なものを見つけた喜びがありましたから、これからしっかりとバトンを受け継いで行く皆にも、その喜びを経験してもらいたいという期待を持っています。
 
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──生え抜きとして過ごされた月組の魅力は?
数年前までは、個性が際立つ、団体戦にも強く、個人プレーにも強くという意味で、1人1人が粒立つことを目標にしておりましたが、100周年が過ぎて『1789』を過ぎたあたりから、1人1人の個性も出て来ましたし、団体の力にも色々な意味で応用力が出て来たのではないかと思っております。ただそれは私がいた時代、私のイメージの中での動物園的な月組の色でもあるので、今、卒業を迎えて思うことは、その基盤がある上で、これからどういう風に月組が変化して行くか?というところを楽しみに、さあどう出てくるかな?と思っております。今は、私が紡ぎあげたこの月組に、一片の悔いもありませんし、力強い組になったと思っています。

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そう、爽やかにきっぱりと語った龍は、言葉通り一片の曇りもない晴れやかな表情で、写真撮影に応じ、会見は和やかに終了した。

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すっかり日の暮れた東京宝塚劇場前には、8000人のファンが集結。残暑の中、その熱気が更に気温を高めていると感じられるなか、退団者が下級生から順にパレード。
その都度大きな拍手があたりを包み、惜別のセレモニーはいつしか最高潮に。その最後に龍が登場すると、一際大きな歓声と万雷の拍手が沸き起こる。舞台メイクを落とした龍は、更にスッキリと穏やかな笑顔を浮かべ、名残尽きぬファンに感謝の言葉を繰り返し、手を振りながら歴史を刻んだ馴染み深い劇場前を後にしていった。熱い風と共に、その余韻は長く残った。

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翌日から、歩みを止めぬ宝塚は新たな明日へと踏み出し、珠城りょう&愛希れいかを中心とした次回公演の制作発表が行われるなど、次のステップを刻んでいる。一方、その宝塚から巣立った龍真咲は、宝塚初演から20周年を記念した『エリザベート』ガラコンサートで、持ち役のルイジ・ルキーニとしてだけでなく、タイトルロールのエリザベートを演じることが発表された。如何にも龍らしいサプライズに、彼女の中で夢を育む意欲が再びあふれているのだと、嬉しく感じる。新しい道で紡がれるそんな龍の夢と、龍時代の足跡をたどって進む月組。双方の創り出す未来が、共に輝かしいものであることを祈り、期待している。



【取材・文・撮影/橘涼香 舞台写真提供/宝牴侶狠帖

  
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元宝塚スターが集結した華やかな“Festa”CDアルバム『麗人REIJINSeason2“Festa”』発売記念コンサート開幕!

全員
撮影:阿部章仁

元宝塚歌劇団男役トップスターたちによるカバーアルバムシリーズの最新作、2枚組CDアルバム『麗人REIJIN Season2 “Festa”』の発売を記念したコンサートが、赤坂ACTシアターで開催中だ。(24日まで)

『麗人 -REIJIN-』シリーズは、元宝塚歌劇団男役トップスターたちによる史上初のJ-POP男性ボーカリストのカバーアルバムとして、2015年1月21日に第1弾がリリースされ、男役経験者ならではの、味わい深い「男唄」の表現が大評判となり、『麗人REIJIN -Showa Era-』(2015年7月1日発売)、『麗人REIJIN -Season 2』(2016年1月6日発売)と回を重ねてきた。その最新作であり、初の2枚組CDアルバムである『麗人REIJINSeason2“Festa”』が、8月24日リリースされ、榛名由梨、汀夏子、峰さを理、高汐巴、剣幸、日向薫、杜けあき、安寿ミラ、涼風真世、久世星佳、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、貴城けい、大和悠河という全員元男役トップスターの総勢17名が、洋楽をカバーしたDisc1 カルナバル、邦楽をカバーしたDisc2 祭りで、“Festa”というタイトルに相応しい、個性豊かな歌の競演を果たしている。

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今回のコンサートは、その発売を記念したもので、アルバムのみ参加の安寿ミラ、久世星佳を除く、元男役トップスター15名に加え、ゲスト参加としてそれぞれの相手役だった元トップ娘役若葉ひろみ、こだま愛、紫とも、麻乃佳世、大鳥れい、人気男役として活躍した初風緑、成瀬こうきが日替わりで参加。各公演の組み合わせにより、セットリストなども変化する豪華な祭典が繰り広げられている。

報道陣に公開された初日、9月21日の部には、汀夏子、峰さを理、高汐巴、剣幸、杜けあき、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、彩輝なお、貴城けい、大和悠河のアルバムメンバーと、こだま愛、初風緑、成瀬こうきがゲスト参加。それぞれのアルバム収録曲はもちろん、懐かしいコンビで、また意外な組み合わせでのデュエットなど、盛りだくさんなステージが展開した。

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第1部は『麗人REIJINSeason2“Festa”』で、Disc1 カルナバルに収められたラテンナンバーからのスタート。貴城けいが「ベサメ・ムーチョ」彩輝なおが「マシュ・ケ・ナダ」大和悠河が「エル・クンバンチェロ」と、牧勢海、月央和沙、舞城のどか、華月由舞らダンサーも共演して、華やかに進む。3人共抜群にキュートで、蠱惑的だ。続いて大和が今年リリースされるという自身のアルバムから「心の旅」、更に姿月あさとが「グラナダ」を抜群の歌唱力で歌いあげると、杜けあきが「ヴァーモス・ア・バイラール」を。宝塚で長年歌い継がれている名曲だが、初めて宝塚の舞台で歌ったのが杜本人で、25年ぶりという歌唱をバリバリの男役で決めてくれる。この曲は日替わりで真琴つばさ、姿月あさとも担当し、最終日には3人揃っての披露になるとのこと。盛り上がること必定だろう。

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そのまま稔幸の「You be so nice to come home」真琴つばさの「ボラーレ」と続き、この日のゲストこだま愛が「ビギン・ザ・ビギン」をしっとりと。それを受けるように剣幸が小粋なジャズを歌うと、公の場で歌うのはほぼ10年ぶりというゲストの成瀬こうきが「ナイト・&・ディ」をブランクを感じさせない颯爽とした姿で。やはりゲストの初風緑が「私はピアノ」を伸びやかな歌唱で響かせた。

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そのまま稔幸の「You be so nice to come home」真琴つばさの「ボラーレ」と続き、この日のゲストこだま愛が「ビギン・ザ・ビギン」をしっとりと。それを受けるように剣幸が小粋なジャズを歌うと、公の場で歌うのはほぼ10年ぶりというゲストの成瀬こうきが「ナイト・&・ディ」をブランクを感じさせない颯爽とした姿で。やはりゲストの初風緑が「私はピアノ」を伸びやかな歌唱で響かせた。

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そこから、汀夏子が登場。アルバム収録曲の「星はなんでも知っている」を、往時をしのばせる色濃い汀節で披露。情感たっぷりの台詞には万雷の拍手が上がった。峰さを理の「さよならはダンスのあとで」高汐巴の「エル・チョクロ」姿月あさと「鏡の中のツバメ」と、それぞれ熱唱が立て続き、第1部の幕が閉じた。

稔幸_真琴つばさ撮影:阿部章仁

休憩を挟んだ第2部はデュエットコーナーから。真琴つばさと稔幸の同期生コンビが、「ピンクレディーがカバーしたバージョンを意識した」という脚線美もまぶしいミニドレスで「どうにもとまらない」。現役時代のトップコンビだけに、双方が黒いドレス姿でのデュエットが、逆に新鮮な剣幸とこだま愛が「ウナセラディ東京」。高汐巴の退団公演に研1生として出演していたので、一緒に歌えるのが夢のようだと、高汐に幸せそうに絡む姿月あさと、との二人で「情熱の花」。

剣幸_こだま愛撮影:阿部章仁
高汐巴_姿月あさと撮影:阿部章仁

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白の衣装で息の合ったハーモニーを繰り広げた、峰さを理と彩輝なおの「恋のバカンス」。これぞ男役と娘役に徹した汀夏子と貴城けいの「二人の世界」と、この祭典ならではの組み合わせと選曲に、客席には和やかな空気が満たされる。
 
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ここから、『麗人REIJINSeason2“Festa”』で、Disc2 祭りに収められた男唄が中心のコーナーとなり、杜けあきの「ギザギザハートの子守歌」真琴つばさの「サムライ」稔幸の「熱視線」と、これぞ男役が歌う男唄がステージを盛り上げる。一方で彩輝なおの「星影の小径」、剣幸の「踊り明かそう」杜けあきの「涙そうそう」貴城けいの「夏の日の思い出」など、女優としての歩みを感じさせる歌唱披露も網羅され、これは元男役ならではの多彩さ。再びアルバム収録曲から、峰さを理が持ち前の歌唱力をフルに発揮した「愛のフィナーレ」、常に洒脱な高汐巴の独特の個性が光る「サヨナラと云わないで」、炎の妖精健在の汀夏子の「太陽は燃えている」で、クライマックスに達したステージはフィナーレに。「幸せを売る男」の明るいコーラスで、名残尽きぬ舞台は幕となった。

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休憩を挟んで2時間半のステージは、元タカラジェンヌだけが持つ独特の魅力に満ちた文字通りの“Festa”。ビッグバンドの生演奏もゴージャスで、日替わりの出演者によって、1回ごとがスペシャルなものになるのは間違いないと思える、華やかな時間だった。

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〈出演者代表コメント〉

尚この日、出演者を代表したメンバーから、このコンサートに寄せるコメントも届けられた。

榛名由梨「私にとって、最上級生OGとして麗人 Season2“Festa”に参加し、しかも記念コンサートに出演させて頂き、こんなに幸せな機会を頂きまして、感謝の言葉しかありません。この度は貴城けいさん、そして春野寿美礼さんとデュエットで唄うのも、とっても楽しみにしています!!こうご期待」

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杜けあき「男性シンガーの歌にこだわりを持って、最初のアルバム『麗人 -REIJIN-』から参加させて頂き、麗人“ REIJIN”の名の通り、男役を経験した我々にしか描けない世界をお魅せしたいです」

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真琴つばさ「初参加なので、ワクワクドキドキです!見所は、2曲のギャップ。アルバム収録曲「サムライ」はクールに!同期の稔幸さんとのデュエット「どうにもとまらない」は、二人でカラオケに行って決めました。気分はピンクレディー!?お衣装でも勇気を出して魅せます!!」

涼風真世「歌が好き。歌うことが好き。昔、妖精。今、妖怪。涼風真世です。今回のコンサートでは、松任谷由実さんの「真夏の夜の夢」と、9月7日に発売しました35周年アルバム『Fairy』から「空だけはそこにある」を歌わせて頂きます。今からドキドキ緊張しておりますが、精一杯、楽しみながら歌いたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します」

s_春野寿美礼撮影:阿部章仁
春野寿美礼「今回の麗人コンサートに出演させて頂くことを今からとても楽しみにしております。個性豊かで華やかなキャストの皆様との共演、そしてジャンルや世代を超えて繰り広げられる数々の音楽。私自身、久しぶりのステージとなりますが麗人 Festaでお客様とともに楽しいひと時を過ごしたいと思います」


〈リリース情報〉
2016年8月24日(水)発売 
CD『麗人 REIJIN Season2“Festa”』 
4,700円+税
 全17曲収録
VICL-64614〜5

Disc1 Carnaval
01 グラナダ / 姿月あさと 
02 ベサメ・ムーチョ / 貴城けい
03 恋人よ我に帰れ / 剣幸
04 シング・シング・シング / 日向薫
05 マシュ・ケ・ナダ / 彩輝なお
06 エル・クンバンチェロ / 大和悠河
07 わが死へのバラード(ブエノスアイレスで私は死のう) / 安寿ミラ

Disc2 Matsuri
01 少年時代 / 春野寿美礼
02 真夏の夜の夢 / 涼風真世
03 サムライ / 真琴つばさ
04 ガールフレンド / 久世星佳
05 君がいるだけで / 榛名由梨
06 ギザギザハートの子守唄 / 杜けあき
07 熱視線 / 稔幸
08 星は何んでも知っている / 汀夏子
09 愛のフィナーレ / 峰さを理
10 サヨナラと云わないで / 高汐巴 

〈公演情報〉
『麗人 REIJIN Season 2“Festa” CD発売記念コンサート』
(都合により、急遽出演者が変更となる場合があります)
会場:赤坂ACTシアター
●9月21日(水)18:00 開場18:30 開演
〈出演〉汀夏子、峰さを理、高汐巴、剣幸、杜けあき、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、彩輝なお、貴城けい、大和悠河
〈ゲスト出演〉こだま愛、初風緑、成瀬こうき
●9月22日(木祝) [昼] 13:30 開場14:00 開演2 
〈出演〉汀夏子、峰さを理、高汐巴、杜けあき、涼風真世、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、春野寿美礼、貴城けい、大和悠河
〈ゲスト出演〉麻乃佳世、大鳥れい
●9月22日(木祝) [夜] 18:00 開場18:30 開演
〈出演〉汀夏子、峰さを理、高汐巴、剣幸、杜けあき、涼風真世、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、貴城けい、大和悠河
〈ゲスト出演〉若葉ひろみ、こだま愛、紫とも、麻乃佳世
●9月23日(金)18:00 開場18:30 開演
〈出演〉榛名由梨、汀夏子、峰さを理、高汐巴、剣幸、日向薫、杜けあき、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、貴城けい、大和悠河
〈ゲスト出演〉紫とも、初風緑、成瀬こうき
●9月24日(土)16:00 開場16:30 開演
〈出演〉榛名由梨、汀夏子、高汐巴、日向薫、杜けあき、稔幸、真琴つばさ、姿月あさと、春野寿美礼、貴城けい、大和悠河
〈ゲスト出演〉若葉ひろみ、大鳥れい

ダンス◇牧勢海、月央和沙、ほか
演奏◇ニューハード・スペシャルビッグバンド
振付◇室町あかね、牧勢海
〈お問い合わせ〉る・ひまわり 03-6277-6622(平日11:00〜19:00)
〈麗人REIJIN〉オフィシャルサイト http://reijin-concert.com/
〈ビクターエンタテインメントオフィシャルサイト〉http://jvcmusic.co.jp/reijin

【取材・文・撮影/橘涼香】





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