えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。


ゲストに大和悠河『SWAN2017』

カナダ人女性作家ネリー・アルカンの世界観を再発見するビッグプロジェクト!『Discover Nelly Arcan─ネリーを探して─』発表会見に一般観覧者25組50名を招待!

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ネリー・アルカン

書籍×映画×舞台、この秋パルコが贈る3ヶ月連動企画『Discover Nelly Arcan─ネリーを探して─』。そのプロジェクトの発表会見が、10月2日にカナダ大使館オスカー・ピーターソンシアターにて開催される。その会見に一般観覧者25組50名を招待することが決定。本日9月22日より公式HPにて募集がスタートした。


今年2017年はカナダ建国150周年という記念すべき年、この秋、パルコのエンタメ企画は、カナダ・ケベック州生まれの女性作家、ネリー・アルカンにフォーカスする。

ネリー・アルカンは、2001年フランスの名門出版社へ原稿を送ってから2週間で出版が決まり、作家としてデビュー。仏文学界で権威のある文学賞にノミネートされ、一躍有名作家の仲間入りを果たすが、同時に、本作がオートフィクションだったため、元高級娼婦である彼女自身、そして彼女の美貌へも多くの注目が集まった。そして、8年間作家として生きたのち、2009年9月、36歳で自宅のアパートで首つり自殺をしているのを発見されるというあまりにも劇的で壮絶な人生…。
小説家として生きた8年間で、ネリーは心の内側に秘めた思いの丈を爆発させ、強烈で目をそらしてしまいそうな作品を残した。彼女が小説の中で紡いだ言葉は、彼女の中で渦巻いている痛みや矛盾、葛藤が織り込まれており、自分の中に燃えたぎる情念とともに吐き出された言葉たちである。ここまで熱く生きた彼女を感じる旅に多くの人々を誘うために、株式会社パルコは、「Discover Nelly Arcan(通称:DNA)」と題して、本、映画、舞台とこの秋、3ヶ月連動企画を実施する。
 
【3ヶ月連動企画】 
9月には彼女のデビュー作となった「ピュタン」をパルコ出版から発売。翻訳の松本百合子の改訂訳で出版する。
10月には、映画『ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で』をYEBISU GARDEN CINEMAほかで順次ロードショー。ネリーの半生を描き、昨年トロント国際映画祭にてプレミア上映された作品だ。
11月には松雪泰子ほかの出演、カナダ人のマリー・ブラッサール演出で『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』を、天王洲・銀河劇場他にて上演する。この舞台は小説「ピュタン」ほか、彼女が書き残した小説の言葉をコラージュした舞台となっている。才能溢れる6人の女優と1人のダンサーによって上演する。
 
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『この熱き私の激情』ビジュアル

10月2日のDNAプロジェクト発表会見には、主演の松雪泰子をはじめ、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢という豪華女優陣、そして演出家のマリー・ブラッサール、また書籍翻訳者の松本百合子らが登場する。

【DNAプロジェクト 発表会見詳細】
●日程/10月2日(月)15:00〜15:45(予定)
●予定登壇者/
松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢(以上、舞台『この熱き私の激情』出演者)
マリー・ブラッサール(舞台演出家)
松本百合子(書籍「ピュタン」翻訳者)
司会/中井美穂
●応募期間:本日9月22日(金)〜9月26日(火)
●一般観覧者招待 25組50名
〈公演HP〉http://www.parco-play.com/web/program/gekijo2017/


〈公演情報〉
PARCO Production
『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』
原作◇ネリー・アルカン 
翻案・演出◇マリー・ブラッサール    
翻訳◇岩切正一郎
出演◇松雪泰子 小島聖 初音映莉子 宮本裕子 芦那すみれ 奥野美和 霧矢大夢
●11/4〜19◎銀河劇場
他、広島、北九州、京都、愛知にて上演
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858 
http://www.parco-play.com


【ネリー肖像画クレジット/Ulf Andersen/Getty Images】





ゲストに大和悠河『SWAN2017』
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あの「ファミリー」が2倍になって帰ってくる!ミュージカル『アダムス・ファミリー』真琴つばさ・壮一帆 インタビュー

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ゴシックテイストのブラックユーモアに溢れたミュージカルとして、2014年の本邦初演が賞賛を集めたブロードウェイミュージカル『アダムス・ファミリー』。この舞台の再演が、日本版演出を担う白井晃が芸術監督を務めるKAAT神奈川芸術劇場で、10月28日から上演される。(11/12まで。その後、大阪、富山公演あり)
 
アメリカを代表する漫画家チャールズ・アダムス(1912〜1988)の一コマ漫画として世に出た『アダムス・ファミリー』は、その個性豊かなキャラクターが絶大な人気を博し、テレビドラマ、アニメ、映画と、多彩なメディアに進出、世界的に大ヒットを飛ばしてきた。そんな作品がブロードウェイミュージカルになったのは、2010年。『ジャージー・ボーイズ』のマーシャル・ブリックマン&リック・エリスの台本、『ビッグ・フィッシュ』のアンドリュー・リッパの作詞・作曲で、大評判となり、現在も世界各地で上演され続けている。
 
その作品の本邦初演で、アダムス一家の母親モーティシアを演じ、キャラクターにピッタリ! と喝采を浴びた真琴つばさと、今回の再演版で同じモーティシアをWキャストで演じる壮一帆が、ハロウィン・シーズンに挑むユニークなお化け一家のミュージカルへの意気込み、そして宝塚時代のことなどを交えて、語り合ってくれた「えんぶ10月号」の記事を別バージョンの写真とともにご紹介する。

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一見普通じゃない家族の普通の物語

──『アダムス・ファミリー』待望の再演ということで、まず初演のオリジナルキャストである真琴さんから、作品の魅力について教えてください。
真琴 一見普通じゃない家族の、普通の物語というところですね。役柄としては「おばけの一家」ではあるのですが、自分たちは全く普通にと言いますか、自分たちのルールに乗っ取って暮らしている。その「家族円満」のルールが、ちょっとしたきっかけで崩されることに対する恐怖感が、ブラックな笑いの中に描かれている作品です。
──壮さんは作品についてはどんな印象を?
 映画を観て思ったのは、ある程度のレベルを越した「普通」がシュールなんだなということでした。例えば電気ショックを与えて喜んでいたりなど、良い意味で最高に馬鹿馬鹿しくて、笑える。そのシュールさが良いなと。
──そんな作品の中で、演じるモーティシア役の魅力については?
真琴 まず私は、モーティシア役でやっと、自分の声質や声の低さなど地のままで活かせる役柄に巡り合えたので、それはすごく助かったこと、そして笑顔があまりない役柄なのが嬉しかったですね。私、笑顔がすごく苦手で。
 えぇ? そうですか?
真琴 「世界は私のものよ!」という感じの、ほくそ笑むような笑顔は大丈夫なんだけど(笑)。だから、そういう意味でも、すごく自分として役柄にフィットしたという思い出が強いです。そして、モーティシアは母として、妻として、女として、という3つの側面が描かれているのが魅力的な役で、その女心の部分が、初演ではもう少し出せたのではないかと今にして残念に思っているので、再演に向けてこの4年で自分がどれくらい進歩しているか、自分自身も楽しみにしています。
 私はお稽古場でマミさん(真琴)が思われている女心が、どんなものなのか拝見するのがまずとても楽しみです。きっと「元男役」の方々が女優として活動する時、超えるべきハードルがあると思うんです。それを同じ稽古場でマミさんから学び、感じることによって、自分が今後進んでいくべき道程の指針にもなるだろうと思っています。役柄としてはマミさんがおっしゃった通り、私も女心とプラス母性も課題なので、それをどう埋めていくかなのですが。フライヤーの扮装撮影の時に、演出の白井晃さんがいらしてくださって、事細かに指示を出してくださったんです。「もっとイッちゃった眼をして」とか。そこからもう演出を受けはじめたような気分になれたので、更に稽古が楽しみになっています。わからないなりに投げられたボールをガンガン打ち返したいと思っています。
真琴 私の写真はまだ手さぐりの時のものなの。だから、この写真よりはずいぶん役に対しての踏み込みも変わってはいるんですけど、でも、このフライヤーは皆さんに強い印象を持って頂けていたようで、実際舞台をご覧になっていない方々もフライヤーを覚えていてくださって、「『アダムス〜』再演するんだって?」と、たくさんの方から言って頂けるので、インパクトは残せたのかなと。
 私もこのフライヤー覚えていました。「面白そうだな」と思いましたから。
真琴 それは役柄のキャラクターや、演じた方々の個性がこの写真の中にギュッと入っているからこそだと思うし、ミュージカルやお芝居って、実際に観に行った時間だけではなく、観に行くまでのワクワクした時間も楽しんで頂けるものなので、初演をご覧になってくださった方はもちろん、フライヤーで興味を持ってくださった方たちにも再演の舞台をお届けできることが嬉しいです。特に今回、壮ちゃんとWキャストということで、私にとっては一度やったものだから、演じることに正解はないといっても、どうしてもそれが出てくると思うんです。でも壮モーティシアを客観的に観られることによって、また新たな発見があると思うので、それはすごく楽しみですね。壮ちゃんの感じるままに新しいモーティシアをやってくれたら良いと思う。
 そう言って頂けるのは本当にありがたいです。感謝して臨みたいです。

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「縁」を感じる2人で取り組むWキャストの醍醐味

──宝塚時代のお互いの印象はどんなものでしたか?
 私にとってマミさんはもう大スターです。私はファン時代、真琴さん、愛華みれさん、紫吹淳さん、匠ひびきさん、初風緑さん等々、素晴らしい方々が揃っていた黄金時代の花組にハマっていたこともあって、初舞台でご一緒できたのが信じられないくらいでした。その時は真琴さんは、もう月組の二番手スターさんになっていらっしゃいましたが、下級生の面倒もすごくみてくださって、うちの期では「センスも素敵、人柄も素敵!」と大人気でした!
真琴 本当に?(笑)
 本当です! そんな真琴さんと、今回Wキャストで作品に取り組めるのは、ご縁なのかなと感じます。だからこそ物怖じすることなくつとめたいです。
真琴 グイグイ来て!(笑)私はね、宝塚100周年の時にNHKの生中継番組で、壮ちゃんが黒燕尾のダンスを踊っているのを見て「あぁ、自慢できる後輩だ」と思ったのが何より印象に強いの。佇まいと品格があって。でもその後ご飯を食べる機会があったら、ざっくばらんで身近な感じがしたし、その上に明るさもあるから良いな! って。
──お2人とも、宝塚時代に『ミー&マイガール』のジャッキーを演じていますね。
 綺麗だった〜! マミさんのジャッキー! 声はとっても低かったですけど(笑)。
真琴 今のほうが低いけどね(笑)。でもそうか、ジャッキーね、共通点あるのね。そんな2人が、また同じ役を演じるので、「あのファミリーが帰ってくる」プラス壮ちゃんと私とで「2倍になって帰ってくる」を、お客様に楽しんで頂けるように頑張りましょう! 中華街にも行きたいね。ちょうどハロウィンだから一家でも歩きたいし!
 良いですね! ぜひ皆様も、KAAT神奈川芸術劇場に2回、観にお越しください!

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まことつばさ○東京都出身。85年宝塚歌劇団に入団。97年月組トップスターに。01年惜しまれつつ退団。以後は、コンサートやショー、ストレートプレイ、ミュージカルなどの舞台や、ドラマ、ラジオなどで女優として幅広く活躍。またバラエティ番組でも人気を博している。近年の主な舞台に、15年『BLOOD BROTHERS』、16年『The Sparkling Voice─10人の貴公子たち─』、17年『あさひなぐ』『にんじん』などがある。

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そうかずほ○兵庫県出身。96年宝塚歌劇団に入団。実力派の男役として頭角を現し、12年雪組トップスターに。14年惜しまれつつ宝塚を退団後、コンサート活動などを経て、16年ミュージカル『エドウィン・ドルードの謎』で本格的に女優活動をスタート。以後、順調にキャリアを重ねている。近年の主な舞台に、16年『Honganji〜リターンズ〜』『扉の向こう側』、17年『細雪』『魔都夜曲』MUSICAL『WILDe BEAUTY〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子〜』などがある。


〈公演情報〉
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PARCO Produce ブロードウェイミュージカル
『アダムス・ファミリー』
台本◇マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
作詞・作曲◇アンドリュー・リッパ 
原案・原作◇チャールズ・アダムス
翻訳◇目黒条/白井晃
訳詞◇森雪之丞 
演出◇白井晃
出演◇橋本さとし 真琴つばさ/壮一帆(Wキャスト)  昆夏美 村井良大
樹里咲穂 戸井勝海 澤魁士  
庄司ゆらの 梅沢昌代  今井清隆 他 
●10/28〜11/12◎KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉 
〈料金〉S席12,000円 A席9,000円 U-25チケット6,000円(全席指定・税込) 
大阪、富山公演有り
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858




【取材・文/橘涼香  撮影/岩田えり】


会員様限定キャンペーン実施中!

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リブートされて新たに生まれ出た『WILDe BEAUTY〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子〜』上演中!

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男性エンターテイメント集団として活躍を続けるDIAMOND☆DOGS(D☆D)が、結成15周年を迎えた記念プロジェクト公演のひとつ、MUSICAL『WILDe BEAUTY〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子〜』が、天王洲銀河劇場で上演中だ(18日まで)。
 
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MUSICAL『WILDe BEAUTY〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子』(以下『WILDe BEAUTY』)は、「サロメ」「ドリアン・グレイの肖像」「幸せの王子」などで知られるイギリスの詩人・劇作家・小説家・コラムニストのオスカー・ワイルドの人生を、彼をめぐる人々との関わりの中から照射していくミュージカル作品。脚本・作詞・演出の荻田浩一が、08年に浦井健治主演で書き下ろして初演した作品を、今回は東山義久率いるD☆Dのメンバーに、壮一帆、小野妃香里、大月さゆの女優陣を加えた新たなカンパニーに当てはめてリブート(再構築)。全く新しい、2017年版の『WILDe BEAUTY』が生まれ出ている。

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【STORY】
1900年、世紀末のパリ。大英帝国のロンドンで時代の寵児となりながら、同性愛者として告発され獄中生活の後に、パリに逃れたオスカー・ワイルド(咲山類)は、数多の恋人たちの中で、唯一彼を見限らなかったロビー・ロス(和田泰右)の看護のもと瀕死の床にある。
今わの際の混濁した意識の中に、いつしか死神或いは天使(壮一帆)が現れ、オスカーの人生を辿りはじめる。浮かび上がる人々は、大女優サラ・ベルナール(小野妃香里)、皇太子の愛人にして女優リリー・ラングドリー(大月さゆ)、厳格な貴族クインズベリー侯爵(森新吾)、愛を教えたマハフィー教授(小寺利光)、画家オーブリー・ビアズリー(中塚晧平)、プリンス・オブ・ウェールズ(TAKA)、故郷アイルランドの家族たち、更に数多の男女。彼らはオスカー・ワイルドの人生をさざめき合うが、誰の目にも今死にゆこうとしているオスカー・ワイルドの姿は、自分の見ていたオスカー・ワイルドとは結びつかない。
「違うわ、彼こそがオスカー・ワイルドよ」。死神、或いは天使の指し示すそこに、ついにもう1人のオスカー・ワイルド(東山義久)が姿を現す。彼こそが、現実のオスカー自身が創り出した、虚像の象徴としてのオスカー・ワイルドだ。現実のオスカーと、虚像のワイルド。互いが互いを「こんな男を僕は知らない」と言う、「オスカー・ワイルド」の人生の真実とは?

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舞台に接してまず感じるのは、作品が思った以上にいびつで、歪んだ、それ故に引きこまれるカラーを持っていることだ。特に1幕ではむしろオーバーアクションで、滑稽味を帯びたハイテンションな演技と演出が多用されていて、出演者の道化師を思わせる衣装や、メイクアップも手伝い、どこかノスタルジックでアングラ的な香りが漂ってくる。
だが、その意外なテンションに混乱させられた後だからこそ、グッとダークにシリアスに転んでいく2幕に向けて高まる緊張感には、感性を鷲掴みにする力がある。その上に、この世界の先にあるものが、赦しなのか断罪なのか、或いは…と、思考を振り回される感覚が、まさにオスカー・ワイルドという特異な人物の虚像と、その中にある純粋なものを照射してくるから恐れ入る。ひたすらに美を求め、美しく在ろうとし、それが年齢を重ねることへの恐れさえ生む。哀しくも美しく、だからこそ恐ろしいオスカー・ワイルドの人生。捻じれていて、ひねくれていて、一筋縄ではいかなくて、だからこそ惹かれる。パンフレットでいみじくも、壮一帆が、小野妃香里が言っているように、このまさに「荻田ワールド」炸裂!の作品が描くオスカー・ワイルドその人は、劇作家・演出家・詩人として、鬼才と呼ぶしかない荻田浩一そのもののようだ。

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そんな感触がこれほど際立ったのは、08年に初演された作品を、今回、D☆D15周年記念の為にリブート、D☆Dのメンバーに壮、小野、大月の女優陣に「当て直した」からこそだろう。ここにはD☆Dの可能性、女優陣の充実、更に荻田自身の深化も巧まずして浮かび上がらせる、中毒性を持った新たな『WILDe BEAUTY』があった。卓越した音楽を書いた斉藤恒芳を含めて、すべての人の進化が作品に陰影と深みを与えている。

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その筆頭となったのがD☆Dだろう。15年の歩みの中で、D☆Dは、天性の華とスター性を有したリーダー東山義久と、今や構成・演出も手掛けるクリエーターとしての顔も持つ森新吾の初期メンバーを軸に変遷を重ね、現在の7人のメンバーが固まって8年目を迎えている。この間に、D☆Dの創るステージは、驚くほどの進化を遂げてきた。良くも悪くも東山が突出していたグループの、各メンバーそれぞれが個性と輝きを大きくし、何よりダンサー5人、シンガー2人と銘打たれていたメンバー構成が、昨今ではダンサーも歌い、シンガーも踊るという、垣根のほとんどないステージングが可能になっている。そうした彼らの成長が、一癖も二癖もあるミュージカル『WILDe BEAUTY』を支える力になっている。

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D☆Dに参加した当初は、歩くだけでも精一杯という様相を呈していた咲山類が、晩年の(と言っても46歳だが)オスカー・ワイルド、東山に並び立つ役柄を熱っぽく演じている姿には感動を禁じ得ないし、小寺利光の飄々としていてどこか奥深い個性。TAKAの良い意味のエキセントリックさ。和田泰右のパッショネイトの中にある真摯なものが、作品を輝かせる要因となっている。

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一方、近年では踊っていてふっと東山と見間違うことさえあるようになった、中塚晧平の華やかなスターオーラを、突き詰めた狂気にもってくるのは、ある意味荻田作品の得意技だし、森のワイルドな攻撃性が強いアクセントになっているのも、今やクリエーターとして、大人の知性を感じさせる森の原点を見るようで、D☆Dを深く理解し、長年共に作品創りをしてきた荻田ならではの目配りを感じる。もちろん、彼らメンバーの成長にある意味追われながらも、きちんとやはり先頭を切り、D☆Dのエンジンであり続ける東山の存在も大きくなるばかりで、この舞台を観る醍醐味を双肩に担って頼もしい限りだ。

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彼らD☆Dと正面から対峙している壮一帆は、この世の者ではない役柄の造形に、やはりこの世ならぬもの、宝塚歌劇という幻想世界で「男装の麗人」であった出自が見事に生きている。しかも、現世を睥睨している死神、或いは天使でありつつ、瞬時にオスカー・ワイルドの恋人、また妻となった時の、たおやかな柔らかさ、どこか心許ないような儚さも醸し出したのは、女優としてのこの人が経て来た経験の賜物だろう。壮が、こうした2つの顔を共に演じ分けたことが、新たな『WILDe BEAUTY』の眩惑感を増幅したのは間違いなく、作品にとって欠くべからざる存在となったのが嬉しい。

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また、森と並んで初演からの出演者である小野が、ガラリと感触を変えた作品の中で、要求される色をきちんと描き出しているのは、改めてその確かな力量を感じさせる場となった。

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やはり宝塚歌劇団出身の大月さゆが、美しさと同時に毒気を、純粋さと同時に振りきった狂気を並び立たせたのが、作品そのものの歪みを表出していて、それぞれが与えられた持ち場をしっかりと固めているのが心地良かった。

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更にD☆Dは言うまでもなく、女優陣もいずれも踊れる人達なのも効果的で、それぞれが代表的な役柄だけでなく、全くの別人でありつつ、オスカー・ワイルドに与えた影響という意味で、ひとつにつながるものを持っているいくつもの役柄を演じることで、更に舞台の眩惑感が高まった。その世界の中から立ち上る純なもの、いびつさの中にあるからこその美しさが十二分に感じられる作品で、D☆Dと女優陣が手がけたからこその新たな荻田ワールド、新たな『WILDe BEAUTY』が生まれ出たことを喜びたい舞台となっている。
 
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〈公演情報〉
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DIAMOND☆DOGS 15TH ANNIVERSARY SERIES
MUSICAL『WILDe BEAUTY〜オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子〜』
脚本・演出・作詞◇荻田浩一
音楽◇斉藤恒芳
出演◇東山義久、壮一帆
小野妃香里、大月さゆ
森新吾、小寺利光、中塚皓平、和田泰右、咲山類、TAKA
●9/13〜18◎天王洲 銀河劇場
〈料金〉S席 9,000円 A席 6,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉公演事務局 03-3492-5300 (平日14時〜18時)




【取材・文・撮影/橘涼香】



『SWAN 2017』


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龍 真咲デビューアルバム「L.O.C.T 2017」発売イベントレポート

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元・宝塚“男役トップスター”を昨年9月に惜しまれつつも退団した、龍 真咲が音楽の世界へと転身した。
先月8月23日にアルバム「L.O.T.C 2017」で鮮烈なデビューを飾り、間髪入れずに渋谷・オーチャードホールでの初コンサートを、26日、27日、計3回行い、6000人の動員を果たした。
そして9月10日は、龍 真咲の慣れ親しんだ関西、大阪でアルバム発売記念イベントが開催された(観覧無料)。
 
ここ阪急西宮ガーデンズは、西日本では最大級のショッピングセンターで休日ともなれば大勢の客でにぎわう。そんな中、木の葉のステージには、始まる前から龍 真咲目当てのファンが整理券をもとめ長蛇の列を作っていた。
宝塚を退団したスターたちにとって、歌を歌うことはそれほど難しいことではないと思われがちであるが、龍 真咲は男役であったため歌い方も一種独特なものだった。しかし今、龍 真咲は“J-POP”に飛び込んだのだ。勿論男役でもなければ舞台でもない、シンガーとしての龍 真咲である。“女性J-POPシンガー龍 真咲”なのである。
退団後、ボイストレーニングを重ね、宝塚特有の歌い方からポップスシンガーとしての発声を短期間に習得し、レコーディングに臨み、ここまでたどりついたのだ。が、人前で歌うのはこれが4回目、しかもホームグランドと言ってもいい関西では初めてなのである。

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午後4時、多くのファンの前に、“LANDING on the CITY”で龍 真咲が登場した、と同時に「うわぁー!」と感嘆にも似た歓声とともに拍手が沸きあがった。
1曲目の “Silly game”を歌唱、アルバムのリード曲でもあるので会場は盛り上がり、改めて「皆さんこんにちは。暑いですね〜。今日は、ここ私が宝塚時代18年間過ごした地元に帰ってこれて本当にうれしいです!」と話し、ファンとの距離を引き寄せた。そして3曲目“Miss you always”を歌い、最後の“ヒーロー”では「皆さん、一緒に手を振ってくれませんか?」と簡単な手振りを観客に教え、会場をひとつにして終えた。ライブ後、記念撮影を集まった観客を背に撮影し、ステージは終了した。

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龍 真咲も初めてだが、関西で見るファンもシンガーとしての龍 真咲を初めて見る人も多い。1曲1曲大きな歓声と拍手が巻き起こり、会場は大盛り上がり、フリーステージなので龍 真咲を知らない偶然に居合わせた人々も何事かと立ち止まり会場は1000人にも膨れ上がり熱気にあふれていた

ライブ後は当日CD購入者への特典として“龍 真咲の生写真渡し会”が行われた。購入者1人1人に龍 真咲は向き合い写真を直接手渡し、イベントは終了した。
初めてのイベントに対し、「これからもしっかりとアピールしていろんなことにチャレンジして頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」と語った龍 真咲。今後の活動に注目していきたい。

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【商品内容】
「L.O.T.C 2017 (える おー てぃー しー 2107)」
VICL-64921 / \2,037+税 (発売中)

【収録内容】
M1「LANDING on the CITY」 作曲:巴川貴裕・松井喬樹/編曲:Integral Clover
M2「Silly game」 作詞:濱名 琴/作曲:orange spotting/編曲:南田健吾
M3「Get by me」 作詞:濱名 琴/作曲:岡本武士/編曲:南田健吾
M4「Merrily Mode」 作詞:濱名 琴/作曲:石松領平/編曲:Integral Clover
M5「Miss you always」 作詞:濱名 琴/作曲:田中隼人/編曲:山佳祐
M6「Long Island Icetea」 作詞:濱名 琴/作曲:岡本武士/編曲:山佳祐
M7「ヒーロー」 作詞:濱名 琴/作曲:長沼 良/編曲:小山 寿

ビクターエンタテインメント龍 真咲 HP http://www.jvcmusic.co.jp/ryumasaki/

【配信情報】
配信情報:iTunes Store、レコチョク他、各配信サイト、また LINE MUSIC、Apple Music、AWAなど主要定額制音楽ストリーミングサービスでも絶賛配信中

【コンサート情報】
金峯山寺ご奉納 龍 真咲『世界遺産コンサート』
●9月16日 18:00 開演
会場@吉野山「金峯山寺」蔵王堂前 特設ステージ
〈お問い合わせ〉オフィシャルサイトhttp://www.ryumasaki-scp.com/



【資料提供/スペースクラフト】



『SWAN 2017』


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