宝塚ジャーナル

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朝夏まなとの進化形ノンストップライブショー!『A Motion(エース モーション)』

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本年11月19日をもっての退団を発表している、宝塚宙組トップスター朝夏まなとの多彩な魅力を詰め込んだライブショー、朝夏まなとアメイジングステージ『A Motion(エース モーション)』が、大阪梅田芸術劇場メインホール公演を大盛況のうちに終え、東京文京シビックホールで開幕した(28日まで)。

『A Motion(エース モーション)』は、朝夏まなとのイニシャルAを、宙組のトップスター「エース」として輝く朝夏の存在そのものにかけて、朝夏の様々な魅力を届けようというライブショーで、斎藤吉正の作。宝塚歌劇当代随一のダンサートップスターである朝夏のダンス力はもちろんのこと、歌も芝居も、更にこれぞ男役!のカッコよさ、ちょっとコミカルな色合い、そして何より朝夏ならではの温かな優しさが、多面的に舞台に現れる構成になっている。

映像を駆使した、如何にも斎藤作品らしいオープニングから、美しき逃亡者として朝夏が登場するやいなや、舞台のボルテージはマックスに。愛月ひかる、澄輝さやと、蒼羽りく、和希そらなど錚々たる男役たちが揃ったASAKA Boysと、純矢ちとせ、怜美うららなど、華のある娘役たちが男役顔負けにカッコよく決めるASAKA Girls、エースの朝夏を含め総勢30名が歌い、踊るステージは、従来の宝塚レビューとは明らかに異なる、タイトル通り「朝夏まなとアメイジングステージ」そのもの。全体にアップテンポで、リズムとビートに溢れている舞台からは、実に現代的な香りが漂った。
 
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特に、2幕に澄輝を中心としたチームA、愛月を中心としたチームB、蒼羽を中心としたチームC、和希を中心としたチームDの日替わり出演による「Remember A」というシーンで、各チームのメンバーが朝夏がこれまで出演したショーの主題歌をそれぞれメドレーで歌うというコーナーはあるものの、ここも朝夏はトークで出演するのみなので、所謂これまでの朝夏の華麗なる舞台歴の中から、朝夏自身が思い出の曲を歌うという場面が全くないのが、良い意味での驚きだった。退団を発表しているトップスターのライブコンサートでのこの構成は、異色な部類に入ると思うが、あくまでもまだまだ朝夏は男役としての進化を目指していて、回顧に入るのはまだ早いよ!と舞台から熱いメッセージが送られてくるようで、退団へのカウントダウンがはじまっているトップスターの舞台に接した時に、客席から感じないではいられない寂しさを、あたかも朝夏本人から励まされた気がした。

中でも、2幕の「If…」と題されたシーンでは、朝夏がこれまで出演していない、また出演してはいても当時主役を演じるトップスターではなかったという、海外ミュージカルの名場面を次々と歌うコーナーがあり、なんとも贅沢な時間が繰り広げられた。退団が決まったトップスターに感じる一番の寂しさは、今後男役として観られる作品がすべて決まってしまっていることで、きっとあの作品も、この作品も似合うはず…という夢を広げる時間が失われてしまうことに尽きるから、その「If」をこうした形で次々と目の前に具現して見せてくれたのは、実に嬉しいことだった。こうしたファン心理に寄り添った斎藤の目配りは実に見事なものだったし、それに応えてそれぞれの役柄を瞬時に演じ分け、歌い分けた朝夏の自力も光った。

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その朝夏は、前任の凰稀かなめが宙組トップスターとなるのに合わせて、宙組に加入以来、今日まで宙組の輝ける星として組の中核を担ってきた。何よりも踊れる人であることが最も大きな武器であることは論を待たないし、今回もKENTO MORI振付のテクニカルであり、どこかテクノ的でもありつつも、高い熱量を持った人間のパワーが絶対に欠かせないダンスを自分のものにしている素晴らしさには、感嘆させられる。だがその一方で、この人の舞台の魅力は決して単に動けるということに留まるものではない。彼女が根本に持っているのだろう、温かさ、優しさ、兄貴分的なおおらかさ、それらすべてが朝夏の舞台から巧まずして立ち上る明るさには比類のないものがある。それが客席にいてなんとも心地よい波動を舞台から届けてくれるパワーになり、引いては宙組を太陽のような輝きをもった組へと育て上げた。そのことが、タンゴ、バレエ、またJ-Pop、更に朝夏の初舞台の年、2002年にヒットした内外の楽曲を集めたメドレーコーナーでの、この曲も2002年のヒット曲だったか!と改めて驚き、大笑いもさせてもらった楽曲にまでも貫かれている明るさにつながっている。朝夏本人だけではなく、朝夏が率いた宙組の団結力が、しみじみと感じられる舞台が生まれたのは、組を率いた朝夏の功績以外の何物でもないだろう。

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そんなステージを共に盛り上げたメンバー、ASAKA Boysでは、愛月ひかるの成長が著しい。この人の舞台にも常におおらかさがあることが朝夏と共通していて、近年続いて取り組んだ色濃い役柄や、轟悠とタッグを組んだ『双頭の鷲』での経験が生き、朝夏を包み込む必要がある重要なシーンにも、全く不足がない。宙組二番手男役スターの真風涼帆が参加していない座組で、朝夏をがっちりと盛り立てた力量は、のちに続くものとなるに違いない。
また、常に端正で貴族的な雰囲気を持つ澄輝さやとが、若々しく弾ける幾多の場面を任され、実に楽しそうに場面に取り組んでいるのも今回の発見の1つ。宝塚においてノーブルであるということは最大の武器だが、それに留まらない魅力を見せてくれたことが頼もしい。そこに続いて、朝夏に次ぐダンサーである蒼羽りくが、踊って踊って踊りまくるこのライブショーに存在したことは、それ自体が大きな強みとなっている。前述のKENTO MORI振付のシーンなどでは、センターも任され舞台に厚みを加える得難い存在となった。欲を言えば「If…」のシーンで朝夏のあるソロ曲の時に、この人が原典舞台同様に黒の衣装で共に踊ってくれたら、更に場面が豊かになっだろうに…と、ただ1点それだけがこのライブショーで惜しまれた点だ、と思うほどの存在感だった。そして、今回のライブシーで所謂スター枠として登場した和希そらの、キレまくるダンスと豊かな歌声が突出していて、幾度となく目を奪われた。「If…」では名曲をのセンターをまるまる1曲任され、まるで水を得た魚のようだったのも印象的。スター候補生が目白押しの宙組なだけに、新人公演主演経験者であるこの人のポジションがなかなか上がらないことを、かねてからもったいなく思っていたが、場を与えればこれだけ生き生きと輝ける実力の持ち主なので、今後も是非大切にして欲しい。

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また、ASAKA Girlsは、現在朝夏まなとが特定の相手役を定めていないことが逆に生きて、様々なメンバーが朝夏と組んで踊り、また芝居ができたことが、実に新鮮で面白い効果をあげていた。中でも純矢ちとせが、奇天烈な女神役をコミカルに達者に演じておおいに笑わせたからこそ、終幕の朝夏がこれまで出演してきた作品のタイトルを並べて語ってゆくナレーションの、ほとんど反則技の感懐との、絶妙な効果をあげている。バレエシーンの綾瀬あきなの羽のように軽やかな踊りが、朝夏との身長差もあってよく目に映えたし、華雪りらの可憐さ、花宮沙羅の歌唱力など見どころが多い。中でも怜美うららは、その大人の香りがする美貌を活かしてのタンゴシーンで、朝夏とのドラマを感じさせ、全体に弾けるシーンが多いライブショーの良いアクセントになっていた。
他に、風馬翔の骨太な存在感、この人がいてどうして歌わせないのだろうと、中盤まで焦らされたからこそ、実に効果的な美声が響き渡る結果となった、星吹彩翔の常ながら見事な歌唱力など、メンバーそれぞれに見せ場があり、全員が朝夏と1つになって作り上げたライブショーの爽快感は、朝夏そのひとの持ち味をそのまま。更に挑戦し、更に進化していこうと先を目指しているのだろう、朝夏まなとに相応しい進化形ステージとなっていた。

〈公演情報〉
宝塚宙組公演
朝夏まなとアメイジングステージ『A Motion(エース モーション)』
作・演出◇斎藤吉正
出演◇朝夏まなと ほか宙組
●6/23〜28◎文京シビックホール
〈料金〉S席 8.800円 A席 6.000円
〈お問い合わせ〉阪急電鉄歌劇事業部 03-5251-2071(10時〜18時・月曜定休)
公式ホームページ http://kageki.hankyu.co.jp/



【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】






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しりあがり寿の名作漫画の舞台化!おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双 上演中!

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カメラマン:鏡田伸幸

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』から着想を得たしりあがり寿の漫画『真夜中の弥次さん喜多さん』の舞台版で、昨年1月に上演された「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』」。その好評を受けて、続編にあたる「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)」が、6月21日から全労済ホール/スペース・ゼロにて上演されている。(25日まで)

しりあがり寿ならではのシュールな世界感が描かれた漫画を、演出の川尻恵太が、歌、ダンス、パフォーマンスを絡めたエンターテインメントな「弥次喜多もの」に仕上げたこの舞台は、若い観客にも大きな支持を受けた。
出演者は、昨年に引き続き、弥次郎兵衛役の唐橋充と喜多八役の藤原祐規、そして共演に元宝塚雪組トップ娘役の愛原実花をはじめ、松本寛也、岡田あがさ、加藤良輔 米原幸佑など、幅広く舞台で活躍する俳優陣が顔を揃えている。
 
この作品の公開舞台稽古が6月21日の初日前に行われた。

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【あらすじ】
「いざ、お伊勢参りへ」。ドラッグ中毒に苦しみ死後の世界に憧れる喜多さんと、その優しき恋人・弥次(男)さんは喜多さんのドラッグ中毒を治すために伊勢への旅に出た。2人は曰く付きの愛し愛される恋人同士。当然のように、彼らの道中には、いくつもの困難が立ちはだかる。初演からのキャラクターの万ジョン次郎が登場すれば、シロ(犬)が飛び出し、今作オリジナルキャラクターのヒサオとアケミが入り乱れ、しりあがり的(?)カオスな世界が展開される。彼らの愛はどこに向かうのか?

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弥次さん(唐橋充)と喜多(藤原祐規)さんが長屋に現れ、「ふりだしに戻ってきた」と弥次さんが唐突に言う。どうやら何かを始める、あるいは何かを始めようとしていたのだが、どこかで間違いがあって戻ってきしまったことを暗にほのめかしているようだ。
それは、前作からの引き続きのようにも見えるし、まったく中断された場所からの突然のスタートのようにも見える。
そしてオリジナルキャラクターの引きこもりのヒサオ(松本寛也、米原幸佑、石田隼の3人が場面によってストーリーによって演じ分ける)とアケミ(愛原実花、岡田あがさ、古谷大和も同様)がなにやらゲームをしているのだが、弥次さん喜多さんとどんな関係があるのか…?ちょっとしたカオスな空間を作り出す川尻恵太のオリジナリティー溢れる演出だ。
 
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カメラマン:鏡田伸幸
 
そこから弥次さんと喜多さんは旅に出るのだが、ある町に辿り着く。
二人は旅を続けていくのだが、そこからは一気にシュールで夢魔的な光景が広がって、それぞれ愛を試されるような出来事に出会うことになる。そんな彼らの結末は? すべては夢か妄想なのだろうか?

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愛原実花はコメディセンスを発揮しながら何役かを演じ分けてみせる。男役の場面も凜々しくキュート。松本寛也は役柄ごとに見せる自在な変化が素晴らしい。岡田あがさは狂気に満ち、松本祐一は女装や動物までこなす。古谷大和、足立英昭、田代哲哉、福井将太、加藤良輔といった実力ある俳優たちが何役もで登場、物語を賑わし、それぞれ歌にダンスに芝居に大活躍だ。超常的な石田隼や、抽象的なある概念までこなす米原幸佑は見事というしかない。
 
そして、なんといっても主役の2人は当たり役。藤原祐規は、デカダンでありながら決してそこに堕していない喜多八の純粋さを、可愛ささえ感じさせながら演じる。また、良い意味で「受け」に徹して、周りの役者たちとの絶妙なバランスで、物語を膨らませる。
唐橋充は、どこまでもポジティブで、どこまでも愛を生き抜く弥次郎兵衛。己の信念を貫き、そして貫徹しようとする心意気がかっこよく、男らしさと優しさに溢れ、愛を信じ続けようとする良い男だ。

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カメラマン:鏡田伸幸
 
統制のとれたダンスもロックな歌もノリノリで、ストーリーを追わなくても笑って泣けて楽しめて、さらに、弥次喜多の愛のかたちに、他者に対する思いやりや優しさ、死者への慈しみまであらゆる愛を重ね、深く感動する。実に奥行きの深いエンターテインメントになっている。

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カメラマン:鏡田伸幸
 

【囲みインタビュー】

公開稽古後に出演者の囲みインタビューが行われ、唐橋充、藤原祐規、愛原実花、松本寛也、岡田あがさ、松本祐一、古谷大和、足立英昭、石田隼、田代哲哉、福井将太、加藤良輔、米原幸佑が登壇した。

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田代、足立、松本祐、岡田、古谷、石田、福井
松本寛、愛原、唐橋、藤原、米原、加藤 

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福井将太(添乗員役
ほか
最高のメンバーで弥次喜多の世界をみなさんに届けることができるのでワクワクしています。最後まで一つ一つ丁寧に演技を積み重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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石田隼(神様役ほか)
今回5役を演じさせていただきましたが、その全部を精一杯愛して、みなさんに弥次喜多の作品を端から端まで楽しんでいただけたらと思います。

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古谷大和(パメラ・マローン役
ほか
楽しみに観劇に来てくださった方のほっぺをぶん殴るような衝撃的な作品をお送りできるように吹っ飛ばしていきたいと思います。

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岡田あがさ(オミツ役
ほか
ジェットコースターに乗っているようなカオスがありますが、そこに精一杯しがみついて、一生懸命やらせていただこうと思います。

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松本祐一(リー・ファン役
ほか
カオスな世界に僕らも負けないように、舞台で生きてお客さんをカオスに引っ張り込んで、みんなで楽しめるような作品にしていきたいと思います。

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足立英昭(ローズ・ジャクソン役
ほか
この世界を素敵なメンバーと上演させていただけて光栄です。僕自身がまず楽しむということを忘れずに毎公演取り組んでいきたいと思っております。

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田代哲哉(添乗員役)
前回に引き続き弥次さん喜多さんのカオスな世界、何がリアルなのかわからない世界をお客さんとともに、楽しんでいきたいと思います。

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松本寛也(バーバラ・ブルック役ほか
前作から万ジョン次郎役もやらせていただきます。今回は新しいメンバーも加わり、お客様がきて完成する作品なので、ぜひ、足を運んでください。

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愛原実花(ジェームスボンド役ほか
はじめは緊張していましたが、今はとても楽しくて、かなり自由に演じさせていただきます。それから男役に初挑戦させていただくので、頑張りたいと思います。

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加藤良輔(ジョディー・マクガバン役)
弥次喜多の世界観はぶっ飛んでいますが、その世界観をみなさんに存分に楽しんでいただけるように演じたいと思います。

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米原幸佑(弥次さんの童貞役
ほか
生まれて31年間童貞を守って来てよかった(笑)。初めて当たり役に巡り会えたような気持ちです。本当にしっくり来ています。楽しんでください。

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藤原祐規(喜多八役)
カオスでシュールなしりあがり寿さんの『真夜中の弥次さん喜多さん』を舞台化するにあたって、僕ら弥次喜多はカオスなキャラクターをどう普通の人間のいられるようにするのかがテーマだと思っています。お客さんの先導者になれるように物語を面白く彩れたらと思います。

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唐橋充(弥次郎兵衛役)
今日を迎えるまで、いろいろ宣伝の機会をいただきましたが、役名やシーンが何も発表できず、ようやく発表できる喜びを噛み締めています。これからも弥次喜多の舞台版をずっと続けていきたいので、この作品が足がかりになればいいな。全員で一致団結して初日を迎えたいと思います。


〈公演情報〉
弥次喜多PR

おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)
原作◇しりあがり寿
作・演出◇川尻恵太(SUGARABOY)
出演◇唐橋充 藤原祐規 愛原実花/松本寛也 岡田あがさ
松本祐一 古谷大和 足立英昭 石田隼 田代哲哉
福井将太/加藤良輔 米原幸佑
●6/21〜25◎全労済ホール/スペースゼロ
〈料金〉グリーン席10,800円 指定席7,500円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉CLIE 03-6379-2051
http://www.clie.asia/on_yajikita/
(c︎) しりあがり寿/2017 おんすて弥次喜多



【取材・撮影・文/竹下力 ソロ写真カメラマン/鏡田伸幸】



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瀬奈じゅん・大原櫻子出演、小川絵梨子演出、2015年トニー賞ベストミュージカル『Fun Home』2018年2月シアタークリエで上演!

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オフ・ブロードウェイで大絶賛され、2015年トニー賞作品賞。演出賞、オリジナル作曲賞など多数受賞したミュージカル『Fun Home ファン・ホーム  ある家族の悲喜劇』が、2018年2月上旬にシアタークリエで上演される。
原作はアリソン・ベクダル(「Dykes to Watch Out For」)が描いた同名の「グラフィック・メモワール」。作曲はジニーン・テソーリ、脚本・作詞をリサ・クロンが手がけている。

「グラフィック・メモワール」とは、漫画で描いた回想録という意味で、漫画家のベクダルが、レズビアンである自分と、ゲイであることを隠して生きてきた父の死について探求した漫画メモワール。2006年に発表され漫画のアカデミー賞として知られるアイズナー賞も受賞。日本では「ファン・ホーム 〜ある家族の悲喜劇〜」というタイトルで2011年に出版されている。

日本版の出演者は、漫画家のアリソンに瀬奈じゅん、その大学生時代を大原櫻子が演じ、アリソンの父ブルースに吉原光夫、アリソンの母ヘレンに紺野まひる、ブルースの愛人ロイに上口耕平、アリソンの恋人ジョーンに横田美紀というキャスティング。演出は次々に話題作に取り組み、高い評価を受けている気鋭の小川絵梨子。家族の別れと再生、そして希望を描き出す。
公演は、2018年2月上旬にシアタークリエで、2018年3月に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。
 

〈公演情報〉
『Fun Home ファン・ホーム  ある家族の悲喜劇』
原作◇アリソン・ベクダル
作曲◇ジニーン・テソーリ
脚本・作詞◇リサ・クロン
演出◇小川絵梨子
出演◇ 瀬奈じゅん、吉原光夫、大原櫻子、紺野まひる、上口耕平、横田美紀
2018年2月上旬◎シアタークリエ
2018年3月◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
https://www.toho.co.jp/stage/







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松雪泰子、霧矢大夢ら7人の女優とアーティストが出演『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』11月上演決定!

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たった8年の間で、心の内側に秘めたその怒りを爆発させ、強烈で目をそらしてしまいそうな作品を執筆し、大胆かつ悲劇的に去って行った小説家ネリー・アルカン。
その小説『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』が、PARCO Productionにより、11月に銀河劇場で上演される。

ネリー・アルカンは、1973年生まれ。カナダ、フランスで人気がある女性作家で、09年9月に36歳の若さで自ら人生に幕を閉じた。その小説の舞台化である本作は、女であることへの戸惑い、怒り、コンプレックス、そして生きていくことへの辛さ、悲しみ、無力感と孤独が描かれている。
初演は2013年、カナダ・モントリオールのESPAS GOで、長年、ロベール・ルパージュとコラボレートし、ルパージュの作品に多く出演したマリー・ブラッサールの翻案・演出で上演され、その年の話題を総なめにした。
日本版には、松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、霧矢大夢という女優6名と、ダンサーとして国内外で活躍する奥野美和というまさにベストキャストともいうべき女優・アーティストが集結した。

【ネリー・アルカン】
1973年生まれ。本名イザベル・フォルティエ(Isabelle Fortier)。01年、小説「Putain (「邦題:キスだけはやめて」)」で作家デビュー。フランスのSeuil出版社(歴史のある有名な出版社)に原稿を送ったところ、2週間で出版で決まり、処女作「Putain」が出版され、一躍有名作家の仲間入りを果たした。このパワフルで精神を混乱させる作品の中で作者自身がコールガールだった時代のことを語っている。その後、04年に「Folle(「狂った女性」という意味)」と07年に「A ciel ouvert (「野外」という意味)」の2冊を出版。08年9月24日に自宅アパートにて自殺。その数日後に「Paradis, clef en main(「天国、鍵を掴んで」の意味)」が店頭に並び、2年後に「Burqa de chair(「肉のブルカ」という意味)」が出版され、その中に所収された未発表の作品「La robe(「ドレス」という意味)」と「La honte(「恥」という意味)」が世に出た。 

ネリーの書いた小説は、ほぼ自身の生涯を綴ったもの。モントリオールで高級娼婦だった時代のこと、これまでの人生、自分が「女」であること、あるいは家族の中でつねに感じていた疎外感などを赤裸々に小説の中に練りこんでいる。
 
2013年カナダ公演舞台写真
舞台写真 「2013年カナダ公演より」

舞台化では、パリでセンセーショナルなデビューを飾った小説「Putain 」をはじめ、「Folle」「Burqa de chair)」「L‘enfant dans le miroir」などの一部で構成されており、出演者7名が異なる立ち位置から、心の襞を、痛みをアレクサンダー・マクスウィーンの音楽とともに語り、描きだしてく。懸命にもがき生きた1人の女性の中に渦巻く様々な感情、そして死へと向かうさま万華鏡のように舞台に照らし出され、それぞれの声、ことばが重なりあい、舞台にこだまする。

【コメント/マリー・ブラッサール(演出家)
登場人物は全員、ある意味で、ネリー・アルカンの違った側面を表わしています。実人生の歴史を背負った現実の女性を超える、シンボリックなキャラクターです。若いと同時に成熟もしています。それぞれが生まれながらに美しく、ユニークさと美しさを際立たせるために、非常に奇抜な衣装を身につけます。これは、美、年を取ることへの恐怖、女性同士の競争、空虚感、等々といった、ネリー・アルカンがその著書で語ったテーマを現すためです。上演中ずっと、登場人物たちは、それぞれが各々の部屋に居続けます。モントリオール公演では、セット・デザイナー(アントニン・ソレル)と衣装デザイナー(キャサリン・シャノン)の協力を得て、部屋のそれぞれを、それぞれの女性の美意識を表わすようにデザインしてみました。日本の女優たちとも同様に、それぞれの個人的なコンセプトを展開するような経験が出来たら素晴らしいと思います。

【2013年モントリオール初演時 劇評】
 
「心を動かされずにはいられない。見事なセットデザイン、アレクサンダー・マクスウィーンの共鳴が際立つ音楽、そして時に包み込み、時にむき出しにするようなミッコ・ヒニネンの照明を忘れることはできない。そして特に、ネリー・アルカンの言葉を忘れることはできない。彼女の死から時を経た今も、最初に書かれた時そのままに、いまだに刺すように鋭い。マリー・ブラサールはその巧みなスキルで、ネリー・アルカンのさまざまなテキストを切り刻み、七つの主要なテーマに焦点を当てて、再構築し演出している。」(Lucie Renaud, JEU )
「ブラサールは生きることの痛みに苦しめられた悲劇的な作家のために、レクイエムのようなスコアを創り出した。申し分なく豊かな主題を持った優れた形式のこのプロダクションは、文学作品の深い味わいを存分に伝えてくれる。」(Marie Labrecque, Le Devoir )  

またこの秋、舞台以外でもネリー・アルカンの世界が展開される。
ネリー・アルカンを題材にした映画『Nelly(原題)』が10月、恵比寿ガーデンシネマ他にて公開。2017年のトロント国際映画祭で、ワールド・プレミア上映され、気鋭の女流監督のアンヌ・エモン(「ある夜のセックスのこと モントリオール、27時」)がメガフォンをとっている。
ネリーのデビュー作である小説「Putain」が松本百合子・訳で PARCO出版より9月に発売される。

 〈公演情報〉
PARCO Production
『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』
原作◇ネリー・アルカン
翻案・演出◇マリー・ブラッサール
出演◇松雪泰子 小島聖 初音映莉子 宮本裕子 芦那すみれ 奥野美和 霧矢大夢
●11/4〜19◎天王洲 銀河劇場
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858
●11/23◎アステールプラザ広島 大ホール
●11/25・26◎北九州芸術劇場 大ホール 
●12/5・6◎ロムシアター京都 サウスホール 
●12/9〜10◎穂の国とよはし芸術劇場 PLAT主ホール
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