えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

黒木瞳主演舞台『京の蛍火』

オリジナルミュージカル『デパート!』に挑む! 原田優一、出雲綾、愛加あゆインタビュー

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老舗中の老舗デパート、三越百貨店日本橋本店の中にある三越劇場。今年、開場90周年記念を迎えたレトロで、重厚な内装のそのデパートの中にある劇場で、デパートを舞台にした新作オリジナルミュージカル『デパート!』が、11月1日〜7日まで、上演される。
 
この作品は、かつてデパートでの買い物が憧れだった時代から、若い世代にファストファッションや、ネットショッピングが主流となっている時代にも、尚、燦然と輝くデパートで、働く人々、お客様、様々な思いと事情を抱えた「人の集まる場所」で繰り広げられる人間模様を描いたミュージカル。
脚本は劇団「キリンバズウカ」主宰で、映画『くちびるに歌を』の脚本(第8回東京新聞映画賞受賞)など、舞台、映画、TVドラマ、と、多岐に渡る活躍を続けている登米裕一。音楽はミュージカル『Color of Life』のNY公演に参加、Midtown International Theater Festival AWARDS 最優秀ミュージカル作品賞を受賞した伊藤靖浩。演出はミュージカル『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン」の主要キャストを歴任した他、『KAKAI歌会』、オフブロードウェイ・ミュージカル『bare』では演出を務めた原田優一。いずれも30代、新進気鋭の若手クリエイター3人が挑戦する、新作オリジナルミュージカルに大きな期待が集まっている。

そんな作品に出演する、元宝塚歌劇団の出雲綾、愛加あゆ、そして演出の原田優一が、作品のこと、役柄のこと、オリジナルミュージカルを生み出す、楽しさと難しさと、舞台への意気込みを語り合ってくれた。

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愛加あゆ、原田優一、出雲綾

人が集まり、想いが交錯する群像劇ミュージカル

──新作オリジナルミュージカルということですが、デパートの中にある三越劇場で、デパートを舞台にした作品を創ろうという着想が、どう浮かんだのかから教えてください。 
原田 ここ数年オリジナルミュージカルを創りたいという思いを、プロデューサーとはずっと話してきていたのですが、ではどこを舞台にオリジナルミュージカルを創るのか?を考えた時に、人が集まるところが良いなと。デパートや駅などがいいのではないかとは思っていたんです。そういう流れの中で、今回、三越劇場さんでやらせて頂くことになって、デパートの中で、デパートのミュージカルというのは企画として面白いんじゃないかと。色々な方が集まってくる、お客さんだけでなく、従業員、様々な職種の方が働く場所であり、買い物をする場所であり、更にプラスアルファ、それぞれに思い入れのある場所でもあると思うので、物語もオムニバスではないのですが、登場人物の色々な関係性ですとか、小さな物語が集まって、1つの空間の中で行われているというのが、オリジナルミュージカルを創るのには良いアイデアだなと、そこから進めて行った話です。ただ、脚本家の登米さんにデパートの話ですと言ったら、あまりにもテーマが大きすぎるので、じゃあどうしようかと、夜な夜な喫茶店やレストラン、ファミレスでどうするかを話し合いながら、根っこの部分を作っていったという感じです。
──そんな形で創り上げられていった脚本を読んだ印象はどうでしたか? 
出雲 まず、この人数でデパートの物語というのが、どうなるのか想像できなかったのですが…。考えてみればデパートって色々な方がいらっしゃって、それぞれ個性も年齢も、バラバラですし、そうした個々のストーリーが描かれていくミュージカルなんだな、なるほどこういうことかと脚本を読んで思いました。自分がその中に役として入っていけるという喜びと同時に、客観的に見てもとても楽しい作品だなと思いました。
愛加 私も出雲さんがおっしゃったように、台本を読んだ時に、それぞれの人物たちの事件が、小さなものではありながら、本人にとってはとても大きな事件、というのがふんだんに出てくるのがお話としてとても面白いと思いました。それから驚いたのが、まだ推敲段階の台本を仮で頂いた時に、セリフと歌の部分を区別する為にセリフにはカギカッコ付いているんですね。でも私は、カギカッコが付いているところが歌だと思ったほど、歌がすごく多いんです。それくらい歌の部分の文字数が多くて、いざ稽古場で音楽を頂いた時、こんなに歌うんだ!と結構びっくりしました。曲がふんだんにあって、ほとんど歌っている「ザ・ミュージカル」と言うものを、久しぶりにさせて頂けるのが、とても嬉しかったです。
──楽曲を多くというのは、意図して作ったのですか?
原田 歌える方も多いですし、オリジナルミュージカルを観るにあたって、これまでの日本のミュージカルを考えた時に、セリフが中心に交わされていって「さぁ、ここから歌います!」という形のものが結構多いなと思っていて。「ミュージカルナンバー出ました!」というような。それを逆転する発想で考えていこうかなと、歌を多く取り入れることにしました。物語自体を誰が主役ということではなく、群像劇にしたのも座長芝居の逆を行っていますし、色々な意味で、作品の難易度は上がっていると思います。ルでも、そこにあえて挑戦して、登場人物それぞれの話が次々に出てきて目移りしそうなところを、いざ繋げてみると1つのデパートの中の物語として、目移りせず観て頂ける。アラカルト的に楽しみながら、全体も楽しんで頂けるようにと、今、演出面での見せ方も含めて考えているところです。

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基礎のある頼もしいキャストと、わかりやすい的確な演出指示

──演じる役柄の人となりと、その役にどう取り組んでいるのかを教えてください。 
出雲 私はミセスオズマンという役で、浜畑賢吉さんと夫婦の役です。浜畑さんとは初めてご一緒させて頂けるのでとても光栄ですし、この作品の中では唯一のカップルで、夫婦揃って出させて頂く場面が多いです。稽古をしているうちに、あぁこういう人もデパートに来ているのかも、と、だんだん共感できるようになってきました。最初はちょっと変わり者の夫婦という感じですが、実はそれには意味があったのだ…と、演じているうちに、大きなデパートの中には、こういう人ももしかしたら来ているのかもとお思いました。私が目指している理想は、「デパート=愛」というところです。夫婦愛を表現できる役ですし、その愛を育んで来たのがデパートという場所だったというのがだんだんわかっていく、最終的に心にジーンと来て頂けると良いなと思える役柄なので、精一杯ナチュラルに演じたいなと思っています。 
愛加 私はマリという「スクエアデパート」のインフォメーション係の役なんですが、多分この中に出てくる人々の中で、一番楽しんで働いているのがマリなのではないかと思っています。でも、そうした彼女の中にも、二面性もあって、真っ当に仕事はしているけれども、噂好きで、ゴシップも大好きで、決して悪い意味ではなく、皆が見ていないところで誰も知らない顔も持っている。「こういう人、いる、いる!」と思ってもらえるような役ですね。原田さんがおっしゃってくださったんですが、今までの私にはない引き出しを探っていけたらいいねということで稽古をしていて、まだまだなんですけど、色々なアドバイスを頂きながらマリを作っていきたいと思います。 
──演出家から見た、お二人の印象はどうですか? 
原田 まず基礎がしっかりされているので、エンターテインメントを作る材料は揃っています。そこから新たなオリジナルミュージカルを作るという時に、どうやったら面白くなるか、小粋になるか、スムーズにシーンが進んでいくのかについて、意見の交換会をするんですね。キャラクターがどう書かれているか、その裏にあるもの伝えるためには、役の基礎をどう作り上げるのかなどを、色々提案し、話し合う中で、お二人とも受け入れ態勢が万全にできているので、とても頼もしいです。こういう風にやって欲しいというところをキャッチして頂くのが早いので、それは今回のキャストみなさんそうだと思うんですけど、この二人に関しては、特に受け入れる地盤が素晴らしいんだなと思っています。 
──では、お二人から演出家としての原田さんについては?
出雲 私は演出をして頂くのも初めてですし、ご一緒させて頂くのも初めてで、どういった感じなのだろうと、毎日、楽しみに、自分が出ていない場面を演出されているところを見ても勉強になっているんですけれど、とてもわかりやすい表現をしてくださいます。アドバイスも的確に言ってくださるので、なるほどこういうことか、とすぐに理解できます。だからと言って、それがすぐに表現できるかと言うと、なかなかそうはできないので、これから自分の課題としてやっていかないといけないのですが、方向性としては悩むことなく、この場面はこの方向で行こうというのがハッキリ見えるのでありがたいです。
愛加 私は(原田)優一さんとご一緒させて頂くのは3回目なんですけれど、優一さんの演出は初めてで、どういった世界を作られるんだろうと、ドキドキワクワクしていたのですが、タキさん(出雲の愛称)がおっしゃってくださったように、明確に導いてくださり、とてもわかりやすく教えてくださいます。特に、優一さんがマリを演じている姿が、すごく想像ができるんです。優一さんだったら、きっと面白いだろうなという絵が浮かぶので、そこを目指していきつつ、自分のスパイスを混ぜながらやって行きたいと思っています。今まで演じられている優一さんは知っていたんですけど、セットをどういう風に使っていくとか、演じている私たちが考えたことのないことを考えられていて、頭の回転も速いですし、どういう風に見えるかなど、演出家さんとしても勉強されて来られたんだなと改めて知ることができて、尊敬の念が深まっています。 
──今回演出家に専念されていますが、出演もしようとは思わなかったのですか?
原田 思わないですね。作る時でも、コンサートなら別なんですけれども、物語があるミュージカルですと、客観視というか、ずっと見ていたいというモードに入っていくので、やりたいとは思わなくなるんですよ。自分が出たいと思うスイッチがないんです。よく「出たくなっちゃわないの?」と言われるんですけど、全く思わないんですね。稽古期間は、完全にスタッフモードになっているので。 
——クリエイターの思考回路になるということですか?
原田 そうですね、ただ、表現者の部分があるとすると、自分がこの役をやったらどうなるんだろうとは考えます。その役を演じた時に、やりやすいか、やりにくいか、辻褄が合っているのか、という面は表現者の脳で考えていると思います。 
——クリエイターの思考回路になるということですか?そういう目線からのアドバイスなので、よりわかりやすいと感じるのでしょうか? 
出雲 そう思います。 
愛加 本当にそうです。

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可能性が無限大ならではのオリジナルミュージカルの楽しさと難しさ

──キャストのみなさんも多彩な方々ですが、稽古場はいかがですか? 
原田 皆さん初共演のかたが多いので、この人はどういう表現をするのか、何が得意なのかを捉えながら、骨組みを作っている段階です。ここからみなさんのキャラクターを深めて、シーンを肉付けしていくと、カンパニーとしてもどんどん深まっていくと思うので、楽しみです。 
出雲 私もほとんどが初めての方ばかりですが、他の方の歌や演技を見ていて、とにかくみなさん個性が強いと言いますか、最初の立ち稽古でこれだけ面白かったら、出来上がっていったらどうなるんだろうなという期待感の高まる現場です。自分のことはさておき、人の場面をケラケラ笑いながら見ることができて、すごく楽しいです。 
愛加 私も共演させて頂く方たちほとんど初めてなんですが、皆さんが出演されている舞台は、全員の方を観ていて、観客としてもともと知っていたので、実際にお会いしたらどんな方なんだろうと、稽古場にくるのがとても楽しみでした。尊敬する先輩もたくさん出ていらっしゃいますし、私よりも若い子たちも、しっかりと取り組まれているのを見て、自分もしっかりしなくてはと思っています。個人的にはWキャストのお二人と組む場面が多くて、お二人の芝居の色が全然違うので、がっつりと絡む身としては、お客様にも2パターン楽しんで頂けると思っています。
──お二人は宝塚歌劇団出身で『王家の紋章』での共演もありましたが、お互いがいることについては? 
出雲 それはもう安心感があります。キャストにあゆちゃんの名前がある!というだけで、安心しました。 
愛加 私こそです!あぁ、タキさんだ!と。もう一方的に尊敬している方なので! 懐かしい話もしますよね。
出雲 楽しいね。 
愛加 二人にしかわからない話もしていて、ほっこりしています。 
──良い雰囲気で進んでいるのが伝わりますが、オリジナルミュージカルならではの楽しさ、一方で、ならではの難しさなどは?
原田 海外の作品を買って来ると、この楽譜で脚本でとなるんですけど、オリジナルはゼロから立ち上げる作業なので、クリエイター陣が現場でも話し合いながら、どんどん手を入れられる、フリーだということではすごく作りやすいのです。ただ、なにぶんテーマを決める段階では、こうしなければならない、ここに定めようという枠がないので、広げようと思えばいくらでも広げられて、クリエイター陣の色が出る反面、どこで地に足をつけるか、前例がない難しさがあります。また、どこまで作るのか、あまりキャストに任せすぎてもいけませんし、ガチガチに決めてしまいすぎると、せっかくの個性を潰すことになってしまいますので、どこまで余白を残すかの塩梅が難しいなと思います。 
出雲 オリジナルミュージカルなので、最初脚本を見てへぇ〜と思い、音楽を聴いてワクワクし、すごく楽しい作品になりそう!と、テンションが上がるのを感じました。すでに作られているミュージカルだったら、曲も知っていたりしますけれども、この場面はこういう曲調だったのか、こんな素敵な歌を歌えるんだ!という、初めて聞く感動があります。他の方の場面を見ていても、ちょっとしたハモリが綺麗だったり、テンポ感のあるノリノリの曲だったり、すごく楽しめる場面がいっぱいで、それはオリジナルならではの楽しみですね。これから振り付けが入って来ると、更にどんどん毎日が充実して楽しいだろうなと思います。それと10人しかいませんので、1人1人がこの作品の中で、自分の役どころをきっちり表現しないと、アンサンブルの方もいませんので、それぞれが主役のつもりで自分の出ている場面に責任を持っていかないといけないという重さは感じています。 
愛加 オリジナルミュージカルは、宝塚時代にも作っては来ましたけれども、これだけの少人数でやるとなると、1人1人の責任がまず重大です。また、原作があるものなら、資料を調べたり人物の方向性もある程度定められていますが、オリジナルは1からなので、可能性も、稽古で変わって行ける部分も無限にあるので、それを求めて、ゴールを定めずひたすら役を深めたいと思います。見ている方にも初めて見て頂くワクワク感というか、何が始まるんだろうという、興味がずっと続くと思うし、セリフも歌になっている世界なので、きっと楽しんで頂けると思っています。 

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ミュージカルへの愛が詰まったエンターテイメント

──「デパート」そのものに対してはどんなイメージを持っていましたか? 
愛加 私は時間があると、何も買わなくても、デパートの中を歩いているだけで幸せになっちゃう人なので、タキさんの役にもとても共感できます。大好きなデパートが舞台になるということに、自分自身もワクワクしています。 
出雲 私は兵庫県宝塚市で生まれ育ったので、小さい頃から阪急百貨店へいくことが楽しみでした。目的があってもなくても、ただそこに行くというだけでちょっと豪華な気持ちになれますし、デパートって季節感があるでしょう?そういう季節に合わせたディスプレーを見ていることも目の保養になりますし、そこに行くだけで楽しかったです。子供の頃にお洋服を買ってもらえた時や、デパートでのお食事など、嬉しかった思い出がいっぱいあります。そんな幸せな記憶を、今お稽古の中でも毎日思い出したりしています。
──デパートに行くという行為そのものが、「ハレの日」という感じがありましたよね。 
原田 一大エンターテインメントスペースというか、なんでもできるんですよね。屋上で子供同士で遊ぶこともできますし、レストラン街で食事をしたり、ペット売り場に行ったり。もちろん買い物に付き合ったり、子供にとっても天国のような場所で、休みは1日中そこで過ごしていたぐらいでした。でも、三越の方が言っていたのですが、今、若い人がデパートに買い物に行かなくなっているんだそうで。
愛加 えっ?そうなんですか? 
原田 なんでもいいものがあるんだけど、ちょっと高価だというイメージがあるそうです。今安いものがどんどん出てきたり、ネットで買えちゃったりするので。でも、人と人とのアナログな交流があるのが、デパートの魅力の1つで、ただ単に買い物にいくだけではない魅力的な場所だと思うし、若者を取り戻そうと展示会をやったり、色々な企画をやっている。そういう企画ができるのは、ただ単にものを売るだけの場所ではなくて、デパートにエンターテインメント性があるということだから、そこも見出したいなと思っています。歌や踊りを入れてデパートを表現することが似つかわしいのは、デパート自体がエンターテインメントの場所だからだと思っています。 
──公演サイトで動画を拝見しましたが、階段を登っていくところから三越デパートの老舗ならではの格調や、特別な高揚感が感じられたので、皆さんにデパートの魅力も再認識してもらえそうですね。では、そんな作品を楽しみにされている方に、意気込みをお願いします。 
愛加 この作品はデパートに対する思いと同時に、優一さんを筆頭にみなさんのミュージカルへの愛が詰め込まれた作品で、要所要所にミュージカルへの愛がありますよね。 
原田 そうだね。 
愛加 ミュージカルが好きな方は、ツボにはまって楽しんで頂けると思いますし、舞台を見た後にデパートに対してや、人との関わり、愛や思いに変化があったら嬉しいなと思っています。一生懸命頑張りたいと思いますので、皆さん観にいらしてください。
出雲 あゆちゃんが言った通り、舞台を観た後、デパートへの想いが変わってくれたらいいなと思います。心に残る家族愛をはじめ、色々なことが共感できるミュージカルだと思っています。皆様観にいらしてくださいね。
原田 日常の物語から始まるような、とても入りやすい物語だと思いますし、ミュージカルを観たことのない人でも楽しめると思います。ちょっとライトタッチのコメディにしていますので、音楽を楽しんで頂いて、舞台のデパートも楽しんで頂いて、その後劇場を出たら実際の三越デパートも楽しんで頂ける、1日中デパートにいるようなミュージカルになっていますので、是非劇場にいらしてください!


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愛加あゆ、原田優一、出雲綾

はらだゆういち○埼玉県出身。9歳から映画、TV、ライブ、ダンスイベントに多数出演。94年『レ・ミゼラブル 』でガブローシュ役、07年にはアンジョルラス役、11年から15年までマリウス役を演じるなど、ミュージカルを中心に活躍中。最近では演出活動にも精力的で『KAKAI歌会』やオフブロードウェイ・ミュージカル『bare』等を演出。コンサート活動も積極的に行っており、2015年にはオリジナル曲を集めたCD『いつか』をリリース。最近の主な舞台は『CLUB SEVEN』『TARO URASHIMA』『GEM CLUB』『ミス・サイゴン』『Love Chase!!』『道化の瞳』など。18年『GEM CLUB II』への出演が控えている。
 
いずもあや○83年宝塚歌劇団に首席で入団。抜群の歌唱力と定評ある演技力で、ショーでのエトワールや『ファントム』のプリマドンナ・カルロッタ役から個性的な役柄まで幅広く演じ、宙組、月組の組長も歴任した。08年『ME AND MY GIRL』マリアで惜しまれつつ退団後は、ミュージカルを中心とした活動を続けている。近年の主な舞台に『シェルブールの雨傘』『ダンス・オブ・ヴァンパイア』『王家の紋章』などがある。
 
まなかあゆ○富山県出身。05年宝塚歌劇団入団。新人公演、バウホール公演などのヒロインを経て、12年、壮一帆の相手役として雪組トップ娘役に就任。14年、『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』で惜しまれつつ退団。15年、ミュージカル『ON-AIR 夜間飛行』で女優デビュー。映像や舞台で活躍中。退団後の舞台作品は、音楽劇『星の王子様』『嫌われる勇気』『錆びつきジャックは死ぬほど死にたい』『GEM CLUB』『FAIRY TAIL』、ミュージカル『王家の紋章』などがある。18年ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』への出演が控えている。


〈公演情報〉
チラシ表面

ミュージカル『デパート!』
演出◇原田優一
脚本◇登米裕一
音楽◇伊藤靖浩
出演(50音順)◇出雲綾、太田基裕、岡田亮輔、シルビア・グラブ、染谷洸太(Wキャスト)、橋本真一(Wキャスト)、畠中洋、浜畑賢吉、前島亜美、愛加あゆ
●11/1〜7◎日本橋・三越劇場(日本橋三越本館6階)
〈料金〉S席8,500円 A席7,000円(全席指定・税込)
〈劇場お問い合わせ〉三越劇場 0120-03-9354(10:30〜18:30)




【取材・文/橘涼香 撮影/友澤綾乃】


黒木瞳主演舞台『京の蛍火』

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宝塚OGたちが競演するリーディングドラマ『シスター』間もなく開幕!

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音月桂・彩吹真央・青木さやか・ 彩輝なお・夢咲ねね・渡辺えり・中嶋朋子
福士誠治橋本淳相葉裕樹今川碧海有澤樟太郎池田成志平野良

姉弟が繰り広げる会話から、生み出されるのは絶望なのか、希望なのか−。
実力派の二人が編み出す、あなたの日常。
二人で贈る、静かな会話劇、今はじまる。 

2017年3月にサンケイホールブリーゼで上演し、大反響を呼んだ『シスター』。
急遽の決定ながらまた大反響を得た5月のシブゲキ!での上演を経ての再々演!
全くカラーの異なる出演者も見逃せない。

10/23(月) 15:00 音月桂・福士誠治 
              19:00 彩吹真央・橋本淳
10/24(火) 14:00 夢咲ねね・有澤樟太郎 
                  19:00 青木さやか・相葉裕樹
10/25(水) 14:00 彩輝なお・今川碧海 
                  19:00 夢咲ねね・有澤樟太郎
10/26(木) 15:00 渡辺えり・池田成志 
                  19:00 中嶋朋子・平野良

〈公演情報〉
リーディングドラマ『シスター』
作・演出】鈴木勝秀
●10/23〜25◎銀座 博品館劇場
〈料金〉6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音協:03-5774-3030(平日11:00〜17:00)

黒木瞳主演舞台『京の蛍火』
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海洋冒険ファンタジーに込められた寓意『ポセイドンの牙』Version蛤 上演中!

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舞台芸術集団・地下空港の最新作『ポセイドンの牙』Version蛤が、10月13日に紀伊國屋ホールで幕を開けた(21日まで)。
 
地下空港は、1999年の旗揚げ以来、[劇場に旅をする]をテーマに、空間芸術と比喩的寓話を融合させたオリジナルの演劇スタイルを確立している。全作品の脚本・演出を手がける主宰の伊藤靖朗は、2014年にはウェールズ国立劇場の招聘を受けて渡英。現地でのリサーチを経て、2016年に発表した音楽劇『赤い竜と土の旅人』では、「CoRich舞台芸術まつり!2016春」の準グランプリを受賞。2017年3月には、移動型参加型演劇『Safaring The Night』を上演するなど、意欲的な作劇で高く評価されている。今回の舞台は、2016年5月に紀伊國屋ホールで上演された『ポセイドンの牙』の改訂版にあたる。

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物語の中心となる陽気な男子高校生たち「スイサンズ」。そのリーダー格の須永宇宙期役に初舞台となる前田航基。親が牧師のインテリ道井磨多井役に初演にも出演していた原嶋元久。貝類オタクの葛崎賢人役に小早川俊輔。エロで頭がいっぱい生方英役に小松準弥。スイサンズのバカ筆頭・萩原安打尊役に森田桐矢。
また、ヒロインとなるスイサンズの憧れの武闘派美少女・寅一知花役に山下聖菜。高校生らと宝物を取り合う怪物達深海の使者・ドローナ役に森山栄治。深海の戦士・カルナ役に汐崎アイル。土地を買い漁る外資系エリート・岸部秀夫役に渡辺和貴。ポセイドンの妻に西丸優子が出演。
さらにスイサンズたちの担任教師、豊玉エリー役に、元宝塚歌劇団トップ娘役の愛原実花。海神ポセイドン役にはキャラメルボックスの看板俳優の岡田達也など豪華出演陣が揃う。

この公演の初日前に、プレス向けの公開ゲネプロと囲みインタビューが行われた。
 
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【あらすじ】
ナカツ県の乙亀(オトガメ)市にある水産高校に通う陽気なバカ男子仲間スイサンズたちはある日、自治体の資金難から母校がなんと防衛人材育成高校(男子校)へと変わる計画を聞く。海と夢と女子を愛するスイサンズはそれを阻止するべく、乙亀市海外のスニオ岬の海底に沈むと伝わる「黄金の釣針」を手に入れようと画策。しかし期を同じくして、海底に沈む太古の神々がその「釣針」をめぐり動き出すのであった…。

冒頭から客席まで巻き込んで物語が始まる。スイサンズのメンバー、須永、道井、生方、葛先、萩原や寅一らが客席に乱入。舞台上手から教師の豊玉エリーがマイクで英語を喋りながら登場。テスト結果をスイサンズのメンバーに配っていくつもりらしいのだが、その結果は…スイサンズでは、煩悶するインテリこと道井磨多井のできが一番良く、スイサンズのリーダー格の須永宇宙期の結果が最低だとわかる。

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そのまま豊玉先生は、水産高校は漁獲高の減少で、ナカツ県は125億円の財政赤字に陥り、乙亀防衛人材育成きぼう高校に名前が変わることが告げられる。しかも男子校。おまけに兵士育成学校だという。スイサンズは一斉にブーイング。さらに資金を提供してくれるのは、インドラインベストメントという化学プラント工場を建設するいかがわしいグローバル企業。それが豊玉先生から高らかに告げられると、ダンスミュージックがかかり、海洋汚染や性的欲求や戦争を例えるラップが始まる。深いテーマ性とポップなエンターテインメントを併せ持つ海洋冒険ファンタジーのスタートだ。

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舞台はすべてがクリーム色を基調としており、小道具もクリーム色、そしてジャンクなものを組み合わせた近未来的な舞台美術。舞台から吊り下げられたものは海に漂着した人工物だろう。海洋汚染の化学物質で漂白されてしまったように見える。客席にも舞台装置があり、出演者は客席や舞台を行ったり来たりする。
シーンが変わって、病室の風景になる。ベッドに寝ているのは須永の母(野々目良子)。須永は母からある話を聞く。乙亀の古い言い伝えで、スニオ岬に黄金の釣り針が沈んでおり、それで巨万の富を築ける伝説があるらしい。その話に乗って海洋実習でその岬にいくから探してみると告げる。そして帰り道、道井が美少女の寅一知花と真剣に話し合っているのを見てしまう…。舞台は次第に暴風に変わっていく。

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時を同じくして、海中では海神ポセイドンが、かつて敵対したドローナ(森山栄治)とカルナ(汐崎アイル)と戦闘をしている。ポセイドンが暴風雨は起こすと、ドローナは高濃度ヨウトネウムというポセイドンの能力を奪う汚染物質の入ったミサイルを発射させる。ミサイルの発射先はインドラインベストメントの化学プラントからで、そこからインドラインベストメントの工場長岸部秀夫が、ドローナの息子であることがわかる。ミサイルによってポセイドンの能力は奪われ、暴風雨が収まっていくのだが、海は汚れてしまう。

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海洋実習に来たスイサンズのメンバーたちは、元海女で水産加工業者のコシノトメ(鎹さやか)にアサリの捌き方を習うが、アサリの様子がおかしい。化学プラントの建設で、スニオ岬のあるワタツ湾ではダイオキシンが検出されたり物騒なことが起こり始めていて、その影響だとコシノトメが嘆く。そんな中、スイサンズのいるスニオ岬付近の海岸に、ワカメを大量に巻きつけたポセイドンが現れ、海の神としての能力は毒のせいで失われたが、海底には黄金の牙があると教えてくれる。そしてそれは海底の宮・ウツノミヤにあるというのだ。伝説が現実の話になり盛り上がるスイサンズたち。彼らはポセイドンと一緒に海の底に潜って行く…。

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寓意と冒険譚の混じり合ったファンタジックな物語は、ポセイドンの妻であるアムピトリテ(西丸優子)に出会ったり、イカ議長(竹岡常吉)が宮を取り仕切っていたり、アムピトリテの手下のアワビ(大塚由祈子)は、かつてスイサンズの葛崎に助けられたことがあったりと、次第にテンションがマックスになって行くのだが、その様子は遊園地のアトラクションに乗っているようで楽しい。

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須永宇宙期の前田航基は、初舞台ながらセリフがきちんと届き、ストーリーテラーとしての才能を発揮させ、スイサンズのリーダー役として舞台を引っ張る。
道井磨多井の原嶋元久はインテリだが堅物で、密かに知花を想っているいじらしさを感じさせつつ、宇宙期を体を張って助ける勇敢な少年をきりっと演じている。
小早川俊輔の葛先賢人は、アワビと仲良くなってしまうなど無類の貝類オタクぶりが面白い。また父親のプラント工場に勤める葛先棚蔵(野田孝之輔)が、外資プラント側に操られてしまうのを止めようと奮闘する姿が清々しい。

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小松準弥の生方英は、エロでチャラいキャラだが、仲間がピンチになれば真っ先に救いに走る。その切り替えが様になっていて魅力的だ。
萩原安打尊の森田桐矢はスイサンズのお馬鹿筆頭だが、自分が何よりメンバーのことを思っているという自負を感じさせて、カッコいい。
スイサンズのメンバーはそれぞれお互いを想い、いたわり、助け合う。経験が少なくて不器用だが、必死に危機を乗り越えようとする姿で人と人の繋がりや存在意義を見せてくれる。

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寅一知花の山下聖菜は、父親がボクシングジムを経営している超武闘派ということで、殺陣も見事にこなしながら、一本気で不器用な女子を見事に演じている。

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ドローナの森山栄治は、ポセイドンのライバルとして対峙し、ストーリーの核となる黄金の牙の重要性を、明晰なセリフで理解させてくれる。
その部下のカルナ(汐崎アイル)は、本来は弓の名手なのだが、古代の戦闘でPTSDを患ってしまっている。そんな複雑な役どころを笑いとともに巧みに演じている。

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外資プラントの岸部役は渡辺和貴で、まさに現代の諸悪の根源のような存在を若きフィクサーといった感じで演じ、現代に渦巻く欲望や悪意を体現する。

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アムピトリテの西丸優子は、ポセイドンの恐妻で息子トリトンを溺愛している女性としての迫力を見せる。
 
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豊玉エリーの愛原実花は、堅物だけれどどこかあっけらかんとしている英語教師役を、テンポと毒のあるセリフと屈託のない表情で魅せてくれる。やんちゃな高校生たちをまとめ、ストーリーが佳境になっていくにつれて重要になる役で、そのメリハリを、時には大人っぽく、時には無垢にあどけなく表現して、この舞台のミューズとしての役割を果たしている。

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海神ポセイドンの岡田達也は、インタビューで自ら「トリックスター」と語っていたように、海の神としての荒ぶる演技でスイサンズを困らせる存在になったり、アムピトリテに怯えたりと、変幻自在の演技力で大きな存在感を感じさせてくれる。

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演出の伊藤靖朗は、テーマとなる軍国化や海洋汚染の問題を、寓話や神話に巧みに織り込みながら、極上のエンターテインメントとして見せていく手腕が見事だ。時には客席をも巻き込みながら、現代の切迫した状況をリアルに理解させる。現代日本の深刻な状況に肉薄しながら、未来へ希望を少しでも探りたいという、強い意志を感じさせてくれる舞台となっている。
 
【囲みインタビュー】

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西丸優子、渡辺和貴、汐崎アイル、森山栄治、小松準弥、森田桐矢、山下聖菜
伊藤靖朗、愛原実花、岡田達也、前田航基、原嶋元久、小早川俊輔
 
この舞台『「ポセイドンの牙」Version蛤』の囲み取材が行われ、前田航基、原嶋元久、小早川俊輔、小松準弥、森田桐矢、山下聖菜、森山栄治、汐崎アイル、渡辺和貴、西丸優子、愛原実花、岡田達也、伊藤靖朗が登壇した。

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伊藤靖朗、前田航基、岡田達也

──前田航基さんは、舞台初出演で、初主演になりますが、舞台に立つ気持ちをお聞かせください。
前田 劇場に入って、先ほど場当たりして板の上に立たせていただきました。7年前に、「まえだまえだ」というお笑いコンビで舞台に上がっていた時は、時間が3分でしたが、今作では2時間も舞台の上で立ち続けることに、責任を感じています。逆にクイックな反応が帰ってくる楽しさを感じつつ舞台の魅力に魅せられています。
──岡田さんは、キャラメルボックスに所属され、様々な舞台に立たれていますが、伊藤靖朗さんの演出の感想を。
岡田 率直に言います。作家さんや演出家さんは、変わった方が多いんです。普通の人はいないかも(笑)。稽古場で驚いたのが、ダメ出しをしていらっしゃったのですが、言葉が止まったあと、ずっと動きだけでダメ出しをするんです。踊り出したと思ってちょっとびっくりしました(笑)。ご本人の中で言葉のニュアンスや全体の動線を整理していたんでしょうね。だんだん伊藤さんのことがわかってきて、描きたい世界観がわかってきました。見せたい絵にこだわりのある演出家さんだという演出で面白く稽古をさせていただきました。
──初演からの続投の原嶋元久さん、2016年の初演と「Version蛤」で大きく違った部分はありますか。
原嶋 主演が変わり、スイサンズのメンバーも変わり、大きくキャストが変わったので、作品に流れる空気感が違います。まるで、パラレルワールドに来たような感覚で、こういう『ポセイドンの牙』もあるんだと実感しました。
 
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──伊藤靖朗さんの特徴は、現代に対する問題を舞台芸術やファンタジックな寓話を通して描かれると聞いています。今回の作品を通して伝えたいことは?
伊藤 稽古に入ってからも国際的に色々な事件が起こりました。これは2016年に初演した芝居ですが、そこから1年も経たないうちに、戦前の中に生きている、あるいは戦前を我々が作り出してしまっていると一層感じるようになりました。作家としては、初演よりも、時代に対して物語の願いをぶつけていきたい気持ちを強く持っています。Version蛤で意識したことは、全体のストラクチャはそれほど変わっていないのですが、より一層、お客さん自体の中に一歩進んでいく演出を選ぼうとしました。それほど危機感を持ってこの作品に臨んでいます。
──皆さん意気込みを。
前田 初めて本読みをしたのが9月11日です。早いもので1ヶ月が過ぎました。初舞台で、右も左もわからず、みなさんに迷惑をおかけすることもたくさんあったと思いますが、諦めることなく、暖かく見守ってくださったみなさんの期待に答えられる9日間にしたいです。お客さんにも僕たちのエネルギーやメッセージをしっかり持って帰っていただけるように頑張りたいと思います。
原嶋 周りが変わって新しい道井磨多井の側面を見せられたらいいですね。主演の航基をしっかり横から支えられるように、スイサンズとしてもこの作品を盛り上げていけるように、千秋楽まで頑張りたいと思います。
 
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小早川
 先日24歳の誕生日を迎え、毎日この作品の深さを感じながら、お客さんに楽しんでいただくために、生まれ変わったようにバチバチにやっていきたいと思います。

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小松
 僕の役の英くんはエロ、チャラ、バカという三拍子が揃っていて、思春期の男子高校生を全部つまらせた役なので、男子校になるのを阻止するため、女子のためにパワフルに冒険したいと思います。

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森田
 さっき、バカを取られましたが、僕がバカ役です(笑)。バカなりのパワーでスイサンズを盛り上げて、あっという間の2時間だったと思えるような作品にしたいです。

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山下
 唯一ちゃんと戦う役をいただいています。そのコントラストを出していけたら嬉しいです。

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森山
 久しぶりにがっちりメイクをさせていただいていますので、このメイクに負けない芝居をしていきたいと思います。 

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 汐崎 僕はお師匠役の森山栄治さんとご一緒させていただいて、さらに岡田達也さんという先輩にも恵まれ、座長は前田航基くんという推進力を持った方が一番前を走っていただいているので、その一員になれるように頑張りたいと思います。楽しんでいる人間を見るのは楽しいのですが、楽しいだけの作品ではありません。この作品の奥底を噛み締めながらご声援をお願いいたします。

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渡辺 本番に入ってからも岸部秀夫なりの正義とラブを追求していきたいと思います。

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西丸 
ポセイドンの恐妻で女王様なので、威厳を持って演じられたらと思っています。重いテーマの中で楽しんでいただける少しコミカルな部分を作っています。一回一回の公演を丁寧にこなしたいと思います。

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愛原
 キャスト・スタッフの皆様の力強いパワーとみずみずしさで、稽古場から毎日勉強させていただきました。
 
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岡田
 テーマはしっかりしたもので、重たいものが根底に流れている作品ですが、我々がやっているのはエンターテインメントなので、楽しくこのお芝居を観ていただけたら嬉しいですね。
 
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〈公演情報〉 
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メディアミックス・ジャパン プロデュース公演
『ポセイドンの牙』Version蛤
作・演出◇伊藤靖朗
出演◇前田航基 原嶋元久 小早川俊輔 小松準弥 森田桐矢 山下聖菜/森山栄治 汐崎アイル 渡辺和貴 西丸優子/野田孝之輔 野々目良子 竹岡常吉 鎹さやか 大塚由祈子/愛原実花 岡田達也
●10/13〜21◎紀伊國屋ホール
〈料金〉一般 7,500円 18歳イカシート4300円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉メディアミックス・ジャパン03-6804-5456(平日12:00〜18:00)



 
【取材・文・撮影/竹下力】




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龍 真咲がワールド・ミュージカル・コンサート『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』でブロードウェイキャストと夢の共演!


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元宝塚歌劇団月組トップスターの龍 真咲が、10月9日、渋谷・東急シアターオーブにて行われたワールド・ミュージカル・コンサート『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』の最終日に、日本人スペシャルゲストとして登場し、本場の錚々たるキャスト陣とともに、圧巻の歌唱力を披露した。

このコンサートは、今まさにブロードウェイやウエストエンドで活躍中の旬なキャストを招き、本場ニューヨークやロンドンで行われているミュージカルの名曲を、日本に居ながらにして鑑賞できるという非常に貴重なコンサートで、今回は「東急シアターオーブ5周年記念公演」と銘打ち、新たな試みを加え、満を持して開催されたミュージカルファン熱望のオリジナル・コンサートだ。

今回の新しい試みは、演出・振付として、ブロードウェイで現在活躍中のマーク・スチュアートを招き、本場の振付を体現するダンサー達もともに来日。スピーディーでアクロバティックなコンビネーションダンスを得意とするマークの振付を、究極のボーカルとともに味わえるという贅沢なステージが実現。まさに『ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ』というタイトルにふさわしいコンサートとなった。

今回、メインキャストとして来日したのは4名。『レ・ミゼラブル』ジャベール役でも名高く、日本にも多くのファンを持つアール・カーペンター。2016年に、ハリウッドを代表する女優グレン・クローズが出演し話題となった『サンセット大通り』で、ブロードウェイデビューを果たしたシボーン・ディロン。『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』など日本でも有名な作品でブロードウェイの常連でもあるエリック・クーンジーは、今回が初来日。『ウィキッド』のエルファバ役はこの人が世界一との呼び声も高いウィレマイン・フェルカイックは、ディスニー映画『アナと雪の女王』のエルサ役(オランダ語版・ドイツ語版)でも世界中から注目を集めた。

龍真咲 ソング&ダンス

この奇跡の4人で贈る今回のコンサートは、2部構成となっていて、ACT1は、ニューヨークを体感して欲しいという想いがダイレクトに伝わる演出で、2017年トニー賞のミュージカル作品賞を受賞し、ベン・プラットがミュージカル主演男優賞など6冠を獲得した話題作、『ディア・エヴァン・ハンセン』の「ウェイヴィング・スルー・ア・ウィンドウ」からスタート、一気に気持ちが高まる。その後『オン・ザ・タウン』『エニシング・ゴーズ』『フォッシー』『42ndストリート』などの名曲がずらり。メインキャストが代わる代わるコミカルに楽しませる構成が続く。

ACT2は、各ボーカリストの持ち歌を存分に聴かせる構成で、ウィレマイン・フェルカイックが、日本でもファンの多い『エリザベート』から「魂の自由」を情感豊かに、また深く力強く歌い上げたのが印象的だった。その後、通訳を交えて、メインキャストの自己紹介が行われ、本日のスペシャルゲスト、「ワンダフルでビューティフルなMasaki Ryu」と紹介があり、拍手の中シルバーのドレスに身を纏った龍 真咲がゆっくりとステージに登場する。少し緊張した様子で龍が、「今まで宝塚の男役として、『ロミオとジュリエット』、『1789』、『ミー&マイガール』などの作品に主演として出演して参りましたが、今日は女の子で歌います」とゆっくり噛みしめるように話すと、通訳が英語でその言葉を伝える。すると4人のキャストからは驚きのリアクションが。「男役」で演じていたという事と、目の前にたたずんでいるどこからみても女性らしい龍の姿に、不思議そうに何度も通訳に尋ねながら確認をしている光景がファンを和ませた。

龍真咲 ソング&ダンス 

期待に満ちた1曲目は、『ウエストサイドストーリー』より「トゥナイト」。エリック・クーンジーがトニー役を務め、龍はマリアを唄う。二人が向き合いエリックのリードで手を取り合いながら歌う龍の姿は初々しく、まさにマリアのときめきを感じさせる。デュエットのハーモニーが繊細で美しく、龍の伸びの良い高音が劇場中に響き渡る。昨年末に『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』で「私だけに」を熱唱し、客席を驚かせたソプラノが更に進化しているようだった。歌い終わると、何度も何度もエリックに笑顔でお礼を伝えている姿も印象に残る。

龍真咲 ソング&ダンス

そして、いよいよソロ曲に。龍が選んだ曲は、自身が6月にNYで感動し、2度も観劇に足を運んだというミュージカル『アナスタシア』より、「ジャーニー・トゥ・ザ・パスト」。ステージのセンターに立ち、正面を見つめて力強く歌う姿に、龍の歌に対する並々ならぬ想いを感じる。8月には自身のファーストアルバム「L.O.T.C 2017」をリリースし、歌手として歩み始めた勇気と挑戦とも重なり、客席からは万雷の拍手が起こる。「人生は挑戦と夢と希望のパレード」と彼女は言う。今回のこのコンサート出演は、まさに挑戦であったと思う。そしてきっとその向こうには、夢と希望が待っているに違いないと、そう確信させる熱唱であった。彼女の歌は聴くものに勇気と希望を与えてくれる。来日したメインキャストと通じる大切なものを彼女は表現し、スペシャルゲストとしてふさわしく素晴らしいステージであった。

龍真咲ソング&ダンス

そして、いよいよコンサートはクライマックスへ。
エリック・クーンジーは『ミス・サイゴン』より「神よ何故」、シボーン・ディロンは『キャバレー』より「キャバレー」、アール・カーペンターは『レ・ミゼラブル』より「スターズ」、ウィレマイン・フェルカイックは『ウィキッド』より「ディファイング・グラヴィティ」と、それぞれのキャストが最高の持ち歌を、ブロードウェイの劇場さながら、作品の1場面を見ているかのような臨場感たっぷりに惜しげもなく聴かせる。どの曲もステージと客席が一体となり、張りつめた空気が満ちる。歌い終わるとブラボーの連続、そして、拍手が鳴りやまない。
まさに渋谷がブロードウェイとなったコンサート。素晴らしい歌声を聴けた興奮と、心地よい余韻が贅沢な、夢のようなコンサートであった。(ライター:YUMA)



【写真提供/スペースクラフト 撮影/下坂敦俊】



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