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紅ゆずる&綺咲愛里コンビ初のオリジナル作品二本立てで華やぐ 宝塚星組公演『ベルリン、わが愛』『Bouquet de TAKARAZUKA』

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組トップコンビ紅ゆずる&綺咲愛里コンビによる、初めてのオリジナル作品の二本立てである宝塚歌劇星組公演ミュージカル『ベルリン、わが愛』タカラヅカレビュー90周年『Bouquet de TAKARAZUKA』が日比谷の東京宝塚劇場で上演中だ(24日まで)。

ミュージカル『ベルリン、わが愛』は、1920年〜30年代にハリウッドと並び称される映画の都として発展したドイツ・ベルリンを舞台に、「映画」を愛した人々がナチス台頭の暗雲の中、信念を貫き通す姿が描かれている。

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【STORY】
1927年、ドイツ・ベルリン。ハリウッドと並ぶ映画の都にあって、ドイツ随一の映画会社であるUniversum Film AG(UFA)は、映画を芸術だと考える監督たちの意向を汲んだ作品作りを続けていたことから、大衆の支持が離れ、いつしか巨額の負債を抱えるに至っていた。倒産の危機を回避する為、重役たちはドイツで勢力を拡大していた国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の支持者であり、大実業家アルフレート・フーゲンベルク(壱城あずさ)に事業を譲渡するべきだと主張する。だが、社長のルードヴィヒ・クリッチュ(美稀千種)は作り手の表現が制限されることだけは避けるべきだと、譲渡を断固拒否。社長と志を同じくするプロデューサーのニコラス・カウフマン(七海ひろき)は、低予算で大衆を喜ばせる娯楽映画を必ず作り、起死回生のヒット作にしてみせると宣言し、不満を抱えた重役たちをどうにか押しとどめることに成功する。だが、そんな映画をいったい誰が創れるというのか。その時、1人の青年が「自分にやらせてくれ」と名乗りをあげる。彼の名はテオ・ヴェーグマン(紅ゆずる)。幼い頃から映画を心から愛し、今助監督としてUFAに勤める彼は、ハリウッドではすでにはじまっている、トーキーにこそ映画の未来があると考え、ヨーロッパ初の歌入りトーキー映画を定められた僅かな予算の中で、必ず創り上げると誓い、晴れて新作映画の監督を任されることになった。
早速、スタッフ、キャストの人選に入ったテオは、まず親友であり絵本作家であるエーリッヒ・ケストナー(礼真琴)に脚本を依頼。更に、ベルリンに興業に来ていた「黒いビーナス」と謳われるレビュースター、ジョセフィン・ベーカー(夏樹れい)に映画のヒロインを務めてもらおうと、彼女が出演している劇場に直談判に赴く。だが、肌の色による人種差別と闘うジョセフィンは、自分が出演することは貴方の輝かしい監督デビューに悪影響を与えてしまう、と出演を固辞。キャスト探しは振り出しに戻ったかに見えたが、ジョセフィンのバックで踊っていたレビューガール、レーニ・リーフェンシュタール(音波みのり)の自薦による猛アプローチに根負けしたテオは、カメラテストをすると約束。銀幕デビューができる!と有頂天になったレーニは、レビューガール仲間のジル・クライン(綺咲愛里)も、一緒に映画に出して欲しいとテオに声をかける。ジルを一目見た時から何かを感じたテオは、レーニと共にジルにも撮影所にくるようにと促すのだった。
テオが監督する初のトーキー映画は「忘れじの恋」とタイトルが決まり、サイレントこそ映画の神髄と信じる大俳優ヴィクトール・ライマン(天寿光希)の協力が得られないなど、困難もありながらテオの前向きな努力で進展。大部屋俳優だったロルフ・シェレンベルク(瀬央ゆりあ)と、レーニが主演カップルに、ジルも花売り娘の役柄で出演が決まる。恋人ルイーゼロッテ(有沙瞳)への想いを託したエーリッヒの脚本も仕上がり、ヨーロッパ初のトーキー映画は美しいメロドラマとして完成。観客の絶賛を集める大ヒット作となった。
だが、主役のレーニではなく、脇役のジルの清楚な魅力に評価が集まったことに、レーニの不満が爆発し、ジルの出自が密かに内通されてしまう。更に「忘れじの恋」1本のヒットでは、会社を立て直すことは難しいと重役たちから攻め立てられた社長のクリッチュは、遂にフーゲンベルクにUFAを売却。それはすなわち、大衆の為の映画創りを目指すテオの前に、ナチス宣伝全国指導者ヨーゼフ・ゲッベルス(凪七瑠海)が立ちはだかることを意味していて……

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映画がサイレントからトーキーへと移り変わった時代は、「映画」というジャンルが最も大きな転換点を迎えた時代でもあって、この過渡期の混乱を描いた作品はこれまでにも様々な形で作られている。ルドルフ・ヴァレンチノに代表される、声を必要とされていなかった時代のスターたちは撤退を余儀なくされ、一方美しい容姿と共に美しい声を持ったスターたちが、続々と現われ、映画の新たな黄金期を築き上げていく。これは宝塚が頻繁に取り上げている激動の時代「革命」を扱った題材と、ある意味で非常に近いものがあって、トーキーの出現は技術の進歩による、映画という創造の世界に起きた大革命だったと言えるだろう。
こうした変革の時代には、当然ながら多くのドラマが生まれるのは必定で、ここに目線を定めた作・演出の原田諒の着想は決して悪いものではなかった。実際、冒頭の場面で舞台いっぱいに観客席を作り、サイレント映画「メトロボリス」(※注・莫大な製作費が回収できず、UFA社の洛陽を招いた作品であるのは事実だが、映画そのものはSF映画黎明期の傑作とも、SF映画の原点とも呼ばれる名作サイレント映画なので、『ベルリン、わが愛』の描き方から「メトロポリス」=失敗作、と認識してしまうのは危険なことを記しておきたい)を鑑賞している登場人物たちの歌い継ぎから、映画会社の危機、テオのトーキー映画への挑戦の流れは、実にテンポの良い描き方で、物語が快調に転がり、続くドラマに期待を抱かせる。テオがジルにモノクロ映画ならではのメイク方法を伝授する場面、貧しい育ちをしたテオが映画だけが心の慰めだったとジルに語る場面、サイレントの名優が、対立していたテオの心意気に時代の趨勢を悟る場面、等々、「映画」への愛と変革期の悲喜こもごもを描いたシーンは、いずれも非常に美しく、印象に残るものばかりだ。

にもかかわらず、ドラマがサラサラと流れ、多分に淡々として見えるのは何故だろうか…と考えた時に、やはりナチス・ドイツの描き方が淡泊なことが関連しているのではと思えてならない。前述した冒頭の「メトロポリス」を鑑賞する客の中にも入ってはいるものの、ナチス宣伝全国指導者ゲッベルスが、劇中に本格的に登場するまでに開演から45分が経過している。しかも例えば三谷幸喜の「国民の映画」などに代表されるように、映画を愛し、ナチスの宣伝に活用したゲッベルスは、後にアドルフ・ヒトラーと、ナチスプロパガンダを語るに欠かせない人物として、あらゆるメディアで取り上げられてきた歴史上の重要人物だ。その人物が、映画を愛する人々を描く作品の中に登場すると聞けば、当然、主人公に立ちはだかる強大な敵として描かれるのだろうと、どうしても予想してしまう。それが、この作品では単純にヒロインのジルに横恋慕しただけの、有り体に言えば卑小な権力者にしか見えないのが、ドラマ全体の起伏までも小さくしてしまったのがあまりにももったいない。
作品の冒頭が1927年で、ゲッペルスがドイツの図書館からユダヤ人著作の書物を押収し、広場に集めさせて焼き払ったのが1933年だから、この時点ですでに劇中で6年の歳月が経っていることになるが、これも作品を観ているだけではそれほどの月日を経ているとはは感じられないのも響いている。この時点でジルはナチスプロパガンダ映画に必要不可欠な、大人気女優になっているという設定なのかもしれないが、作品を見ているだけでは、「忘れじの恋」で注目を集めた新進女優としか受け取れない為、余計にゲッベルスのジルへの執着が、単に個人の嗜好に見えてしまうのが痛かった。
やはりエンターテインメントの世界で、ナチスを描くというのは非常に重いものがあるし、作家自身にもそれ相当の覚悟が必要になる。そういう意味で『ベルリン、わが愛』は「映画愛」を描いた部分と、ナチス台頭の暗雲の部分とが、乖離してしまった面が大きく、サイレントからトーキーへの、映画大革命期に奮闘した若き映画監督の物語が、演じる紅ゆずるの個性も相まって、それこそ青春映画のような爽やかさを醸し出しているだけに、この分断が惜しまれた。テオの監督デビューを祝ってエーリッヒが乾杯するシーン、前述のテオがジルに映画愛を語るシーンなど、当然歌になり、ダンスになるだろとう思われた、ミュージカルならではの展開のチャンスを原田が見過ごしているのも気がかり。外部の評価も高い、宝塚期待の若手作家だけに、より一層丁寧な作品創りを目指して欲しい。次作を期待して待ちたいと思う。

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ただその中で、テオを演じた紅ゆずるの一直線に突き進む熱量の高さから、爽やかさを引き出したのは原田の功績と言える。実際、サービス精神に長け、二番手時代までに定着していた「ちょっとユニークなタカラジェンヌ」という紅の表看板に全く頓着せず、宝塚の二枚目として、主演男役として相応しい「映画は大衆が辛い現実をひと時忘れて、夢の世界に浸れる娯楽であるべきだ」との信念を貫くテオ・ヴェーグマンという役柄を用意したのは、これから続いていく紅のトップ時代にとって、非常に大きなポイントになるに違いない。それほど、テオを一途に演じる紅から立ち上った甘い二枚目男役の香りと、青春の輝きは素晴らしいものだった。テオが信じる映画のあるべき姿が、そのまま宝塚歌劇のあるべき姿に直結している効果もあり、紅が星組トップになって初のオリジナル作品が、紅の美点を存分に表出したことを喜びたい。

ヒロイン・ジルの綺咲愛里は、レビューガールの謂わばアンサンブルとして登場する初登場シーンが、本当にアンサンブルの扱いのままだったことにかなり驚いたし(設定からして至極正しいのだが、やはり宝塚の常連ファンでなければ、この人が作品のヒロインだとわからない初登場というのはやや不親切かもしれない。非常にベタだし、それが良いと言っている訳ではないが、やはりベテラン作家なら、ここでジルがジョセフィン・ベーカーにぶつかって転ぶ…くらいの展開は用意すると思う)、上演時間残り15分になってやっと、テオを名前で呼ぶに至る展開なので、恋愛要素はかなり低めなはずなのだが、それでもきちんと紅の相手役に見えるのが宝塚マジックの妙。テオに口紅をひいてもらうシーン、満天の星空を眺めるシーンが、ラブシーン以上にロマンチックで、紅&綺咲の相性の良さを改めて感じさせた。テオへの尊敬が愛に変わっていく描写も自然で美しい。

テオの親友のエーリッヒ・ケストナーも実在の著名な作家で、礼真琴が扮した。ナチスに抵抗を続けながら亡命せず、ドイツで執筆を続けたケストナーを、あまりにも国民の人気が高かった為にナチスがおおっぴらに迫害できなかった、というエピソードが知られているが、今回の作中ではテオの良き友、良き理解者、協力者という形での登場。その為、礼にもシニカルな表現はほとんどなく、友人を想い、恋人を愛する溌剌とした青年として演じていて、その明るさが礼の個性によく合っている。歌声も伸びやかで、今の礼に無理がない役柄なのは嬉しい限りで、これもオリジナルの良さだろう。

礼の恋人のルイーゼロッテは、やはり実在のケストナーの内縁の妻。劇団四季でミュージカル作品にもなっているケストナーの代表作のひとつ「ふたりのロッテ」の主人公である双子の姉妹ルイーゼとロッテは、彼女の名前からとられたことで有名だ。それだけに、劇中で礼が「ルイーゼロッテ」と呼ぶ度に、愛らしい双子の物語が思い出され、演じる有沙瞳もこの作品から求められた「ひたすらな愛らしさ」をきっちりと体現している。作品を大きく動かすのは絵に描いたような敵役である、音波みのりが演じたレーニの方で、役の比重としては確実にレーニが高いが、ここは有沙に宝塚の娘役らしさを求めたということだろう。その宝塚の娘役らしさ、という意味において、「娘役の良心」とも思えるほどの存在である音波が、本来の個性とは異なるアクの強い役柄を、大胆に演じて新境地を拓いたことも喜ばしく、双方面白い配置だった。

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また、テオに新作映画の命運を託すプロデューサーのカウフマンの七海ひろきは、映画が政治利用されることを阻止しようとする、気骨ある人物を丁寧に描いている。テオにとって、つまりはテオを応援している観客にとっても「理想の上司」の役柄で、こういう温かい人物の造形は、七海の独壇場。もう少しカウフマン自身のドラマを描かれていたら、と惜しまれるが、紅との信頼関係をきちんと感じさせて、役柄を膨らませて魅せた七海の力量を評価したい。

他にも、星組には強力な上級生男役が揃っているのも魅力の1つで、クリッチェの美稀千種は沈みゆく船の船長にも似た役柄を、強さと脆さを併せ持って演じているし、フーゲンベルクの壱城あずさは、ナチスに与する大実業家の海千山千感を、いやらしくならない寸前で留めて演じていて目を瞠る。どちらかと言うと猪突猛進的な演技者だった時期もあるが、これだけ押し引きが自在にできる優れた役者となった今、退団してしまうのは宝塚の宿命とは言え、惜しみても余りある。そんな壱城の穴を埋める存在になるだろう天寿光希が、サイレントの名優が張る意地と懐の深さを十二分に見せている。組長の万里柚美演じるカフェの女将と、過去に浅からぬ関係だったという役柄に、違和感を感じさせなかったのも天晴れで、ラストシーンへの重要な伏線もさり気なく示した好演だった。そのカフェの女将ゲルダの万里も、持ち前の美貌がこうした訳ありの役柄にピッタリで、場を引き締めた。

若手に目を移すと、歌が上手いことがサイレント映画では役に立たず、大部屋俳優に甘んじているロルフに扮した瀬央ゆりあが、歌入りトーキー映画で主役に躍り出る、という設定に相応しい美しい声を聞かせたし、テオをスタッフとして盛り上げるクリストフの紫藤りゅうが、甘い優しい雰囲気を人の好い役柄に投影させていて、この人もずいぶん大きなスターになってきたと頼もしい。そのスターとしての押し出し十分なエルマーの天華えまの個性が濃い目なことも、二人の役どころを際立たせる効果になっている。彼女たちと、ベテラン勢との間に十碧れいや、麻央侑希がいることも星組の豊かさで、「メトロポリス」のラング監督で芸術家肌の気難しさを演じた十碧が、後半ナチス親衛隊の軍服姿で魅了すれば、UFAの重役陣の1人シュナイダーとして、抜群のプロポーションを誇っていた麻央が、終幕近くベルリンの男という、言わばモブの役柄で新聞を手に銀橋を渡る。その姿の良さがあまりにも目立っていて、この人はラストシーンに何か関りが?と注目させられたほどなのは、作品としては誤算かも知れないが、スターとしてはまさしく嬉しい誤算。ますますの活躍に期待したい。もう1人、この作品で退団する夏樹れいが、ジョセフィン・ベーカーとしてレビューシーンのセンターを取り、堂々の舞台姿を披露したのが嬉しく、ラストシーンに本来の男役姿で、車掌として登場するのも心憎い配慮だった。貴重な歌い手の退団が惜しまれる。

そして、ゲッベルスに扮した専科から特出の凪七瑠海は、専科転出後久々となった東京宝塚劇場への登場で、男役としてぐっと骨太になった居住まいが経て来た時間を感じさせた。前述したように、役柄の描き方に難しさがある中で、後半に集中した出番で、ナチスの影を精一杯体現している。特にセンターを割って、親衛隊を率いて登場する場面に、目を引きつける華があるのは凪七ならでは。本格的な登場が遅いだけに、組の一員ではない凪七が出演することに意義を感じる、カラーの違いが効果的だった。

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装置は原田作品お馴染みの松井るみが担当。冒頭の観客席、また映画フィルムを使った象徴的なセットなど、いつもながらの面白い装置に度々見入ったが、全体に色調が暗いのが、この時代のドイツ・ベルリンには相応しいものの、紅の創り上げた作品の爽やかさとはやや異質に映り、スターが創る宝塚歌劇ならではのこととして興味深かった。

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そんな作品の後に控えたのが、宝塚レビュー90周年を記念した『Bouquet de TAKARAZUKA』でベテランの酒井澄夫の作。岸田達彌演出のレビュー『モン・パリ』が初演された1927年、宝塚レビューの、つまり日本のレビューが誕生してから90周年を迎えたことを寿ぐレビューで、その後レビューの王様と称された白井鐵造、更に高木史朗、内海重典、といった歴史に残るレビューの大作家の作品を、その目で見て、聞いて、更に助手をしていたという酒井が、記念の年にこの作品を残したことに、まず大きな意義がある。

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特に、今の宝塚のショーの畳みかけるテンポとリズムの洪水に馴染んだ目には、この旧き良き時代を彷彿とさせるレビューの展開が、むしろ新鮮に映るのも発見で、星組にとってだけでなく、宝塚にとって貴重な作品となっていた。懐かしい名曲も多く、偉大な定番のもたらす安心感がある。
その中でも、ゴンドラに乗って登場する紅の華やかさだけでなく、紅&綺咲、礼&有沙、七海&音波、3組のこれぞ眼福なデュエットダンスに、凪七の歌という贅沢なフィナーレナンバーで、トップコンビが黒薔薇=黒の衣装という、定番の中の冒険とも言える、攻めの姿勢が感じられたのも面白く、2017年の掉尾を飾るに相応しい王道のレビュー作品となっている。

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また、初日の前に囲み取材が行われ、星組トップコンビ紅ゆずると綺咲愛里が公演への抱負を語った。

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まず紅が「お忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。星組の紅ゆずるでございます。初日に向けて今、星組メンバーは燃えております!」
と、紅らしいパッショネイトな挨拶を。

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続いて綺咲が「星組の綺咲愛里でございます。本日はお集まり頂きありがとうございます」とにこやかに語り、続いて記者の質問に答えた。

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その中で、初のオリジナル作品であることを問われると、紅が、再演物とは違い、自分達の色が出せる分、どの方向にも行くことができる難しさがある、とオリジナル作品ならではの良さと、だからこその難しさを語ると、綺咲も役を一から作っていくということの難しさをたくさん学んだ、と語り、前例がない作品への取り組み方を考えさせられた。

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また、レビュー90周年に際して、宝塚レビューの魅力は?との問いに、紅が「宝塚おとめ」という本も出ているように、と、宝塚の生徒名鑑の存在を例に出し、1人1人の生徒の名前、好きなものなど、個々の情報が発信されている、個々の魅力があることが、宝塚レビューの何よりの魅力なのではないか?と、持論を展開。組子1人1人に、個性を発揮して欲しい、とトップスター就任時の制作発表会見で語っていた通りの、トップとしての紅の目線が感じられる時間となっていた。

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尚、囲みインタビューの詳細は、舞台写真の別カットと共に、2018年1月9日発売の「えんぶ」2月号にも掲載致します。どうぞお楽しみに!

〈公演情報〉
宝塚歌劇星組公演
ミュージカル『ベルリン、わが愛』
脚本・演出◇原田諒
タカラヅカレビュー90周年 『Bouquet de TAKARAZUKA』
作・演出◇酒井澄夫
出演◇紅ゆずる、綺咲愛里 ほか星組
●2017/11/24日〜12/24日◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001




【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】




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日替わりで豪華ゲストが歌うミュージカルコンサート。『I LOVE MUSICAL〜precious time music〜』来年3月開催が決定!

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客席と一体感があり、豊かな音楽が響き渡る銀座のヤマハホールでミュージカルコンサート。来年3月に、その第4弾、『I LOVE MUSICAL〜precious time music〜』の開催が決定した。

ディズニーミュージカル『美女と野獣』や『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』、『エリザベート』といった“ザ・ミュージカル”ともいうべき王道な楽曲に加え、カタログ・ミュージカル(1組のアーティストの既存曲を使って、新しい脚本と構成で創るミュージカル)の代表格である『マンマ・ミーア!』(ABBA)や『オール・シュック・アップ』(エルヴィス・プレスリー)を中心に、ポップスなどの様々なジャンルのナンバーも取り混ぜた豪華なラインナップ。
 
今回の出演者は、岡田浩暉を中心に各回バラエティに富んだメンバーで構成。このステージでしか観ることのできないデュエットも必見だ。

【前回の舞台写真】
過去舞台写真2
過去舞台写真4
過去舞台写真3過去舞台写真1

【今回の内容】

1日目(2018年3月1日)
元宝塚歌劇団月組トップスターの紫吹 淳が、2015年に岡田浩暉と共演した不朽のブロードウェイミュージカル『グッバイ・ガール』にスポットを当てる。さらにはミュージカル『薄桜鬼』の風間千景役で人気を集めた鈴木勝吾が初参加。安定した歌唱力に評価が高い元AKB48の増田有華と、元劇団四季で『レ・ミゼラブル』などで活躍中の野島直人が脇を固める。

2日目(2018年3月2日)
まさにジュークボックスのイメージ。人気と実力を兼ね備えた元雪組トップ娘役の咲妃みゆの出演が決定。人気オーディション番組「ASAYAN」出身で現在はミュージカル俳優として注目を集める藤岡正明と、劇団四季を経て舞台や映像で積極的に活動中の吉沢梨絵が加わる。バックボーンが異なるメンバーの競演で新たな化学反応が起こるにちがいない。

3日目(2018年3月7日)
2007年に大ヒットしたオフ・ブロードウェイミュージカル『テン・ミリオン・マイルズ』がメインテーマ。日本初演キャストの岡田浩暉と貴城けいが再びデュエインとモリーとして登場、派手なだけがミュージカルじゃないという、繊細な心情を綴った楽曲が詰まったロード・ミュージカルを再現。そこへ劇団四季出身の中井智彦、沼尾みゆきと宝塚歌劇団出身の鳳翔 大たちの参加で、華やかに彩る。
 
様々なミュージカル音楽が一度に楽しめるスペシャルイベントとなる!

〈公演情報〉
『I LOVE MUSICAL  〜precious time  musi
●2018年3月1 日・2 日・7 日 
各回 15 時開演/19時開演◎銀座ヤマハホール
3 月 1 日(木)岡田浩暉・紫吹  淳・鈴木勝吾・野島直人・増田有華
3 月 2 日(金)岡田浩暉・咲妃みゆ・藤岡正明・吉沢梨絵 
3 月 7 日(水)岡田浩暉・貴城けい・中井智彦・沼尾みゆき・鳳翔大
構成・演出◇土城温美
音楽監督◇鎌田雅人     
司会◇立花裕人 
〈料金〉S 席 8,800 円   A 席 5,800 円(全席指定・税込)


【資料提供/る・ひまわり】




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新感覚オリジナルショー『Pukul』を共に創る!謝珠栄・湖月わたる・水夏希インタビュー

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斬新な振付と深い人間愛で精力的な創造を続ける謝珠栄が、全幅の信頼を置く後輩たち=宝塚OG、そして歌唱力に優れたミュージカル俳優、気鋭のダンサーを選りすぐって新たに生み出す新感覚オリジナルショー Cosmos Symphony『Pukul』〜時を刻む愛の鼓動〜。その舞台が12月9日〜16日に東京・日本青年館ホールで、12月21日〜25日には大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。
 
『Pukul』とは内面が活力を得て動き出す「鼓動」に、時を知らせる意味も持ち合わせたマレー語で、歌×ダンス×プロジェクションマッピングと、回り続ける大がかりなセットで、壮大な時間の旅が描かれる。ACT1では、インド舞踊やグルジニアンダンス等、アジアをはじめ各国の音楽や民族舞踊の要素を取り入れつつ、星たちの誕生と、美しくも時に脅威ともなる自然を神秘的に描く。また、ACT2では、馴染みあるジャズやポップスで、この地球で命を授かった人々の人生をスタイリッシュにたどっていく。
 
そんな作品を共に創るメンバー、宝塚退団後も数々のダンス公演で共に汗を流してきた盟友である湖月わたると水夏希。そして台本・演出・振付を手がける謝珠栄が、挑戦に次ぐ挑戦だという稽古場で、作品への想いを語り合ってくれた。
 
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壮大なスケールを持った宇宙の創造

──まず『Pukul』というタイトルに込められた想いから教えてください。
 はじめはリズムを現す言葉をつけたいなと思っていて、「鼓動」という言葉は心臓の動きともう1つ、内面にひそむものが活力を得て動き出すという意味があると知って、内面から出てくるものに突き動かされている表現者にはピッタリの言葉だなと思ったんです。その中でまた宇宙の成り立ちや、人の一生も描きたいと思っていたことで、「時間」を現す言葉もずっと探していたところ、マレー語の「Pukul」には、その両方の意味合いがあるとわかったんです。「プクル」という語感も可愛いでしょう?
湖月 可愛いです、本当に!
 だから『Pukul』にしようと思ったんだけど、ちょっと覚えにくいみたいね(笑)。
 「プ…プ…、なんでしたっけ?」と、言われたりしました(笑)。
湖月 「プルル」って書いてあった譜面もありましたよ!(笑)。
──このショーをきっかけに覚えてくださるといいですね。その作品ですが、先日冒頭のシーンが公開されましたが、星々や銀河の誕生という場面がとても壮大で、「おぉ!」と思ったのですが。
 あれはほんのさわりですから。
湖月 あそこから本編がはじまるので!
 まだ楽なところですよね(笑)。
──さらにすごいスケールなのですね。お二人は作品については今、どのように捉えていますか?
湖月 謝先生ならではの壮大な、人として忘れてはいけない大切なものをテーマにされたすごい作品になると思っています。まず始めにコンセプトと音楽を頂いた時には、いったいこれだけ壮大な世界を、どうまとめられるのだろう?と想像がつかなかったのですが、場面ができてくるたびに「謝先生すごい!」と。大きなテーマを具体化していかれて、盆の使い方などもすごいんです。本番でも人力で回してくださるそうで。
──青い美しいセットですね。公開稽古では人が回していましたが、本番でも?
湖月 そうなんです。しかも始まったらセットの中にずっと入りっ放しで回してくださるので、感謝してもし足りません。そういうスタッフさんのお力もあって、先日、作品を最後まで通せたのですが、ラストのナンバーを歌い踊り、前に滑り込んだ瞬間に心の中が浄化された気がしました。
謝 それは演者だけでなく皆が感じていて、スタッフさんたちも観ていて涙が出たと言ってくれました。
湖月 ありのままの、生まれたての自分に到達できた気がして、お客様にも何か大きなものをお届けできる作品になったのではないかと思っています。
 私はまだひたすら自分のことで必死で余裕がない状態です。私たちはキャストですから、台本もできて、音楽もできて、そのうえで取り組むわけですが、これを全く無の状態から立ち上げた先生やスタッフの方たちには、どれほどのご苦労があり、紆余曲折がおありだっただろうと思います。ここまでの作品を生み出す謝先生のエネルギーは、やはり本当にすごいなと思います。
 盆回しなどは、最初はあんな大がかりなことができるとは想定していなかったんです。でも作っていく過程で、これは時計だな、じゃあ回ったらどうだろう、という発想が生まれて、応えてくれるスタッフがいて、徐々に時間をかけて生み出されていったんです。

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どんなジャンルのダンスもこなせるのは宝塚出身だからこそ

──今回、アジアの民族舞踊を多く取り入れようと思われたのは?
 そもそも一番やりたかったことがそこなんです。アジアの様々な民族舞踊を使ったショーを作りたかった。それにはもうタカラジェンヌしかないと。彼女たちにしかできないと確信していました。私は中国舞踊をやっているのですが、中国舞踊は日本舞踊と西洋のダンスの間くらいなんですね。それでまず宝塚では皆日本舞踊をやっているでしょう?
湖月 はい、そうですね。
 でも他のダンサーの方たちで日本舞踊もやってきたという人はほとんどいないの。もちろん中国舞踊は日本舞踊ともまた違う首の使い方だったりするのですが、幅広い経験のある宝塚出身者だったらできるだろうと。中国舞踊と韓国の舞踊はつながっているし、インドネシアの舞踊もつながっているので、全く西洋の踊りと切り離されているわけでもなく、総合的に出てくるんです。これができるのはタカラジェンヌしかいないし、皆誇りに思っていいよと言っています。
湖月 宝塚では本当に色々な国の作品がありますから、様々な踊りを自然にやらせて頂いてきているので。
 私自身も振付家として社会に出た時に、それがすごく役に立ったの。どんなジャンルにも対応できる振付家は、当時いなかったので、これはやっぱり宝塚のおかげだなと。
──やはり宝塚で培ったものが大きく役立っているのですね?
湖月 与えられた課題を絶対になんとかやり遂げる。そこがまず培われていますから。
 たとえば舞台稽古の時、早替わりが間に合わない人がいっぱいいるんです。でも、初日には、全員絶対間に合う!
湖月 そう、初日までには必ずお客様にお見せできるものにする。そのパワーはすごいよね。
水 本当に色々な作品をやってきましたからね。
 小道具1つとってもそうよね。色々なもの持たされることに慣れているから。どんなものを使ってもらっても、決して「嫌です」とか「できません」とか言わずに挑戦してくれるので、こちらも創り甲斐があります。

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男性陣が加わる豊かさと、宝塚OGならではの団結力

──それぞれの役柄について教えてください。
湖月 私は「太陽」、アディティアといって、皆にエネルギーを届ける中心的存在として登場させて頂いています。そして水ちゃん演じる「地球」に生命を与える意味で、太鼓の鼓動で息吹を吹き込む役どころです。もう1つ「氷の女王」という役どころがあって、それは地球に試練を与えます。全く逆の二役をさせて頂きます。
謝 やはり太陽の光が届かなかったら、凍っていくわけですからね。その両方をしてもらっています。
湖月 役割が真逆なのできちんと演じ分けたいです。
 私は「地球」で、劇中で「孤独の星地球」という言葉があるのですが、生まれた時には他の星と変わらなかったものが、宇宙で唯一の空気と水を持ち、生命を育み、人間が生まれ、科学を持ち、というストーリーを描いていく作品なので、「孤独な地球」がどんどん豊かになっていく、という風にできたらいいなと考えています。
 あと、蘭ちゃん(蘭乃はな)が「月」なんです。太陽の光を受けて闇を照らしてくれる、私たちにとって必須の存在です。
 普段「星が綺麗」とか「太陽が暖かい」とか、何気なく思っていますけれど、実はすごいことですものね。
湖月 だから、水ちゃんと蘭ちゃんの地球と月のダンスのシーンも、観ていて微笑ましくほっこりしますね。
 三つ星と考えていて「太陽、月、地球」それに、「過去、現在、未来」を現す三神が出てくるので、ちよっと「三」という数字にはこだわっています。
──その三神も含めて男性が加わっているのが、宝塚OGの方が集まって作るショーとしては新しいものだと思うのですが。
湖月 女性がOGだけで、男性も加わってという形は初めてですね。
──やはりそれによって豊かになる部分も?
 それはありますね。立体的にもなりますし、力もあるし。でもダンサーとして確かな力量があって背も高い、という人を揃えるのはなかなか大変でした(笑)。
湖月 毎日彼らの身体能力には感心しています。
 本当にすごい!私は退団して間もなく謝先生の舞台に出させて頂いた時には、メンズの技にチャレンジして、なんとか出来るようになろうとしていましたが(笑)、退めて8年も経つと、男性ができることと女性ができることは違うんだ!ということがよくわかったので(笑)、それにはチャレンジしないことにしました。
 もう8年も経った?
 そうなんです!だから自分のギリギリできる最大限のことにチャレンジしようと思っています。
湖月 皆さん、私たちのこともバンバンリフトしてくれて頼もしいよね。
──そこもまた大きな見どころですね。また、女性陣が全員宝塚OGということで、やはり安心感も?
湖月 それはありますね。
 私にもすごくある。
湖月 ちゃんと意見を言い合えるし、助け合えるし。昨日も蘭ちゃんが「あそこのリフト大丈夫でしたか?」って言ってきてくれて。「あ、やりにくそうだった?」と訊いたら「ちょっと心配でした」って。あぁ、そう見えるんだなと思って、調整ができて。
 確かにそうですね。
湖月 もちろんこちらからも気になったことは言うし。「ちょっと音かけようか?」と言ったら、パッとね。
 自然に集まりますよね。
湖月 そういうことを何一つ決めておかなくても、チームとして団結できるんです。だいぶ世代も違ったりしてるんだけど(笑)。
 蘭ちゃんとか(舞羽)美海ちゃんとか。
湖月 これは宝塚力だなと。
 良い意味でお互い遠慮なくいられますよね。

0046
 

作品に深く入り込む役どころが楽しみなスペシャルゲスト

──また、そこにやはり宝塚OGのスペシャル・キャストの方たちが日替わりで出演されますが、ゲスト出演と聞いていたのとはまるで違う、しっかりと内容の中に入り込んだ役どころですね。
 想像以上でしょう?
湖月 がっつり中に入っていますから。
 あれはゲストじゃないですよね(笑)。
湖月 普通は「ここからスペシャルゲストの方たちのコーナーです」という感じで。
水 単独で出てくるものだと思いますからね。
 でも、それじゃ寂しいと思ったの。やはり皆と1つのカンパニーになって欲しかったし、1つの作品を共に創る仲間でいて欲しかったから。三人とも毎日稽古に来てくれて、一緒にやってくれて嬉しいですね。もう全部出たら?と思うくらい(笑)。
──やはり、三人の方それぞれで、作品の雰囲気も変わりますか?
湖月 これまでは、ゲストの方が歌っているコーナーを毎日出ているキャストが袖から応援しているという感じが多かったのですが、今回は物語の中で一緒なので、ゲストの方によって作品の空気が変わることを、最も感じられる公演になっていると思います。やっぱり全然違うものね、歌の表現も、台詞も。
 姿月(あさと)さん、春野(寿美礼)さん、ゆみこ(彩吹真央)と変わることによって、三神の雰囲気が全く変わるんですよね。本当に楽しみです。
──では、絶対に三回観ないといけませんね!
 そうです! 
湖月 少なくとも三回は観て頂きたいですね!(笑)

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上級生、下級生を超えた「同士」で刺激し合い高め合って

──謝先生の演出や振付の魅力を、改めて語るとすると?
湖月 これだけ長年、作品を創り続けてこられて、尽きることのない創作のエネルギーが本当にすごいです。
 本当に、そこがすごいですよね!
湖月 先生の中で「ここでいい」というものがなくて。
 皆に苦労させてるね(笑)。
湖月 いえいえ!私たちダンサーって、筋肉痛が心地良いのと同じで、大変なほどやる気がわくところがあるから。先生がどこまでこの作品を創りあげていくのかが、楽しみです!
 韓国の先生に、私がパッと思いついて「こういうのもあるから、これも入れたら?」と言ったら「えっ?今から入れるんですか?」って驚かれて(笑)。
湖月 「皆さんも大変ね、いつもこんなですか?」と訊かれたので、「はい」と(笑)。
 私はやっぱり観客目線で見てしまうのね。観客の皆さんに楽しんでもらいたい、面白いと思ってもらいたいということを、常に考えているから。自分が見て楽しいと思うものでないと、お客様に楽しいと思ってもらえないだろうと信じているから、「こうしたらもっと楽しいよ!」ということになっていく。
 先生のそのエネルギーや、活力、ビジョンが尽きないから、そこに応えたい!という気持ちにこちらもなっていくんです。なんとかして謝先生に喜んでもらいたい「それ良いね!」と言ってもらいたい、その掛け合いですね。
 それは創り手としては本当に嬉しいことですね。皆が「もういいです」となったら、私も多分それ以上要求しないと思うけれど、皆が食いついてきてくれるから、「まだいけるんじゃないか?」と思える。特に、わたると水の場合は、ダンスが好きだからずっと続けていてくれる。宝塚を退団してからだんだんにダンスから離れていく人も多い中で、彼女たちがいてくれるのは嬉しいですね。
湖月 とくに水ちゃんとは、退団してからずっと一緒にダンスの公演をやってきたので、本当に頼りになる存在です。
 いえそんな、とんでもない!
──そういう、ご縁のあるお二人が互いに感じる魅力は?
湖月 水ちゃんとこんなにご縁ができたのは退団してからなのですが、一見クールな中に、実はすごく情熱があって、探求心もあるし、本当にすごいと思っています。フラメンコ、タンゴ、今回はアジアですが、これをやるとなった時の突き詰め方は尊敬に値する人なので、いつも刺激をもらっているし、家に帰ってもよく水ちゃんのことを考えています。「水ちゃん筋トレしてるかなぁ」とか、「水ちゃん動画見てるかなぁ?」って(笑)。
 私も「あ、この動画、わたさん(湖月)に送ろうかな?」と思って、時間を見て「あ、もう絶対寝てるからやめよう」(笑)と思うことがよくあります。
湖月 同世代の宝塚卒業生として、ダンスに向き合い続ける数少ない同士という感じです。もう上級生下級生という感覚は全然ないですし、一緒に高め合っていきたい、続けていきたい、水ちゃんが頑張ってから私も頑張るって。
 それは本当に同じです。学年は私が下なので、いつもわたさんの後ろを追いかけています。いつもは割りと同じことを一緒にやるという形が多かったのですが、今回は違うジャンルで、太鼓に正面から取り組んでいるわたさんを見て、改めて客観的に、その枯渇することのないエネルギッシュなパワーに刺激を受けています。私は低血圧なので、朝ぐったりしていることが多いのですが、朝からパワー漲るわたさんを見ると「今日も前向きに頑張らなくちゃ!」と思えます。
──そんな信頼篤いお二人をはじめ、素晴らしい皆様が活躍する『Pukul』について、改めてメッセージをお願いします。
 1幕はオールキャストが挑戦の連続です。2幕はガラリと変わって皆が身体に馴染んだダンスや歌のナンバーをご覧に入れます。新しいものが詰め込まれているので、それに挑戦している皆の姿に、「ブラボー!」と拍手が頂けたら、と思っています。
湖月 『Pukul』は、生命の源である私たちの鼓動、生きるエネルギーに満ち溢れたステージになっています。是非劇場に足をお運び頂きたいです。きっと何かを持って帰って頂けると思います。
 本当に百聞は一見に如かずで、この作品こそ言葉で説明するのではなく、目で見て、耳で聞いて、肌で感じて、五感プラス第六感でも感じ取って頂きたいです。全員、命を削ってやっていますので、命の輝きが燃え上がる瞬間を観にいらしてください。

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【プロフィール】
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しゃたまえ○兵庫県出身。71年宝塚歌劇団に入団。75年退団後渡米。帰国後振付家として東京キッドブラザース、夢の遊眠社、こまつ座、劇団四季、宝塚などで活躍。85年にTSミュージカルファンデーションを設立し、90年より本格的に演出家へと転向。数々のオリジナルミュージカルの企画・製作し、話題作を発表し続けている。第43回芸術選奨文部大臣新人賞、第20回菊田一夫演劇賞のほか、第43回紀伊國屋演劇賞個人賞、第16回 読売演劇大賞最優秀スタッフ賞、第34回松尾芸能賞など多数受賞。

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こづきわたる○埼玉県出身。1989年宝塚歌劇団に入団。2003年星組男役トップスターとなり、『王家に捧ぐ歌』で文化庁芸術祭優秀賞を受賞。2005年日韓国交正常化40周年記念『ベルサイユのばら』では、宝塚歌劇団初の韓国公演を成功に導いた。2007年『DAMN YANKEES〜くたばれ!ヤンキース』で女優デビュー。『カラミティ・ジェーン』、『愛と青春の宝塚』、『絹の靴下』、『クザリアーナの翼』等舞台を中心に活躍。女優としてはもちろん、ダンサーとして圧倒的な存在感を持ち、2015年『CHICAGO』アメリカカンパニー来日公演では唯一日本人女性としてヴェルマ役を好演。ダンス、ミュージカル、ストレートプレイと幅広く活躍中。

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みずなつき○千葉県出身。1993年宝塚歌劇団入団、2007年雪組男役トップスターに就任。宝塚歌劇の代表作『ベルサイユのばら』では、オスカル、アンドレなど主要4役を演じ、宝塚初の天覧公演の主役も務めた。2010年退団後は、舞台を中心に活動中。主な出演舞台は『7DOORS〜青ひげ公の城』、『客家〜千古光芒の民』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『新版 義経千本桜』、『FLAMENCO CAFE DEL GATO』、ブロードウェイミュージカル『シカゴ』宝塚OGバージョン、『エリザベートTAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』、ミュージカル『アルジャーノンに花束を』『パンク・シャンソン』〜エディット・ ピアフの生涯〜』ミュージカルコメディ『キス・ミー・ケイト』『ラストダンス−ブエノスアイレスで。〜聖女と呼ばれた悪女 エビータの物語』など。

〈公演情報〉
Cosmos Symphony『Pukul(プクル)』〜時を刻む愛の鼓動〜
構成・演出・振付◇謝珠栄
出演◇Regular Cast:湖月わたる、水 夏希、蘭乃はな、舞羽美海、坂元健児、大貫勇輔、島地保武/岡 幸二郎
千田真司、神谷直樹、田極翼、舞城のどか、鶴美舞夕
Special Cast:姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央(日程別出演)
●東京公演 12/9〜16◎日本青年館ホール
●大阪公演 12/21〜25日◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉東京公演/S席11,000円 A席7,000円、大阪公演/11,000円
〈お問い合わせ〉東京公演 0570-077−039(梅田芸術劇場)
 大阪公演 06-6377-3888(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)
〈公式ホームページ〉http://www.umegei.com/schedule/654/
 



【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】




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いよいよ開幕!『屋根の上のヴァイオリン弾き』入野自由&広瀬友祐 インタビュー

日本のミュージカル界で、長年愛され続けているミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』。その栄えある50周年記念公演が、12月5日からついに日生劇場で幕を開ける。
今回の出演者の中から、実咲凜音に続いて、入野自由と広瀬友祐の「えんぶ12月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

入野自由インタビュー

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長女ツァイテルと結婚する仕立て屋のモーテル役を演じる入野自由。
気の弱い、心優しい青年が、結婚は家長が決めるものというユダヤの厳格な戒律としきたりを乗り越え、愛し合うツァイテルへの思いを成し遂げる。作品の大きな山場を握る人物だ。
そんな役柄に、前回パーチック役で出演していた入野は、どんな思いとアプローチで挑んでいくのだろうか。

様々な経験を経た今だからできるモーテル役

──入野さんは2013年の公演にパーチック役で出演していますが、今回、モーテル役でのオファーを受けた時の気持ちをまず教えてください。
これまで演じてこられた方たちとの年齢の違いもあり、最初にお話しを伺った時には驚きがありました。でも前回出演させて頂いたことによって『屋根の上のヴァイオリン弾き』という作品の素晴らしさは肌で感じましたし、今、振り返ると、前回は若さに任せて、ただがむしゃらに突っ走って演じていたなと。そこから月日も経ち、様々な経験もさせて頂いてきた中で、今だからこそできることもたくさんあると思うので、今回また新たに、モーテル役でこの大好きな作品に取り組めることを嬉しく思っています。
 
──モーテル役はビッグナンバー「奇跡の中の奇跡」を歌い踊る、とても印象的な役ですが、役柄の魅力をどう感じていますか?
モーテルは気弱で、思ったこともなかなか口にできない人物として登場するのですが、そういう男性が、「ツァイテルと結婚させて欲しい!」と口にできた喜びを爆発させて、「奇跡の中の奇跡」を歌い、更に、父親になり、家族を持つことによってどんどん変わっていく。彼はこの物語の全編を通して成長していくんです。そこが見どころの1つでもありますし、父親としてたくましくなりながらも、根底に持っている優しさや信仰心は変わらない。彼のそういう面が、作品そのもののテーマにも通じているので、とても魅力的な役だなと思います。そんな彼の成長を大切に演じたいですし、それは自分だけでできることではなくて、ツァイテルの実咲凜音さんや、テヴィエの市村正親さんとのやりとりの中で出来上がっていくものだと思うので、稽古をとても楽しみにしています。

「座っているだけで夫婦」の市村さんと鳳さんを目指して

──相手役になる実咲さんは元宝塚のトップ娘役で、これが女優としての初舞台になりますが、共演する楽しみなどは?
パッとお会いした時にあまりにもキラキラしていらして「僕が相手役ですみません」と思ったんですが(笑)。
 
──そんなことは全くないです!とても素敵なお二人です。
でも実咲さんは今まで男役の方とお芝居をされていて、宝塚の男役さんはすごく凛々しくて、「ついて来い!」という感じだったと思うのですが、僕はそういうタイプではないので、彼女にとって新鮮かもしれません(笑)。二人で1つ1つ相談しながら丁寧に作っていきたいですし、特にモーテルとツァイテルは、舞台に出て来た時にはお互いに生涯の伴侶はこの人だと想い合っている関係ですから、そこに至るまでの、二人が心を寄せ合っていった過程をきちんと共有していきたいです。前回、市村さんと鳳蘭さんが、ただ二人で座られているだけで長年連れ添った夫婦に見える、その何気ない空気感に感動したので、僕たちもそうなれるよう頑張っていきたいです。この作品はユダヤの人々の暮らしや信仰が描かれていて、一見日本人には馴染みが薄い世界のはずなのに、50年も愛されてきたのは、根底に普遍的な家族愛、人種や国境を越えてわかり合える大切なものが流れているからだと思います。僕にとっても、深い思い入れのある作品の50周年記念公演に出演できる喜びを胸に、より深く深く表現していきたいと思います。全国で公演がありますので、是非各地でお会いしましょう!

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いりのみゆ○東京都出身。『コルチャック先生』で子役として初舞台を踏み、95年『逮捕しちゃうぞ』での声優デビューなど、多彩なジャンルで活躍。2009年にはCDデビューを果たすなど、更に活躍の場を広げている。近年の主な舞台作品は『屋根の上のヴァイオリン弾き』『タイタニック』『HEADS UP!』『ETERNAL CHIKAMATSU』『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』など。


広瀬友祐インタビュー
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次女ホーデルと愛し合う革命家の学生パーチックを演じる広瀬友祐。進歩的な思想でテヴィエ一家を驚かせるなか、唯一の理解者となったホーデルが、ついに政治犯としてシベリアに送られた彼を追って、愛する家族と故郷を離れる。作品の中で最も大きなドラマを内包する役どころだ。そんなパーチック役に挑む広瀬に、伝統の作品に新しい風を吹き込む意欲を聞いた。

素晴らしい出会いに心の中でガッツポーズ

──日本初演から50年の記念公演にオファーを受けた時の気持ちから教えてください。
率直に嬉しかったです。僕は生きるということは巡り合うことだと思っていて、出会いと別れを繰り返して人生がある中で、このタイミングで『屋根の上のヴァイオリン弾き』のパーチック役に出会えたことに、喜びしかなかったです。俳優として、市村正親さんとはいつかご一緒したいという夢もありましたから、心の中でガッツポーズをしました。
 
──市村さんや鳳蘭さんは、日本のミュージカル界の「顔」と言える方たちですね。
役者としても、人間としても偉大な先輩方です。僕はこれまで経て来た道程で、近くに素晴らしい先輩がいてくださることが、どれだけ人生を左右するかを強く感じていて、だからこそ、この機会に先輩方から吸収して学んで、作品に取り組んでいけたらと思っています。

受け継いで生まれ変わらせるパッションは常に持って

──演じるパーチック役についてはどんな印象を?
教養もあり野心もあり、まっすぐに革命に夢をかけている、とても純粋な青年だと感じているので、何よりもまずピュアに演じたいです。
 
──『エリザベート』でも革命家の役を演じましたが、理想に向かって何かを変えようとする熱い思いに共感するものはありますか?
僕は32歳になるのですが、もっと若い世代の人たちもどんどん出てきている中で、決して変えてはいけないものもありますし、時代に合わせて変えていかなければいけないものもあると感じています。先輩方が作り上げてきてくださったものを受け継ぎながら、良い意味で生まれ変わらせるのは、次世代の仕事だと思いますし、そういうパッションは常に持っています。今回も50年愛されてきた作品に携われるので、これから先もこの作品が愛され続ける為に、今回の座組ならではの新しい『屋根の上のヴァイオリン弾き』が作れたらと思っています。
 
──相手役になる次女ホーデルの神田沙也加さんとは『1789─バスティーユの恋人たち─』で共演していますが、今回がっちりお芝居をすることについての期待は?
『1789─バスティーユの恋人たち─』では舞台上で一緒のシーンがあまりなかったのですが、やはり気心が知れた間柄なので、役を作っていく上でやり易いですし、今回、再会した時、僕が「さーやで良かった!」と言ったら「ヒロで良かった!」と言ってくれました。そういう恵まれた環境の中で、僕の違う面も見て欲しいですし、さーや演じるホーデルと僕のパーチックがなぜ惹かれ合うのかにも、説得力を持たせられるようにしていきたいです。
 
──改めて、これだけの長い間、作品が愛され続けてきた理由はなんだと思いますか?
やはり本当に愛に溢れた、温かい作品だということではないかと思います。愛は誰でもが求めているものだし、それは普遍的なものだと思うので。僕がそんな作品の50周年記念公演に出演できることが、偶然ではなく必然だとするならば、これまで自分に関わってきてくださった方々、進んできた道程への感謝も大きくなりますし、僕自身のこれからの人生にとっても貴重な時間になると感じています。今、長く続いてきた伝統が利便性を求めるあまりに壊されることが増えていて、人生に疲れている方もたくさんいらっしゃると思います。そんな時代だからこそ、普遍の家族愛を感じられるこの作品に触れて頂きたいですし、僕も市村さん鳳さんにしがみついて頑張りますから、是非劇場にいらしてください!

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ひろせゆうすけ○東京都出身。日本人離れしたマスクと恵まれたプロポーションで、2.5次元作品を皮切りに、数々の舞台で注目を集める。近年は大作ミュージカルへも次々に出演。更に活躍の場を広げている。近年の主な舞台に『エリザベート』『1789─バスティーユの恋人たち─』『ロミオ&ジュリエット』『グレート・ギャツビー』『パジャマゲーム』等があり、18年『1789─バスティーユの恋人たち─』で再びフェルゼン役での出演が控えている。


〈公演情報〉 
やね
ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』
台本◇ジョセフ・スタイン 
音楽◇ジェリー・ボック 
作詞◇シェルドン・ハーニック
オリジナルプロダクション演出・振付◇ジェローム・ロビンス
日本版演出◇寺秀臣
出演◇市村正親 鳳蘭 実咲凜音 神田沙也加 唯月ふうか 
入野自由 広瀬友祐 神田恭兵 今井清隆 ほか
●12/5〜29◎日生劇場
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)




【構成・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】



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